チベットで起きた僧侶らによる大規模騒乱事件で、またしても中国共産党政府のやり方が白日のもとに晒されていますね。チベットの住民たちの被害が少ないことを祈るしかありませんが、同時に、福田首相らがやたらと「友好関係」を強調するあの国が、国内には圧政を敷き、民族弾圧を繰り返している膨張主義の独裁・被民主主義国家であるという認識が、これを機会に日本国民の間に浸透するといいなと思います。

 この件について、わが国の政府は特別の反応を示そうとしていません。まさか親中派の福田首相も、今回は「中国は非常に前向きですね」とは言い出さないと思いますが、政府の立場は外務報道官談話によると、「懸念し、注視している」「関係者の冷静な対応を求め、今回の事態が早期にかつ平和裡に沈静化することを強く期待する」というものにとどまっています。欧米諸国のように、強く抗議するようなことはありません。わが国の中共に対するスタンスの特殊性が、これまた今回の件や中国製ギョーザ中毒事件を通じて国民に理解されることを望みます。

 さて、というわけで、こういう非常事態にもかかわらず、私はとりあえず本日は自宅にいるので、以前から一度取り上げたいと思っていたことを書こうと思います。私はこのブログで、これまでたびたび一般書籍や漫画について記してきましたが、きょうは、お薦めの幼児絵本を紹介(順不同)しようと思います。大人も幼児も楽しめるものを、独断と偏見と個人的趣味で12冊選びました。そのテーマはちょっと…という関心のあまりない方は、どうぞ飛ばしてください。

 まずは、人気が高い「フンガくん」シリーズです。NHKの教育テレビでもときどきこの絵本が、アニメ化したものではなく、絵本そのものの絵を使って放映されていますね。商店街や街の風景など背景描写が楽しく、お薦めです。このほか「おこりんぼ フンガくん」「あまえんぼフンガくん」などがあるのですが、肝心の第1巻がなかなか手に入りません。大手の書店をいくつか回って探したこともあったのですが…。

 

 次のこの作品は、読んでいてリズム感があり、本当に楽しくなります。一人がカレーライスをつくろうとすると、周囲にどんどん「カレー気分」が広がって、カレーの香りが街中に…という展開を読むと、こっちまでカレーが食べたくなります。ユニークな絵も素敵です。

 

 子供は好き嫌いが多く、特に野菜を苦手とする子はたくさんいますね。うちの子供もそうなのですが、この絵本を読むと、ふだんは口にしたがらない野菜も食べてみようかという気に(少しは)なるようです。これも、独特のリズム感が助けとなり、本を読み進めやすくなっています。巻末には、本に出てくるスープのレシピもついています。

 

 これは、なかなか個性的な絵本です。いま注目されている「食育」教育にも利用できるというのですが、それ以上に純粋に面白いです。また、ふつうの標準語のセリフのほかに、登場人物達が博多弁をしゃべる博多弁バージョンもついており、子供に読み聞かせたらけっこうウケました。でも今、小学校低学年にこういう「番長」と呼ばれるような少年はいるのかな…。

 

 この本は、どちらかというと、子供にはちょっと背景を理解しにくい部分もあった(まんぷくって何?ということから説明させられましたし、ギャグもよく分からないようでした)のですが、大人の目からは凝っているなあと感じました。私は絵本の世界はあまり知らないのですが、作者は人気作家のようですね。

 

 いやあ、これは何だかシュールな話で…。回転寿司たちが、ぐるぐる回る人生が嫌になり、世界旅行し、そして最後は宇宙にまで、という不思議なストーリーでした。でも、そういう奇天烈さも子供達は好むようです。これは何かの寓話になっているのかしらんとふと考えてみましたが、よく分かりません。面白いからそれでいいのでしょう。

 

 こっちは割と正統派のかわいい絵柄で、生き物の種類によってごちそうがそれぞれ違うことが描かれています。けっこうあちこちの書店で見かけるので、よく売れている本なのかもしれません。自分の子供だけでなく、親類の子供などにプレゼントする際にも安心して贈れます。

 

 次は外国の絵本です。ある日、お茶の時間に突然虎が訪ねてきて、家中の食べ物を食べ尽くす…というストーリーは単純なようでいて、何度読み返してもなんだか面白いのです。こういうのが、絵本の名作なのかなあ。子供にも繰り返し「読んで」と言われた作品です。不思議なユーモアを感じます。

 

 せなけいこ氏の作品はどれも面白く、大人も子供も楽しめるものですが、この作品は
子供の関心が高い「食べ物」と「おばけ」を同時に登場させているので、より楽しいものになっています。さすがだなあ、と感じてしまいます。せな氏の作品では、「ちいさな たまねぎさん」もお薦めです。

 

 何だかよく分からない楽しさにあふれているのが、この本です。お父さんと娘が買い物に行き、いつもと違った非日常的なことに次々に出くわして冒険を味わい、でも平気で乗り越えていく。親子の仲の良い様子がとてもいい感じです。

 

 今回、一押しの作品で最近のお気に入りです。これは何度読んでも面白いし、不思議と共感を覚えます。鶏の親子がスーパーに買い物に行き、帰って風呂に入って、食事をして…というそれだけの話なのですが、「うんうん」「そうだそうだ」と登場人物(登場鶏ほか動物各種)の言動に妙に納得したり頷いたり。また、スーパーのリアルな描写も楽しいです。

 

 最後は、やはり正統派の絵本で締めくくります。私は、テレビで正月などに放映される「はじめてのおつかい」シリーズが大好きで、いつも涙腺を緩くして見ているのですが、この本も、初めておつかいを頼まれた子供の不安や頑張る様子をあますところなく描いています。さわやかな印象を残します。

 

 …以上、さまざまな絵本を紹介したわけですが、特定の方向性、ジャンルに偏っているように見えるかもしれません。でも、気ににしないでください。決して私が、子供に絵本を与えるときも自分の趣味だけで選んでいるというわけではない、と断言できないことは言うまでもないと認めることはやぶさかではないと、振り返って感じる部分があると言えばあるようなないような。

 ただ、絵本は紙質がよく、オールカラーであるためなのでしょうが、値段が高いのですよね。子供には、絵本を通じて本に親しむようになってほしいと思う半面、費用対効果はどうかな、なんてせこいことも考えてしまいます。この4月は果たして昇給はあるのだろうかと不安だし…。