防衛省が北沢俊美防衛相の意向を受けて、事務次官通達を出して、自衛隊施設での民間人による言論の自由を封殺しようとしていることが明るみに出ました。今朝の新聞各紙が報じていますが、きっかけは今月3日に航空自衛隊入間基地(埼玉県狭山市)が開いた航空祭で、自衛隊を後援する民間団体「航友会」の会長が行ったあいさつでした。

 

 これを伝え聞いた北沢氏が激怒し、事務次官通達を指示したとされ、民間人である会長の発言を「極めて不適切」と断じた上で①政治的行為と誤解されることを行わないよう参加団体に要請する②誤解を招く恐れがある場合は参加を控えさせる――などの対応策を求めています。

 

 その上で、大臣官房文書課長名で「部外団体を代表して参加された方が御挨拶を述べられた場合には、当分の間、その概要を作成し、大臣官房文書課に提出していただけますよう、よろしくお願いします」とする事務連絡も発出しています。後でチェックするぞ、というわけです。

 

 菅政権による言論統制・隠蔽体質が、いよいよ民間人にまで及び、憲法が定めた表現の自由を侵そうとしています。仙谷由人官房長官は記者会見で、「外部の人がどこまで言っていいのか。『政権をつぶす』とは相当、荒々しいことであるのは間違いない」と言って、この通達に理解を示しました。まさに「まれに見る陰湿な左翼政権」であります。

 

 それでは、そもそも発端となった航友会の会長あいさつとはどういうものだったのか。何がそうまで菅政権を怒らせたのか。防衛省が作成した発言概要を参考までにここで掲載します。みなさんで読んで判断してみてください。

 

 《入間基地航空祭おめでとうございます。また、普段国防の任に当たられている自衛隊の皆さん、いつも大変ご苦労さまです。祝賀会の主催者として、一言ご挨拶申し上げます。本日は、極めて天気もよく絶好の航空祭日和となりました。これも國分基地指令の日頃の行いのなせるものだと思います。

私も、随分昔から、入間基地航空祭には、参加をさせて戴いておりますが、このように天気がいいのは、あまり記憶にありません。本当に良かったと思います。

さて、現在の日本は、大変な状況になっていると思います。尖閣諸島などの問題を思うとき私は、非常に不安になるわけであります。自衛隊は、遭難救難や災害救助が仕事だと思っている世代が増えてきています。早く日本をなんとかしないといけない。民主党には、もっとしっかりしてもらわないといけない。

他方で、戦後から日本の経済的繁栄などを思うとき、これらが先人の努力・犠牲によってなされたことを思い起こすべきであります。そのように考える時に、靖国神社に参拝するなどは当たり前のことだと思います。靖国神社には、日本人の魂が宿っている。菅内閣は誰一人参拝していない。これでは、日本の防衛を任せられない。

自衛隊の最高指揮官が誰か皆さんご存知ですか。そうです内閣総理大臣です。その自衛隊の最高指揮官である菅総理は、靖国神社に参拝していません。国のために命を捧げた、英霊に敬意を表さないのは、一国の総理大臣として、適当でない。菅総理は、自衛隊の最高指揮官であるが、このような指揮官の下で誰が一生懸命働けるんですか。自衛隊員は、身を挺して任務にあたれない。皆さん、どう思われますか。

領土問題がこじれたのは、民主党の責任である。菅政権は冷静だと言われているが、何もしないだけである。柳腰外交、中国になめられている等の現状に対する対応がなされていない。このままでは、尖閣諸島と北方領土が危ない。こんな内閣は間違っている。まだ、自民党政権の内閣の方がまともだった。現政権の顔ぶれは、左翼ばかりである。みんなで、一刻も早く菅政権をぶっつぶして、昔の自民党政権に戻しましょう。皆さんそうでしょう。民主党政権では国がもたない。

(以下については、会長の声が聞き取れなかったため、挨拶内容を確認できなかった。)

まだ、話したいことは沢山ありますが、あまり長くお話ししてもこの後、ブルーインパルスの飛行がありますのでこれで終わります。ありがとうございました。》

 

 …確かに、自衛官がこうあいさつしたのなら問題でしょうが、民間人がこう言ったぐらいで…。むしろもっともだと思うし。