きょうは、20日のエントリ「ミスター日教組、槙枝元文氏と北朝鮮の関係について」の続きを書きます。この中で私は、12年間もの長きにわたって日教組の委員長職に在任した槙枝氏と北朝鮮の異様な親密さについて記し、また、槙枝氏が現在議長を務める「朝鮮の自主的平和統一支持日本委員会」という団体の過去の集会アピールや決議について触れました。

 

 それに関連して本日、この団体が社民党の某国会議員を通じて昨年12月、麻生太郎首相と中曽根弘文外相に宛てて送った「要請書」のコピーを入手したので、紹介したいと思います。まずは、ちょっと読みにくいかもしれませんが、以下の写真をどうぞご覧ください。

 

   

 

 対北制裁解除、万景峰号の入港、6カ国協議からの拉致問題の排除…などと相変わらず好き勝手なことを求めていますが、「事務局 連絡先」にある北川広和という名前を見て、アレ?と気になりました。この人は確か、ある意味で有名な人だったはずだと思い、産経のデータベースで検索すると、早速、次の記事がヒットしました。ああ、やはりこの人だったか。

 

拉致事件 社民HPに「拉致は創作」 5年前の機関誌論文「北」謝罪後も削除せず [ 20021004  東京朝刊  総合・内政面 ]

 

 九月十七日の日朝首脳会談で、北朝鮮の金正日総書記が日本人拉致事件を認め謝罪したにもかかわらず、社民党が同党のホームページ上に「(拉致は)新しく創作された事件というほかない」とする機関誌「月刊社会民主」(平成九年七月号)の論文を掲載し続けていることが三日、明らかになった。

論文のタイトルは「食糧援助拒否する日本政府」で、筆者は社会科学研究所の北川広和・日韓分析編集。

北川氏は、九年四月に開かれた日米首脳会談で、日本が拉致事件などを理由に北朝鮮への食糧支援を拒否した背景を分析している。

その中で、拉致事件については、韓国の国家安全企画部(安企部)が北朝鮮の元工作員の証言に基づいた情報であるとした上で、「元工作員が本当に存在するのかさえきわめてあやしいと言わざるをえない」と指摘。また、産経新聞が九年三月十三日に報じた元工作員のインタビューにも「証言そのものが創作ではないかとの疑念が生じる」とし、「拉致疑惑事件が安企部の脚本、産経の脚色によるデッチあげ事件との疑惑が浮かび上がる」と指摘している。

さらに、日本語の教育係を必要としたため拉致したとする説については、「見ず知らずの日本人を連れてきて、日本語教育係に育てあげることができるのか。(中略)北朝鮮には多くの日本からの帰国者がいて、わざわざ危険を犯して拉致する必要などない」と北朝鮮の犯行説を疑問視している。

最後に「拉致疑惑事件は、日本政府に北朝鮮への食糧支援をさせないことを狙いとして、最近になって考え出され発表された事件なのである」と拉致の事実そのものを真っ向から否定している。

拉致が明らかになったにもかかわらず、拉致否定の見解をホームページに掲載していることについて、社民党総合企画室は「機関誌の主要論文についてはこれまでホームページに掲載してきたが、(北川論文ついても)現時点で取りやめるつもりはない」とコメントしている。

一方、「横田めぐみさん等被拉致日本人救出新潟の会」の小島晴則さん(七一)は「時代遅れ以上に、反日思想の典型の表れ。日本国民を敵に回してまで北朝鮮を担ぐのか。謝罪して即刻(論文を)取り下げるべきだ。拉致被害者家族の心情を考えても、このまま掲載を続けるとは信じられない。そうでないなら、日本から去ってもらいたい」と社民党の姿勢を激しく批判している。

 

当面は掲載続ける意向 保坂・総合企画室長

 

社民党は三日の常任幹事会で、「友党」としている朝鮮労働党に対して拉致事件について近く抗議するとともに、事実関係をただすことを確認した。一方、「月刊社会民主」の拉致事件をめぐる論文が同党ホームページ上に掲載されていることについて、保坂展人総合企画室長は常任幹事会後の記者会見で「党の見解と同一かを確認したことはないが、なるべく早い時期に見解を出したい」と述べ、当面は掲載を続ける考えを示した。》

 

 …この人は、拉致事件は「でっち上げだ」と主張してきた、この上なく正統的なあっち側の人物でした。こういう人が、金日成を崇拝する槙枝氏の下で事務局を務めているというのは、あまりに分かりやすすぎる構図です。一方、社民党はこの産経の記事が出た後に国民から批判が集中したため、ホームページから北川氏の論文を削除しましたが、いまだに政府との連絡役・橋渡しを務めるほど仲良しなのですね。まあ、同志なのでしょうから、当然といえば当然ですが。また、「要請書」の中で言及されている朝鮮統一支持運動第26回全国(大阪)集会アピールを読むと、こんなことが書いてあります。

 

 《拉致問題は、日朝2国間で解決すべき課題です。その場合、日朝平壌宣言に基づいて、過去精算を原点とした日朝国交正常化を優先させ、拉致問題は交渉の開催中に作業部会などで話し合うべきです。》

 

 拉致問題を矮小化したい北朝鮮の意向そのものの主張だと感じます。社民党と言えば、2001年12月17日には、副党首の渕上貞夫参院議員と金子哲夫衆院議員が朝鮮総連中央本部の副議長らを伴って警察庁を訪れ、警察庁捜査2課課長補佐に「中央本部に対する強制捜査は不当な政治弾圧」という決議文を手渡したことがありました。こっちの方が政治による捜査への介入とも言えますね。また、翌18日には他の社民党議員がやはり総連幹部と首相官邸を訪れていますし、日本には北朝鮮の強い味方が本当に多いようです。