もう2週間前の9日付朝刊の話ですが、私は産経の1面と3面に小泉元首相の初の北朝鮮訪問をめぐる日朝交渉に関して、次のような記事を書きました。新聞用語で言うと、1面が本記記事で、3面がその記事を受けたサイド記事です。もうすでに紙面やネットビューなどで読んでくださった方は飛ばしてください。
・1面記事 見出し「日朝交渉の記録欠落 小泉元首相初訪朝直前」「『2回分』廃棄?未作成? 拉致協議障害も」
《平成14年9月の小泉純一郎首相(当時)による初の北朝鮮訪問直前に、当時の外務省の田中均アジア大洋州局長(現・日本国際交流センターシニア・フェロー)らが北朝鮮側と行った2回分の日朝交渉の記録文書が欠落し、省内に保管されていないことが8日、複数の政府高官の証言で明らかになった。両国がこの交渉でやりとりしたはずの拉致被害者の生存情報や国交正常化後の経済協力の規模など、協議内容の核心が後任者らに伝わらず、その後の交渉の障害になったという。
田中氏は13年10月ごろから、北京、平壌などで北朝鮮側と「30回近い」(政府筋)非公式の折衝を続け、「ミスターX」と呼ばれた北朝鮮側の交渉担当者らと信頼関係を築き、小泉首相訪朝の道筋をつくったとされる。
外務省は通例では、外交上の重要な会談・交渉はすべて記録に残して一定期間保存し、幹部や担当者で情報を共有、外交の継続性を担保する。そうしないと担当者交代の際に、これまで積み上げた成果を捨てて、一から出直すことになってしまうからだ。
ところが、証言によると14年8月30日に政府が小泉首相訪朝を発表し、9月17日に金正日総書記との間で日朝首脳会談が開催されるまでの間の2回分の日朝交渉の記録が省内に一切残っていない。記録文書が廃棄されたのか、もともと作成されなかったかは不明だが、政府高官は「首相初訪朝直前の最も大事な時期に、日朝間で拉致問題や経済協力問題についてどう話し合われたのかが分からない」と、困惑を隠さない。
また、現存する二十数回分の交渉記録についても、国交正常化後に日本が実施する「1兆円とも80億ドルともいわれる北朝鮮への経済協力の金額に関する協議場面が出てこない」(同)など不自然な部分があるという。
田中氏は産経新聞の取材に対し、「私は今は外務省にいる人間ではないし、ちょっと知らない。(2回分だけ交渉記録がないなど)そんなことはないと思う。日朝交渉は私だけがやっていたことではないし、私も職としてやっていたことで、個人的にやっていたわけではない。当時は局長だったから、私が(自分で)記録を書くわけじゃない。記録があるかないかは、外務省に聞いてほしい」と述べた。外務省は「コメントは差し控える」としている。》
・3面記事 見出し「不透明さ増す秘密外交」「真相『田中氏と通訳しか…』」
《小泉純一郎元首相の北朝鮮訪問は、拉致被害者5人とその家族の帰国をもたらすとともに、北朝鮮という異様な国家の実像を白日の下にさらし、大きな成果をあげた。だが、首相訪朝に至るまでの日朝交渉は水面下で行われ、徹底的に秘匿された。このため、交渉過程で北朝鮮との「密約」が存在するという噂(うわさ)が半ば公然とささやかれた。今回発覚した訪朝直前の交渉記録文書の欠落で、この“秘密外交”の不透明さがより増したといえる。
