訪中している北朝鮮による拉致被害者の「家族会」と「救う会」のメンバーと、中国の研究機関関係者らとの意見交換会がすべてキャンセルされました。極めて非礼で不愉快な話ではありますが、ああ中国ならそんなところだろうな、と妙に納得もしてしいます。


 小泉首相の初訪朝時に金正日が拉致を認めるまで、朝日新聞は拉致被害者を北朝鮮の言うままに「行方不明者」と書いていましたし、社民党議員をはじめ多くの国会議員たちはこの重大問題に全く無関心でしたから。

  

 そんなことを考えながら手元の資料をがさごそひっくり返していたら、公明党が平成15年ごろ、全国の関係者に配布したレジュメ「拉致事件と日本共産党の責任」(No.1)と「北朝鮮帰国事業と日本共産党の責任」(No.2)が出てきました。ありていに言って、これを用いて共産党を批判・攻撃しなさいという手引書のようなものですね。

  

 それによると、No.1の方は次のような内容です。

  

1.      被害者の心情を踏みにじった共産党

(1)   政治に解決を求める以外に方法のない被害者の心情

(2)   「日本共産党は拉致問題を国会で真っ先に取り上げ、取り組んできた」(赤旗)との「手柄話」に対する関係者の怒りの声

2.      拉致事件の解決を妨害し続けた共産党

(1)   拉致事件の解明を実質的な理由とする兵本達吉氏に対する除名処分

(2)   拉致事件を〝迷宮入り〟させようとする共産党幹部の不可解な発言

3.      共産党が拉致問題解決を妨害する理由

(1)   社会主義、共産主義に対するイメージダウンにつながる

(2)   北朝鮮がそのような「危険国家」であることが国民の前に明らかになれば、有事法制が必要だという国民世論が芽生え、共産党のとる政策と逆行する

(3)   共産党は水面下で朝鮮労働党と関係修復に動いており、共産党が拉致事件の解明をすれば、北朝鮮との関係がこじれてしまう

  

 また、No.2の方は次のような構成です。

  

1.      そこは地上の楽園ではなく「凍土の地獄」だった

2.      在日朝鮮人を「死の国」に送還しつづけた共産党

3.      日本共産党の責任

4.      日本共産党と朝鮮労働党は「兄弟党」であった

(1)   日本共産党員で占められた朝鮮総連幹部

(2)   訪朝の際における宮本団長の挨拶

(3)   〝関係修復〟に動いた日本共産党

(4)   〝兄弟党〟だからといって帰国者の安否に目をつむり〝関係修復〟といって拉致被害者の救済に手をこまねいた共産党

  

 現物は、上のような章立ての中に、横田夫妻の言葉や兵本氏の証言、新聞報道からの抜粋が入っています。宮本顕治氏の訪朝時の言葉としては「心からの兄弟の挨拶をおくります」「両党は共通の敵に対する闘争の中で、互いに支持しあい、戦闘的な友情によって深く結ばれているマルクス・レーニン主義の党であります」「我々は、今後とも反動勢力の圧迫に対し、在日朝鮮人の皆さん方の正当な民族教育を受ける権利及び往来の自由、帰国の自由のために闘うつもりであります」などを紹介しています。

  

 いやぁ、なかなか激しい内容ですね。公明党と共産党の関係がよく分かります。一方の共産党側も、「しんぶん赤旗」(15422日付)などで、「北朝鮮問題『反省なし』は公明党です」「自分のことは語らず 共産党の悪口ばかり」として公明党に次のように反撃を加えていますね。

  

 《公明党はどうか。1989年、同党国会議員6人が韓国大統領あてに、日本人拉致実行容疑者・シン・グァンスの釈放を要望しました。これこそ、拉致問題解決の妨害ではありませんか》

 

 《公明党の浜四津敏子代表代行は、「北朝鮮と日本共産党は兄弟で仲良し」(20日、東京)などとでたらめな演説を行っています。事実はまるで逆です。北朝鮮は金日成(いまは金正日)個人崇拝体制で、「国民が主人公」の社会を目指す社会主義とは縁もゆかりもありません》

 

 《一方、公明党は、1972年に竹入委員長が訪朝し、金日成の個人崇拝体制を賛美。金正日の総書記就任の際に、藤井富雄「公明」代表が「故金日成閣下の魂を継承され、金正日閣下の指導体制の下でのご繁栄」を願う祝電まで送っています。公明党こそ、まるで兄弟のように個人崇拝体制を賛美した「仲良し」だったのです》

  

 まあ、どっちもどっちのような気もします。自民党も、小沢一郎氏の師匠だった金丸信氏が訪朝して感激の涙を流したり、まったく無意味だったコメ支援を延々と続けてきたりした経緯がありますね。本当に、北朝鮮にかかわったらろくなことがありません。

  

 かつてわが国内がこういう体たらくだったことを思い起こせば、ましてや北朝鮮の本当の兄弟国である中国が拉致被害者家族らにとった無礼な対応も、さもありなんだと考えたわけです。もちろん、それはそれとし、中国のこのやり方は、やはり心に刻んでおこうと思っていますが