今朝の産経の2面に「那覇地検幹部の国会招致検討 西岡参院議長」というインタビュー記事が掲載されています。民主党出身の西岡武夫参院議長は産経のインタビューに対し、尖閣諸島沖の中国船衝突事件と船長の釈放問題についてこう明快に語っています。

 

 「参院議員運営委員長とも相談し、釈放を決めたといわれる検事を国会に呼んで、明快な話を聞かなければいけない」

 

 「(釈放は)検察が判断する事柄ではなく、政府の対応には全く納得できない。政府がきちんとするまで言い続けるべきだ」

 

 …いいですね。民主党は中国様のご機嫌を損ねることを心配して、中国人船長が中指を立てて海保を挑発しているシーンが映っているというビデオ映像の公開に二の足を踏んでいますが、西岡氏は気を吐いています。西岡氏は、今月5日の記者会見でもこう指摘しています。

 

 「『検察の判断だった』と政府が言い通そうとしているが、絶対言い通すことはできない。(政府が)放置するなら議長として何らかのことをしなければいけないという責任を感じている」

 

 …ぜひ検事を国会招致して、真実を述べさせてください。こういう西岡氏のような「正論」が、党内からなかなか出てこないところが、国民の民主党への失望を招いていることが、どうして菅直人首相らには分からないのか。西岡氏は、26日の記者会見でも再び下記のように訴え、政府にビデオ映像の公開を迫りました。

 

西岡氏:尖閣列島をめぐる一連の問題で、政府が検察が判断したことだと言い張るというよりも、それで通そうとしているわけで、間違ったことが、そのまま過ぎていっちゃうということは極めて今後のことにも影響するし、好ましいことではない。

政府の判断がどうだったのか、極めて政治的な問題だから、地方の検事が判断することは、あり得ないことだと確信するので、政府には改めて明快に国民に説明をしてもらいたい。そうでなかったならば、なかったと。これは明らかに法務大臣なり外務大臣なりそして総理大臣の判断だとされるべきであると思う。

非常に、問題がこじれるのを避けているようだが、こういう問題は、最初が肝心で、どんな姑息なことをやっても、問題になるときはなるわけで、現になっている

仮に、尾を引くことが分かっていても、日本の立場は明快に明らかにしておかなければ禍根を残すと思うので、私としては改めて政府に対して、そのことを明快に示されたいと要望をしたい。

 それからビデオの公開の問題だが、初めは間違いなくこれは公にすると言ったわけだ。その後、所管の委員会で理事会等でご相談になって、お決めになったことに対しては私はいろいろ口をはさむことは差し控えるが、やはりこれは明らかにしないのは、国民の皆さん方が納得されないんじゃないか。明らかにすると言われたわけだから、政府が。

 

 …三権の長である参院議長が、民主党の輿石東参院議員会長でなくてよかったと、心からそう思います。いや本当に危なかった。ただ、やはりこうした意見は党内ではごく少数派であるのか、民主党の中川正春衆院予算委員会筆頭理事は昨日、記者団とこんなやりとりをしています。

 

 記者 ビデオの一般公開、マスコミや国民への公開には否定的か

 

 中川氏 それをやって、マスコミも責任をとれるのか!

 

 記者 事実関係として、民主党は全面公開には慎重だと

 

 中川氏 そうだ。

 

 …責任をとれるのかって、一体なんなんでしょうね。おそらく日中関係が悪化したらどうするのか、という意味なんでしょうが、国民の知る権利など知ったことではないと言わんばかりの態度です。事実を知り、正しい判断の材料にしたいという国民の正当な望みなど眼中にはなく、愚民どもは黙って従えばいいという姿勢のようです。

 

 この中川氏の言葉で思い出すのは、森政権の末期、台湾の李登輝総統の訪日を認めた際のことです。あのとき、在京各紙のすべてが、社説で病気治療のため訪日する李登輝氏を受け入れるべきだと書いた際に、当時の福田康夫官房長官(親中派)は記者会見で記者達に「何かあったら、あなた方の責任だからね」と言いました。全くこの人は何を言っているんだかと呆れたのを覚えています。

 

 また、当時はまだ、自民党橋本派のバックアップがあったので力を持っていた外務省チャイナスクール(今はもう当時のような影響力、団結力はありません)の代表格だった槙田邦彦アジア局長も跳梁跋扈していました。槙田氏は、国会議員たちに盛んに「李登輝さんを日本に入れたら大変なことなる」と吹き込み、脅していました。

 

 でも、その後きちんと李登輝さんは訪日し、その後も何度も日本に来ていますが、それで日中関係は福田氏や槙田氏が恐れていたような取り返しのつかない事態になったでしょうか?全然、そんなことはありませんね。日本政府が世論の後押しを受けて進めたことに対し、中国だってそうそう口出しできないものです。

 

 外交で、相手がふっかける要求や主張を真に受け、額面通りに受け取るのは間抜けだと思います。それに慌てふためいて一方的に譲歩したり、下手に出たりすると、相手にくみしやすしとみられて付け入られるだけですね。今ごろ中国は、菅政権や民主党の対応を見て「なんて愚かな連中だろう」と腹を抱えて笑っていることでしょう。