本日は夕刊当番でした。ですので、朝から、地方選を総括して反省する両院議員総会をやっぱり開けだの、いや開かないだの、麻生首相も出席して両院議員懇談会でいくぞだの…といった自民党内のドタバタ劇に関する記事に目を通し、手直しして大阪夕刊やネットに送る作業をしていました。その他防衛白書の閣議了承だとか、キャンベル米国務次官補が外務省局長らと協議したとかいろいろありましたが、内政も外政もどうしても冷めた目で見てしまいがちでした。

 

 21日に解散することはほぼ確実となり、あとは真夏の暑い熱い最中に衆院選が展開され(夏休みをどうしてくれる!)、そして来月末には「初の本格的な政権交代」とやらが実現し、民主党政権が誕生するのでしょう。いろいろと不安も諦めもありますが、政権交代のいい面もきっとあるでしょうから、そういう部分にも目を向けたいとは思っています。

 

 ただ、これでよく言われるように2大政党制が日本でも実現するかというと、私はそう単純なものでもないだろうなと思います。自民党が衆院選でどの程度負けるかにもよりますが、現在の党内大混乱のていたらくと人心のバラバラぶり、求心力の不在を見れば分かるように、大きく負けた場合には当選できた議員も相当、動揺するでしょうね。そして、何かと口実と理屈を見つけて自民党から逃げ出し、民主党にただちに入れてもらえないまでもくっついて、いずれは一緒になりたいと動くのでしょう。

 

 自民も民主もごく大雑把に言うと、2割は保守、2割は左派(以前のエントリに書いた通り、八木秀次高崎経済大教授によると、この左派の中身が違うとの見方もありますが)、6割は状況次第でどちらにも転ぶ融通無碍派というかノンポリ派ですね。6割の人はもともと思想・信条で自民と民主に分かれていたわけではないので、少しでも自分に有利な方につこうとじたばた始めるのは目に見えています。

 

 となると、細川連立政権ができたときとは比べものにならないぐらい、次々と自民党から人がこぼれ、抜け落ちていく可能性はけっこう高いのだろうと思うのです。で、どうなるかというと、気付いたら、巨大な一大政党、民主党とその補完勢力、ごく小さな自民党のなれの果ての保守政党しかいなくなっていた、ということだってあるだろうなと。当然、多くの人が口にする政界再編なんてありようもなく、ただただ草木も何かも民主党になびくんじゃないかと。

 

 民主党と連立を組む予定の社民党は、支持組織から民主党と合流しろと迫られていると聞きますし、国民新党なんて選挙後に存在感が残るわけもないし。新党日本も新党大地も事実上、民主党の別働隊のような感じだし。自民党が僅差で負けるならともかく、大敗したらもう自民党はなくなるのではないかと見ています。残った人たちも、看板を掛け替えて、違う名前での再出発を目指すかもしれないし、仮に自民党のまま存続しても、小さくなりすぎたら、ほとんど影響力はなくなるでしょうしね。あっ、公明党を忘れていましたが、公明党なんてすぐ民主党にすり寄るでしょう。間違いない!。

 

 そうなると、民主党の小沢一郎代表代行がなんとかの一つ覚えのように繰り返してきた「政権交代可能な2大政党をつくり、この国に真の民主主義を定着させる」どころか、現在の自民党政権には存在する牽制勢力、相手にせざるを得ない野党すらまともに存在しない民主党一党独裁政治が始まるのかもしれません。

 

 そして、その巨大民主党の最大派閥を小沢氏が率い、院政を敷いてどこまでも権力をほしいままにするのでしょう。小沢氏は代表を退いて後、鹿児島、沖縄、福岡、長崎、熊本、高知、愛媛、大阪…と精力的に地方行脚をこなし、小沢チルドレンの育成に余念がないと聞きますし、首相にはもうならないでしょうが、権力を手放す気はさらさらないようです。

 