日朝間の極秘交渉は当時、首相官邸でも小泉首相と福田康夫官房長官(現首相)、古川貞二郎官房副長官ら数人が知るのみ。安倍晋三官房副長官(前首相)ですら、平成14年8月30日に首相訪朝が記者発表される前夜まで知らされなかった。
外務省内でも、交渉当事者の田中均アジア大洋州局長は秘密主義を貫いた。同月22日の幹部会議まで、本来は日朝平壌宣言作成に関与すべき立場の条約局(現国際法局)長や総合外交政策局長らも、全く蚊帳の外に置かれた。
この水面下の交渉では、拉致問題の解決よりも国交正常化実現に重点が置かれていた。その姿勢は、「拉致問題で何人が帰ってくる、こないということではない。それよりまず国交正常化に対する扉を開くことに大きな意義がある」(9月12日の古川氏の記者会見)といった言葉にも表れている。
しかし、金正日総書記が拉致を認めたことで世論は沸騰し、小泉首相もこれを無視して国交正常化を急ぐことはできなくなった。拉致問題に詳しく被害者家族の信頼も厚い安倍氏をラインから外すなど、衆知を集めてことに対処しようとしなかったツケだった。
田中氏は9月17日の日朝首脳会談時に、北朝鮮側が伝えてきた不自然な点の多い拉致被害者8人の死亡年月日情報について、マスコミが報じるまで被害者家族に伝えなかった。また、同日午前中に情報を得ていたのに、小泉首相にも平壌宣言署名式直前の午後5時ごろまで報告しなかった。こうした手法も、疑念を招いた一つの理由だろう。
政府高官は日朝交渉の記録文書の欠落について、「『8人死亡』などの拉致被害者の生存情報について、ある程度事前に話があったのではないか。そういう話もせずに、首相に北朝鮮を訪問させることなどありえない。記録を残すとだれかにとって都合が悪かったということではないか」と指摘する。
北朝鮮との間に最終段階でどのような協議が行われたかは、外務省幹部も「田中氏と通訳しか本当のところは分からない」と話している。(阿比留瑠比)》
…最後までお目を通していただいた方に感謝します。なんで今頃、以前書いた記事を再掲するのかというと、政府がきょうの閣議で、この記事に関する答弁書を決定したからです。鈴木宗男氏の質問主意書に答えたもので、「この報道は事実か」という問いに、政府は今後の日朝間の協議に支障を来すおそれがあることを理由に「外務省としてお答えすることは差し控えたい」と否定も肯定もしないという姿勢です。
また、田中均元外務審議官からこの報道に関して話を聞いたかという問いには「話を聞いていない」、「外務省で作成される外交交渉、会談に関する記録はどのくらいの期間保存されるのか」との質問には「その性質、内容等に応じ設定され、一概にお答えすることは困難である」という回答でした。正面から答える気ははなからない、ということなのでしょうね。また、田中氏から事情を聴く必要もないと。
この記事に関しては、12日の高村外相の記者会見(私は別の取材があって出席していませんでした)でも質問が出ていました。以下のやりとりです。
記者 土曜日の産経で、日本と北朝鮮との交渉で、小泉訪朝前の記録に欠落が出ているとある。記録をもともと作っていないのか、あるいは作ったがなくなったのか?
