前回のエントリで予告した通り、現在、那覇に来ています。何しに来ているのかというと、沖縄という中央から遠く離れた離島であり、歴史的背景もいわゆる本土とは異なり、かつ27年間も米国の施政権下に置かれたある地域で、どのような言語空間、情報空間が形成され、どう流通し、どんな影響を及ぼしているかを取材するためです。…まあ、そんなに本質的で深い洞察力と知力を要求される仕事は私には無理なので、冒頭に書いたことの上っ面をなぞろうというのが趣旨でした。

 で、那覇について今朝の琉球新報、沖縄タイムスの地元紙2紙の一面を見て、何と似ているのだろうと思った次第です。もちろん、いつもそうだなんて言いませんが、先日のエントリで紹介したように、9月29日の沖縄集団自決をめぐる両紙のそっくりなつくりと、相通じるものはありそうです。双方とも、共同電で1面トップをつくっていますね。130数万人の県民に対し、地元紙2紙がそれぞれ20万部ずつをシェアし、中央紙は全部合わせて1万部かもうちょっとという特殊性があります。

   

 というわけで、本日は地元紙2紙が沖縄の言論空間をほぼ支配し、他の論調は排斥されがちであることを憂慮する人たちに取材してきました。明日もまた別の人にその続きの取材を行い、資料に当たる予定です。ここしばらくの東京での識者取材と合わせて、紙面1ページを使って特集を組むことを想定しています。ブログのプロフィールにある通り、私は外務省兼遊軍担当でして、遊軍としての仕事です。

 詳しいことは取材過程ですから書けませんし、所詮私のやることですからもとよりたいしたことではありません。そこできょうは、イザブロガーでもある那覇支局長にごちそうになったものを記し、お茶を濁したいと思います。すいません。

   

 すいません。また箸をつけてから写真を撮ることを思い出しました。石垣牛のステーキです。脂身が少なく、肉自体の味の濃い私好みの味でした。支局長、ありがとうございました。次は壁に貼ってあったメニューです。

   

 支局長によると、この中にある「オオタニワタリの天ぷら」と、「アダン新芽と豚肉炒め」は、石垣島独特の料理で、沖縄本島ではめったに食べられないそうです。これが「オオタニワタリ」です。アロエの先っぽを揚げたような何だかもっちりとした味わいでした。

   

 …沖縄と本土はもちろんいろいろな相違がありますが、どこかいっしょくたにされている感がある沖縄県内の本島とその他の島々も、相当の違いがあるのだと思います。今は旅先で手元にありませんが、司馬遼太郎氏の沖縄紀行でも、その点について言及していたと記憶しています。私はきょうは、石垣料理の店に連れて行ってもらったわけですが、沖縄本島と石垣島がどれだけ離れ、どんな文化や習慣の違いがあるか。昔は、流通している言葉がどれだけ異なったか。短期間の沖縄滞在ではとても取材できませんが、以前から関心を持っているところです。