民主党の小沢一郎幹事長はきょう午前、都内の個人事務所で輿石東幹事長職務代行と約10分間、会談しました。国会運営やら小沢氏から任せられる幹事長業務の打ち合わせをしていたのでしょうか。輿石氏はその後、記者に民主党や小沢氏への応援メールを印字したものを配り、われわれはこんなに国民に支持されていると意気軒昂だったようです。いやまあ、そりゃ、中にはそういう人もいることでしょうとも。はい、決して否定はいたしません。

 

 というわけで、本日は、輿石氏に関する過去記事エントリの続きとします。今回は平成17年前半分(5月まで)です。まずは1月8日付の山梨県版からです。

 

 

 

 《山梨県教職員組合(山教組)などの政治団体、県民主教育政治連盟(県政連)が輿石東氏支援のために平成十五年末に集めた選挙資金カンパを同年の政治資金収支報告書に記載していなかった問題で、県政連幹部は七日、産経新聞社の取材に対し、「県教育会館内にある金庫に保管するよう、(別の)幹部に指示した」などと述べ、支部などが十五年中に集めたカンパを本部に保管していたことを明らかにした》

 

 《(県政連の)寄付金(カンパ)収入は、輿石氏の選挙があった八年と十年の二回だけ、計上されており、いずれも五百万円前後だった。複数の現職教員が証言している「数千万円」を大幅に下回るレベルで、県政連の不透明な会計処理ぶりが改めて浮き彫りになった》

 

 …分かりにくいかもしれませんが、上の写真の表に注目してください。山教組の選挙資金カンパは輿石氏の選挙がある年だけでなく、知事選など地方首長選や県議選その他の選挙の際(つまりほぼ毎年)にもボーナス時に行われていたわけですが、県政連の政治資金収支報告書は2年分しか寄付収入を記載していません。で、後の写真で出てきますが、こうした産経新聞の追及を受けてこれがどう変わるかに注目していてください。

 

 

 

 これは、1月28日の紙面に載った記事です。教育が仕事であるはずの教員が、「選挙運動が第一」とばかりに動員されてきたのが山梨県での常態でした。いみじくも輿石氏自身が後に言い放ったように、「教育の政治的中立などありえない」というありさまです。例によって県教委は同じ穴のナントヤラです。

 

 《昨年七月の参院選の直前、輿石氏の選挙対策本部が教員を有権者への電話作戦に動員させていたことが二十七日、明らかになった。また、昨年夏に、教員が実態を山梨県教育委員会に告発したが、県教委が事実上、黙殺していたこともわかった》

 

 

 

 次は、1月29日付の紙面です。輿石氏は前年11月に事件が発覚した際、私の取材に対し「金を集めたのは県政連であり、私と直接関係はない」と回答していたのですが…。

 

 《これまで県政連への関与を否定してきた輿石氏が参院選当時、県政連の役員である「顧問」だったことが二十八日、分かった。(中略)産経新聞が入手した平成十六年「県政連役員名簿」によると、輿石氏は顧問と明記されているわか、会長、副会長、幹事長、幹事、会計責任者ら幹部は全員、山教組出身者だった》

 

 

 

 県教委と文部科学省のやる気のなさや無力ぶりに、とうとう教育関係者の有志グループが刑事告発へと立ち上がりました。ただ行政に任せていても、いつまでたっても解決しないと。2月4日の紙面はこう報じています。

 

 《告発状によると、県政連会計責任者は、県選挙管理委員会に提出した政治資金収支報告書に、平成十五年中に個人から県政連が受けた寄付金の総額が少なくとも一億円であるのに、寄付金がなかった旨の虚偽記載をしたと指摘》

 

 

 

 2月5日付紙面では、管理職教員の集まりである教頭組合も、県政連や輿石氏の政治団体と密接につながっていることを、資料を通じて描き出しています。山教組がときに隠れ蓑を使いながらも大きく外郭を広げ、輿石氏と連携しながら県政を支配している実態がどんどん明らかになっていきました。

 

 《教頭組合が平成十四年度の「活動経過報告」で、県政連や輿石氏の政治団体の活動を複数回記載していることが四日、わかった。(中略)教頭組合は輿石氏の国政報告を「公式行事」と位置づけていたことになる》

 

 

 

 県教委が教員らの違法な政治活動を処分することに消極的だった一つの理由が、2月15日付紙面で明らかにされています。まあ、もともと山梨県教委は山教組と一体なわけですが。

 

 《資金集めに関与して訓告処分を受けた教頭(当時)の一人が、県教委の現職の指導主事だったことが十四日、産経新聞社が入手した処分者リストで分かった。違法行為で処分された人物が、教員を指導する立場の県教委幹部に就いていることに、教育現場から疑問の声が上がっている》

 

 

 

 今度は、退職教員の選挙資金カンパの振込先が判明したという記事(2月19日付)です。当時、県警の捜査に寄与すればいいなと思ったのですが、まあ、残念ながら期待したような効果はなかったようです。

 

 《関係者の話では、退職教員のカンパ集めは地域によって①退職教員互助組合の担当世話人が個人宅を訪問して集金(甲府市など)②個人宅に振込依頼書が届き、各自で郵便振込を行う--の二パターンがある》

 

 

 

 はい、修正申告がきました(2月24日付紙面)。さすがにゼロのままでは通らないと判断したようです。

 