高村氏 外交交渉の直接のやりとり、その準備段階でどういうことをしたかについて私から申し上げるつもりはありません。
記者 やり取りがどういうものだったのかということとは別に文書管理について。
高村氏 いや準備段階についても、申し上げるつもりはありません。ただ申し上げられることはその時のことについても外務省の中で引き継ぎはきっちりできていますので、これからの外交を進める上で支障はないことだけ申し上げる。
記者 それとは別に…
高村氏 これ以上やりとりしても押し問答ですから。
記者 正面からきちんと答えていただきたいが、文書管理は問題になっており、私だけの関心ではない。外交文書が欠落しているという報道があって、実際欠落しているのか欠落していないのか、調査するのかしないのか。
高村氏 今調査する必要はないと私は思っているし、その時の事情については引き継ぎがきっちりなされているのでそのことを申し上げたい。
…このときも高村氏は記事内容については否定せず、ただ「調査する必要はない」と強調しています。この日行われた外務省幹部と記者団との懇談会では、幹部は「(高村氏の)公式見解は聞いたでしょ。文書のことは言えません。誰と交渉したかも言えないわけですから。引き継ぎはしっかりされていて、支障はないということです」と語りました。高村氏と幹部の物言いから、省内で記者に聞かれたらどう答えるかの打合せができているのかなあ、と感じました。二人とも「支障はない」「引き継ぎはなされている」と繰り返していますが、私は信頼できる筋から「大きなマイナスとなっている。記録の欠落分は初めからつくられなかったのだろう」と聞いています。高村氏だって引き継ぎ当時に外務省にいたわけではないですしね。
まあ、政府は立場上、これ以上踏み込んで何かを明らかにするとは考えにくいのも本当ですが、小泉初訪朝に至る日朝交渉、また再訪朝の再の朝鮮総連ルートと言われる交渉にはもまだによく分からないことがたくさんありすぎて困ります。記事にも書いたように、北朝鮮への経済協力の具体的な金額が交渉記録には出てこないのに、その交渉の結果まとめられた日朝平壌宣言は、当時の福田官房長官も「「(経済協力ばかり)具体的に懇切丁寧に書かれているといえば若干、そういう感じもする」と認めた内容となっているなど、記録に残されていないところに重要な秘密が隠されているように思えてなりません。また、この欠落部分の内容について、果たして小泉氏や福田氏が知っていたのかどうかも分かりません。
外交交渉に「秘密」が必要なのは当然なのでしょうが、あまり秘密裏にばかり進めていると、結局は各方面に不信感を持たれるばかりで理解されず、うまくいかないのではないかと思っています。「世論の後押しのない外交は弱い」と言いますから。
きょうから外務省の藪中三十二次官が二日間の日程で訪中し、中国の王毅次官と東シナ海のガス田問題などを協議してきます。以前のエントリでも書いたように、福田首相が問題解決を急ぐあまりに国民のあずかり知らぬところで妥協を命じれば、今回、日本側が中国側の主張を大幅に受け入れる形で問題決着が図られるかもしれません。もし、この国家主権、領土にかかわる問題で安易に譲歩したら、招来に禍根を残すことは間違いないでしょうし、国民の理解・支持も得られないだろうと思います。
コメント
コメント一覧 (43)
自民党と言う政党が、本当に拉致被害者、家族のこと、国民保護、
国家主権をどう考えているのか?
私の書きように反発される方もおられるかと思いますが、
同じ自民党であろうが、国政調査権の発動を求めればいいのです。
できうる手段、行為を行使することが政治家として、また、保守と自称
する者としての正義だと思います。
この報道を看過しているような政治家はクズですよ。
一介の木端役人であった田中何某のような奴を二度と出さない為には
一度、目にものを見せる必要があります。
これで福田内閣が終わろうが、小沢政権ができようが同じことですね。
自国民を売り飛ばし、隠ぺい工作に奔走するような議員らが構成する
内閣、議会なら意味がありません。
自称保守政治家が何ら動かないところが真実なのでしょうかね。
田中氏の危うさがはっきり判ります
今後、田中氏がこの外交について、どんな主張をしてもただ聞くしかない
否定も肯定もできない、検証できないと言う事ですから
これは北朝鮮の主張に関しても同じです
同じく、否定も肯定もできない、ただ聞いているだけ
素晴らしい外交成果です
何も言う事はありません・・・
ただ、言わせてもらえれば「外務省は腐ってる」と言う事だけです
今更、田中氏から聞き取りしても真偽の確かめようがないのですから
中国の毒物検査についても誰の為か?