 実は、鳩山由紀夫代表の故人献金、地方議員献金問題は、いま表に出ている以上に深刻(※追記、18日の産経政治面に、死亡した地方議員からの献金もあったことが載っていました)で、鳩山氏はいずれもたないと見た小沢氏が「次は菅(直人代表代行)だ」と言っているという情報も漏れ伝わってきます。どうも小沢氏は、岡田克也幹事長だけはイヤだと思っているようです。何でも思い通りに動くやつじゃないとダメだいうことでしょうね。

 

 というわけで、私の一つの予想(あくまで数パターンあるうちの一つですが)は、衆院選で民主党が勝つのは奇跡でも起こらない限り当然として、その後は他の政党は分裂、崩壊していき、巨大民主党と数のうちに入るかは入らないかの小政党だけが残り、巨大民主党では小沢氏の高笑いがこだまするというものです。まあ、こんな予想は外れることを心から祈りますが、あながちあり得ないことではないだろうとも思っています。

 

 小沢氏といえば、本日の東京地裁公判では西松建設の元社長に有罪判決が下されましたが、小沢氏はコメントも出していなようですし、相変わらず「われ関せず」なのでしょうね。3億円も献金を受けておいて、いつものように「私の全くあずかり知らぬこと」と言うのでしょう。

 

 私は産経紙面でもこのブログでもたびたび小沢氏の言動や諸問題を取り上げてきました。そして、この人はおかしい、この人は危ないと私自身の見聞も含めて警鐘を鳴らしてきたわけですが、産経読者からも、またブログのコメントでもトラックバックでも、かなりの人が「小沢批判ばかり繰り返すな」とか、「小沢はもう終わった存在なのに、ストーカーのようだ」などと私のそうした行為を批判したり、揶揄したりしてきました。そうして私自身、そんなに批判されたり嘲笑されたりするのなら、もうやめようかと追及の手が萎えてしまった部分はあります。でも、いまそれをとても後悔しています。もっともっとあらゆる角度から書いておくべきだったと。私ごときが書いたからどうなるということはありませんが、少なくとも気持ちの整理の上でそうすべきだったといま思っています。

 

 さて先日、面識は全然ないのですが、書かれた記事は読んでいた(参照、08年9月26日のエントリ「小沢不動産・週刊現代記事を後追いしてみる」http://abirur.iza.ne.jp/blog/entry/731962/)ジャーナリストの松田賢弥氏から新著「小沢一郎 虚飾の支配者」が送られてきて、「ぜひご紹介いただければ幸いです」とのことでした。

 

     

 

 この本の内容については、おおむね週刊現代に連載中から読んではいましたが、改めて通読し、実に有意義でいい本だと感じました。松田氏のこれまでの仕事の中には、私と全然認識が違うものもありますが、この本については、多くの点で共感を覚えました。また松田氏とは話したことがないのでよく分かりませんが、私の記事かブログを参考にされたのでは?と思う部分もありました(これはただの勘違いかもしれません)。ともあれ、「まえがき」でいきなり、たたみかけるような印象深い一文に出会ったので紹介します。

 

 《政権交代とは何か。

 政権交代で何が変わるというのか。

 政権交代の前にはすべてが許されるのか。

 政権交代という看板を掲げていれば、ゼネコンから巨額なカネをもらい、そのカネも化けた政治資金で約10億円にのぼる不動産を買い集めたことにいまだ一片の釈明もしなくていいのか。

 ゼネコンを操り、下請け業者らに自身への忠誠心を競わせるようにして「ゼネコン選挙」を繰りひろげてきたことに口を拭いつづけてもいいのか。》 

 

 こういう、短いセンテンスで改行して効果を狙うことは、スペースの狭い新聞ではまず許されないんですよね。ともあれ、何かしら情念のようなものすら漂ってくるような迫力があります。…で、最後になりましたが、本つながりで一つお詫びがあります。先日のエントリで宣伝した「民主党解剖」の件ですが、発売日を17日と告知したのですが、どうも流通が間に合わなかったのか18日になったようです。もしすでに書店まで無駄足を運ばせてしまった方がいましたらごめんなさい。心よりお詫びします。