今回で最後となる公開討論会全文④のテーマは、「プライマリーバランス」「高齢者負担」「地方再生」「年金」「拉致」「皇室典範改正」などです。ここまでおつきあいいただき感謝します。やはり、麻生氏と福田氏はまったく考え方が異なるようですね。垣間見える性格も。分かっていたことですが。
 

【プライマリーバランス】

 

Q 次は経済政策と財政について聞きたいが、まず1つ確認だが、公明党の北側一雄さんが2011年の財政の黒字化目標の先送りを提案している。これに対し、両候補ともインタビューで昨日は否定的な見解を示されたと思うが、これは公明党の提案は受けない、計画は変えないということでいいのか

 

福田) これはプライマリーバランスのところに触れられたというが、私共が最終的に頂いた文書の中にその言葉はない。だから、プライマリーバランスはすでに決まっていることを実施、実現しようと言う考え方でおられるという風に理解している。

 

麻生) 基本的には2011年という目標を持ってスタートしているので、これに対して2011年を延ばすというのは簡単には言えるが問題なのは皆さん、税収なんですよ。いわゆる入ってくる、インカムの方だ。平成14年が法人税で9兆6000億円、18年は14兆9000億円、5兆円ですよ、法人税だけでですよ。それから、いわゆる税収というものも43兆円だったものが49兆円に6兆円増えている部分というのは、景気がよくなってきているから法人税収が伸びていると思う。そういうものを考えないとならないのであって、いま伸びているのだから、そんな簡単に2011年という話をいまそういったものを簡単にちょっと先送りしようやということは今の段階でする話かなと思う。

 

【高齢者負担】

 

Q 福田さんに質問。高齢者の窓口負担2割を1割凍結する。地方との格差を手を打ちます。といっているが、黒字化目標を維持するといっている中で財源はどのように確保するのか。

 

福田) これはね財源がないんですよね、そういう中で工夫してやって行かなくてはいけないということで、小泉内閣の官房長官で私中でやったときには、まあ、小泉改革をする、地方の対策をどうするかということも考えました。で、金がなくてできる方法はなにか。それはね、構造改革特区、やる気のあるところがですね、その地域の特産品を伸ばせるようなですね、その規制改革をその地域に限ってやっていこうじゃないかと言うこともやったんですね。あのそういうことをしていても今の状況というのはとても追いつかないほど、地方問題が発生したと言うことですから、これはなかなかね、大変ですよ。私もね、地方を回って歩きましてそういうことを痛感いたしました。
 それは何とかしなければいけない。と言って、財源問題を考えますとね、それはばらまきはできないですよ、その上でね、じゃあどうするのかなあと言うことになりますけれども、まあいろいろね考えられます。たとえば、法人税、今ね、景気が良くて法人税が落ちるのは東京とか大阪とか愛知とかね、集中的に落ちるんですよね、地方には法人税いかないんですよ。そういうところをどうやって解決していく、というかならしていくことができるか。地方がもっと企業を引き受けてくれればいいんですよ。だけど行かないんですよ、それはそうですよ。
 だってね、地方にはですね、働き手がいなくなりつつあるんですよ。若い人なんか特にね、いない。だからだんだん都会に出て行ってしまうという状況がありますから。だからこれは、一つやればすむ問題ではないように思います。いろいろな政策を組み合わせて、その地域や若者を取り返す。そのためには学校をね、学校をちゃんと整備しなくてはいけません。病院も必要でしょ、病院もないところがたくさん出てきてるわけですね。そういうことを総合的に考えて、ようやく若い人が帰ってきてくれる段階になるんだろうか、そこを目指してやっていかなくてはいけない、それは私、地方問題の構造改革だと思いますよ。そういう取り上げ方をですね、そういう切り口でこの問題の解決に当たっていきたい。地方も企業を引き受けるためにいろいろなことを考えてもらいたいと思うんですね。政府もそれを応援する必要があると思います。

 

【地方再生】

 

Q 麻生さんに。地方の問題についても、産業を誘致すると言うことをおっしゃってますが、小泉路線、安倍路線の踏襲にも思えるんですが

 