判りませんし、海洋基本計画も自国の権益を守るという意思がありません
国民、国益の為の政治家、将来を見据える政治家はいないのでしょうかね・・・
阿比留様
2月9日は確か子供さんが入院されて1週間くらいたってからでした、小生は記事を読んで田中何某は国賊やとコメントを入れました。
関係者は何を考えているのでしょうか、もし拉致問題解決に支障が出るということになったらこいつらは何も責任感を持たないのでしょうか、そうであれば日本人では有りません。拉致問題まで己らの生きていくうえでの糧にしようと思っているのでしょうか?政府も敢えてこの問題をうやむやにしようとする原因は何処にあるのでしょうか?疑問だらけです。国民の生命の危険、国家主権まで侵されている重要さに何も感じもしない政治家にはうんざりです。安倍氏が総理であったらどんな展開になるでしょう。
ウス汚い政治家、政府は国民を裏切っています。残念を通り越して悔しくてなりません。
※ 日本の優良企業の大半はロシアの所有に!な~んてネ!!
※ 焦る(+ +);だろうナ?!アメリカさん、中国・韓国・北朝鮮には良い牽制になるね!?
※ 案外面白いかも!(^-^)
我ながら戦後の時代はとっくに終焉したし、ソ連が崩壊してドイツが統一されてユーロ
も出来て20年も経ってる今でも「戦後はト~ックに終わり」ッと、言葉では言っいても?
前記の経済記事を読むまでは?頭ですら理解していませんでしたよ!!
思考の基に毛頭ありませんでしたからネ~!!
これだから極東島在住で平和ボケだと、時代錯誤も甚だしくなるのね!!
全く以って、お恥ずかしい次第です。
※ 最近、世の中ダラダラ続きでインパクトネェーし、これぐらいの事いいかもナ?!
※ バブル崩壊で43億の負債解決に12年を・・・・・・その間、自分との闘いで自分を変える事に精一杯でした。世の中チャンと見て来なかったな~m(- -)m反省
2/21
昨夜アップされた「ヒル次官補」の記事とこの記事を立て続けに読むと、如何に日本の外交姿勢が「優柔不断」「二枚舌」と言うことが良く分かります。と同時にガッカリします。国の外交安全保障は与野党問わず「同じ国是」が基本なのに・・・それすら日本の多くの政治家や役人は理解していない。いや、理解しようともしない。
その内容の概要については、意外と、中国共産党系の情報機関(?)あたりが北朝鮮で見つけてしまうかもしれませんね。
過激なTBお許しください(最近はトゲが出まくって申し訳ありません。ジャーナリストさんたちのおかげです)。
おそらく二回分の交渉は記録がつくられていないのだろうと思います。とすると、仮に調査が入って正式に二回分の欠落が認められても、そこで日朝間でどんな話し合いがあったかは、結局当事者しか分からないと。これは北朝鮮が「あのとき約束したではないか」と駄々をこねる材料ともなりましたし、いろいろと問題を残したと思っています。
>国民、国益の為の政治家、将来を見据える政治家はいないのでしょうかね・・・ いるのだろうと思いますが、そういう人は目線が高すぎるとか、庶民の生活感覚がないとか言われて批判されるのだろうなと、そんな気もします。もともと外交・安保・歴史など票にならないと言われていましたが、参院選以降はその傾向が加速しています。
この問題は見方によって軽重の判断が異なるでしょうし、政府にしてみれば、問題をいま蒸し返したところで、直接関係のない今の内閣政府があれこれ文句をつけられるだけだとも考えることでしょう。理由は推測できますが、残念ではあります。
ロシアはオイルマネーで潤っていますが、首脳部はいつまでも資源輸出で食べて「北のサウジアラビア」と呼ばれていても未来はないとして、日本の技術力に再び目を向け始めたそうです。日本を再発見したのだとか。だからどうなるかは分かりませんが。
少し身を切らせて、莫大なものを手に入れようとした。
そして、それに乗った者がいる。文書はいらない、人と人の繋がりのみの外交。
高村と記者のやり取りを聞いていると、馬鹿げた会話だと思います。
1.内容以前に文書管理が出来ていないという複数政府高官の意見に対して、外相は「準備段階で何が行われていたか、引継ぎはばっちりです」っていう支離滅裂な答えで終始している。
2.「今調査する必要はなし」と、記者を馬鹿にしているし、延いては国民を愚弄してますね。
外交に秘密は付き物ですが、北朝鮮交渉は小泉、福田、限られた官房長官で進められ、現場は田中均とMr.Xが当ったのでしょう。
いつか見た田中均の涙ってあれは何を意味していたのでしょうか?
