さて、今朝の産経は政治面に2段見出しで「教頭 ほとんど組合推薦」「日教組究明議連 会報で告白と指摘」という記事を載せています。昨日の自民党有志でつくる日教組問題究明議連で資料配付された昨年12月4日発行の兵庫県の西宮市教職員組合の会報「西教組ニュース」が、「ここ数年は、教頭任用者のほとんどは組合推薦です」と書き、本来は県教育委員会の権限である昇任人事について深く介入していることを堂々と自ら告白していた件について報じたものです。記事は、イザニュースにもアップされているので読まれた方もあることでしょう。本日は、記事の補足も含め、その議連でのやりとりを紹介します。

 

   

 

 まず、写真を掲載しておきますが、この西教組ニュースは「長年の粘り強いとりくみの成果として、89年以降、教頭任用者に対する組合推薦の割合を高めてきました。ここ数年は、教頭任用者のほとんどは組合推薦です」「受験する組合員をいかに増やしていくか、行政や非組合員からの任用をどう減らしていくかが今の重要な課題です」「『民主的な職場』『ゆとりある職場』づくりのため、教頭推薦を完全に集約しましょう」などとあからさまに記していました。

 

   

 

 昨日の議連第4回会合には、国会議員が私が気づいた範囲で18人、文部科学省からは担当者ら5人が出席しました。報道関係者はというと、産経のほかは日経1社だけだったようです。相変わらず、この手の問題に対するマスコミの関心の薄さ、あるいは教職員組合の問題点は見ない、触れないという「日教組タブー」のようなものを感じますね。

 

 それはともかく、会合ではまず、教員と教育委員の双方を経験した義家弘介氏がこの西宮市教組の問題について「この構造が、大分県の教員昇進汚職につながった」と問題提起しました。昨年夏に発覚して逮捕者も出した大分県の教員採用・昇進にかかわる汚職事件では、大分県教組による推薦・斡旋など不適切な事例があったことが、県の報告書でも指摘されていますからね。そして、こうした実態は、他県でも同様であるか似たようなものだと言われています。以下、議員らと文科省側とのやりとりの概略です。

 

 義家氏 文科省は組合が人事権をにぎっている実態をどう把握しているか

 

 文科官僚A まさにここ(西教組ニュース)にあるように、人事について教職員組合がある役割を果たしているのはあってはならないことだ。人事は教育委員会の責任で行うべきものであるが、大分でも、組合の推薦とかが指摘されている。現場に対しては、誤解を招いたり、不適切な事例があってはならないということを指導している。

 

 山谷えり子氏 この西宮市の件は知っていたか

 

 文科官僚A 申し訳ない。この事実はここで初めて承知させていただいた。

 

 山谷氏 大分県のほかで同様の事例は把握しているか

 

 文科官僚A 教委のレベルで推薦などを受けているということは、必ずしも把握できてない。

 

 尾身幸次氏 組合は推薦リストを市町村教委に渡しているはずだ。また、教委の議事を調べればすぐ分かることだろう

 

 文科官僚A 大分の場合は、校長、教頭の選考に当たって、教組の各支部役員が、市町村教委にリストを出していた。大分県教委に聞くと、県教委本庁自体がそれを掌握していたわけではないという説明だ。文科省としては、ってはいけないと改善を求めている。

 

 中川義雄氏 それはあまりに現場を知らなさすぎる議論だ。人事は県教委(教育委員の意味か?)やっているんじゃなく、教委の事務職員がやっている。問題は談合だ。事務職員が実際の権限を持っている。そこに関与してくるのが組合だ。彼らはものすごく巧妙にやっている。泥棒に泥棒をしたかと聞いても、していないというに決まっている。文書や通達を出して調査したと言っても意味がない。

 

 山谷氏 次回の議連で文科省に報告を求めます(文科省側、「はい」と頷く)

 

 …この日の会合で出された資料には、このほか兵庫県教職員組合の会報「教育ひょうご 速報」(同じく昨年12月4日発表)もありました。これも写真を掲載しておきますが、これまた堂々と違法なストライキの計画とその中止の経過が記されています。こんな感じです。

 

   

 

 「今回の県教委回答は、細部については継続交渉課題があるものの、現在の情勢にあっては、重要案件とした諸課題について当初提案から前進をはかり、勤勉手当査定原資の特例措置継続や勤務実態の短縮、勤務時間的成果に向けての具体化についても一定の成果があったと判断し、満場一致でこれらを確認し、12月4日午前3時35分、本日の早朝2時間ストライキ体制は中止することを決定しました」

 

 児童への連絡にあたっては、「ストライキ」という文言は使用せず、次のように説明することになっていた(していた?)そうです。親に報告されたらまずいとは、一応考えたのでしょうか。

 

 「先生たちは組合で給料や待遇などを決める交渉があります。この交渉で、先生たちが納得できない内容ならば、先生たちは明日の朝、2時間の集会に参加します。その場合は、みなさんのことは校長先生が指示しますから、それを聞いてください。納得できる内容ならば、普通通り授業を行います」

 

 この「2時間の集会」は中央運動公園広場という場所で行われることが決まっており、日教組の歌や兵教組(兵庫県教組)の歌を斉唱したり、要求決議採択をしたりする予定だったようです。日本の国歌は嫌いなくせに、本当は歌が好きなようです。兵庫県教組の関連で言えば、私も昨年10月7日のエントリ「主任手当・神戸市教組の指令文書」(http://abirur.iza.ne.jp/blog/entry/745313/)で取り上げたことがありましたが、なかなか強かな運動体であるようです。文科官僚もこう言っていました。

 

 文科官僚B 教員は一般の公務員と同じように交渉権は認められているが、ストライキをする争議権は完全に禁じられている。大分と兵庫は、県教委自体がしっかりしていない。正直に言って、一番てこずる県の一つが兵庫県だ。

 

 このほか、出席議員からは「安保と教育は、自民と民主が最も異なるところであり、次期衆院選の争点となりうる」(義家氏)「次の総選挙の争点の一つにクローズアップする値は十分ある」(萩生田光一氏)といった意見も出ていました。また、中山成彬氏が、「民主党の輿石東参院議員会長は『教育の政治的中立はありえない』と言っているが、民主党が政権を取り、日教組の代表が文科省に乗り込んできたら大変なことになる」と述べると、文部官僚5人がいっせいに「うん、うん」と強く頷いていたのが印象的でした。とはいえ、文科省側は日教組議員たちともウラで気脈を通じているといいますから、意外と平気なのかもしれませんね…。