麻生) 一番の違いは基本的にはいわゆる地方、いわゆる地方って定義が難しいんで、参議院で言います一人区というのを僕は最近使うんですけれども、一人区に対する配慮って言うものが最初から必要なんだ、ということを政調会長の時から6年前からずっと申し上げてきております。市場経済原理主義って言うのは必ずひずみを生みます。グローバルスタンダードよりローカルスタンダード、ってジャパニーズスタンダードっていうものが必要なんです。日本で海外に輸出している部分っていうのはご存じのように日本のGDPの10%ですから。そういったところはグローバルスタンダードにしなくちゃ確かにやっていけない所はすべき。しかしそうじゃないところではGDPの約9割ですから、そういった意味から言ったら我々はきちんとした対応はすべき何じゃないか。地方で少なくとも道路がない、少なくとも携帯電話が通じないところに企業は出てきませんよ、工場は出ませんよ。そんなところに仕事、工場がこなければ若者は出てくる。仕事がないから若者は出てくるんであって、出たくて出てるという発想じゃ、私は違うと思いますんで、そこの所は根本的に違うと私はそう思います。

 

【年金】

 

Q 年金の問題、記載漏れの話し、社会保険庁の話しというところで話しがあったけれども、我々国民の不安感の根本は制度にある。この制度が持つのかというところが問題だと思う。昨日経団連の御手洗さんの税制も含めて話しをしてもらいたいという事だったが、制度論、これについてどのように考えているか。

 

福田) あの、制度のこともあるかもしれないけれども、先ほど少し話しがございまして私は申し上げましたけれども、やっぱりね、ひとなんですよね。どんな制度、組織あろうとそれを運用する人がその主旨を誤って運用する中にはインチキする人がいれば制度が持ちません。そのようなことを申し上げなければいけない。そしてまたこれからの人口減、高齢者増という、こういう社会情勢に合わせてどういう年金が一番いいのかと言うことはですね、私は柔軟に考えてもいいと思いますよ。そういう国民全般にかかる問題で、そしてその、大きな問題についてはやはり国民合意、こういったものが必要だと、これはまさに与野党で一所懸命考えていい案作っていくというのは一つの方法だと思いますよ。

 

Q 柔軟にっていうのは今の保健方式から税方式?

 

福田) そういうこともふくめて柔軟にという、まあそれだけじゃないと思いますからね。

 

Q 麻生さんに質問。国庫負担09年に2分の1、ということは1%の消費税をつければいいんだという発言。これは今の方式でよいということなのか。制度論という所から答えてください。

 

麻生) 少なくともこの6月30日に、年金機構法案というのが成立していますので、これで非公務員型できちんと出来上がっているのはご存じの通り。これで移行していくんですから、まあ、簡単に言えば解体です。私どもは今の年金の積み立てが150兆あるんだと思いますね。従ってそれが今すぐなくなるって言う話しだというように聞こえますけれども、そんなことはないんであって、150兆のものが、確か前の選挙の時には140何兆だったと思いますが、今150兆になってる。確かそのくらいになっていると思います。そういうものがあるんだと言うこと考えないと、先の話しが何となく心配になる。

従ってよく私が申し上げているのは、はがきを出すと申し上げているのですが、今年35歳になった人は全員はがきをもらうんです、間違いなく。あなたの年金はこうなっています、こうなりますという話しをもらわれたから、35歳の人は自分の年金に関しての話しに不安はない。少なくとも不安はものすごく少ない。私は少なくとも年金はこうなりますという先の話しを35歳の人が、私どもの年になったときにどうなるかという話しをきちんとするためにどうするかという大前提の話しにして、その時にいま2分の1で負担すると言うんだから、常識的に2分の1はいって持たないなんて言うことは常識的には考えられないと。まともに運営すればですよ。従ってそこの所を考えれば、そこに年金とか、福祉とかいうものを限定した福祉目的税みたいなものとして、105円の百円ショップを106円にして頂くという負担というものに考えて頂けないかという案です。

 

Q 今の制度を前提にして大丈夫ということですか。その財源さえあれば。

 

麻生) 僕は今の制度って言うものは何となく、特殊合成出生率、これによって、今年は少し増えたとか言う形になってますんで、私は今の状況って言うのは子供が生まない方が問題なんであって高齢化が、長生きした方が悪いというような話しがされるのは悪いですよ、ああいうのは。明らかに若い人が生まないから高齢化率が高いんだから。そういう意味では沖縄に高齢化の話しはありませんから、出生率が高いから沖縄は。そういう意味では、私は若い人が子供を産んで大丈夫だと思わせることの方がよほど大事なんであって、私らとしてはそこらの所を考えないと。今の制度は全て延長、それは役人の発想はそうかもしらんけど、政治家って言うのはもっと別の切り口を考えるのが政治家の仕事だと私はそう思います。

 

Q 年金の問題、財政の問題はどちらも同じ文脈の中ではなせると思いますが、与野党が一緒に協議する、消費税を含めてというのは一つの手ではないかと思いますが。

 

