本日はまず、ちょっと気になったことを書きます。民主党の鳩山由紀夫幹事長は昨夜、JR松戸駅前で行った千葉県知事選の民主党候補の応援演説で、小沢一郎代表の公設第1秘書の起訴について次のように語り、大喜びしていました。あいかわらず東京地検の捜査にぶつぶつ言っているのはいいとして、下記の太字部分にご注目ください。

 

鳩山氏 大変、検察も政治的な意図で、行政の一環として仕事をしている、そのように思えてならないところがございまして、今私たちは官僚任せの政治から、皆様方が主役になる政治、切り替えてまいりたいと思っています。こんなときに小沢代表もくじけないで、頑張って民主党もいきます。どうぞ、よろしくお力をお貸しください。

大変うれしいことに、先ほどメールを見ておりました。朝日新聞の世論調査によると、小沢代表続投に対して、賛成してくださる方が64%おりまして、3割少しが辞めなさいという声でございました。もっと辞めろという声が大きいかと思っておりましたが、皆さん方が辛抱強く、そして、何かやっぱり、おかしいなと、この捜査は変だなと思っておられるから、辛抱強く小沢続投に賛成をしていただいていると思っておりまして、そのことに関して、幹事長からも御礼を申し上げます。みなさんありがとうございます。本当にありがとうございます。》

 

 えっ、まさか。本当にそうなのと驚かされた、私には少々ショッキングな内容でした。小沢氏続投に賛成が64%…。国民はどこまで小沢氏に甘いのか、一体どういう判断基準、価値基準に基づいたらこういう数字が出てくるのかと、ちょっと世を嘆きたくなったほどです。せっかく民主党内からもようやく健全な小沢批判の声があがり始め、少しはまともな政党に生まれ変わるチャンスだったというのに、これでまた沈黙が支配する非民主的政党に後戻りかと。

 

 ところが、鳩山氏がだれのメールで朝日の世論調査結果を知ったのかはおいておくとして、今朝の朝日新聞を見ても、この世論調査の結果が見あたりません。まあ、紙面の都合もあるし、明日の紙面に掲載するのかもしれないなあと思いつつ、2面の特集「時時刻々」を読んでいたら「『小沢おろし』は世論次第」という見出しが目に飛び込んできました。記事は、非民主系のベテランの言葉として、こんなセリフを紹介していました。

 

 「すべては世論調査が出てからだ。民主党支持が落ちるかどうか。こればっかりはわからない。がくんと下がっていたら、その瞬間に終わりだ。一瞬で動く」

 

 これはこれで納得のいく、だれかが言いそうなコメントではあるのですが、これを書いた記者は自社の世論調査結果を分かった上で書いているのかまだ知らないのか、それとも、鳩山氏が偽情報をつかまされて言っていたのか…などといろいろ気になった次第です。明日になればおそらく分かるのでしょうが、鳩山氏の情報が事実であれば、小沢氏続投を6割以上の人が支持している以上、民主党支持率も「がくん」とは落ちていないでしょうね。もしそうであれば、それだけ自民党が国民に嫌われているということかもしれません。

 

 そこで参考までに、秘書起訴に対する東京地検側の言い分を少し紹介しようと思います。これについては25日付の弊紙社会面に「検察が異例の〝解説〟 『放置できぬ悪質性』」という記事が載っていましたが、それを補う意味で。以下、検察幹部の主張です。検察当局が何を考えているのか、うっすらとですがうかがえます。

 

 「なぜ悪質と判断したかについては、政治資金規正法の位置づけ、性格、これまでの改正の経緯というのがあって、もう一つは情状。その二つから公判請求と判断した。法律(政治資金規正法)の位置づけ、昭和23年にできた法律だが、できたときから禁固5年という重い罪だった。確かに適用にあたっては穴があったが、リクルート事件や東京佐川、ゼネコン汚職が契機となって、個人献金が禁止され、企業献金も三つの部分しかできないというようになった。改正された平成6年体制というのがあって、平成11年と、徐々にではあるにせよ、国会の努力で政治資金規正法がしっかりとしたものになっていった。元々政治資金収支報告書をディスクローズするというのは重きを置かれていた。そういう背景がある。そこに嘘を書いて『政治とカネ』の実態について偽るというのは国民を欺くことにほかならない。実態を偽るという意味で西松、特定のゼネコンが寄付者であるということを消している。政治資金規正法は、『政治とカネ』の問題は癒着とかが起こりやすいという前提にディスクローズして、国民の目でチェックしてもらう制度。寄付者を偽るというのは、大事なことで、国民の判断が歪められる」

 

 「まずこの事件を摘発した経緯は、一連の西松建設にかかる政治資金の捜査があって、去年11月に業務上横領を着手、今年に入って外為法違反を着手した。一連の捜査の中で捜査の常道に従って粛々と捜査し、たまたまこの時期の立件になった。本件の重大性、悪質性を考えると、秋までに衆院選があることを踏まえても放置できないと判断した。それと平成15年の(小沢氏の資金管理団体)陸山会の時効が今月末に成立するということと、国沢さん(西松前社長)の外為法違反の公判までもそんなに時間がかからない。なので、この時期になった。他の事件については、判断ではなく、捜査するものがあれば捜査する。政治的意図をもってやるのはあり得ないわけで、事案の重さを考えると、秋までに選挙があるからねぐってしまえというわけにはいかない。それぞれ事実関係を前提としている。我々は捜査の結果得られた事実関係に照らして『見逃せないね』となった」

 

 「逮捕のときは、団体のダミー性というよりも、この寄付がまさに西松建設からのダミーだと。団体そのものの性格を言ったわけではないと記憶している。(ダミーと判断した根拠は)それを説明するために手の内の証拠関係を明らかにするわけにはいかない。あくまで我々の判断であって、双方を戦わせるのが裁判であって、強制的権限を使って捜査したことを言うのは法律違反。しゃべりたいのはやまやまだが、元々法律が公判廷で公開されるまでしゃべっちゃいかんと言っている。我々が捜査結果をしゃべれば我々も楽だが、法理にも違反するし、フェアではない。弁護側も我々が、認定したことを国民に広め、予断を与えたという批判も可能ですよね」

 

 …小沢氏の公設秘書は、すでに起訴内容を大筋認めているといいますが、今後、捜査はどこに進むのでしょうね。今朝の読売は1面トップで「二階氏側に事務所提供 西松、家賃分を献金 地検が捜査」と大きく報じていましたが。まあ、以前も書きましたが、この際片っ端からいかがわしい議員や関係者を摘発して、世の中を少しでもすっきりしたものにしてほしいものです。25日の弊紙3面の記事「政界ルート 捜査は続く」によると、二階氏や尾身幸次元財務相、森喜朗元首相らの「政治団体の会計責任者から事情聴取を行い、違法性の認識の有無を問うことになる」とありましたが、どんどんやってくれ、ですね。