本日、拉致被害者家族が野田佳彦首相と新たに拉致担当相を兼務することになった藤村修官房長官と面会しました。まあそれはいいとして、その後、家族会の飯塚繁雄代表が記者団に語った言葉に、なんと言っていいか分からない、とても恥ずかしい気持ちになりました。

 ああ、それはそうだな、もっともだなと思いつつ、こういうことを敢えて言わざるを得ないほど、政府は、また日本という国は家族会の方々を切羽詰まった心境に追い込んでしまったことを考えると、ただ言葉を失い、うなだれるしかありません……。

 飯塚代表は一通り、記者団とのやりとりを済ませてから、このように切り出しました。

飯塚氏 すいません、あの、家族会の役員からですね、このことをマスコミの皆さんに知らせてくれというお話があって、今日の席で言ってくれって言われたんだけど、私はこの場ではないと。えっと、家族会の副代表ですけども。野田首相がこの今の状況の中で、早く総選挙をやりなさいと。従って解散というかこの衆議院の選挙を早く始めるように、決断を迫ってくださいというような話がきていて、もうこの状態では政権の維持も難しいし、無理だと思うという話もきているってこともちょっと。

 

記者 それはどなたから?

 

飯塚氏 まあ副代表っていうのは2人しかいないからわかるんだけども、有元(明弘)さん。

 

記者 それは会談の中では総理へ直に言うことはなかったということか?

 

飯塚氏 こういう話をする場ではないので、私は私なりにこれは受けたけども。

 

記者 出しはしなかったということですか?

 

飯塚氏 そうです。

 

記者 それは家族会としての総意ではなくて、有元さんの個人的な意見ということでしょうか。

 

飯塚氏 いや、私もそう思っていますよ。あの、腹の底には。でもこういった場合、家族会の立場から言う話ではない。政局の話はできないということで、あえて出さなかったんだけど。ま、どうしてもこれ皆さんに言ってくれっていうからさ。あとは皆さんの判断だから。(了)

 

 ……ときの政府に頼るしかない立場にいる家族会にここまで言わせる野田政権というのはいったい、何なのか。拉致被害者家族の信頼が厚かった松原仁氏を更迭してまで、「まるで暴力団の準構成員じゃないか」(野党幹部)といわれる田中慶秋氏をその職にあて、都合が悪くなると一度も国会答弁もさせないまま詰め腹を切らせた野田首相とはいかなる存在なのか。

 

 きょうたまたま話した日中外交にかかわってきた人物は、「中国は野田政権は全く相手にしていない。野田政権相手に取引きや交渉をするつもりはない。関係改善は次期政権でと決めている」という趣旨のことを語っていました。また、米国も日本との間での外交・安全保障関係の取り決めについて、日本側が前向きな交渉を求めても「どうせなら次期政権で」という消極的な姿勢をとっていると聞きます。

 

 現在、野田首相はなぜか対北朝鮮交渉に自信を持っているようですが、このような死に体政権に北が寄ってきたとしたら、それは決して本気ではなく、うまく騙して取れるものは取っておこうということでしょう。だって、諸外国にしたところで、もうゾンビ化している政権と真剣に向き合う道理がありません。適当にあしらわれているだけなはずです。

 

 私は、昨年に野田政権か発足した当初から、野田首相は実はものすごく自信過剰の人なのではないかと感じてきましたが、その最初の印象は当たっていたようです。民主党代表選では「泥鰌」を名乗り、そのイメージが定着しそうになるとすぐ後悔して「本当はウナギの方が好きだ」と言い出した姿に、どこか偽物臭をかぎとらずにはおれませんでしたが、ここまで最低だとは。

 

 民主党の3代にわたる首相については、反面教師、反省材料として、子々孫々に至るまで未来永劫語り継ぎ、戒めとするべきだと真剣にそう思います。と同時に、ことここに至って、なお自分は偉くて立派だと信じていられる3人の精神構造が幸せだなあとうらやましくもあります。