「またお前のことを書いているよ」と教えてくれる人があって、ジャーナリスト、上杉隆氏のブログを見てきたところ、確かに私について記されていました。もう相手にするのも面倒なので放っておこうかとも思いましたが、その文章が、いかにも上杉氏らしい何の根拠も示さないで他人をこうだと決めつけ、レッテル貼りする内容で、この人の典型的な執筆手法がよく分かるものなので、少し紹介しておくことにします。

 

 まず、私は《元首相という権力者に認定された立派な「記者クラブ記者」と称されるべきだ》そうです。

 

 この言葉からは、上杉氏が最も激しい攻撃対象としていて、世間のイメージが悪い「記者クラブ」と私とを重ね合わせ、私の印象を一緒に貶めようという意図がうかがえますが、では具体的に何をもって彼はこう書いているのでしょうか。確かに、私は現在、外務省記者クラブに所属していますから、「記者クラブ記者」といえばそう言えないこともありません。

 

 ですが、それは一部遊軍担当を除けば、マスコミの政治部所属記者はみなどこかのクラブに所属していますから、ことさら私を指してこのように書くことの底意は透けて見えますね。ただ、私は昨日まで野党担当を手伝っていたり、担当外の国籍法改正問題の記事を書いていたりで、どちらかというとあまり担当部署にかかわらず記事を書いてきました。

 

 また、私は上杉氏がよく政治部の悪習として指摘しているメモ合わせの類も嫌いで(というか面倒だし、他社の記憶に引きずられるのも困りものなので)、ずっと避けてきました。上杉氏は以前、週刊朝日で私が外務省の報道課をあおって云々と書きましたが、実際の私を少しでも知っている人なら、私がそういう面倒くさいことをするタイプではないことは分かっているはずです。

 

 彼は著書の中で私のことを「古いタイプの派閥記者」と決めつけたこともありますが、私はほとんど派閥を担当したこともなく(志帥会を短期間担当しましたが、当時はサブキャップ業務が忙しくほとんど回れませんでした)、一体彼は何をもってそう言っているのかと困惑しました。私の政治家の人脈は、どの派閥かは全く関係なく、主に防衛問題や教育問題、拉致問題などの取材を通じて培ったもので、派閥とも記者クラブとも全く関係がないことも明言しておきます。

 

 上杉氏は私について、《自分自身の「健康」と葬り去られた「ボツ原稿」ばかりを憂いているにすぎない》とも断言しています。

 

 まあ、実際私は自分の健康状態を心配しているのは事実ですから、その点は全く的外れとはいいませんが、私はこのブログでいつも健康問題ばかり書いているでしょうか。例えば紙面における署名記事で一度でも自分の健康事情について触れたことがあるでしょうか。これもレッテル貼りの一種でしょうね。上杉氏にとっては、根拠などどうでもいいのでしょうが、これは他人の悪口としても低レベルなものだと思います。何の説得力もない。また、「葬り去られた」なんて大仰な言葉遣いも、常に問題を大げさに書こうという彼の癖が表れていますね。ジャーナリストの作法というより、アジテーターのそれでしょう。

 

 さらに上杉氏は、《ひねもす記者クラブのパソコンの前に座り、自身のブログのコメント欄に書き込みを続けている。彼のような「有閑階級」は、常にパトロンを欲している》とも見てきたかのようなことを書いています。

 

 呆れるというより、むしろ人間の醜い面を見せられたような悲しい気持ちになりますが、これも悪意だけは感じ取れるものの根拠不明・意味不明の文章ですね。

 

 このイザは双方向の情報空間を目指して始まりました。その実験は、中途半端だったこともあって現在、必ずしも成功しているとまではいえませんが、いただいたコメントに返事を書くことがまるで悪いことであるように書かれると当惑させられます。私はこの2年数ヶ月、日によって違いますが、朝、昼、晩、職場でも自宅でも出先でも日曜休日にかかわりなく、朝起きて出勤までの間、仕事と仕事の合間、気分転換時、夜中に目が覚めたとき…などに、自分の時間も家族との時間も或る程度犠牲にしてコメントに返事を書いてきましたが、それは上杉氏に言わせると「有閑階級」だからだそうです。

 

 私はこの間、決して他の同業者に負けない分量の記事(独自だね、連載企画、特集その他)を書いてきたつもりですし、また後輩記者たちの原稿の手直しその他の業務もこなしてきました。そういう実情を上杉氏に理解しろとは言いませんが、それでは彼が私が一日中記者クラブに閉じこもってブログばかり書いているかのように断じる根拠は何かあるのでしょうか。やはり、彼には相手を攻撃する思惑があるだけで、その内容が正しいとか妥当であるとかはどうでもいいことだと考えざるをえません。彼は以前もブログと週刊朝日誌上で私のことを「ヒマ」だと印象付けようとしていましたが、仮に自分が私より忙しいとして、それで偉いつもりなのでしょうか。幼児性を感じます。

 

 それと、彼のいう「パトロン」って何なんでしょうね。これも意味不明ですが、パトロン付きの記者というと何だか印象が悪くなることだけは分かります。ちなみに、辞書で引くとパトロンとは経済上の後援者のことだそうですが、大変失礼な侮辱だと受け止めます。私がどこかのパトロンとやらから金銭その他の供与を受けた、または受けて仕事をしていると言いたいのでしょうか。これまた全く事実と全く異なりますし、ここでも何の根拠も示されていません。悲しい人だと思います。

 

 一方、上杉氏はことの発端となった週刊文春に書いた自分の記事と安倍事務所からの公開質問状に対しては、《私は、曖昧な態度を取るつもりはない。過ちがあったら、それを認め、正しいと信じたら闘い続ける。実際これまでずっとそうやってきた。責任ある回答は必ず、届ける》というこれまたよく結論が分からないことを自己陶酔したかのような文章で書いています。安倍事務所から事実関係の間違い(捏造)を指摘されて1カ月もたつのに、あいかわらず具体的なことには何ひとつ触れず、ヒーローを気取っていますね。

 

 で、安倍氏と私に対し、《強く抗議するとともに、記述の撤回と謝罪を求める》のだそうです。自分では具体的な反論を一つも示さないでおいて、いきなり相手に謝罪を求めるこの論理性のなさはどう見たらいいのか。

 

 本当にこの人は大丈夫なのだろうかと懸念せざるをえません。自分は一方的にあることないことを誇張して書いておいて、事実関係を示した抗議を受けると逆ギレして悲劇の主人公気分に浸っているとしか思えません。

 

 私は基本的に面倒くさがりで、その上とてもとっても寛容なのですが、彼のいい加減な文章でこれまで被害に遭ってきたであろう沢山の人のためにも、一言書いておこうと思った次第です。ちなみに、安倍事務所のホームページ(http://www3.s-abe.or.jp/)にも本日、『上杉隆さん、答えてください』という新しいコメントと公開質問状がアップされていました。ご関心のある方は、見てみてください。私はこれを読み、さらに上杉氏に対し言うべき言葉を失くしてしまいました。こういう困った人に粘着されたら、どうしたらいいんでしょうね…。