ブログはしばらく休もうと思っていたと書いた舌の根も乾かぬうちにエントリを更新することになり、少し気恥ずかしいのですが、産経本紙が報じていないようなので、ここで触れておきたいことがあります。今朝の産経は1面で、民主党が政権奪取後には安倍政権時に成立した教員免許更新制を廃止する方針であることを伝えていますが、それとは別に。

 

 昨日、民主党の小沢一郎代表代行は輿石東参院議員会長のお膝元、山梨県を訪れ、山梨県教職員組合と事実上一体である政治団体、県民主教育政治連盟(輿石氏の選挙運動をめぐり、以前告発され、幹部が罰金刑を受けたところ。輿石が顧問(役員)を務める)の学習集会であいさつしました。小沢氏が県政連の集まりに参加するのは初めてだといいます。衆院選に向けて、さらに日教組と輿石氏のネジを巻こうということでしょう。

 

この場で、やはり民主党の小沢鋭仁衆院議員(山梨1区)は、「教育の問題は輿石先生を通じてご指導いただいてるわけだ。もし民主党に政権を取らしていただければ、お金はしっかりと政治が負担はして、そして余計な口は聞かない」とあいさつし、集まった県政連の役員ら約600人から拍手を受けていたそうです。そりゃそうですね、民主党政権は教育現場にカネは落とすが、日教組の政策、やり方に口出しはしないと言っているのですから、ありがたいはずです。

 

で、次は輿石氏の講演です。輿石氏はまず、「今日この会場にほとんど100%といっていいほど、(選挙で)『輿石東』」書いていただいたみなさんばっかりですね」と余裕をかましました。そして、小沢鋭仁氏と同様に「政治の責任、政治家、政府、政権の責任は、義務教育は無償という、条件整備をしてくれればいい。教科書がどうだと、教員の免許がどうだとかいうようなことを、教育の中身まで、先生方の身分にまで口を出す必要はない」と強調しています。つまり、教科書記述も問題教員をどうするかしないかも含めて教育現場全体を日教組の神聖にして犯すべからざる聖域として社会から隔離しておきたいということでしょう。

 

その後、小沢一郎氏も講演し、輿石氏を次のように持ち上げました。歯が浮くようなセリフですが、それだけ小沢氏が輿石氏や日教組を重視しているということだろうと思います。

 

 《山梨県内でもっとも団結力を誇る、輿石先生を支援する団体の幹部のみなさま、県政連の勉強会にご招待賜りまして、みなさんの前でご挨拶できますことを大変光栄にまたうれしく、本当に今日はありがとうございました(大拍手)。私は民主党に入りましてから日が浅い新参者でございます。民主党と一緒になったときに、ずいぶんいろんな変わった人たちがいるなと、そう思ったわけでございますけども。その後、輿石先生とお付き合いをさせていただきましてから、本当にこの民主党にこんなすばらしいリーダーがいるのかと、そう思いまして、びっくりいたしました。私は党内でもっとも尊敬し、もっとも信頼する輿石先生でございます。

  一昨年、みなさんから与えていただきました参院での多数。民主党も第1党となりました。他の野党を合わせまして過半数を要しているわけでございますけども、民主党、他の野党も含めまして、その全員を率いて、本当に敵の自民党をきりきり舞いさせていく、大変な活躍をしていただいております。私もすっと以前から、豪腕、強面と言われてまいりましたが、最近ではそのお株をすっかり輿石先生に乗っ取られてしまったところでございます。本当に私は大変な参議院でのリーダーを友人としていただくことができまして、本当に心強く思っておる次第でございます。今日は県政連のみなさんの勉強会。本当に、こんなに一生懸命、飽きずによく勉強するもんだなと、感心をいたしております。》

 

 そして小沢氏は、政権交代が必要な理由についてはこう語りました。私は以前のエントリにも書きましたが、小沢氏の言うような利益分配型政治がこれからの時代も可能であるとは信じられませんが、小沢氏の主張をそのまま掲載します。

 

 《今度の総選挙、歴史的な国民の選択の時だと思います。この総選挙で政権交代、政権交代と言っておりますが、政権交代をなぜしなければならないのか。そのことを論理的に申しますと、まずひとつは、身近な経済の面から言いますと、日本のいざなぎ景気以来の長期の好景気は、基本的にアメリカの経済の成長に支えられてきた。みんな外需に頼ってきた。ですから、そういう中にあって、さらに一層、日本の社会をいびつなものにしたのが、小泉改革と言われる日本の仕組みの改悪であります。グローバリゼーション、その名のもとにいろんなアメリカ流的な仕組みを導入したしました。そこで、基本の原理は、自由競争、市場原理、とにかく競争して勝ったものが残ればいい、非能率的な分野はいらない。