それにしても、酷い大臣と外務省を持ったもんです、日本は。
http://blog.goo.ne.jp/ikedanobuo/e/7cc6f9c4437bd47c577b35b8cedb229a
東シナ海のガス田問題ですが、もちろん日本の国益と主権を守るために、安易な妥協をして欲しくありませんが、中国・韓国に対する妥協や譲歩は日本だけでなく、相手国に対しても危険を招く結果になるような気がします。
チャーチルの回顧録にあるように、議論を戦わせることなく譲歩すると相手も状況を見誤り、より危険な方向に進んでしまうでしょう。
日本には、自国の利益だけでなく、周辺諸国の安全のためにも主張する義務があると思います。
TBさせて頂きました。
> 鈴木宗男氏の質問主意書に答えたもので、「この報道は事実か」という問いに、政府は今後の日朝間の協議に支障を来すおそれがあることを理由に「外務省としてお答えすることは差し控えたい」と否定も肯定もしないという姿勢...
今号の「文藝春秋」掲載の塩野七生氏と手嶋龍一氏の対談中に、外務省員による外交文書隠蔽に関するくだりが有りましたね。 9日の記事が多少頭に残っていたか知らん、お陰で興味深く読めましたよ〜。
もし田中氏及び当時のアジア太平洋局交渉担当者が当該文書を破棄したのならこれは明確な国家反逆的行為でしょう。 例えその協議内容が譲歩の塊であっても当時の内閣内主担当者の責任なのですから、建前上は彼等に罪は有りません。
それでも敢えて記録を消失させたとすれば...誰の意志でどの時点で封印されちゃったのでしょうね〜♪ 私には田中氏及びその周辺が自己保身の為だけに隠蔽したとは思えない(事実、それでも更迭されたし...)ので、当時閣内で対北朝鮮外交を主導されていた「あの方」に疑念を抱いちゃいますね♪
テーマと違うことですみません。
今日は2月22日、竹島の日でしたね。
サンケイWebでは20日に黒田支局長の在韓日本大使館に関する記事がありましたが、私が知る限り今日の新聞、TVでは見かけませんでした。
北方四島と同じく、竹島も次第に風化していくのでしょうか。。。
外交というものは、当然駆け引き等があって公表できないことはあるでしょう。
しかし、「外務省としてお答えすることは差し控えたい」という答えはいただけませんね。資料があると言えば、どこに保管してあるのか、内容を示せと言われ、ないと言えば職務怠慢と言われるための苦渋の答えですかね。
「引き継ぎはきっちりできて」いるのなら、それは文章化されたものがあるはずですね。まさか古事記みたいに口伝されるという訳ではないでしょう。そんな伝言ゲームのような内容など相手に失礼なだけです。いかに犯罪を生業とする国家を相手にしていたとしても。
だから、文書はあるが外交上の問題なので今は公開できないとすればいいのですね。きっちり言わないから信用もなくすということです。
それとも本当に田中氏の個人プレーで、誰も引き継ぎもできないとしたら、本当に恐ろしい外交です。
君は「嫌み」と「皮肉」しか言えないのか?。少しは自分なりのまともな意見を述べてみろよ!。
そのふざけたHNは何だ。人間性が疑われるぞ!。
>記録に残されていないところに重要な秘密が隠されているように思えてなりません。
これが核心部分でしょう。それにつけても「国益を考えない日本の外交」には本当に怒りを覚えます。
創価信者・チャイナスクールを一掃して、「自由と繁栄の弧」外交をしっかりと継承して欲しいですね。
日本の外交力の弱さの大きな要因は、重要な問題に対して常に国論が二分されていることだと思います。また、南京事件や慰安婦問題などでも、常に外国勢力と同調し、煽る団体・個人が策動しています。これは、政治家や官僚だけの問題ではないので根が深く、まさに戦後レジームの問題だと思っています。
