麻生、福田両自民党総裁候補の公開討論全文②のテーマは、「国家像」「リーダー像」「クーデター説」などです。何かの参考にしていただければ幸いです。

【国家像】

 

福田) 正直申しあげまして、自民党の総裁選だ。そして、その自民党の国会議員同士で議論していますとね、まあだいたい同じような結論になるんですね。それは昨年、ちょうど1年前の総裁選の記録をみてもらいたいが、最初はなにかずいぶん違うなという感じを受けていたものが、最後のディベートなんか、なんだ同じだなという思いを私は大変強くした。過去においてもいろいろと総裁選があったが、しかし基本的な考え方は似通ったものであると思っていて、麻生候補の話を聞いたが、ちょっとニュアンスの違いとかはあったとしても目指すところは似ているなと思った。ちょっと違いがあるとすれば、私は割合と遠い将来を見据えた議論もしている、しかし、麻生候補は割合と近場ですね。近場を中心とした議論をされている。こういう違いがあるのかなと思う。そういう意味で言うと、たとえば「誇れる国日本」というキャッチフレーズを掲げているが、誇れる国というのは将来誇れる国であってほしいということだと私は理解しているがそういうことでいいのか

 

麻生) 私は自民党の党員として自民党員ですと、青年局ですというように誇れるようになりたい。私は党員に対していつもそう思っている。同様に日本人も何人ですかと聞かれたときに私は日本人ですと堂々と誇れるような日本という国が私共の目標にすべきだと。落ち着くところはここが一番国民として大事ではないかと申しあげているので、短期にも長期的にも誇れる国というのは短期の目標でもあり、長期の目標でもあると思っている。

 

福田) (麻生氏は)時々、BBCの調査を例にあげて言っているが、BBCの調査によると日本は非常に国際社会に役にたっている良い国だということだ。世界一だと麻生候補も説明している。しかし、昨年1月の調査と今年の調査では、若干差ありますね。昨年は本当の一位だった。いまはもう1つ、一番の国が出てきたんですね。日本が下がって他国が上がってきたということだ。だから、どうも誇れる、そういう意味では誇れる国日本というのは、まあ昨年、一昨年とかをピークにして、だんだん下がってくる心配があるのではないかと。こんな風にも思う。特に最近はODAも相当減額をして、そして一頃は今から10年前は世界一のODA供給をしていたと。しかし、いまはそれがどうやら今年か来年辺りは4番、5番になるんじゃないかと。それが金額的に多いということであればいいが、しかし、人口当たりの1人当たりのODAということになると、一番良くてもやはり10番以内と、いまは20番に近くなっているのではないか。それだけ国民1人ひとりが負担しているODAというのは諸外国に比べて少ないという実情が先の外相としてどう思うか

 

麻生) 基本的にいま言われたのは昨年、カナダが同率1位になった。3位が確かイギリスだったと記憶する。そういう意味で私共は少なくとも誇れる国であったという話で、いま誇れる国ではないというなら、なおさらいま誇れる国にすべきだと思う。ODAの額というのも極めて大きい。確かにODAの総額は例の一律3%のマイナスという指示でODAは減らされてきたというのがこの5~6年間、間違いない事実だ。そういう意味では日本として、きちんとした対応をもっとしてもらいたいと国連からの要請もたびたびあった。それに対して、我々としてはこれまでいろんな努力をしてきた。これも間違いない事実だ。しかし、カネと同時にやはり日本という国は、たとえばよく例にひくホンジュラスという中米の小さな国だが、このホンジュラスに行っている海外青年協力隊、なんでホンジュラスの子供はこれだけ計算、算数ができないということをいろいろと考えて、要は教科書が悪い、教え方が悪いという結論に達して、海外青年協力隊がみんなで集まってホンジュラスでスペイン語で算数の教科書をつくった。これによって結果が出た。そしてホンジュラスは昨年から日本の海外青年協力隊が作った教科書を初めて国定教科書にして隣国にもぜひという話をしておる。算数の先生がつくったのではない。海外青年協力隊いろんな分野の人がつくっておる。こういったものが日本として大きな力を出していると思っている。カネも大きい。しかし、日本というものが出しているその他のものというものも大きく評価されてしかるべきだと思っている。

 

