本日は、菅直人副総理兼財務相の「居眠り」にまつわる話を紹介します。すぐ切れるので「イラ菅」と仇名され、他人に厳しいことで有名な人ですが、自分にはとても甘いという一面を持つようですね。まずはきょうの衆院予算委員会での自民党の与謝野馨氏の質問からです。

 

与謝野氏 「それから政治姿勢についてですけれども、たとえば、経済界の人達は怒ってるんですよ。成長戦略をつくるから、官邸に来いといわれて、意見をいうために行った。そしたら、肝心の菅大臣が、会議中、全部居眠りしちゃって、オレら、何のためにいったんだ。こんないい加減な作り方をしちゃ、誰も信じないんですよ。やっぱり、経済人を呼ぶんだったら、しっかり意見をきくというのがないと。何のための国家戦略か。副総理かということになるんですよ。居眠りばかりして、目が覚めたら携帯電話ばかり使ってると。そういうお行儀が悪い例はいっぱいあるんですよ」

 

この件に関しては昨年12月、政府の成長戦略策定会議に呼ばれた楽天の三木谷浩史社長がツィッターで、菅氏について「やっぱ行かなきゃ良かったよ。時間の無駄でした」「メインの人が居眠りする始末」「ひさびさにムカつきました」とこぼしていました。で、原口一博総務相が菅氏の代わりにやはりツイッターで「三木谷さん ごめんなさいね!」「僕も会議のメンバーですが、何となく…でした」と謝っていました。

 

 菅氏は1月27日に政府が開いた「新しい公共」円卓会議の場でも、招かれた有識者たちを前に居眠りしていました。取材した記者によると「会議はモニター中継されていたのですが、その際に菅氏が居眠りしている姿が少なくとも2度映し出され、記者から笑いが漏れていたました」とのことです。いやはや強者です。

 

 そしてここからが本題なわけですが、きょう閣議決定された政府答弁書を見ていて、実に興味深い記述を見つけました。これは自民党の木村太郎副幹事長の質問主意書に答えたものなのですが、昨年11月12日に挙行された政府主催の「天皇陛下ご在位20年記念式典」に関するその質問が秀逸でした。そこにはこうありました。

 

 《式典が進むにつれ、開会の言葉を述べた実行委員会副委員長である菅副総理は、天皇陛下のご臨席で、首を何度も何度もこっくりこっくりとし、居眠りしていた。これは、式典に臨む副総理の姿勢としていかがなものかと考えるが、鳩山内閣の見解を問う》

 

 《同じく壇上で、陛下の後方に座っていた松野(頼久)官房副長官は、両足を大きく広げ座っており、頭・背中を後ろに仰け反り、数回、これまた居眠りをして隣の席の松井(孝治)副長官から注意を受けていた。これも、式典に臨む姿勢としていかがなものかと考えるが、鳩山内閣の見解を問う》

 

 私はこの式典には行けませんでしたが、後に複数の民主党議員から「松野は寝ていた。あれはホント、まずかったよな。よく右翼も怒って街宣活動をしないものだ。それだけ右翼も弱くなったんだろうな」という話を聞いていたので、「ああ」と思い至りました。ただ、菅氏もそうだったとは知りませんでしたが。この指摘に対し、答弁書はこう答えています。

 

 《政府の参列者は、式典挙行の趣旨を踏まえ、天皇陛下のご在位20年を慶祝する気持ちで式典に臨んだものである》

 

 《鳩山内閣としては、日本国憲法の定める象徴天皇の制度の下、天皇陛下をはじめとする皇室の方々に、尊崇の念を持って対応している》

 

 …ちょっと白々しいと感じませんか、これ。私は素直に「不遜な人たちだなあ」と受け止めました。今後は国会中継を見る際、菅氏がちゃんと起きているかどうかにも、きちんと目を配ろうと思います。