ごぶさたしています。ここのところ、例の国民不在の民主党のドタバタのせいでかなり忙しかったのと、記録的な猛暑にすっかりへばってしまったこともあって、更新が滞っていました。実は今もへろへろなので、本日も短めに報告したいと思います。
さて、私はご存じの通り、3年7~8カ月ほど前から民主党の小沢一郎前幹事長の政治資金問題をあれこれと取り上げ、これはいくら何でもおかしいではないかと書いてきました。その後、この問題はだんだんと周知のこととなっていったので、最近では別にここで書かなくてもいいやと思って放っていたのでした。
ただ、民主党代表選に小沢氏が出馬を表明したことで、再びある問題(組織活動費)が注目を集めてきたようなので、ちょっと気になったことを記そうと考えました。本日発売の「AERA」は、「小沢執行部で動いた政党交付金の行方 消えた『37億円キャッシュ』」という記事を載せていますね。
この問題に関しては、私はこれまで2009年12月10日のエントリ「以前指摘した藤井財務相の件が文藝春秋に掲載されました」(http://abirur.iza.ne.jp/blog/entry/1361446/)、今年1月7日付の「自由党が小沢氏の関係政治団体に寄付した13億円の領収書」(http://abirur.iza.ne.jp/blog/entry/1403126/)、6月10日付の「小沢氏の党費の使い方・新執行部の対応を少し評価する」(http://abirur.iza.ne.jp/blog/entry/1647022/)などで言及してきました。違法がどうかはともかく、こんなのありえないだろうと。
ご関心をお持ちの方は上記エントリを参照してほしいのですが、これ関連してここ1~2カ月の間に、新聞でもいくつか興味深い記事が載っていたので紹介します。まず、7月16日付産経のインタビュー記事で、藤井裕久元財務相はこう証言しています。
「(自由党時代に計15億円の『組織活動費』が当時の藤井幹事長あてに支出されたことには)まったく知らなかった。どう使われたかも知りようがない」
以前のエントリに書いた藤井氏が周囲に「おれ、あれ知らないんだよなあ」とぼやいたというエピソードは、その通りであったということですね。小沢氏は、政治資金収支報告書上は藤井氏に支出したことにしたそのお金を、果たしてどうしたんでしょうね。
で、8月2日付の毎日新聞は「民主、『組対費』廃止へ 小宮山財務委員長 不透明支出排除」と書いていました。記事にはこうありました。
「民主党の小宮山洋子財務委員長は毎日新聞のインタビューに応じ、使途が不透明と指摘されている「組織対策費(組対費)」名目での支出は行わない考えを明らかにした。組対費は小沢一郎氏が党代表だった06~08年、当時財務委員長だった山岡賢次衆院議員、佐藤泰介あてに計約22億円が支出されたが、使途は明らかにされていない。(中略)また(小宮山氏は)『過去の会計帳簿を専門家に再チェックしてもらっている』と述べ、組対費を含めた過去の支出について調査していることを明らかにした」
これを読んだときは、菅執行部もやるじゃないか、これだけ小沢氏サイドが嫌がりそうなことを堂々と、と感じた次第です。これは是非徹底的にやってほしいものだと。さらに、29日の読売新聞にはベタですが「小沢代表当時の資金配分を調査 菅氏側」という記事がありました。こんな内容です。
「菅首相に近い民主党幹部は28日、小沢一郎前幹事長が2006~09年の代表当時、『組織対策費』として特定議員に政治資金を集中的に配分していたことを問題視し、調査に入っていることを明らかにした。9月の党代表選で小沢氏の政治とカネの問題に焦点をあてることで、首相支持につなげる狙いがあるようだ」