福田) まあこれはとても大事な問題ですね。財源が必要ですからね、財源調達のためにどうしようかと、それは消費税に頼るしかないんだ、こういう風なことは考えられることでありますが。私も将来的には消費税で社会福祉をやっていくという考え方は、これはやむを得ないというように思います。だからといって負担が多くてそれにつぶされてしまうような国民生活ということをイメージしているわけではありません。そのことによってですね、老後の安心とかいうものが得られればそれは若い人にとっての希望にもつながるわけですから、まあむしろそういう安定した仕組みを作っていくと言うことが大事では内でしょうか。私漠然とした話し方をしておりますけれども、しかし目指す方向をそういう考え方で決めていきたいという風に思っております。

 

麻生) 目先の話も確かに大事、目先の話というのはさっきのはがきの話しです。ただ言いましたように30年後、あの麻生という男の年になったときに俺の年金は大丈夫かと言うことを考えると思うんですね。そこらのところが、150兆あるんですよと言うことをしている方もあんまりおられない。僕はそういう意味で、この問題は短期的な話しと長期的なあれと二つの話しがごっちゃになっている感じがするんですが。僕は短期的には今言ったはがきでこうなっていますと。長期的には今の特殊合成出生率を前提にしてという、話しも考えられますけれども、私はその時代にどういう事になっているのかという話しはなかなか難しいと思いますね。今の話しは基本がなければできませんから、基本においた上でどうするのかという話しなんであって、絶対かえないと申し上げているわけではないんであって、こういったものはその時代にあって修正されてしかるべきだと思います。

 

Q 与野党の話しは

 

麻生) 僕はいいと思います。今のお話は。長妻先生始めそういった詳しい方がおられますし、私らにもそういった詳しい人がおられますんで、そういった人たちを含めたところでこれは国民のためにやる話しですから、安心した年金制度の確立、これは国民介護保険と同様にすごく大事な問題ですので、私は基本的に賛成です

 

【拉致問題】

 

Q 外交問題。北朝鮮のことについて。拉致問題は私の手で解決したいと福田さんは言われているが、具体的なプランはお持ちなのか。

 

福田) 私はとりあえずは意欲表明をしたと言うことです。そのことによって向こうが応じてくれるかどうかというメッセージでもあります。しかし実際の交渉が今どうなっているか知りません。ですから交渉と言うことについてですね、最近のやりとりや過去の経緯ということを十分承知した上で現実の交渉は、それは進めなければ大きな過ちになるかもしれませんから、今具体的なことは申し上げたくないです。また、こういう立場でもってそういう交渉の手続き等について申し上げれば現在の交渉をもしかしたらおかしくしてしまうかもしれない。ということもある。じゃまになるようなことはすべきではないですね。その辺は控えめにさせて頂きたいと思います。

 

Q 金正日についてのイメージは

 

福田) 私は直接ね、合っているわけではありません。ですから実際に合っている方たくさんおられるわけですから、そういう方々に情報を聞かれた方がより正しい情報が得られることだと思いますから、これはそちらに・・・

 

Q 小泉さん達の折衝を聞いていたと思うが

 

福田) そうですねちょっと私もね、それがいいのか悪いのか正しいのか正しくないのか好きか嫌いかとそういう評価、につながるようなものはありません。

 

麻生) 金正日の印象。前に渡辺美智雄訪朝団に随行したことがございます。村山内閣の時だったと記憶しておりますが。私どもは金正日に直接面談をする機会が得られませんでしたので、何となくあの国の印象というのはその時の印象しか知りません。一部しか見ることができませんので私も正直情報の絶対量が不足しています。ただ何となく見た感じが渡辺美智雄に似ているな、と思ったのがあのときの印象で、「似てますね」っていったら「おお、俺もそう思うんだ」って言われましたんで。だけどずいぶん性格は、渡辺先生の方は明るかったし、ずいぶん違うな、という感じじゃないでしょうか。私は金正日と直接交渉したことがありませんし、向こうの外務省外交部長という人もいろんな会合で会うこともありますけれども少なくとも言葉を立ち話で交わす程度でどれくらい、北朝鮮のランクが上で何番目くらいに偉くて、金正日と直接話ができるのか、ということに関しては正直私どもでは分かりませんので、正直印象を聞こうにも言いようがないというのが正直なところです。

 

Q 麻生さんは圧力の重要性について言ってますが、拉致の交渉がおいて行かれるようなら日本は6者協議から離脱すべきだという発言もあるが。

 