福田) まあそうおっしゃいましたけれども、それはですね過去のこと、過去のことなんですね、これからどうするか、これから本当に誇れる国になるかどうかということが問題なんだと言うように思います。私はどちらかといえばですね、その後者の方をとりたいと言うように思いまして、そのためにまあ日本がどのようにすべきなのかこれはあの格好だけではダメなんです、中身が伴っていなければいけない、内容の充実が必要なんだというように思っておりましてですね、まあ環境問題についてもですね、日本が先進的な立場で諸外国をリードすると言うことが必要なんだというように思っております。でそのためですね、具体的な案も私は用意をしておりますけれども、部分的に用意しておりますけれども、まあそういうものを核にしてですね、諸政策を展開していきたいと思っております。あの、麻生候補いかがですか、そういうようなことで同じ考え方でしょうか。

 

麻生) あの、それは質問ですか。

 

福田) 同じような考え方ですよね。

 

麻生) あの誇れる国というのは常に、今でも必要以上に自虐的な史観を私は持っておりませんし、そういった自虐史観に基づく考え方を私の哲学とは合いません。従って誇れる国と思っておりますし、今後とも誇れる国であり続けるようにするというのが一番肝心なところだと、私は基本的にそう思っております。

 

福田) あの誇れる国でいいですよ、それは。これからの問題なんですね。それからそういう意見が出ますとすぐ自虐史観とかそういうように切り捨ててしまうと言うことがですね、これが問題があるんではないのかな、というように私は思いますがどうでしょうか。

 

麻生) 私は自分の国を少なくとも私ども親から習い、また私ども幸いにして学校から習った時期において、そういう感じで自分の先祖を何となく明治、またその前に向かっていろいろな脈々としてつづいてきた伝統というものは誇れるもんだと、私はそう思っております。事実それに立脚して全く過去60年前と60年以降では全く違う国かのごとき話しには私はくみ致しません。従ってそういうものを前提として歴史を伝統として、それに立脚して今後どうやっていくかということを申しあげてるんであって、今後もこれからも、我々が作り上げてきたそういったものを一つ一つ、紙芝居を例に引きましたけれども、そういった例を含めまして、今後ともそういった土台の上にたってという話しを申し上げております。

 

福田) あのそういうようなお話になってしまいますと、現状を全て認めてしまうと言うような感じになりますね。で私は現状にはいろいろ問題がある。また将来を考えた上においては今までの考え方を大いに変えていかなければならない、まあこういうような課題がたくさんあるわけですね。ですからむしろそういう課題がたくさんあるんだと、今の日本の状態をですねもっとよくしていこうという気持ちが良く、なければですね、日本は良くならないんだと思います。そして誇れるような国になりたいというのが実際には妥当なんではないかという風に思います。それからあの先ほど社保庁の解体について、あの麻生候補からお話がございましたけれども、これはあの、既に6分割するということが決まっていると、いう陽に理解しておりますのでこれはあの補足をさせて頂きます。

 まあ現状は肯定したいです、肯定したいけど肯定しきれないことが、まあいろんな所で出てきているわけですね。例えば教育の問題もそうです、まあ地方の問題もそうです。そういうことをどうしていくかということが我々に科せられた課題だというように思っております。政治家って言うのはね、問題を解決するのが政治家なんですよ、問題を起こすのが政治家の仕事ではありません。ですからこの問題解決、この問題も山ほどあるんですよ、それをひとつ一つ着実に解決していく、という中で国民との信頼というものが生まれて来るというように思っておりますので、私はそういう方向で努力していきたいと思っております。

 

麻生) 将来に対してのところで、今は誇れる国か今後とも誇れる国であり続けるかっていうような話しが、いや質問が福田候補の方から質問があっておりましたが、私は基本的には今後とも、現在も私どもは誇れる国なんだ、と言うことにもっと自信を持つべきだということを申し上げてきました、日本の底力とか、いろんな表現を使わせて頂きました。一年前もこの言葉を使ったと思います。
 そういう意味では今、我々に科せられている問題というのは、少なくとも小泉改革、安倍改革の中で、中長期的な方向は決して間違っていなかったと言うことは出ていると思います。ただそれによって短期的な話しが今起きてきております。それが年金であったり、地域的格差であったりいろんな所で問題が起きてきている。その問題を我々は長期的ではなくて、短期的な部分を今解決せねばならぬ、というのが今の内閣に与えられている最初の仕事なんだと私はそう理解をしておりますんで、短期的なところだと、いうところを申し上げております。そのためには信頼が必要、当然のことです。そういった意味では私は今の置かれている状況というのは決して絶望もしませんし、あまり悲観主義に陥ることもありません。我々はこういった過去を、いくつか難しい課題をくぐり抜けてきたという知恵とそういったものをやってきたという歴史というものをもっと信頼をし、日本人に対する信頼というものをもっときっちり持った上で政治というものに取り組んで参りたいというように思っております。