…先日、官邸内で仕事をしていると、他社の記者同士が「小沢か菅か、これって本当に究極の選択だよなあ」「うん」と会話をしていました。また、別の社の記者は「まったく、自分の半径20メートルぐらいの人間関係しか考えない政治家ばっかりなんだから」と憤っていました。
まあ、私としては「壊し屋」小沢氏にすべてを本当にぶっ壊してもらって、日本の政界を一から再編するきっかけになればいいなあと願っています。まあ、その通りになるかどうか分かりませんし、今の政治情勢を追うのに精一杯で、先のことを予想するのは手に余りますし。
それともう一つ。暑くて暑くて元気はなくても、ルーピーに対する怒りだけはふつふつと沸いてくるから不思議なものです。余計暑くなるのが悔しいですが。今朝の毎日で山田孝男氏が「そのケジメなき漂流を、私は受け入れられない」と書いていましたが、全く同感です。昨年のきょうは、そのルーピーをここまで増長させた衆院選の投開票日でしたね。あれからやっと1年か。もう何年もたつような気がします…。
追記 おまけとして、さきほど官邸敷地内から撮った沈む夕日をどうぞ。ピンぼけですが、何か不穏な雰囲気があって印象的だったもので…
コメント
コメント一覧 (33)
昨日の朝日、仙谷さんの政治団体が「政治団体としてはほとんど使われていなかった」長男が入るビルに対し、事務所費や人件費名目で320万円支出していたとのこと。
金銭の多寡はありますが、敵を追い落とすための諜報合戦の様相、どっちもどっちです。
近頃のルーピーのはしゃぎぶりをみると、改めてこんな人物を1年近く首相として仰いだということは、日本にとって国難に等しいものだったと思わずにはいられませんでした。3か月前に何があったのかを思えば、国民の新政権への期待を裏切った責任をとって、頭を丸めて閉門蟄居でも当然のところ、キングメーカー気取りというのですから、あいた口がふさがりません。民主党内、あるいは日本政界の大多数の政治家は、彼よりももう少し節操があると思いたいです。
こんにちは。うーん、確かに仙谷氏の件はタイミングはできすがですが、かといって諜報合戦とも…。この手の調べはむしろ、報道各社の方が自分でやるものですからねえ。ちなみに、私は他の仕事でこれまで手が回りませんでしたが、一段落ついたら仙谷氏の政治資金についてもいろいろと調べてみようかと考えていました。
ルーピーは本物のビョーキなのだろうと思います。本来、社会では通用せず、遠くから「可哀想に」と眺めるべき人物が、たまたま大金持ちの名門に生まれてしまい、それゆえに勘違いがますます加速し…。
政策的類似性も節操も何もなく、利益でむすびついた人たちが起こすゴタゴタの典型例を見る思いです。
しかし…、本当に…「トロイカ3人組」はつくづくすごい組み合わせだと思う。日本の近代政治史に十分残るのでは? (同時代の人間には不幸だが)
小沢、菅のどっちが勝っても解散してくださいと言いたいです。
どっちが代表になっても首相にはしたくない。
それが民意だと信じたい。だって、赤と黒ですよ。
でも、昨日の「新報道2001」見てたら、
内閣支持率が46%もあってショック受けました。
なぜ50%近くの人が支持するのかが到底理解できない。
阿比留さんは永らく小沢氏を研究(?)していらしたと思うので的外れな意見になってしまうかもしれませんがお許しください。
私は小沢一郎という人物は自民党幹事長になるまでに蓄えた「価値」で生きていると思うのです。その価値で人、票、金を集めてきた。
悪い言い方をすればハッタリで生きてきた。
周りの人は「小沢さんは凄い」と言う、しかし何か凄い事を成し遂げたかというと何もない。周りがそう言うから、そう思い込ませられている。
ここ数年、その価値を無能な取り巻きが削り取ってしまった。最も多く削り取ってしまったのがルーピー氏だと思うのです。
