きょうは4月1日。私も産経に入社して20年目に入りました。こんなに長く記者をやっていて、一体これまで何ができたのかと考えると忸怩たる思いもします。日々の仕事に追われ、あまり物事を深く考え、消化する間もなく次々に発生する新しい事件、事象に取り組むことの繰り返しでした。でもまあ、実にいろいろなことがあり、さまざまな場面に立ち会えた(居合わせた)し、それなりに充実した日々でもありました。産経も、このイザもいつまで存続できるのか分かりませんし、私自身もいつ何があるか知れたものではありませんが、とりあえずこれからもよろしくお願いします。

 

 …発作的にあいさつを述べたくなったことはともかく、きょうはエイプリルフールでもあります。ですので、それにふさわしいものはないかとちょっと考え、3月24日の自民党・日教組問題究明議連の第6回会合で配布された北海道教職員組合の会報「北教」に思い至りました。当日は民主党の小沢代表の公設第1秘書の起訴があったのでこの会合には取材に行けなかったのですが、後で出席者に資料をもらいにいったものです。

 

 「北教」(2008年11月28日号)に掲載された論文「アジアと繋がる平和教育を!」に書かれた島根県・竹島に関する記述が、「おいおい、冗談だろう」という内容だったからです。以下、関連部分を紹介します。

 

 《「竹島・独島」問題をめぐって日韓の歴史認識の大きな違いを見せ付けられました。日本では、領土問題としてとらえられているものの、韓国では、「独島」が日本による韓国植民地化の過程で占領されたことから、侵略・植民地支配の問題だととらえられているのです。つまり、文科省が中学校歴史の解説書に「竹島(独島)の領有権」を明記したことは、韓国にとっては、侵略・植民地支配を日本が正当化する不当極まりないものになるのです。歴史的事実を冷静に紐解けば、韓国の主張が事実にのっとっていることが明らかだけに、事は極めて重大なのです。》

 

 …はあ?「韓国の主張が事実にのっとっている」って、これ冗談ですよね、と言いたくなった次第です。北教組の先生方はこのような会報を読んで「ふむふむなるほど」と頷き、子供たちにもそう教えているのかもしれません。まさにエイプリルフールのほら話のようなことが、教育現場では堂々と流通していることに、空恐ろしさを禁じ得ません。

 

 ちなみに、同じく北教組が編纂した「改悪学習指導要領をのりこえるために 特設『道徳』『外国語活動』編」には、道徳教育について次のように記されています。これは、文科省側が、発達段階に応じて扱うように求めている自主性、礼儀、友情、尊敬と感謝、畏敬の念、法の遵守、家族愛…などの「徳目」に対する北教組の見解です。

 

 ・文科省「道徳教育」は、内面の自由を侵害する…文科省は多くの「徳目」を身につけ、「よりよく生きるため」として人間のあり方を規定し押しつけていますが、「徳目」は個々人の内面に深く関わることであり、人間の精神的自由の根幹をなす思想・信条・良心の自由を侵害するものです。

 

 …何を言っているのか分かりません。いや、薄々察せないこともないけど理解したくないというか。やっぱり日教組を甘く見たり、放置しておいたりしてはいけないと、改めて思います。この人たちを野放しにしておくと、どこへ突っ走り、何をしでかすか分かったものではないのです。本当にまったくもう。