最近、自民党の高村正彦副総裁の毎週水曜日に記者団に語る「今週の所感」が楽しみになってきました。私は高村氏が外相時代に外務省を担当したことももありますが、当時はこの人について「真面目でいいけど、いまひとつ面白くないな」という印象を抱いていました。ところが、最近の高村氏の言葉はなんというか「はじけた」感じで、とても楽しい。

 

 例えぱ、最近の以下のようなセリフには笑いました。いや、笑っている場合じゃないのは重々承知していますが、もう笑うしかないという心境です。

 

「日本には1億人以上もの人がいるので、鳩山さんみたいな人がいることはそれほど驚くことではないのかもしれないが、政権与党の外交担当最高顧問にまた復帰するということは大いに驚くべきことだ」(17)

 

「もしかしたら輿石さん、樽床さんは正直な悪い人、野田さんは嘘つきの悪い人かもしれないという意見が台頭してきている」(10)

 

で、本日は何を言ってくれるかなあと期待していたところ、高村氏は次のように語っていました。わはははは。せっかく後輩の峯記者がテープ起こしをしてくれたので、ここに紹介します。

 

《田中法相がまさに体調不良、病気を理由に詰め腹を切らされたが、本当の理由は体調不良、病気でないことは国民のだれもが知っているわけだ。本当の理由をいわないでこうやって詰め腹を切らすという民主党政権の嘘つき体質こそほとんど病気だと言ってもいいのではないかと思う。

 

 田中さんが内閣にとって迷惑だから辞めろということ以上に、今の内閣は国民にとって迷惑だから、早く国民の信を問うてもらいたい。

 

 党首会談が「近いうち」についてより具体的な提案があるという鳴り物入りで行われたが、実際は何もなかったということだ。どうも野田首相は解散権というのは首相の大権であるから、具体的な時期を明示することは大権を持っている総理の沽券にかかわるというふうに思っているようにも受け取れるが、消費税を上げないと言って選挙に勝っておきながら消費税を上げた。国民による政治というものが失われているわけだから解散を年内にもすると、例えば年内にもするということを明示して、国民による政治に一歩でも近づく意向を示すことができるし、それからそれによって特例公債法案も通す環境整備もできる。それは国民のための政治ということに近づくことができる。

 

 そのことと総理の沽券とどっちが大切か。これは自明のことだと思う。百歩譲って総理の沽券というのはそんなに大切であるとしても、その解散の時期を示すことによって立たなくなる沽券と、消費税を上げないと言って上げる嘘、無駄を省けば16兆8千億円出ると言った嘘、あるいは谷垣総裁との間の党首会談で0増5減を切り離してでもやるといってやらなかった嘘。すでに嘘つきの3冠王になっているが、近いうち解散まで嘘ということになれば、嘘つきの4冠王ということになる。そういう汚名が定着することによる沽券が立たなくなることとどちらの度合いが高いか。これも自明のことだと思う。

 

 前原さんが「総理が示した3つのことができればそれが条件で解散を年内にするんだ。年内解散、来年の解散であれば、近いうちでないことは常識だ」と言ったことは国民の常識に合うことだ。国民の願いにも合うことだ。こういうふうに思うが、これをぜひ前原さんは野田さんにも非常に近いと聞いているから、解散権者である野田さんにそのことをいわせてもらえば、一部にいわれていた「口だけ番長(言うだけ番長)」などという誹りは完全に払拭できるのではないか。それを期待しているところだ。

 

 一方で岡田さんあるいは輿石さんが「総理が示した3つのことは解散の条件ではないと、それができたからといって年内解散を約束したわけではない」というような趣旨のことを言っているが、これは国民の期待に背くが、一日でも長く国会議員をやっていたいという民主党衆院議員の期待には大いにかなうことではあるのかな。国民の期待と民主党国会議員の期待と、どっちを重視する党なのかなと、それが問われている。

 

 野田総理に一言申し上げたいことは、「至誠に悖るなかりしか」「言行に恥ずるなかりしか」といった難しいことではなく、ただ一言、嘘はいけませんよ。こういうことだと思う。(了)》

 

 ……まあ、明らかに自業自得なわけですが、野田首相は「嘘つき」というイメージが定着してきましたね。野田さんだけでなく、米軍普天間飛行場の移設先について何も考えていないのに「腹案がある」と言い続けた鳩山由紀夫元首相も、中国漁船衝突事件で、自分で中国人船長の釈放を指示しておきながら「那覇地検独自の判断だ」と責任を押しつけた菅直人前首相もみんな嘘つきでした。それも、見え透いた、誰にでもそれと分かる嘘をつき、恬として恥じないという厚顔無恥も共通しています。この人たちが国民を欺き、どれだけ嘘をついてきたか、いちいち数える気にもなりません。

今や、「嘘つきは民主党のはじまり」という慣用句もすっかり定着しましたね。大嘘つきというレッテルを貼られた人物が今後、何を言おうと国民も諸外国ももう信用しません。ということは、政治的にもうほとんど何もできないということです。信用を失うということはそういうことです。あとできることは解散か総辞職かしかありません。

 この現実に一刻も早く野田首相が気づくことを、ひたすら願う次第です。