柳田稔法相の更迭、北朝鮮による韓国砲撃事件と続き、落ち着かない日々を送っています。私はこれまでも何度か書いてきた通り、3年前の参院選を終えた時点で、日本は今後10年は時を失うのだろうと考えていたので、今さら現状に慌てふためいて消耗しても仕方がないのですが、それでも、現政権のあり方にはつい、「なんだかなあ…」とため息をついてしまいます。
そこで、今回も闇夜を照らす一筋の希望の光であり、すべてのストレイ・シープたちの導き手であるすんなりとした姿が色っぽい「柳腰さん」にお出ましいただきました。その未来を見通す含蓄あふれる言葉をかみしめ、明日への活力を取り戻そうと思います。きっと彼なら、日本の目指すべき将来像を明確に示してくれることでしょう。
私 ただでさえ、民主党政権は統治能力を失い、国民の信頼もなくしているのに、ここにきて北朝鮮がまた暴発しました。この危機の時代に、ひたすら頼りない政権与党の姿をみると、絶望すら覚えてしまいます。菅内閣の対応は余りに遅く、昨日夕の菅直人首相のぶらさがりインタビューでは、北朝鮮への批判と怒りすら表明されず、ただ当惑し、おどおどした首相の顔が印象に残っただけでした。危機管理への取り組みが感じられません。
柳腰さん この一年半ぐらい、政党のマネージメントとかガバナンスというものがなんなのだろうか、とにも角にも民主党にはそのようなものが一切ない、そのような感覚で政党人として政治家として今日までまいりました。(2006年4月27日の勉強会あいさつ)
私 そうですね。もともと主義主張も方向性もバラバラだった集団を、小沢一郎という人がある種の恐怖政治で一つにまとめていたのが、その重しがなくなっていよいよ収拾がつかなくなりましたね。でも、党側だけではなく、首相官邸も烏合の衆という印象です。その小沢氏に9月の代表選で菅首相や仙谷由人官房長官は一応、勝ったわけですが、その先のことは考えていなかったのか。
柳腰さん 社会保険庁の問題をみましても霞が関総体の問題をみていましても、あるいは官庁と政治との関係をみていましても、いわゆるマネジメントが全くない。首相官邸にもない。こんなマネジメントを、あるいはガバナンス、経営のやり方をやっていれば民間ならとっくの昔に倒産しているということは誰の目から見ても明らかだと思いますが、そこのところを切り替えることができない。(07年6月26日、同)
私 政権交代によって、これまでの膿を出すことができ、新たに生まれ変わることができるのではないかと期待した人も多かったのですが…。自民もダメ、民主もダメという空気が生まれてきました。それなのに国会では、仙谷氏をはじめ菅内閣の閣僚の暴言、失言、虚言、寝言の数々によって、まともな議論が成り立ちません。
柳腰さん やはり日本がどういう政治の質あるいは成熟度をこれから持つことができるか、作っていけるかというのが大変大きな課題になってきた。それ以前に時間がなくて国民の多くの方々が『もう政治はダメだ。日本の政党はダメだ』というふうに三下り半をつきつけられたときに、その先は何なのかというのは大変悩ましい話です。そうなる前にしっかりとした議論ができる政党、あるいは政治家と有権者との関係、すなわち政治のありようを改めて考えながら行動していかなければならない」(08年6月25日、同)
私 国民はすでに、菅政権はもうダメだと感じているのではないでしょうか。産経とフジテレビの世論調査の21.8%に続き、最新の共同通信の調査でも内閣支持率は23.6%にとどまりました。明確に政権末期です。国民は早くもこの政権にうんざりしているようです。現状をどう見ますか。
柳腰さん 私は昨年から『自民党はここまで朽廃している』ということを言っています。『朽廃』というのは、借地借家法で出てくる用語ですが、ここまでなってくるというのは、今までの政治をみる常識からすればちょっと異常も異常ということになろうかと」(09年2月19日、同)
