今朝の朝日新聞によると、公明党の太田昭宏代表は昨日の講演で、安倍政権に中道路線を求め、核保有論に関する議論を封殺してはいけないと主張する中川昭一政調会長と麻生太郎外相を名指しで批判したそうです。

 正直なところ、「何を偉そうに。だから、あなたたちはダメなんだ」と思いました。それと同時に、日本が中道路線という名の中途半端な立場をとり続け、核アレルギーを堅持したならば、一番喜ぶのはやはり中国だろうなと連想しました。

 で、この際、今年2月10日にあった中国の胡錦濤国家主席の側近、戴秉国氏と公明党幹部との会談内容を紹介することにしました。中国と公明党の関係の一端が表れていると思うからです。表に出ている話とだいぶ違うし。まずは、その会談を報じた公明新聞から…。

 《公明党の神崎武法代表は10日、衆院第2議員会館で中国の戴秉国外務次官、程永華駐日公使らと会い、日中関係の友好促進などについて懇談した。公明党から冬柴鉄三幹事長、遠藤乙彦国際委員会顧問、赤羽一嘉同副委員長、高木陽介広報局長(いずれも衆院議員)、福島豊衆院議員、西田実仁国際局次長(参院議員)が出席した。

 懇談の中で戴次官は、公明党と中国の関係について、「良好な関係を保っている」と主張。その上で、日中関係の維持に向けた公明党の取り組みに感謝の意を示し、「中日両国の美しい未来のために、ともに努力していくべきだ」と語った。

 神崎武法代表は、「日中関係は2国間だけでなく、アジアや世界の平和にとって重要な関係であり、今後もこれは変わらない」と強調した。》

 当たり障りがない記事ですね。しかし、弊紙が複数のルートから得た情報を総合すると、実際には、戴氏と神崎氏らとの間では、次のような会話も交わされていたようです(テープがあるわけではないので、完全に正確とは言いませんが、大意は押さえていると思います)。

 戴氏 公明党は与党であり、中国とは良い関係にある。公明党と中国共産党の協力は成功している。公明党の長い間の、日中関係を維持するためのさまざまな努力に感謝している。早くも60年代から70年代に、池田(大作)名誉会長が日中友好のためにさまざまな発言をされた。私も池田名誉会長のとても重要な談話をみた。すばらしい知恵が含まれていた。池田名誉会長のそうした考えが、日本の数多くの政治家に伝わっていくことを望んでいる。

 中日関係は、これ以上悪くしてはいけない。両国の人民のためにも、難局を打開し、美しい関係への努力をしていくべきだ。今、中日の政治的障害(注:靖国)を注視していく気持ちは、世界でも強まっている。私は最近、米国人とも会ったが、米国も中日関係がこれ以上悪くなるのは望んでいない。米国でも、参拝すべきでないという人はますます多くなっている。中日関係をよいものにしていくのは大きな流れだ。皆が望んでいる。公明党は与党として、他に代わることのない役目を持っている。

 
神崎氏 日中の政治的障害を取り除くのは、なかなか簡単ではない。それが打開できず、苦慮している。経済関係はすばらしいが。両国の政府が問題を解凍する方向で話し合うことが大事だ。感情的なナショナリズムを煽ることのないようにしたい。

 
戴氏 中国の方からいえば、これまでも最大限、できる限りの努力をしてきた。歴史問題は、中国が引き起こしたものではない。問題を起こした方がやらないと、問題解凍はできない。靖国は政治的に重大な問題だ。つまり、あの戦争が侵略戦争であったのか否か、東京裁判は正しいのかどうか、A級戦犯はどうなのか。第二次世界大戦の処理が正しかったのかどうかにかかわってくる。アジアの国々の被害感情は傷つけられており、参拝はそれに塩をかけるようなことだ。

 中国はどうしてもこだわるのではなく、子供のけんかではない。個人の感情、心の問題でもない。責任を持って国の指導者としてどんなことをなすべきか考えてほしい。誰が次の総理になっても参拝すべきではない。(靖国問題は)永遠に取り除くべきだ。

 …判明している範囲だけでもいろいろと言われていますね。公明党側は、支持母体の名誉会長が称賛されたので喜んでいたようですが、印象としては、ほとんど反論もせずに戴氏に好き勝手言われ放題だったように感じます。

 まあ、外交の話ですから、会談内容をすべて表に出せとはいいませんし、公明新聞にもっと詳しく書けとも言いません。公明党さんが与党になり、認知度も上がって自信を持っていることは分かります。選挙協力を通じて自民党に対する発言権も増したと感じているのでしょう。

 ただ、自民党側が公明党の政策や個々の議員を名指しで批判したりしないからといって、太田代表のような自分たちがいつも正しいから言うことを聞きなさいと言わんばかりの態度はいかがでしょうか。

 公明党の幹部の中には、台湾に対する考え方を聞かれて「わしは親中一本だから」と答える人もいます。それは自由ですが、現在進行形で自国民を弾圧したり、平然と農民差別をしたりする共産党一党独裁国と、あまりべったりなのはどうでしょうか。

 神崎氏は戴氏との会談で、靖国問題ではまったく中国側に立っていましたが、私は、与党である以上、中国側に堂々と反論し、日本の首相を守るようであってほしいと思います。無理かもしれませんが。