昨年12月25日のエントリ「神奈川県教組の〝消えた〟主任手当30億円について」(http://abirur.iza.ne.jp/blog/entry/848745)で取り上げた問題について13日、動きがあったので報告します。この件をめぐり、元神奈川県教組委員長でありながら現在は日教組の危険性・問題性に警鐘を鳴らしている小林正氏と、元鎌倉市議で長年日教組の歪んだ教育と戦ってきた伊藤玲子氏がこの日、現在の神奈川県教組委員長と横浜市教組委員長の2人を神奈川県警に背任罪で、業務上横領罪、詐欺罪などに当たるとして刑事告発したのです。

 

 上に記した過去エントリを参照していただければありがたいのですが、要は教務主任、学年主任などに対して支給されていた主任手当を日教組(この場合は神奈川県教組)が長年にわたって所属教員に拠出させてきたことが背景にあります。そして、神奈川では、①教育振興基金として蓄積され、平成14年の段階で残高が30億6400万円余あったそれが、その後は機関会議などへの数字の報告は一切されなくなった②19年度の教育振興基金特別会計決議報告書では、当初予算になかった8億6200万円が何の説明もなく「委譲金」として支出されている③その後、神奈川県教組書記長が「横浜市教育文化研究所の運営資金として一部委譲を行った」と説明したが、同研究所が神奈川県教育委員会の収支予算・決算報告書には委譲金は計上されていない④一方、横浜市教組の教育振興基金委譲金特別会計には約5600万円の委譲金収入があり、これは8億6200万円の一部と推測されるが、約8億円は使途不明のままとなっている…などの疑問が指摘されています。

 

 また、横浜市教組は17年制定の「財産運用要綱」に基づき、教育振興基金などの財産運用を行ってり、今年5月開催の横浜市教組定期大会では「執行部がマネーゲームを行い、損失を隠蔽するために粉飾決算を行っている」とのビラ(※写真参考)が配布されました。このため、小林氏らは告発人として、「『教育振興基金』は規約違反の『委譲金』として処理され、マネーゲームの損失補償に充当された」との判断に立ったとのことです。

 

 

 

 私がいつも取り上げている山梨県教組の半強制資金カンパ問題でも、領収書は一切発行されず、組合員にも集まった総額も使途も全く知らされていないという状況で、取材した先生たちは「輿石東氏への選挙支援のほか、組合幹部の遊興費にだいぶ使われているのでは」と推測していました。全く不透明そのものです。

 

 小林氏は元神奈川県教組委員長として、教育振興基金の設置そのものにかかわった人物なので、この問題に特に思い入れがあるようです。この使途不明金については、マネーゲームの損失補填に当てられたとの見方のほか、神奈川県教組・横浜市教組の選挙運動など政治闘争資金に回された、との観測もあり、県警による厳正捜査と全容解明が待たれます。以前も書いた通り、この組合による主任手当徴収にはさまざまな問題点が指摘されていて看過できません。この件については、昨年10月7日のエントリ「主任教員手当・神戸市教組の指令文書」(http://abirur.iza.ne.jp/blog/entry/745313/)でも取り上げているので、ご興味・ご関心のある方はそちらものぞいてみてください。

 

 こうした問題を一つひとつきれいに透明にしていくことは、何より教員自身の利益になると愚考しています。そのためにも、今後も日教組の諸問題を追及していこうと思います。