いじめや学級崩壊、不登校や必修科目の未履修…。山積する教育の課題について、日教組出身の国会議員たちは何をやってきたのでしょうか。私が彼らの活動で気づいたことといえば、慰安婦問題で事実検証を抜きにひたすら騒いだりとか、昭和の日の成立の邪魔をしたりとか、あまり教育そのものと関係がないことばかりのような気がします。

 あっ、義務教育国庫負担金の削減には強く反対していました。この点で文部科学省と仲良くやっていたのを思い出しました。カネめの話ですね。

 で、今朝の産経は、教育基本法審議や森喜朗元首相へのインタビュー記事など、日教組関係の記事が盛りだくさんです。弊紙でもこれだけ一度に日教組が取り上げられることは、あまりなかったと思います。ようやく日教組の実態に注目が向けられる時代になったのか。

 本紙の購読者の皆様はすでに紙面でお読みになったと思いますが、重複をお許しください。森氏は次のように述べています。たびたび素っ頓狂な言動で注目を集める人ではありますが、私はさすがに地方の事情も知る文教族だなあと思いました。

 「一番の問題は知事だと思うね。知事は必ず自治労と日教組と妥協するんです。それで次の選挙で応援させる。そうすればよほど失政がない限り、2期、3期はやれる。さらに4期、5期…。地方議会も知事の子分に成り下がっている。

 だから日教組、自治労を壊滅できるかどうかということが次の参院選の争点だろうね。どう決別できるか。民主党にはできないんだから、自民党はそれを争点にすべきだと思うよ」

 私はずっと前から、次の参院選の争点は自治労と日教組だと言い続けてきましたので、「我が意を得たり」の心境でした。こういう認識が自民党内にも広がりつつあるのでしょう。

 山梨県では、教育行政のトップである教育委員長に元山教組幹部が就いています。安倍政権が、教育改革と社会保険庁改革、地方公務員改革を本気で進める気なら、当然、ぶつかるという話ではありますが。

 また、教育基本法特別委員会の関連では、自民党議員が日教組出身の参院議員が5人いることを指摘し、民主党と日教組の癒着をただしたことを記事にしています(当然、他紙は無視)。

 この5人のうち4人は民主党所属議員です。輿石東参院議員会長のことはたびたび書いていますが、たまには別の議員に関しても言及したいと思います。横浜市教組出身の那谷屋正義参院議員という人がいるのですが、この人の選挙でも、輿石氏の選挙同様、スキャンダルがありました。

 ちょっと古い話ですが、平成16年12月1日付の本紙社会面には、次のような小さな記事が載りました。

 「七月の参院選で民主党の比例代表に立候補し、当選した那谷屋正義参院議員への票のとりまとめの報酬に現金を労組幹部に渡したとして、公選法違反(買収など)の罪に問われた元神奈川県教組委員長の○○被告の判決公判が三十日、横浜地裁川崎支部で開かれた。矢村宏裁判官は『買収は悪質で、被告の刑事責任は重い』として、懲役一年六月、執行猶予五年を言い渡した。」

 本人がやったことではないとされたので、那谷屋氏自身は別に罪に問われていませんが、日教組は一体、何をする団体なのでしょうか。もちろん、選挙違反自体は与野党通じて珍しくはありませんが、本来は政治的に中立であるべきで、さらには子供に教育する立場の教師の団体がこういうことをやることに、私は強い抵抗感を覚えます。

 本日の産経には、「公務員労組〝包囲網〟」という記事も掲載されていて、こちらでは匿名の日教組関係者のコメントが出ています。それは「安倍政権が重要課題に掲げた教育再生をやり遂げるために、〝敵〟に仕立て上げられた」というものです。

 というか、最初から安倍政権の誕生を敵視し、何もする前から安倍戦争内閣だの、民主主義否定内閣だの攻撃していたのはそっちでしょうに…。と、ここまで書いたところで、やっぱり輿石氏に触れたくなりました。少し古い資料のコピーですが、輿石氏の衆院議員時代の選挙活動が、堂々と学校内で行われていた事実を示すものです。

 《山梨県選挙区第1区(甲府支部)協力分会会議
                  1995.10.19 18:00~
                       石和中学校
 1.開会のことば
 2.執行委員長あいさつ
 3.情報・経過報告(内藤副委員長・高村甲府支部書記長)
 4.各小学校区においての作業
  (1)連絡方法の確認
  (2)校区の確認
  (3)確票に関する校区の特徴
    (団地の有無・住民層・保守票の地盤など)
  (4)点検活動の計画(組分け・分担等)
  (5)その他
 5.閉会(終了後小学校区ごとに解散)》

 学校内での政治的活動を禁じた教育基本法に違反するのはあまりにも明白なのですが、輿石氏も山教組も、自分たちがさんざん踏みにじった教育基本法を守れ、と唱えています。できの悪い冗談のようです。

 山梨県のある教員は、「当時も県教委も市教委もこんな違法な政治活動を知っていて、見ないふりをしていた。今回の必修科目の未履修だって全部承知していたはずだ」と話しています。

 自治体、県教委と教組のなれ合いに、それを支える教組出身政治家の政治的圧力…。森氏がいうように、こんな構図は壊滅させて、一からやり直した方がいいのかもしれません。