価値の無くなった小沢氏はその細い生身を曝け出してまでも起死回生に打って出るしかなくなってしまったと思うのです。
いつも情報を有難うございます。
あなたが小沢資金の追求を書いてくださるのが、私の情報源です。
2007年9月16日付のブログで、小沢氏の政治団体の資金の流れを書いてくださったのを、文章では分からず、表にして自分のHPに載せて、批評を書きました。
マネーロンダリングか迂回融資の構図のようで、吃驚したことがありました。
もちろん、情報源はあなたのブログであることを明記しました。
これからも、政治資金収支報告書などの情報を提供してくださるよう、お願いします。
それにしても、暑い毎日ですので、気を付けてご活躍ください。
対立軸というよりも、ただの権力争いという印象ですね。小沢氏にも菅氏にも、政策なんてなさそうだし。
自民党は…どうなるんだろうと、期待と不安を胸に座して見守っているのではないでしょうか?知りませんが。
トロイカに輿石氏を加えて「新トロイカ」と呼ばれもしましたが…。本当に、いったいどうやったらこうまで、と驚くしかないメンツですね。
内閣支持率は産経・フジが46%、日経と読売はなんと54%、毎日は48%でした。内紛を起こすと支持率が上がるのだから、菅氏も笑いがとまらないことでしょうが、それだけ小沢氏が国民に嫌がられている証左のようにも感じます。
さて、先日名古屋市議会のリコール問題で自民党の議員がインタビューを受けていましたが、彼はマスコミが向うの味方に付いているので何を言っても悪意に報じられ今は「臥薪嘗胆」の一語に尽きると言っていました。
確かにテレビ報道は余程民主党に政権を獲らせておきたいのか彼らの一挙手一統卒を肯定的に報じます。
阿比留瑠比さんはじめ貴紙の揺るぎ無き報道に期待しています。
マスコミにも評論家解説者にも金は流れるでしょう。
与論調査など噴飯物です。
世論調査を信用するかの調査はないのかな。
でも、大体この通りに進んでいくのですよね。
小沢氏の本心とは違うかもしれないが、ぶち壊すと面白い。
墓場の夕陽はもの悲しいですね。
世論操作の意味です。
とりあえずすみません。
でもあまりにひどい
【緊急対談】産経A比留記者VS上杉隆
http://futakoburakuda.iza.ne.jp/blog/entry/1766945/
それにたいして(twitterよりコピー)
uesugitakashi
対談希望。\(^-^)/ RT @Guttie_bohnum: 笑った。 フタコブラクダの「バカウヨと遊ぼう」【緊急対談】産経A比留記者VS上杉隆 http://ow.ly/2wAdg
産経の名が廃る。対談して論破されるのは上杉の方でしょw
大分、お疲れのご様子。(嫌味に受け取られると困るのですが)夏休みは終わってしまった今、そして、コップの中のどうでも良い政争で、益々お忙しくなりそうな今、貴兄に一番必要なのは、体力だと拝察します。
だまされたと思って、毎朝、10回でよいので(膝を曲げて、息を吐きながら、ゆっくりの)腹筋にチャレンジしてください。最初は10回できなくてもOK。それと5分のストレッチ。
都合、10分程度ですが、(上杉うんちゃらあたりの)下らない話は、キレイさっぱり忘却し、それなりにさわやかな朝が始まるはずです。否、せめて朝くらいさわやかになりたい場合には、効果的な方法です。是非是非お試しください。
午後の情報番組で小沢支持を表明している民主党議員が、参院選で民主党は敗北し、菅総理に対してNOといったから小沢さんに代わるのは、すなわち直近の民意であり、選挙を経た結果との旨の発言をしていました。
いったいどういう思考回路でこのような屁理屈を思いつくのか、それを国民が納得するとでも本気で思っているのでしょうか?