 

【リーダー像】

 

Q 麻生さんがおっしゃったように1年に2回も総裁選をやる事態に行ったのは、安倍総理の突然の辞任表明、退陣表明だった。一国の総理の出処進退としてそれをどう見るのか、リーダーの責任の取り方はどうあるべきか

 

福田) あの、これはなにも総理大臣だけではない話しですけれどもね、やはりトップリーダーと言うのは、これはねやはり出処進退、これがきちっとしていなくてはいけない。これができないと組織が持たない。そう考えていいんじゃないかと思います。これは極めてその、大事なことだと思います。やめた後にどうなるかと言うことに影響してくるから大事なことだというように私は思っております。総理大臣の場合は日本全体のリーダーですから、これは極めて重いものがあります。
 そういう意味においてその、退陣の時期、決断をするって言うのは、大変重い決断だと思います。このことにですね政治家は全てを賭けてもいいという風に思っていると言うところがありまして、これは自分の利益とか打算とかそういうことではこれは決断できない話しでありまして、日本全体のリーダーシップとしてどうあるべきか、リーダーになる人はそのことは常日頃持っていなければいけない問題であると思います。
 そういう意味において、私あの、今こういう事になったということ、私決断の時期、これを間違えられたと思っております。それはやはり参議院選挙で敗退をしたとあの時期がですね、決断の時期ではなかったかと思っております。で、もしあのとき今のように、その続けるんだと言うことを決断されたのならそれはそれでですね、大変重い決断だったと思います。しかしそのためには本当に苦しい道をご自身が歩む、その覚悟がなければ、この決断はしては行けない。まあ、普通で言えばですね、参議院選挙で負けたっていうことは自民党が参議院で力を失ったと言うことでありますから、その影響は極めて大きいわけでありまして、そのことだけで十分辞任に値する、そういう課題、問題だという風に思います。そしてそれを続投されたと言うことはその後は茨の道ですよ、どっちに転ぶか分からないけれども、しかしとことんやるんだと言うところで、最後の最後に決断すべき、そのタイミングが適当でなかった、というように私は思っております。

 

Q 参議院選挙の大敗で、一番最初に続投を進言した麻生さんだったといわれています。それを含めてリーダーの出処進退のあり方をどう考えるか

 

麻生) リーダーたるもの、人に別にリーダーに限りませんが、何かするときには人に相談する、しかしやめるときには相談しないもんです、みんな引き留めるから。だからそういった意味では引き留めないってのは正しい相談しないのは正しい。私は常日頃そう言われて育ちましたんでそう思っております。従って今回の話しにつきましては言われる時期としては、所信表明の前ならともかく、しゃべって言われるのは少なくとも今の時期ではありません。テロ特措法が終わってからですと言うことを申し上げたのが自分の基本的な考え方です。参議院の選挙の後の話しがありましたけれども、参議院の選挙というものは前政権のいわゆる負の遺産というものをかなりの部分引き継いできた、というのは事実ですから、そういう意味ではその責任全てを一人でしょわれるというのはいかがなものか、私は基本的に今までもそう思っております

 

【クーデター説】

 

Q 麻生クーデター説などいろんな事が言われているが、安倍さんを追い込んだのは誰なのか、いろんな事を言われていることに終止符を打つためにも、具体的に説明願えませんか

 

麻生) この種の話というものは、今おもしろおかしくいろいろ出ておりますし、私と与謝野馨が一方的にやられた形になっていると思いますが、今総裁選挙をやっている真っ最中ですから、こういった話しを、まあ作られる話って言うのはよくある話しだと思いますが、あまり次元としてはいかがなものかという感じがしますんで、橋本さんの質問でございますけれども、これはいずれ安倍総理に聞いて頂くのが一番だと、私は基本的にそう思っておりますので、今この段階でこの種の話しを実はこうですと、言うことをいって、そちらのネタの提供にはなるかもしれませんけれども、私どもとしては自分の党の品格を汚すようなことはさけなければならんと、基本的にはそう思っております。

 

Q 私にではなくて、国民に対して説明すべきではないでしょうか

 

