今朝の毎日新聞の2面「風知草」で、専門編集委員の山田孝男氏が書いているコラム「傍観者的『検察』依存」はその通りだと頷けました。このコラムはまず、「小沢一郎とカネをめぐる逸話には釈然としないものが多い。にもかかわらず、検察が動かぬ限り是非は問わないという世の中は健康だろうか。何がヘンか自分の目で見ず、判断を司法に丸投げする検察依存社会のゆがみを問いたい」と提起しています。

 

 他紙のコラムをあまり褒めるのもナンですが、我が意を得たり、という思いがしました。司直の手が入ろうと入るまいと、私もこれまでさんざん書いてきた通り、小沢氏の政治資金の問題はどこかヘンだと感じる方が普通であり、健康であるように思います。

 

政治資金規正法はその「目的」として、「政治活動が国民の不断の監視と批判の下に行われるようにする」ことを挙げていて、総務省政治資金課は「要は国民がどう思うか」としています。それなのに、問題がこれでいいのかを自分の頭で考えずに、検察の国策捜査だなんだのと言うのは筋が違うだろうと私も考えます。毎日のコラムはまた、辛辣にこう書いています。

 

 「小沢も国家改造を語るが、晩年の田中と同様、金集めと権力掌握が自己目的化していると見るべきではないか。小沢はこの疑念に答える代わりに、献金はすべて『適法に処理している』と繰り返す。微罪で秘書を逮捕した検察の政治性を批判し、『政治を変えることが私の思考のすべて』とす『官僚主導を壊す』とか言い始める。こういう話のそらし方に虚無的なものを感じる」

 

 いやあ、新聞の、それも他紙のコラムでここまで小沢氏に対して舌鋒鋭いものは初めて読みました。惜しむらくは、毎日さんもそう思っていたのだったら、もっと早くから、踏み込んで書いてきてほしかったなあ、という気もしますが。さて、それでは本日も小沢語録シリーズをお届けします。平成19年へと突入しました。

 

    平成19年1月13日、朝日夕刊、民主党代表、平成17年の政治資金収支報告書に事務所費約4億1500万円を計上していた理由について

「秘書の給与が低いから、宿舎を提供してやろうと、(私の自宅の)近所に(土地・建物を)購入した。(事務所費に)計上するしかない」

 

 =この件に関しては何度も書いてきたのでもう詳しい説明は省きますが、ふつう、私設秘書の給与が安いと思うなら、政治資金で自分名義の不動産など買わずに素直に給与を上げるものだと思います。理解できません。小沢氏はこの「秘書の宿舎」を3億7900万円かけて建設したのですが、当時、自民党のあるベテラン秘書は「それだけあれば、秘書5人に家賃10万円のアパートを50年間借りてあげられる」と呆れていました…。

 

    平成19年1月23日、産経、民主党代表、記事の中で16日の民主党大会での小沢氏のあいさつを引用

「私の政治資金の処理においては、使途不明の資金や他の経費の付け替えなど不正や虚偽記載は一切ない」

 

 =で、2年余り後に、公設第1秘書が政治資金規正法違反(虚偽記載など)の容疑で逮捕されたというわけですね。

 

    平成19年2月21日、産経、民主党代表、資金管理団体「陸山会」の事務所費の詳細を公開(短時間)した上での記者会見で

「私は不動産に何の権利も持っていないことを書面で確認している。私が政界を引退した場合、これらの不動産が『陸山会』の資産として残存していた場合は、その資産は後進の人たちへの支援に使いたい」

 

 =言葉だけ聞くと、その意気やよし、という気にもなるのですが、小沢氏の言う「確認書」は公文書ではなく何の法的効力もありませんし、東京高裁は昨年6月、「不動産は必ずしも陸山会のものとはいえない」という判決を下し、小沢氏の主張を退けていますね。また、ここで言う「後進」がだれを想定しているのかも定かではありません。仮に小沢氏が死亡した場合、法制上、親族が相続することになりますし。

 

    平成19年2月28日、毎日、民主党代表、インタビューで政治資金について

「(大声で)大事なのはディスクロージャー、オープンにすること。違法行為は司法が取り締まる。妥当性はオープンにすることで、税金を納めた国民、献金した国民が判断する。オープンにされていなければ国民は、判断のしようがない」

 

 =ちゃんと分かっているじゃないですか。うんうん、よしよし。

 

 …小沢氏の政治資金問題については、民主党の前原誠司副代表も「たとえ合法でも、あれだけの献金をもらっていいのかという問題はある。私には考えられない金額だ」と声を上げ始めていますね。当たり前の感覚だと思います。こういう意見が、民主党内からまだ表にほとんど出てこない、公の場で発せられない現状の方が、やはり健康ではなないだろうと。

 

 本日もちょっとばたばたしているので、短いエントリで失礼します。「宿題」があって、朝4時に起きて原稿を書いたので、まだ午前中だというのに少し疲れてもきました。なるべく早く、続きをアップしたいと思っています。