>「欠落」部分、どう考えてもはじめから作っていないでしょうね。…そういうことなのだろうと思います。そして、そのこと事態は何らかの法令に違反するわけではないので、だれも罰せられないと。日本という国家には、ザルのように穴が開いているのかもしれません。
小泉政権の対北朝鮮外交は、結果論としては大きな成果を上げたと思いますが、その内実はどうだったか。小泉氏もその周囲も当初は、平成14年内の国交正常化を目指していましたし、非常に危うい部分があったと考えています。
>いつか見た田中均の涙ってあれは何を意味していたのでしょうか?…真相は分かりませんが、私は当時、白々しいなと思いながらあの光景を見つめていました。
はじめまして。ご指摘の通りだと思います。本日の藪中・王会談がどういう結論を出すのか分かりませんが、日本側が中国に著しく妥協したとしたら、それは外務省というよりも官邸、つまり福田首相が決めたということでしょう。そしてそれは、日本だけでなく、中国をも誤らせることになるかもしれません。
日朝交渉の記録欠落、、、交渉術では海千山千の国が相手だけに、後々日本にとって国益が損なわれる恐れがありますね。
さすがは産経記者。 拉致よりも正常化を望んでいる他社では絶対に扱えないような記事です。
民主党の議員さんもどうせならこういう事を国会で質問してくれるならいいと思うのですが、、、。
まあ内閣も同じようなものですが、、、。
今朝、文藝春秋を買って読んでみました。手嶋氏も「いま外務省には、その秘密交渉を記した公文書が存在しないのです」と言っていますね。ただ、手嶋氏は「公電」と言っていますが、田中氏は以前、どこかの新聞社のインタビューに公電を打たなかったことはすでに認めています。公電がないだけでなく、交渉記録自体に欠落があることがより問題だと思っています。
だれが記録をつくらなかったのか、あるいは破棄したのか、それには「政治」の意思があったのかどうか…などは分かりません。ただ、田中氏と、田中氏と行動をともにしていた当時の北東アジア課長である平松氏は、それを知っているはずです。この記録文書の件は、外務省内でも興味を持って調べようとした人が何人もいるようですが、ガードが固くてアクセスできないという話も聞きました。
おはようございます。竹島の日の記事に関しては、弊紙の大阪本社が取材して記事にしたようですが、東京本社への連絡が悪くて東京本社版では掲載できなかったとの話です。どうもすいません。
私が田中氏退任後の政府・外務省関係者に取材した限り、この引き継ぎはできているというのは、事実ではないと思っています。もちろん、通常の引き継ぎはあったのでしょうが、田中氏が北と秘密交渉した部分は、記事にある通り「田中氏と通訳しか本当のところは分からない」ということでしょう。ただ、立場上、引き継ぎは万全だと言っているだけだと思います。
外務省では、安倍谷内ラインの遺産もあり、一時期猛威をふるったチャイナスクールは、現在は目立つ存在ではありません。今の中国課長も英語研修組ですし、次の中国大使はだれかいるだろうかと外務省幹部が困っているほどです。問題は、やはり官邸、福田首相にあると思っています。
こんにちは。>後々日本にとって国益が損なわれる恐れがありますね。…後々というより、現に損なわれ続けているのではないかと思っています。>民主党の議員さんもどうせならこういう事を国会で質問してくれるならいいと思うのですが、、、。某民主党議員から、予算委員会で質問したいという話はありましたが、政府がどう回答するかは答弁書をみても分かり切っているので…。
おはようございます。
私もそう思います。 訪韓前に福田のおじさんに対して牽制してもらいたいですね。
っていつからでしたっけ? 訪韓?
