今朝は朝8時から皇室典範改正問題を論議する自民党の内閣部会会合があったので、永田町の自民党本部に直行しました。会合は冒頭のあいさつ部分を除いて非公開なのですが、記者たちはなんとか議論内容をとらえようと「壁耳」にいそしみます。

  ありていに言うと、ドアの隙間から漏れ聞こえる声に耳を澄ますだけなのですが、話者と会議場所によってはけっこう聞こえるのです。

  私の場合、生まれつき左の耳があまり聞こえないこともあって、この壁耳が苦手なのですが、きょうは皇位継承制度に関する部会の中間報告素案が出るとあって仕方ありません。ドア傍に陣取りました。

 遅れてきたり、中座したりする議員や代理出席の秘書が出入りしてドアが開くたびに声が大きく聞こえます。あほらしくもありますが、会合後のブリーフが微妙にニュアンスが違うこともありますので仕方ありません。

   内部に入っていた議員や秘書からもあとで取材し、複数の人の話をすり合わせもします。壁耳が得意で「神の耳」と呼ばれた同業他社の記者もいました。

    こんな原始的な手法は、記者だけがやっているかというと、霞ヶ関の官僚のみなさんも国会内でよくやっています。与党幹部の記者会見や議員同士の話し合いを、若手の官僚が通風孔に耳をあてて必死にメモをとる姿は日常風景です。

   それで、こんなことをやっていると議員の人柄がけっこう分かることもあります。ドアの周囲に張り付く記者たちをさも邪魔そうに引き剥がし、にらみつけたあげくに「違う部屋だった」とばつが悪そうに出てきた元外務副大臣殿にはむかつきました。

  一方で、邪魔をしている私たちに低姿勢で「すいません」といいながら横を通り抜ける議員もいます。当たり前ですが、政治家といっても人それぞれです