今朝の産経は3面で「外国人参政権付与 首相次第?」「公明に各党同調 自民反対派は沈黙」という見出しの記事を掲載しています。要は、これまで棚上げされてきた外国人参政権付与法案の成立に向け、公明党を中心に与野党に動きが出ているという内容です。記事は同僚記者が書いたものですが、《参院では外国人参政権に比較的熱心な野党が過半数を占めており、「外国人参政権法案に反対した安倍晋三前首相と対極にある」(自民党中堅)と指摘される首相が、積極的に取り組む可能性も捨てきれない》と締めくくっています。

 私は昨年の自民党総裁選以前からこれまで、仮に福田政権が誕生したら、この外国人地方参政権付与の問題や人権擁護法案、ジェンダーフリー、靖国神社代替施設建設…などに手をつける恐れがあると繰り返し紙面やこのブログで書いてきました。いずれも安倍氏が強く反対し、封じ込めてきた政策ですが、いよいよその実現を目指す動きが表面化してきたということでしょうか。外国人参政権実現を主張する大韓民国民団の集会については先日のエントリで紹介しましたが、人権擁護法案の方も最近、注意すべきできごとがありました。

 5日前の産経は政治面に、小さく「自民人権調査会 四役ら顧問就任」というベタ記事を載せています。しかし、扱いは小さくても、内容は重大でした。人権擁護法案を推進する自民党の人権問題等調査会(会長、太田誠一元総務庁長官)の顧問に、伊吹文明幹事長ら党四役と、青木幹雄前参院議員会長、山崎拓元副総裁ら重鎮クラスが就任したことが分かった、という内容です。つまり、来年の通常国会への人権擁護法案提出に向け、自民党は本腰を入れてきたということですね。記事はこう経緯を書いています。

 《人権擁護法案は平成14年3月に国会に提出されたが、メディア規制をめぐり、野党や報道機関が反対し、廃案になった。平成17年に同調査会を中心に法案再提出を目指したが、安倍晋三前首相らが強く反対し、頓挫した。中川昭一元政調会長は昨年10月、会長ポストを空席にし、同調査会は活動を休止させていた》

 この法案は、古賀誠選挙対策委員長や二階俊博総務会長が推進に熱心なことで知られています。自民党若手議員の「伝統と創造の会」(稲田朋美会長)は今月、「人権侵害の定義があいまい」「人権委員会の権限が強すぎる」などとして反対していく方針を決めていますが、多勢に無勢というか、この会だけでは流れを変えることは難しいだろうと思います。なにせ、ノンポリが中心で何も考えていない議員が大半の自民党では、いまだにこの法案について「人権を擁護するんだからいいんじゃない」「選挙に向けていいイメージがもたれるのでは」などと考えている人が多そうですし。

 実際は、法務省の外局に新設する「人権委員会」に令状なしの調査権を与えたり、実務を担当する人権擁護委員の対象を日本人に限っていないなど、この法案は大変な危険をはらんでいることは周知の通りです。名称をもじって、「人権屋擁護法案」と呼ぶ人もいるようですね。それにしても、安倍氏という防波堤がいったん崩れると、次から次へと好ましくない問題が噴出しています。沖縄集団自決をめぐる教科書検定への政治介入もそうですし、東シナ海のガス田試掘手続きの取りやめもそうですし、対北朝鮮関係における拉致問題の優先順位が下がっていることも…。

 そんなことを思いつつ、きょうたまたま手に取った雑誌「月刊日本」12月号に、平沼赳夫衆院議員のインタビュー記事が載っていて、人権擁護法案についての言及があったので紹介します。平沼氏は人権擁護法案の成立について「私はもちろん、それをもう一度防ぐべく死力を尽くすつもりだ」と語っています。日本人のため、ぜひ頑張ってもらいたいところです。平沼氏は中川昭一氏の保守系勉強会にも参加しましたし、年明けには活動を本格化させるだろう安倍氏とも連携してなんとかこれを阻止してもらいたいと思っています。福田首相は反対が強いとみるとひよるでしょうから。月刊日本から平沼氏の言葉を引用します。

 《この人権擁護委員には国籍条項がなかった。そして、一般の方は普通、自分の仕事が忙しいから人権擁護委員になかなかなろうという人はいない。すると、特殊な思想をもった人によって人権擁護委員会が構成される危険が非常に高いのだ。例えば、この法案が成立してしまったら、日本はどんな社会になっていただろうか。
 北朝鮮による拉致事件を真剣に考えている一般の人が北朝鮮への経済制裁を訴えたとしよう。すると、北朝鮮系の人々が「これは差別だ、侮辱だ、感情を傷つけ人権侵害だ」と訴える。すると、特殊な考えを抱いた人権擁護委員会が令状なしに家宅捜索に乗り出すのだ。》

 この説明を、極端な例えととらえるか、いかにもありそうな現実の話だと受け止めるかは人によって分かれるかもしれません。でも私は、とてもこれを笑い話だと思う気にはなれません。いわゆる人権派と言われる人たちの活動のねちっこさと執拗さ、サヨク系工作活動に専従して何で食べているのか分からない人たちのことを思い浮かべると、実際にこうした事態は起きうると思います。

 参院選に大敗した政府・自民党は、安倍氏の保守路線そのものが国民に否定されたというメディアの宣伝に騙され、また、そう考えた方がすべてを安倍氏に責任転嫁できるので安易に流され、福田首相のサヨク・リベラル路線もあってどんどん変な方向に向かっています。有権者の監視と厳しい叱咤、批判、怒りの声をきちんと届けないと、本当に日本の将来は危ないと焦燥感を覚えるきょうこの頃です。