私にはまったく理解できません。
さて、参考に挙げていただいたエントリは機会を見て目を通すこととして本エントリで特に気になった次の二点について私の感想を述べておきます。その一つは小沢代表の下で財務委員長を務めたという佐藤泰介氏のことです。佐藤氏は愛知の日教組の委員長出身で参議院議員を務めていました。この人は良くも悪くも組織人出身であのゴロツキ?のような山岡氏と同じように小沢氏の不明瞭な公金支出に加担していたとは驚きです。私の見方は素朴過ぎると言われるかもしれませんが心底そう思います。情けないことです。
その二つ目はルーピーこと・鳩山氏のことです。彼のここのところの動きは揶揄的な名称のルーピーではなく気じるしの段階に入っていると思います。これは本人の問題だけでなくこのような人をこのように泳がせている日本全体の問題でもあると私は思うのです。ここに日本の現在の病根をまざまざと見せつけられています。
大名目の『クリーンな政治』(結局、実務も何もかも素人で最期の拠り所と言ってもいい部分なんですけど)も、調べるほどに金に汚く、
今回の総裁選で、お互いの陣営がリークしているのかもしれませんが、こんなのでよく自民党批判をしていたなと思います。
それでいて内閣支持率が50%前後とは、一体全体どうなっているんでしょうか?
究極というより、船を暗礁に乗り上げるか岸壁にぶち当てるかの選択ではないかと...
まあ、選択権を有してない小生と致しましては、如何なる茶番劇(by 英国FT紙)が繰り広げられるかを見物するのみですわな。 大方の予想通り仙谷・枝野の更迭となっても、碌な後釜がいないんだし...♪
> ルーピーに対する怒りだけはふつふつと沸いてくる
21時のNHKニュース見ていて思ったのですが、この政局茶番劇に対する熱意の十分の一でも普天間移設問題や経済対策に振り向けていたなら、彼ももう少しは首相の座に安住出来ていただろうに...
しかし、民主党議員は政策上の対立を全く表面化させませんね。 渡辺喜美みんなの党首ではないですが、政策合意をダシに代表選挙のキャスティングボードを握ろうとする議員グループが現れないのが不思議でしょうがないというか...
(゚∀゚)
└O」 ポン!
写真…沈み行く分裂した太陽=沈み行く民主党ですねw
おはようございます。小沢氏は明らかに追い詰められていたわけですが、昨夜の鳩菅会談の結果、おそらく延命を果たしたようです…。仕事ですからウオッチを続けますが、目の前で展開される政治劇に、嫌悪感を覚えます。
>マネーロンダリング…。私も同感です。金に色はついていませんから、複雑にやりとりしていくと、もともとの出元も動いた金の総額も素人には分からなくなりますしね。不自然極まりない…。
一挙手一統卒→一挙手一統足
菅政権はこれから、脱小沢から、親小沢に戦略転換するようですね。
6月の新政権発足で選挙のために脱小沢、
9月の代表選は選挙がないので小沢復活。
基本政策の変更なので、解散総選挙が必要だと思います。
まあ、民主党において綱領に相当する、
徹頭徹尾、首尾一貫した党の行動原理、
「小沢のカネと菅の権力とハトのママの手当てが第一、
国民の生活は投票用紙に書いたら終わり、あとは納税要員」
についてはあいかわらず、
ゆるぎないものを見せ付けてくれていますね。
世論調査は日本国内ではなく、どこか第三国で行っているんですかね。
自分の無定見、無節操から仕事に行き詰まり、すべて放り出した鳩山氏が、ここにきて嬉々として飛び回るさまは、多くの良識ある国民に生理的な嫌悪感をいだかせていると思います。
小沢氏が「政党を壊す」のは有名ですが、鳩山氏は「政治そのものを壊している」と思います。
政治がここまで国民から離れてしまえば、政府の思い描く施策は今後すべて失敗するでしょう。
「信なくば立たず」という言葉の意味を噛みしめてもらいたいものです。
「壊し屋」の二つ名は、小沢一郎氏うではなく鳩山由起夫氏にこそふさわしいと思いますが、どう思いますか?
あと、素敵な画像の掲載ありがとうございます。
私は阪神淡路大震災の前日に見たきれいな夕焼けを思い出しました。
自然現象であれ、政治的混乱による人災であれ、悲劇が起きないことを祈るばかりです。
不適当な文章でしたら、管理者権限にて削除してくださって結構です。