冬は嫌いだとたびたび表明してきましたが、その理由の一つに静電気があります。きょうは飲み物の自動販売機に100円玉を投じようとしてはパチッ、パソコンのキーボードに触ってはパチッ…で、たまったものではありません。体質もあるのでしょうが、何とかならないものでしょうかね。

 さて、冬=寒い、ということで本日はプーチン大統領が示した、日本人拉致事件への反応ぶりに関するエピソードを紹介します(こじつけがすぎますね)。元政府関係者から聞いた話で、妙に納得させられたものですから。

 それはまだ、小泉氏が首相時代のことでした。当時、小泉氏が各国首脳に拉致事件について説明すると、ほとんどの首脳は「それはひどい」「お気の毒だ」などと顔をしかめるいう、まあ常識的な反応だったそうです。ところが、元政府関係者の目撃談によると、プーチン氏はちょっと違ったと言います。

 小泉氏が、北朝鮮が行ってきた拉致事件についていくら説明しても、プーチン氏は例の無表情を崩さず、黙ったままだったそうです。で、小泉氏が一通り話を終えた後、プーチン氏が初めて口を開いて聞いたのが、「それで、北朝鮮はどういう人間を拉致したのか」という疑問でした。

 そこで小泉氏が「ごくふつうの、一般の人だ」と答えたところ、プーチン氏は初めて驚いた顔をして、「軍人や科学者ではないのか。理解できない。では一体何のための拉致なんだ」と強い関心を示したというのです。初めて興味を覚えたかのように。他の国の首脳とは、反応する場所が全然異なります。

 まあ、プーチン氏の経歴がそうさせたのでしょうか。プーチン氏は悪名高い情報機関、KGB(ソ連国家保安委員会)に勤務し、東ドイツなどで諜報活動に携わっていたとも言われていますし、KGBの後身であるFSB(ロシア連邦保安庁)の長官まで務めた人物ですからね。元政府関係者は「プーチン氏は昔、自分でも西側からの科学者拉致などに関わっていたのかもしれないな」と冗談めかして言っていましたが…。

 18日のエントリ「福田首相と安倍前首相の施政方針演説を比べてみました」でも触れましたが、福田氏は安倍氏が繰り返し明言していた「拉致問題の解決なくして日朝国交正常化はありえない」という言葉を使わないようにしているようです。これが単なる政治家としてのスタイルの違いであればいいのですが、福田政権になって明らかに閣僚の発言や政府文書に「国交正常化」という言葉が使用されることが増えています。

 北朝鮮が、日本政府が認定した拉致被害者や、特定失踪者以外の北にとって都合のいい人物を数人帰して、「これですべてだ」と言ってきたときに、福田政権が一気に国交正常化に前のめりにならないだろうかと懸念しています。最近、北をめぐって山崎拓氏や田中均氏といった、かつて対北融和派としてその名をとどろかせた「昔の名前」が動いているという話を耳にすることがあり、ぼんやりと不安を覚えているところです。