きょう、ある知人の政治評論家から電話がかかってきて、政治の現状について意見交換をしたのですが、やはり自民党の前途は険しそうだという点で一致しました。麻生首相は昨日の記者会見で「必ず態勢を立て直して政権を奪還する」と述べていましたが、これはそう簡単ではなさそうです。とりあえず、党の新たなリーダーを選ぶ総裁選を行うわけですが、肝心の総裁候補として名前が挙がっていたり、本人が意欲を示したりしているのが舛添要一、石破茂、加藤紘一…の各氏では、民主党との違いを鮮明にして国民に訴えることはできそうにないような気がします。むしろ、民主党と似たり寄ったりの方向性を選んでしまい、よけいに埋没してしまいそうな感じですね。第一、加藤氏なんてどこから推薦人20人を持ってくるつもりなのか!?。

 

 ただ、じゃあ民主党側は安泰かというと、これもどうでしょうか。以前のエントリで何度か触れたように鳩山代表の「故人献金」「匿名偽装献金」問題は今後、捜査の手が伸びるのでしょうし、西松建設による違法献金事件での小沢代表代行の公設第1秘書の裁判も始まります。これらはことあるごとに国会で取り上げられ、追及されることになります。また、鳩山、小沢両氏だけではなく、他の人の話も出てくるでしょう。

 

 例えば、民主党最高顧問で、今回の衆院選の比例代表で当選した藤井裕久元蔵相などもそうです。私はこの人は、以前から今回の選挙での引退を表明していたのでもういいや、と思っていたのですが、いつのまにか引退を取り消し、どうやら鳩山政権でも重要ポストに就くことになりそうなので触れておこうと思います。閣僚になったならば、どうせ国会で質問される話ですし。

 

 平成17年2月2日の衆院予算委員会で、自民党の松岡利勝氏(故人)は次のように質問しています。国会は政府に向けての質問の場なので、これは直接、相手(当事者)に聞いているものではありませんが、今後はこういう質問が直接、藤井氏なり鳩山氏なりに飛んでくるわけです。

 

松岡委員 それでは、次の問題に移りたいと思いますが、まず、民主党は、先般から衆参の予算委員会におきまして、政治と金の問題について、あたかも自民党及び我が党議員の政治資金に関して不正があるかのごとき質問をされておりますが、これについては、総理及び関係大臣から明確に答弁がなされていたと理解しております。

 つきましては、政治資金に関し、民主党にかかわる不明瞭な点につきまして、二、三、質問をしたいと思います。

 まず、政党助成金の趣旨と個人に対する支出についてでございますが、自民党は、国民の税金である政党助成金の使い道に関しましては厳格に取り扱っております。政党助成金は国民の税金でございますし、その使い道について我が党は厳しい内規を策定しております。この内規に従って、党本部も選挙区支部も厳格に助成金を取り扱っているところであります。

 国民の税金であることにかんがみ、我が党の内規では、助成金を使って、支部から他の政治団体に寄附したり、また飲食費の支払いに充てたり、政策活動費の支出に充てることは禁止しているわけであります。

 民主党の議員が衆参両院の予算委員会で口をきわめて小泉総理に迫っておりましたが、同党の収支報告書によりますと、民主党の代表代行でいらっしゃいます藤井裕久議員が民主党と自由党が合併する前の自由党幹事長のとき、平成十四年に限っても、国民の税金である政党助成金から約十五億二千万円が組織活動費として藤井氏個人に支出されております。

 ちょっとパネルを、お許しをいただいておりますから出していただきたいと思うんですが、これは、総務省の情報公開で求めていただきました資料でございますが、それをパネルにしたものであります。

 まず、上の方でありますけれども、平成十四年七月三十一日、九億七千九百万円、平成十四年の十二月の二十五日が五億四千百九十万円、合計十五億二千九十万円、こういうことであります。自由党の助成金から民主党代表代行の藤井氏個人へ支出されたことがわかります。しかし、この十五億円余は、その後どう使用されたのかわかりません。》

 

 …ここで指摘されている15億2000万円もの組織活動費とは一体何でしょうか。組織活動費は、行事費や交際費など一般的な政治活動に充てるいわば「党の機密費」なわけですが、それにしても金額が大きすぎますね。で、これは当時の民主党議員(現在は他党議員)から聞いた話ですが、国会でこの松岡氏による疑惑追及があった後、民主党の控室に戻ってきた藤井氏は、そこにいた複数の議員たちに「オレ、アレ知らないんだよなあ」とこぽしたそうです。

 

 つまり、政治資金収支報告書上は自分に15億円以上のお金が支出されたことになっているけど、実はそうじゃないんだ、ということだったようです。自由党の政治資金はみんな小沢氏が仕切っていたので、名義借りをされただけなのだということを婉曲的に言いたかったのかもしれません。金額の大きさもさることながら、国民の税金の使途がこれかよ、という話です。

 

 

 (※平成14年分は手元になかったので、15年分の自由党の政治資金収支報告書で藤井氏への組織活動費の支出額をみると6600万円余でした)

 

 マスコミは、野党や、無役の政治家の発言や問題については割と優しいというか知らん顔しますが、与党、まして政府高官や閣僚級の大物の問題は「権力」の監視だとして大きく取り上げる場合が多いのはご存じの通りです。「政治とカネ」の問題は、国民はもういい加減うんざりしているとは思いますが、鳩山政権ではやはり繰り返し提起されていくだろうなと思います。野党となった自民党側も、それが野党の役割とばかりに追及することでしょうし…。

 

 

 (※この写真に小沢氏の名前が入ったのはたまたまで、決して刷り込み効果を狙ったわけではありません)

 

 おまけに、以前も書いたことがありますが、同じ15年分の自由党政治資金収支報告書からもう一つ。自由党は民主党と合併のため解散する2日前になぜか民主党(菅直人代表)から3億円近い寄付を受けています。で、解散当日にはそれも含めて小沢氏の関連政治団体などに寄付してしまい、国庫には一銭も返納しなかったということも、きちんと記憶しておいた方がいいと思うのです。