  言い換えれば弱肉強食の制度が大幅に取り入れられたことであります。ですから、今、失業の問題、雇用の仕組みも派遣だなんだということを認め、非正規の雇用を正面から認めたことで、不景気の到来とともに一斉に首切りが始まる。中小零細の企業場むしろ、なんとかして従業員、社員を抱え、みんなで力を合わせてがんばろう、って言ってるが、大企業ほど情け無用。どんどん首を切るのが現状。非正規ばかりではなくして、正規社員にも年末に向かってて、踏み切るんじゃないか思っております。そういう雇用の不公正。あるいは、所得の格差の拡大。非効率なところは切り捨てる。まさに農林水産業、1次産業はその典型的なものです。

  私は全国を回っておりますけども、一昨年の参院選、この山梨でも1人区で29のうち23、議席を獲ったんです。いまだかつて自民党以外に議席を獲ったことがないという県がほとんどです。なぜか。それらの農産漁村を抱えた1人区の県は旧来、ほとんど自民党を支持してきた人たちばかりであります。まして1次産業に従事している人たちは、選挙といえば自民党に入れてきた。その自民党が自分たちを切り捨てようとしている、この怒りが、私は一昨年の1人区の大勝利につながったことだと思います。これは農林水産業の1次産業だけではなくて、零細な中小企業、地場の商工業、みんなそんな現実にあります。ですからこのような状況にありますから、だから所得の分配が公平に行われない。特定のところに偏ってしまっている。それが今日の内需が盛り上がらない最大の原因。だから、外需が減っちまう、アメリカがいかれちゃうと、日本の経済がダメになる。これがもっともっと大勢の国民のみなさんに利益を、所得をきちんと分配していけば、内需は必ず一定の水準を保ち、内需だけでもなんとかしてやっていける日本経済ができたはずであります

 ところがこういう所得の減少、医療だ年金だ何だいろんなものの将来不安から、個人消費は全然伸びない。今日の不景気の最大の要因。個人消費、個人のみなさんの可処分所得が増えない限り景気はよくならない。根本的に間違った仕組みを導入してしまった結果、いびつな社会をつくった。日本はかつてはOECDの中で2番目の平等な社会だった。ところが、最近の日本の状況は下から4番目。日本より格差の大きい国は、一つはアメリカ。所得の格差は大きい。その下はロシアと中国。日本は下から4番目になってしまった。どうしても弱肉強食、いわゆる自由競争を放任の政策はもう一度つくり直さなければならない。ですから本当に国民のみなさんの側に立った国民主導の、一握りの官僚の政治から国民主導というのは、国民のみなさんに選ばれた政治家が本当に国民のために政治を行う、政治家が決断し、政治家が責任をもって実行する。これを国民サイドに立った政治を、政権交代で実現する、それが第一の目的であります。》

 

 そういえば、麻生首相も「行き過ぎた自由主義から決別します」と言っていますね。「行き過ぎ」という言葉にはそれ自体、否定的な意味がありますから、何であれ、行き過ぎたものを是正することは間違いではないでしょうが、そもそも「行き過ぎた自由主義」が具体的にイメージできませんでした。若い有名スポーツ選手の年収と同年代の若者の年収を比べるまでもなく、格差が存在することは事実ですが、それをどう評価するか、極端すぎると見るのかこんなものでいいと考えるのかはそれぞれなのだろうと思います。ただ、麻生氏は現象面としての格差ではなく「自由主義」について語っていたので、よけいに理解ができません。

 

…話がそれました。最後に小沢氏は、もう代表でもないのに、輿石氏の政権奪取後のポストについて言及しました。このように自分が何でも決められるようなことを、ごく自然に口にしてしまうところが小沢氏の素直(?)なところかもしれません。

 

《輿石先生、本当に私はお世話になっておりまして、その輿石先生が国会で力を発揮できるのも今日おいでのような本当に強い支援をするみなさまがあってこそ、ご活躍できるわけであります。総選挙でみなさんのお力をお借りして政権交代をする。そして、その暁には、輿石先生が政府の内閣の枢要な地位をしめられるであろうことは間違いありません。そしてまた、来年は引き続いて参院選挙があります。輿石先生がその多分、本人がいやだと言わない限り、参院の議長という名誉ある地位が待っておることは誰もが認めているところであります。》

 

 …なのだそうです。つまり、今回の衆院選後は副首相兼文部科学相だか何だかに就いてもらい、来年の参院選後は三権の長であり、皇室会議の一員である参院議長になるということらしいです。はいはい、おっしゃる通り、きっとそうなることでしょうね。まあ、いろいろと紆余曲折は待っていそうですが。