私 さすが法律に詳しい柳腰さんですね。でも、今の状態は仮にそうだとしても、それでは政治が国民の信を取り戻すためにはどうすればいいのでしょうか。とにかくこの暗い、どんよりと停滞した閉塞感を何とかしなければと思うのですが。
柳腰さん 日本の政治が『官治』から『法治』へ、法の支配が貫徹する政府を作らなければなりません。(中略)国権の最高機関たる国会が今までとは違った発想で、『公開と説明』の原則のもと、議論の場として運営がされなければならないし、政党がそのために有効な人材(議員、候補者)を作り出す機能をもつ必要があると考えています。(09年6月17日、同)
私 はい、まさしくそうですね。中国漁船衝突事件の映像封印や、自衛隊施設内での政権批判封じ込めはおかしい。やはり「公開と説明」こそが大切ですね。それをやってこそ、初めて議論が正面から成り立ちうると。ところが、菅政権は現在、かつてはあれほど批判していた公明党・創価学会と何とか手を結ぼうと必死のようです。自公政権を嫌い、民主党に投票した有権者をも裏切る行為のようにも見えます。
柳腰さん 日本のこの重大な局面で、自民党が公明党の補完的な援助を得て無理やり政治を維持してきたということは、つまり統治する才覚というのが全くなくなっていることだ。(同)
…柳腰さんは本日も手厳しいながらも愛情を込めて、政治の現状を斬ってくれました。特に、この危機的状況における公明党との連携の策動については鋭い批判の目を向けているようです。今回の対話を通しても、柳腰さんがかなり、政府や政党、そして国家全体のガバナンスに着目し、重視しているかが伝わり、私もほっとさせられるやら、めまいがするやらです。
ちなみに、柳腰さんは、ジャーナリストのUさんを講師に招いた勉強会(09年2月19日)のあいさつでは、自ら「いろいろなことでお話をさせていただいている関係」だというUさんについてこう称賛しています。
「やはり調査の視点、方法、そして分析、文章力ということなのでしょう。大変しっかりした仕事をされているなと感心していたところです」
これに対し、講演でUさんもこう語っていました。
「民主党の結党からずっと関わってきて、仙谷さんにもいろんなアドバイスをいただきました」「基本的に講演は、特に政治家個人が主催する会での講演というのはお断りしております。(中略)鳩山家関係者からの依頼があれば、原則を解除してお話をするというルールを適用しているので、そういうことで皆さまにお話をしたいと思っております」
…うーん、つまらない話を付け加えてしまいました。蛇足でしたね。すみません。
コメント
コメント一覧 (21)
Uなる方、仙谷氏以上に不快。ジャーナリストの肩書で、太鼓持ちをしてはいけない。
民主党の衆参両院の国会対策委員長らが23日夜に会談し、2010年度補正予算案の週内成立を目指す方針を確認するとともに、北朝鮮と韓国による砲撃戦の国会への影響について協議した。
会談では、北朝鮮と韓国の砲撃戦を受けて、緊迫する安全保障環境への対応に専念するためにも、2010年度補正予算案の早期成立が必要との認識で一致し、週内の成立を目指す方針を確認した。
出席者の1人は、「日本周辺の情勢が緊迫する中で、仙谷官房長官らに対する問責決議案を提出すれば、野党が非難される。決議案の提出は困難になった」という見方を示した。
別の民主党幹部は、「北朝鮮の砲撃は民主党にとって神風だ。公明党は問責に、より慎重になるのではないか」と期待感を示した。
(11/24 06:30)
フジニュースネットワーク
http://www.fnn-news.com/news/headlines/articles/CONN00188434.html
この民主党幹部が誰かわかりますか?