麻生) あの私は基本的には、うかがったのは、今言われました話しから言わせて頂ければ、えーと月曜日の日、所信表明の終わった後の役員会で初めてその話しがうかがったのが最初です。で、この時期ではとんでもありませんということを申し上げて、うかつにそういったことを言われるべきではないと申し上げたのが最初。それから二日目になりまして、しかしこの話を私が外にもらしたことはどなたも聞いた方がいらっしゃらないと思います。二日目が火曜日でしたけれども、このときは政府与党連絡会議が終わった後、官邸でありましたんで、官邸でありましたんで、総理大臣の部屋でその話し2回目うかがいましたんで、あの明日、代表質問が、あ、いや、所信表明が終わって最初の代表質問が明日ですよと、そういった時期なんであってこれはこれはテロ特が形がつくまで、ということを申し上げたんで、これは断固今はやられるべきではない、ということを2回目申し上げました。
 この話を外に漏らしたこともない。私がうかがっている範疇はこれだけです。従って前の日にいろいろ、クーデターだといろいろありましたけれども私にとりましては全く関係ないと思っておりますんで。これはいずれ安倍総理から直接聞かれた方がよろしいんだと思いますんで、私自身は全くその点に関しては、だいたい私はそういった趣味でもありませんし、あの今申し上げたのが事実で、極めて短時間ではありましたけれども、それを持って人に相談すべきだ、という話しはございますが、これは人に相談したとたんに、ばっと広がりますから私は人からそういった決意をうかがったときには、安易に漏らすべきではないと私はそう思っておりますんで、ずっと漏らさず最後まで説得しようとしましたが説得できずに次の日にはああいう形になったというのが私の正直な感想です。

 

【リーダーに必要なもの】

 

Q 政治的な手法も極めて対照的なお二人ですが最高のリーダーとして最も大切なものはなにか、ずばっと一言で。

 

麻生) 孤独に耐える力。

 

福田) まあ一言って言うのも難しいんだけれども、全部総括してですね、やっぱり決断ですね。その決断もですね、やめるときの決断っていうのが一番大切なんじゃないでしょうか。

 

Q キャラが立つかどうかっていうのは一番大切な条件ではないでしょうか

 

麻生) 総理としてキャラが立つというのが大事かと言うことですか?総理として、キャラが立つという言葉の場合、自由民主党としては次に総選挙というものが控えておりますんで、2年以内にあります。その総選挙に勝つというのが、自由民主党に与えられている、総裁としての仕事だと思いますので、その総選挙にとってということが一番大きな話であって、それはキャラが立った方がいいのか、立たない方がいいのか、ということは、キャラが立つという事も分かったとこの間言っておられましたんで(福田の方を見て)21世紀はキャラが立つ、とかいろいろな表現がありましたけれども、あの立っておられる、立つと言うことが選挙にとっていいことかどうかということはこれは今の段階では申し上げる段階ではないと存じます。

 

Q 福田さんは去年の夏、総裁選に出ない理由として「もう年も年だ。70歳になって気力も体力も衰えてきた。現代の首相は行動力がなければ務まらない」と言われていたが。71歳で突然、気力体力が蘇ったと言うことか。

 

福田) まあ昨年は昨年でいろいろなことがありましてね。ですからあの私いつも申し上げているんだけれども、その一つのことの政治判断というのはいろいろな事情を総合して決断すると言うことがあるんじゃないでしょうか。私はそれをそういう意味で言いますとね、あのときの事情はたくさんありますよ、なぜ立たないのか。私も選挙区行ってね、ずいぶん言われましたよ。なんであなたやんないのか。そこでこういう理由があるんですと、いくつも並べましてね、そうか、それじゃしょうがないなと、こういう風に思って頂いた。ずいぶん苦労しましたけれどもね。そういうところをですね、一言でですね、ぶら下がり取材でもって言おうとおもうと、ああいうのが一番いいんですね、簡単なんですね。よくある事じゃないですかああいうのは。

 

Q 今年、福田さん、もともと総理になるつもりはなかったと。多くの方々から激励、推薦をいただいたので決断したと公言していらっしゃるわけですけども、そうすると、風向きが変わって多くの人から批判されたり、足を引っ張られたりした場合はおやめになる考えなのか。現に福田さんは04年5月に年金未納を理由に突然官房長官をお辞めになった経過があるわけだが、いかがでしょうか。

 

