本日、民主党の小沢一郎代表の資金管理団体「陸山会」の政治資金規正法違反事件で、12日に東京地検特捜部から参考人として事情聴取を受けた石川知裕衆院議員(小沢氏の元秘書)が、午前10時半ごろにいったん「きょう行いたい」と報道各社に通告してきたインタビュー取材を、正午前の土壇場になってキャンセルするということがありました。石川事務所はドタキャンについて「理由はいえない」ということでした。

 

 一体どういうことだろう、もしかしたら再聴取か?などと同僚と話していたのですが、午後の鳩山由紀夫幹事長の記者会見で理由が分かりました。つまりは、幹事長(室)でストップをかけたということでした。

 

 鳩山氏 メディアの餌食になってもいけないなと。あまりこういったことで、メディアのまた、対象になりすぎてもいかがなものかということで、幹事長とし(言い換えて)幹事長室として、「今日のマスコミへのぶら下がりなどは遠慮したほうがいいんじゃないか」と。本人自身は多分、出るつもりだったんだと思いますが、それに対して抑えたというふうにうかがっています。》

 

 …うーん、気持ちは分からないでもないですが、言葉遣いをみても煮詰まっているというか、疑心暗鬼に囚われている気もしますね。この日の記者会見で鳩山氏は、一方では検察に説明責任を果たせと求めているのですから、「説明したい」という石川氏の意向を尊重すればいいのに。まあ、気を取り直して淡々と粛々と、小沢語録シリーズの続きをお届けします。

 

・ 平成18年5月10日、朝日、民主党代表、記者会見で国会や党の会議を休みがちである理由を説明して

「心臓疾患で入院以来、食事してすぐに仕事にとりかからないなど、医者の忠告を守っている。(衆院本)会議は、昼食の時間にぶつかったものは欠席している。1日60本吸っていたたばこもやめ、酒も3分の1くらいにした。朝食会や特にワーキングランチなどはもっと体に悪いのでどなたにも断っている。非常に国政上重大な場合はその限りではない」

 

 =ふーん、そうですか。聞き置くことにします。

 

    平成18年7月5日、産経、民主党代表、2日の民放番組で小沢氏が述べた発言を引用して紹介

「日中の政治家レベルで本当に信頼関係があるとは思えない。(日米中が)正三角形になって日本が扇の要になる関係でなければならない」

 

 =この「日米中正三角形論」は、ずっと以前のエントリでも紹介しましたが、自民党の加藤紘一元幹事長の持論でもあります。この小沢氏の発言に対しては、当時の麻生外相が「二等辺三角形ならあり得るが、正三角形ではない」、安倍官房長官が「日中関係は重要だが、同盟関係ではない。正三角形とは基本的に違う」とそれぞれ異議を唱えました。

 

    平成18年7月14日、朝日、民主党代表、インタビューで、政治家は首相になりたいものではないかと聞かれて

「そういうげすの勘ぐりが多いのよ。ぼくの心理では、もう(首相を)経験しちゃっているんだ。(自民党時代に)なろうと思えばなれたんだから。自分でやったほうが改革をやりやすいんじゃないかと言われれば、そうかなという気はするけれど、本当はぼくに代わって改革をやってくれる人がいれば、それはもう全然いい。ぼくは気楽でいいよ、その方が」

 

 =ずっと見ていると、この人は首相に意欲を示しているときと、必ずしもそうではないときと両方ありますね。あくまで言葉の上での話ですが。

 

    平成18年8月18日、夕刊フジ「剛腕コラム」、小泉首相の8.15靖国参拝を批判して

「首相職にある限り、その身分はついてくる。国内的にも国外的にも『日本国を代表する首相が、戦争責任にケジメをつけない行動をした』ということになってしまう。僕も英霊に尊崇の念を表すため、靖国神社に参拝したことが何度もあるが、政府の責任ある立場にいる者が参拝することは次元が違うのだ」

 

 =このように小沢氏は首相の靖国参拝やいわゆるA級戦犯合祀を繰り返し批判していますが、自治相時代の昭和61年4月の参院地方行政委員会では、公式参拝するかどうかを聞かれて「A級であろうがB級であろうがC級であろうが、そういう問題ではない。たまたま敗戦ということによって戦勝国によって戦犯という形でなされた人もいる。その責任論と私どもの素直な気持ちは、別個に分けて考えてもいいのではないだろうか」と答弁していました。

 

 私は、政治家も含め、人の考え方は変わることがあるのは当然だと思います。私も、新たなことを知り、学ぶことで日々少しずつ考えに修正を加えたり、微妙にスタンスを変えたりしています。ですから、小沢氏が言うことが昔と今とで違っていても、それを直ちに批判しようとは考えていません。ただ、一体何をもってこの人が「ブレない政治家」「理念の人」などと評されるのかがよく理解できないのです。

 

    平成18年9月14日、産経、民主党代表、インタビューで憲法改正への民主党の取り組みについて聞かれ

「政策は国民の関心の強いものに対し、どう応えるかということ。必ずしも国家の優先順位とは一致しないが、選挙が政権を決める以上はそういうことも加味しながらやっていかなければならない。その案配だ。憲法改正の必要性について聞かれれば答えるが、今は国民に全然関心がない」

 

 =こういうところは理念派というより、プラグマティストかなと感じます。

 

    平成18年10月6日、産経、民主党代表、体調不良のため入院していた日本医科大病院を退院後、記者団に

「(4月の代表就任以降)精一杯張り切ってきたもので、若干くたびれた。それで、この際、全部検査してリフレッシュして、また頑張ろうと思った。(入院が)国会の冒頭だったので、いろいろ皆さんにお騒がせした。体そのものに異常っちゅうか、悪いところはない。あらゆる検査をしてもらった。年なりに動脈硬化はあるが、特に危険というか、心配なことはないと…。そういうことだった」

 

 =安倍新政権の首相指名前夜に入院しておいて、これです。これを怒濤のマイペースとみるべきか、やはり健康不安は深刻だと考えるべきか。

 

    平成18年10月28日、産経、民主党代表、北京で中国の呉邦国全国人民代表大会常務委員長と会談した際、日本国内の核保有論議について

「残念に思う。ひと昔前なら蜂の巣をつついたような騒ぎになっていただろうが、拉致問題の流れの中で、何となく国民がそれを受け入れてしまう風潮にあり、一抹の危惧を覚える」

 

 =自民党の中川昭一政調会長の「核の議論はあっていい」発言については、私は平成18年10月18日のエントリ「検証用・核をめぐる中川政調会長発言の詳報」(http://abirur.iza.ne.jp/blog/entry/59142/)で取り上げていますが、マスコミは十分過ぎるぐらい大騒ぎ(カラ騒ぎ)していました。それを小沢氏は不十分だ、もっと騒げと思って見ていたわけですね。因果応報というか…。それと、この「拉致問題の流れの中で」というセリフもちょっと引っかかります。気にしすぎかもしれませんが。

 

 …というわけで、今回で平成18年分は終わり、次回は19年分からとなります。いよいよ記憶に新しいというか、生々しい時代に入ってきて、スクラップを読んでいてときに胸が苦しいような息がつまるような緊張感を覚えます。次回がいつになるかは分かりませんが、そう遠くないうちにアップしたいと思います。またよろしくお願いします。