オフレコでしょうから、そのまま名前を出すことはできないでしょうが、もしご存知でしたら、それとなくどこかで暴露してください。阿比留記者のポテンシャルに期待します。
今回の事件を受けて、仙谷氏は朝鮮学校に対する授業料無償化の手続きをいったん止めると表明したそうですね。
これは朝鮮学校に対する授業料無償化が朝鮮学校に通う子供たちではなく、
北朝鮮への支援のつもりだったと認めたという事にはならないでしょうか。
それにしても、今回の事件に対する政府の緊張感の無さが恐ろしいです。
阿比留さんの呼び掛けにもかかわらずここにいらっしゃらないそうですね。
戯言と妄言が抜けてますよ。
この前の「時事放談」で野中広務さんだったかが仙谷さんについて、「菅さんを守るために一人で悪者になっている」というようなことを言ってましたが、事実だったら見事過ぎる悪役振りですね。
いったい菅さんの何が守られているのかよく解りませんが。
尤も北朝鮮が「韓国民間人を殺害した」ので極端な左傾化は
解消される事で有りましょう。リベラルに対しましては
本当に民衆の事を考えているか厳しく問われることでありましょう。
一方、韓国人、特に在日韓国人は「対日戦略」が厳しく問われ
不当な日本人非難は今後猛反発を覚悟しなければならないでしょう。
勿論、日本人批判は許されますが、論拠が厳しく問われる事に
なるでしょう。過去の朝日新聞記事の様な主張は一切通用しません。
愛国心と民衆共生を追求すること、これが今後のリベラルの
基本方針になる事でしょうなあ。スターリン、毛沢東、金日成
主義は一切許されません。
責任の無い立場でなら何とでも言える、とはいうもののそういった諸問題について真剣に考えてたのか、それとも口だけだったのか…。
今の魅惑の腰付きからは窺う事は難しそうです。
>いったい菅さんの何が守られているのかよく解りませんが。
シェスタの時間。
早期に解散総選挙で政権交代が必要だ。
自民党+みんなの党+たちあがれ日本+新党改革+国民新党=自由党
保守合同の政界再編で憲法改正を実現すべきだ。
http://sankei.jp.msn.com/politics/policy/101124/plc1011242001021-n1.htm
早く居なくなってくれ。喋るな!
ルーピー氏との対話は、本人が天然のボケで大真面目なので、その分よけいにおもしろかったのですが ― 笑い事でないのはたしかですが ― 仙谷官房長官については、もともと底意がバレバレの三百代言的な言動が多すぎて言うことに真実味がなく、せっかくの労作なのに迫力が減殺されるのはやむを得ないことなのでしょう。役者の持ち味、ということでしょうか。
「ジャーナリスト」のU氏とはだれのことか、人の悪口は ― 自分で言うのでなしに人が言うのを聞くときには ― 実名で聞きたい小生としては、大いに気になるところです。ルーピー家のお召しに馳せ参じると自ら認めるような人が、”ジャーナリスト”を名乗るなら、それこそ僭称というものですね。謙信、景勝のUでしょうか。
よくまぁこんなに言う事とやる事が違ってて、平気で人前で話せるもんだと呆れるばかりです。多分、ツラの皮が人並み以上に厚いとか頭の思考回路に
異常を来たしているかのどちらかでしょうが。それにしてもこういった人間が日本の舵を取るとは暗澹とします。
両氏に言いたい「恥を知れ」と。
<今回の柳腰>
> 国会が今までとは違った発想で、『公開と説明』の原則のもと、議論の場として運営がされなければならない...
現状は、従来の「案外説明がなされていた」状態とは全く異なる発想で、政権与党が「詭弁と隠蔽を旨とした閣僚答弁」に終止して居る様ですね。
> 蛇足でしたね。すみません
なんだ「自称ジャーナリスト(笑)」Uさんは自ら「民主党との結託」を公言されていたのですね。 って事は「政治記者クラブ廃止論」もかなり割り引かねばなりませぬなぁ...♪
第二次朝鮮戦争ではなく、第二ラウンドですか。
南と一緒に戦うなどとバカなこと言わないで欲しい。
竹島の奪還のチャンスではある。
ゴルゴ13に依頼してみるか。
拉致被害者を帰すなら、北に味方するか。
>警視庁と東京地検の調べに対し、海上保安官が映像を「ユーチューブ」に投稿するより前に、SDカードを米ニュース専門局「CNN」の東京支局に郵送したと供述していることが捜査関係者の話で分かった。