福田) まあ、あの政治家の判断はいろいろな事情の総合において行われるということでありまして、過去のそういう判断をですね、そのときどきの状況に応じてやっているんだということでご理解をいただきたいと思います。まあ、今回ですね、私は、これある意味においてはですね、総裁選びのね、この手順ですね、執行部、もしくは選挙管理委員会が決めたこの手順が、あまりにもせっかちというかね、そういうようなスケジュールであったと思いますよ。辞意表明をして、そして翌々日ですか、その次の日ですね、にはもう告示だったいうんですよ。極めて短時間に決めなければいけない。ですから、この短時間にみなさんの政策を聞いてどうこうなんて、そういう余裕はないんですよ。もうあたふたと、みなさんからワーッと、やれという声がかかってくる。そして政策の中身を詰めよ、というふうにいってもですね、それはなかなか整理なんかつかない、こういう状況。であれば、自分で政策も考えてやるしかないということになりましたけれども、まあ、そういう決断をしたのはですね、やっぱり、そういう時間的な状況もあったと思います。

それから、当初はですね、これはねえ、麻生さんしかいないんじゃなかとうような話もありましてね、であるならば、まあ、これは麻生候補がずっと言っておられるんだけども、私一人じゃこれは自民党が潰れるとこういうふうな判断でもって麻生候補は出られたというふうに、言っていらしゃるけれども、私も同じ立場ですよ。麻生候補だけっていうんであればですね、私も出て、自民党を何とか救うといったらおこがましいけどね、そういう気持ちを持って、これに臨んだと。そしてあまりにも多くの方々からご推挙をいただいた。そのご推挙に、私自身はね、そう思ってなかったんだけども、しかしみなさんがそう思ってくだすってるというんであれば、その期待に答えるというのも政治家としてはこれは役割じゃないのかな、とこう思いまして、決断をしたんです。苦しい決断ですよ。

 

Q 福田さんは非常にソフトで安定感があるということで好感度があるようだが、裏を返せばことを成し遂げようという執念や気迫にかけて、派閥や官僚の思惑に振り回されて、無原則な調整に流れてしまうんじゃないかなあ、というのが福田さんに対する疑問、象徴していえばそういうことだと思いますが、そういう批判にはどう答えられますか

 

福田) まあ、あの、世の中はいろいろなことをおっしゃいます。私が官房長官をしているときもですね、まあ、さまざまなことを言われましたけどねえ、そういうように言われても、別にめげないということですよ。そして、私が官房長官として、リーダーシップを発揮しなかったということをいう人はいないと思います。ですから、私は十分これからリーダーシップを発揮して、そして、私がかかげたビジョン、実現したいんですよ、その方向に一歩でも歩み続けていきたいと、こう思いますんですね全部出来ませんけどね、2050年まで生きてられませんからね。ですから、できる範囲で、できるだけのことをしていこうというのが私の考え方です。

 

Q 準備不足だと認められているが、総理大臣になろうとする人は、さあ、今、告示も間近だから、選挙期間がないから、あたふたと決めるのはおかしいと私は思うんですよ。そうではなくて、すでに国会議員になったときからその準備をしておかなければいけなかったんじゃないですか。

 

福田) いやですからね、私はその気持ちで政治家はやってきました。しかし現実に総理大臣になるなんて、夢の夢の話ですよ。それからもう一つ、私はクローニン会といって、50歳以上で初当選してと、こういう会ですけどね。ま、そういう苦労人ですよ、言ってみりゃね。ですから、そういう可能性はもともとないと、思っておりました。それは常識にそう考えるでしょ。私が総理候補だと思ってましたか、思ってないでしょ(会場笑い)。あたなのような見識のある方もそう思っていたんだから、それは私がね、そう考えなかったとしてもおかしくはないと思いますよ。ですけども、いざ、そういう立場になればね、今まで私が一生懸命やってきた積み重ねをフルに駆使して、そして自分の考え方をまとめてそれを訴えていこうと。私はこのビジョンを提示しましたけど、これね、ほとんど私が手作りなんです。私の今までの考えを申しあげているという部分、ほとんどなんです。骨格は私の考えなんです。ですから、政治家としてやるべきことはやっている、とこういう自負は持っております。

 

Q 麻生さんは秋葉原では大変な人気。以外に、世論調査やると以外に麻生さんの支持が低い。やっぱり女性の支持が麻生さん少ない、残念ながら。何故だと思いますか

 

麻生) 女性の支持が少ない理由を私に聞かれてもちょっと答えようがない。

 

Q そこは厳しく自己分析しないと。

 

麻生) 世論の支持が、女性が少ないというのは、もてないという話にしたいとうわけですか。つまりよく質問のあれが答えようがないんであれですけれども、女性の支持が少ない。まあ、その話を伺ってああそうですかという以外に他に方法がありません。(※③に続く)