田中、ヒルに共通するのは、スタンドプレーを好む「政治家」的官僚ということ。交渉で腹を割って…といきたいのでしょうが、結局、独裁者に手玉にとられ(ヒルは2度目!)、官僚的な、せせこましい狡猾さだけが目立ってしまう悲しさ。
防衛庁の天皇、ミスター文部省、ミスター円など、細川内閣位から、こうした「政治家」的官僚が目立つような気がします。
福田氏の発言については次のエントリで取り上げました。ただ、ヒラ記者である私に社説で何を書くかを決める権限はないので…。
仕事のできる官僚の仕事の半分ぐらいは政治家と付き合い、交渉、要請その他にあるというのが現状なので、官僚自体が多少、政治的になるのは仕方がないとは思いますが、官僚の身分にとどまるのであれば、限度をわきまえるべきだと考えます。それが嫌なら政治家でも評論家でも転身すればいいと。
中国が誤った道を選べば、それは周辺諸国にとっても不幸なものになるでしょう。日本の譲歩がそれを誘導するなら、今度こそ本当の意味でアジアから批難を受ける事になると思います。大国なのに自国内の政争に明け暮れ、地域に対する責任をまったく果たさなかった国として。
中国に対抗する力を持たないアジア諸国からは、日本にもっと中国と対峙してほしいという声が聞こえてきます。中国の存在や経済力は無視できませんが、中国にばかり浸食されるのは嫌だと思っている国は少なくないのだと思います。しかし現状は…。
この件に関しては、外務省内でも欠落部分こそ、重要な話し合いがあったのではないかとの疑問が持たれています。しかも、外務省高官ですら、そこで何が協議されたかは分からないと。引き継ぎがなされているというのは、対外的な言い訳にすぎないと思います。>記録を残さない交渉(事前の事前)も事例によってはあると思うのです…もともと秘密交渉であり、正式な会談ではないのでそういうことはありえますが、それが後に外交交渉の阻害要因となっているとしたら、やはり大問題でしょうね。
北朝鮮側に言わせれば一時帰国のはずだった五人の拉致被害者を日本にとどめたときも、北朝鮮側は約束違反だと怒りましたが、日本が政府として正式にそんな約束などしていませんでした。あのときも、現場で勝手に話を進めたのだろうと言われていますね。当時、五人を帰さないと北とのルートが途絶えてしまうと主張した彼は、後に「政府内の役割分担だった」と言っていますが、官邸にいていろいろ取材していた私はそれを信じてはいません。
1、福田官房長官(当時)と田中均氏は、帰国した拉致被害者を北に戻さない事に反対した経緯もあり、都合の悪い部分を隠したいように見えます。
2、それはともかく、当時の北が日本に接近した理由は、米国による空爆を恐れたために日本をして空爆に待ったをかけさせようとする事だった、というのが西岡力教授の説です。
それが正しいのかは分かりません。しかし、言える事は、北は乾坤一擲の「核実験」をした後、米国とのベルリンでの直接交渉も実現し、改めて核の威力を確信したように思えます。
そして、最近、他の方の投稿欄でも書いたのですが、残念ながら北の核問題というのは既に手遅れになってしまったと感じています。小型化できているかどうかに関わらず、です。
3、となると、次の総理麻生さんに期待するしかないです。約1年前に麻生氏は米国首脳に面と向かって、日本にも対抗上究極兵器云々と主張したそうですね。
もちろん福田総理には政治・経済・外交について何の期待もしていません。
大阪の川にゃ
北朝鮮をめぐる拉致や核の問題は正直なところ、だれが総理でもすぐに解決するということはないでしょう。残念ながら時間をかけて取り組むしかないと思っています。ただ、その場合も日本側がぶれないことが肝要だと思うのですが、今の政権は北に乗せられて揺れそうだと危惧しています。