>海上保安官は「CNNが映像を放送しなかったため、投稿を決意した」とも供述。強い意志を持って映像を公開しようとしていたことを示す事実とみて、捜査当局は裏付けを進めている。
>CNN東京支局は取材に対し、「この件に関しては一切、ノーコメント」としている。(読売新聞 約)
事実でしょうね。
何の映画でしたか、国家機密を偶然知った職員がCIA、FBIに幾度も消されかけながら、ついに、ニューヨークタイムズかワシントンポストだかが見える地下鉄出口に立つ映画がありました。思えば夢のような時代です。
両紙よりは幾分偏りが少なくみえるCNNを選んだのは、結果はともかく、正解の気がします。阿比留さん宛てなら最高でした。
尤もその時は、産経の阿比留記者を私たちは失うことになったかもしれませんが。
>私 そうですね。もともと主義主張も方向性もバラバラだった集団を、小沢一郎という人がある種の恐怖政治で一つにまとめていたのが、その重しがなくなっていよいよ収拾がつかなくなりましたね。
オザワは恐怖政治も行ったんですが、
同時にさまざまな団体や勢力の支持を得るために、
どんな政策でも取り得れたんですよね。
だから小さな政府より大きな政府より巨大な政府になってしまう。
笑えるのは、金がほしい人にはばら撒き、
ばら撒いてはいけないと言う人には事業仕分け。
もちろんこんな、ちょっと考えれば誰でもわかる矛盾を、
ばら撒いてほしい人も、ばら撒いてはいけないと言う人も、
本当なら相容れない人たちなのに、
自党の政策の都合の悪い部分は見ないで知らん顔で選挙をし、
今も知らん顔を決め込んでいる全議員が同罪です。
小沢は、政権さえ獲れば何とでもなる、と言っていましたが、
政策は言葉遊びではないので、何ともなりません。
オザワの汚らしいケツを拭くのは我々しかありません。
>第二次朝鮮戦争ではなく、第二ラウンドですか。
>南と一緒に戦うなどとバカなこと言わないで欲しい。
>竹島の奪還のチャンスではある。
うーむ、どんなもんですかね。
名指しで核を突きつけられ、民間人を拉致されていることを考えると日本こそ北朝鮮の打倒に積極的になるべきだと思いますが。自衛隊の戦争デビューとして、これほど相応しい相手は居ません。さもしい事を敢えて言えば、韓国に恩を売り、これほど国民的な理解が得られる相手も居ません。
参戦は難しいでしょうが、ここで一緒に戦わんでどうするという気がします。他国(米韓)が自国の拉致被害者を救出するのを手を拱いて黙って見ていたとしたら、恩を売られるのみならず、自衛隊、ひいては日本政府の存在意義が問われるでしょう。
湾岸戦争よりも手厳しい評価を得るでしょう。
そうですか、ゴルゴで要人狙撃というのが、一番よいのですが。
長くなるのであれなんですが、南は一回北に吸収された方が目が覚めるでしょうし、北の人のほうが旧日本人の良いとこを持っているでしょう。
朝鮮戦争は米とソ連が勝ったにやったものでしょう、日本は関係ないよ、と言うのが私の主張です。
柳腰さんは、言い回しが素直でないので、ルーピーさんほどのインパクトが感じられません。いかにルーピーさんの言動が、人間離れした神技というレベルに達していたかが判りました。
野党議員は、このような知識や情報をデータとしてインプットした上で、国会の論戦で政府、与党を追い詰めなければならないのに、二段、三段の追い込みに迫力がないので、同じ趣旨の質問を繰り返す戦法しか取れません。
結局、国民から飽きられて、ついには政局より予算だと揶揄される羽目になります。制度の問題もあると思いますが、質問するチームが連携をとって、合理的に組み合わせたり、同時に交互に質問できれば・・・まあ、そうすれば今度与党になったとき、持ちませんがね。
湾岸戦争よりも手厳しい評価を得るでしょう。
賛成ですね。直接戦場に派遣しなくても、日本海・黄海での米軍の支援任務だけでも
少なくとも中国やロシアなどの覇権国家への牽制にはなります。
そして日本国内のお花畑な妄想左翼を燻り出して一掃する一助にはなります。
そして韓国に恩を売れます。
尤も恩も感じない劣等民族ですから、韓国を助けるのは当たり前だと思ってるかも知れませんが
竹島奪還や日本に対する謂われの無い誹謗中傷を止めさせる一助にはなるでしょう。