 《県政連が平成十五年の政治資金収支報告書について、個人からの寄付金をゼロから千二十一万円に修正したことが二十三日、分かった》

 

 

 

 ここで目先を変えて、地元の山梨日々新聞の記事も紹介します。これは3月3日付のもので、これまで隠してきた資金カンパについて、刑事告発や追及キャンペーンを受けて表に出さざるをえなくなったのがよく分かります。このころは、地元紙もけっこう大きく取り上げていました。こうした金のやりとりは、本来は誤魔化して知らんぷりしておきたかったのでしょうが…。

 

 《参院選があった2004年に県政連が輿石東民主党参院幹事長側に、計三千三百万円を寄付していたことが二日、県政連の政治資金収支報告書で明らかになった。繰越金を除く支出の九割近くに上り、後援会への寄付は前回参院選があった1998年の約一・七倍に膨らんでいた。一方、収支報告書では、収入に個人からの寄付金として五千百四十二万四千百六十円を計上》

 

 …最初の写真で指摘したように、県政連は毎年、ほとんど寄付収入を記載していませんでした。それがいきなり、5142万円です。これが不自然でなくてどんな超常現象が世の中にあるものか。選挙資金カンパのからくりがばれてしまったので、いやいや記載したのでしょうが、逆にいうと、それまで長年にわたって、虚偽記載を続けてきたと推測されるのです。

 

 

 

 この点について、同日付の産経はきちんと指摘していました。こんなことがよくまかり通るなと、呆れてしまいます。そうして、こういうずさんな、しかし強力なシステムに乗っかって、輿石氏は当選し、現在の地位を得ているわけです。

 

 《県政連は、二月には十五年分の寄付金収入をゼロから千二十一万円に修正しており、十六年七月の参院選などに向けて、教職員らからカンパ名目で集めた資金が少なくとも(16年の寄付収入5142万円と合わせ)六千百六十三万円にのぼることが裏付けられた》

 

 《県政連の寄付金収入が計上されたのは、平成二年以降では輿石氏の選挙があった八年の六百三十一万円と十年の四百四十七万円の二回だけ。いずれも十六年の十分の一前後だった。一方、会費収入はここ数年、約千九百万円と記載されていたか十六年は五百二十万円にとどまった。会員数についても例年四千五百人前後だったものが、十六年は七分の一以下の六百十四人となるなど不自然な記載が目立っている》

 

 あと、3月4日付の記事の方は、輿石氏が「直接関係ない」と主張してきた県政連について、国会でつい「私自身の政治団体」と本音を漏らしてしまったエピソードを書いたものです。実態上、その通りですしね。

 

 

 

 さらに、山梨県教委側の問題点の追及も続きます。3月16日の紙面では、県教委が責任をもって行うべき懲戒処分まで、山教組に支配され、決められている実態を指摘しました。そりゃ身内に甘いわけです。

 

 《山梨県教委では、教職員の懲戒処分や分限処分について判定する「職員分限懲戒諮問委員会」に、教職員組合が推薦する教職員をメンバーに加えて審議していたことが十五日分かった。全国では他に例がないという》

 

 《諮問委のメンバーは八人で、このうち、四人が県教委が指名する県教委事務職員。残る四人は「関係職員によって推薦されたもの」としており、小中学校の場合、山教組側が推薦する教員が三人、さらに残る一人が山教組出身者が多数を占める校長会推薦者だった》

 

 

 

 で、4月23日付紙面では、山梨県警が現職教員らから事情聴取を始めたことを報じています。教員たちも、輿石氏の選挙支援をしたばっかりにいい迷惑だったことでしょうね。

 

 《カンパ時期の特定など、本格的な裏付け捜査に入っており、今後、資金を取りまとめた県政連幹部からも聴取する方針だ》

 

 

 

 一方、5月11日付の山梨県版は、文科省が前年に山梨県教委が出した処分は不十分だとして、直接処分者から聴取する方針であることを書いています。文科省は当時、山教組の顔色ばかりうかがって文科省の言うことをなかなか聞かない県教委にほとほと手を焼いていました。

 

 《校長らによるカンパ要請について、県教委は「明らかに違法とはいえないが、紛らわしい行為」として、懲戒より軽い訓告などの処分を下した。これに対して、文科省は「教育公務員特例法に違反する明らかな政治的行為」と判断。当事者から直接、事情を聴くことで違法性を明確に結論付け、改めて懲戒処分を求めるとみられる》

 

 

 

 この山教組有志教員が行ったアンケートに関する記事は5月20日付のものですが、実は有効回答は、組合員約3200人に発送したにもかかわらず、約200人分(6%)にすぎませんでした。この極端な回答の少なさ自体が、迂闊なことは口にできないという山教組の恐怖支配を表しているとも言えます。

 

 《組織内候補で民主党の輿石東参院幹事長を支援したカンパについて「自分の意思でなかった」「仕方なく払った」などの回答が九割以上に達した。(中略)回答者の約六割は、輿石氏の後援会入会カード集めについても、「ノルマに達しないと支部書記長に呼び出された」「(知人などに頼み)人間関係が悪くなった」などと不満を述べている》

 

 …ちょっと疲れてきたのできょうはここまでにします。しかし、こうして振り返ると、現在の小沢幹事長の資金問題とどこか似ているような気がします。輿石氏と小沢氏が気が合うのも、似た者同士だからだったりして。さてどうでしょうね。