本日、自民党の新総裁に福田康夫氏が就任しました。とても残念ではありますが、昨年の総裁選に安倍首相が出馬していなければ、そのときに1年早く福田政権ができていたことでしょう。もしそうなっていたら、日教組を追いつめた教育基本法改正も、防衛庁の省昇格も、国民投票法、社会保険庁解体法、公務員制度改革法などの成立もなかったはずです。福田氏は、そういう志向・方向性は全く持っていないでしょうから。その意味で、安倍政権のこの1年間を、改めて評価したいと思っています。

 また、安倍首相は、もし福田氏だったら何の抵抗も感じずにゴーサインを出したかもしれない外国人地方参政権付与法案、人権擁護法案、夫婦別姓法案、女系天皇を認める皇室典範改正案…などにノーを出し続け、公明党から要求されても自民党内から話がきても防波堤となって歯止めをかけてきました。先日の日本記者クラブの公開討論会で、福田氏は靖国神社代替施設建設について、今は反対が多いのでやる気はないという趣旨のことを明言していましたが、今後の世論調査次第ではどう転ぶか分かりません。

 外国人参政権法案にいたっては、公明党が今国会に提出しており、さらに小沢一郎代表率いる民主党も賛成ですから、油断していると与野党協議の行方次第で今国会で成立する可能性すらあります。皇室典範に関しても福田新総裁は、正統な皇位継承者である悠仁親王殿下が誕生されたにもかかわらず、女系天皇容認の方向で検討することも示唆しています。

 これが実現すれば、有史以来続いた皇室の男系継承という大伝統をいま変更することになり、法律上の正当な皇位継承者と、伝統上の正統な皇位継承者とで争う南北朝時代の再来のような事態を招きかねません。皇室に何の関心もなく、「皇室にも改革が必要だ」と伝統行事の在り方に疑義をはさんだ小泉前首相ですら、悠仁さまが誕生された後は、女系容認方針を引っ込めました。そうであるのに、悠仁さまが順調に成長されている今、その皇位継承権を奪いかねないことを、淡々と福田氏は述べているわけです。なんと言葉が軽い…。

 もちろん、秋篠宮さま以降、男系男子の皇位継承権者は悠仁様しか生まれていない現状を考えれば、旧11宮家から適性とその意志のある人を皇族に復帰してもらい、皇族の範囲を広げるなどのいろいろな方策は検討すべきでしょうが、福田氏はかつて「男系維持派は相当頭が悪い」と言い放っていたそうですから、そういう考えはないのでしょう。…大きな懸念を覚えているだけに、ついこの問題にこだわってしまいましたが、本日のエントリの目的は違いました。

 新聞記者にとっては、自分がどういうスタンスで、取材対象についてどういう評価をしているのかなど、表に出さない方が得なのは当然です。本心や本音は隠し、相手に話を合わせてネタを聞き出すほうがいいに決まっているからです。しかし、私は弊紙がイザを立ち上げ、自分がこのブログを始めることになったときから、これから本格化していくであろう記者ブログの実験台として、正直に自分の意見や考え方を出し、それで大きく批判を浴びたり、炎上したりすればそれはそれで前例になるならいいやと思ってやってきました。また、私自身が、自分の思うように情報を発信し、言いたいことを書くには紙面では不自由さを感じていましたから、ブログでの意見表明が楽しかったのも本当です。

 まあ、長々と前置きを書いてきたのは何でかというと、今後、福田新総裁が日本をどうしていこうとするのか、私は基本的に今まで彼を観察してきたことから、厳しくかつ批判的に書くことになるだろういうことを、新総裁誕生の日に、改めて表明しておこうと思ったからです。もちろん、ごく希にでしょうが、彼がまともなことをした際には、それは当然ながら認めようと思いますが、果たしてそんなことが…。

 そして、これまでのエントリで何度も書いてきたことですが、私は民主党の小沢一郎代表のことも全く信用していません。日教組と手をにぎり、いったい何の根拠があってか国連中心主義という迷妄に固執しているように見えるこの人と、その支配を簡単に受け入れている政党に、何を期待できるというのか。というわけで、私は政治情勢が変わらない限り、兵法上、愚策そのものの二方面作戦をとらざるをえません。まあ仕方ないか、という感じです。何度か書きましたが、私はもともと自分をマイナーだと意識していましたし、たまたま安倍首相という自民党内でマイナーな理念派保守の人を応援してきましたが、別に多数派には何の思い入れもありませんし。

 繰り返しますが、私は安倍政権のことを、自民党内の少数派である理念的保守派が頂点をとった、今までの歴代政権にはない本当に希有な例だと思ってきました。よく「お友達内閣」などと言われましたが、安倍首相の以前からのお友達は、塩崎前官房長官ぐらいで、あとは比較的最近になって将来性のある安倍首相の周囲に集まってきたという人が多かったのでしょう。百歩譲って「お友達官邸」という言い方ならまだ分かりますが、「お友達内閣」というネーミングは実態からはかなり遠かったと思います。佐田行革相、柳沢厚労相、松岡農水相、久間防衛相、赤城農水相…と問題を起こして辞任などした閣僚に、安倍首相の「お友達」などいませんでした。

 本日はいつにも増して脈絡がよく分からないようなフラフラした酩酊状態のような文章を書いてしまい、すいません。ただ、新聞社にしろ、個々の記者にしろ、思想・信条や一定の方向性はない、という社・人など存在しないと思います。仮に存在したとしてもだれにも相手にされない気がします。その中で、社によって、個人によって違うモラルや常識があり、それぞれ定義が違う公正さ、中立さを装い、あるいは目指して記事を書いているのでしょう。

 今回、というか前回の総裁選もそうでしたが、読売新聞のナベツネというご老人や、その他の報道機関が福田氏擁立でいろんな働きかけをしたのは、周知の事実でしょう。それに気付かなかったなんてことを言う恥知らずの政治記者はいないと思います。そうでありながら、報道の公正・中立を錦の御旗に安全地帯から気にくわない対象だけを攻撃し、これが「民意」だなどと、よく言えたものだと心から呆れ果てつつ感心します。

 今、麻生氏を支持した某ベテラン議員から「総裁選では思ったよりは、国会議員も自分で判断したが、福田新総裁で中国、韓国は大喜びだ。7、8年後には、日本は中国に飲み込まれてしまうかもしれない。とにかく中国は狼のように日本を狙っている」という電話が入りました。福田氏が実際、何をするのかしないのかは、今後を見守らないと断言はできませんが、こういう危機感がなく、国内の不平・不満にばかり耳を傾ける内向き路線で本当にいいのかと、疑問に思わざるをえません。

 すいません、とりとめのないエントリで。本日は福島県猪苗代湖の地ビールで少し酔っております。