麻生) 6者協議というものが出来上がった結果、日本にとって最大の脅威の核とミサイルの問題係に解決したと言うことになれば、私はディスアーマメントとかディスエーブルメント、いわゆる無能力化等々が仮に進展することになれば、私はそれはすごい成果として大きいと思います。ただ日本の場合は他国と違って基本的に拉致はあるんですけれども、私たちには拉致の問題が大きく存在しておりますので、この6者協議で他のものが進んでこれだけ取り残されたからと言ったって、今の状況より悪くなるわけではございませんから、今の状況のままなんであって、日朝作業部会の2回目が行われましたけれども、今までは拉致はそういう問題は存在しないといっていた国が少なくともそういう交渉の場に出てきたという形だけでも少なくとも前に比べりゃすすんでおるという風に理解しておりますんで、安易に離脱するような話しではないと思います。

 

【靖国】

 

Q 靖国問題。福田さんは官房長官をやっていたときに国立の施設を検討していたと思うが、総理になったら?

 

福田) あれは一言で言えばありません。今のところありません。あれは一つの結論でね。まあもし、懇談会を動かすとか検討会を動かすという話しではなくて、あれを採用するかしないかという話しになるんですけれどもね。私はその気持ちはありません。ということはですね、もし私があれをやると言うことになったら、麻生候補は猛烈委に反対すると思いますよ。そういう状況ではしたくない。多くの国民の皆さんに理解をされて、そして出来上がれば皆さんがそこに対して敬意を表せるようなものであって欲しいということです。

ただね、一言申し上げます。靖国神社の代替施設ではないんですよ。代替施設という名前を付けたのが非常に意図的政治的だと思いまして、それはそうじゃなくてこの追悼施設は出すね、戦争で亡くなられた方全て、つまり民間人も含めてね、追悼しようと、こういう事でありまして、基本的な認識が違っていてそして、目的も違うんだといういうように考えて頂ければいいんだと思います。ただ、作ったけど石投げる人がいたなんていう状況の中で作っていいですか。私はそうは思ってません。

 

【皇室典範】

 

Q 女性天皇の皇室典範の改正については凍結しておりますが。

 

福田) これはね、放置しておいていいってもんじゃないんじゃないかと思いますよ。これはね時間的な制約があるんじゃないかと思いますので、これは早くですね一定の方向を出さなければいけないんじゃないかと思います。ただね、天皇家っていったってこれはやっぱり家族ですよ、だから家庭の中のルールが変わっちゃうと言うことですからね、これはどうなんでしょう、まあ国論がそれでもって分かれてしまうようなことになってはいけないと、こういうのが私の基本的な考えであります。まあ、難しいですね、難しい問題になってしまったと思って困っております。一政治家として。

 

麻生) 第24代継体天皇からこのかた125代日本の場合はきちんと図があるのはご存じの通りだと思います。その中にあって私どもは日本の憲法、戦前の憲法戦後の憲法のできる前からずっと、続いておりますので、そういったものを皇室典範我々政治家がさわれるという、とまた別の人が来たらまたさわれるんですよね。安易にこれは触るべきもんかねえ、というのが率直なところです。今時間がないといわれましたけれども、少なくとも今の陛下また皇太子殿下等々、少なくとも我々がしゃにむに論議をして結論を出すべきものかといわれれば、そんなに急な話ではないんであって、30年40年先に本当に心配しなくちゃいけないこと何であって、それまでに安易にこれをさわっていいものかどうかというのが率直な意見です。

 

【集団的自衛権】

 

Q 憲法審査会を進める意志があるか。集団的自衛権の解釈について論議する意志があるかイエスかノーかで

 

福田) イエスかどうか出答えるのは難しいですよそれは。イエスでありノーであって。憲法については国会がね、それを認めるかどうかと言うことが問題なんですよね。いくら言ってもダメならダメなんですからね。そこの所は考えてやらなければいけないんですよね。その手続きは必要だということですよね。集団的自衛権ですが、少なくとも議論されている事でしょ、まあ事例がありますね、あの事例が適切かどうかということを含めて、考えたらいいと思ってます。

 

麻生) 両方ともイエスです

 

【人事】

 

Q 自民党幹事長に古賀誠さんを選びますか

 

福田) あの人事に関してはですね、白紙であります。有力候補というものはありません。まあこれはね、選挙が終わって、そういう立場になったときに考えればいいことです。

 

Q 舛添さんは留任

 

福田) それも含めてということでございます。(了)