きょう、本屋で週刊朝日を立ち読みしていたら、自民党の山崎拓氏がインタビューに答えていました。私は朝日系の新聞、雑誌は絶対に買わないことにしてます(一銭でももうけさせたくない)。ですから、一言一句正確には再現できませんが、この中で山崎氏は現在の心境を福岡県出身の広田弘毅元首相の句を使ってこう表現していました。
「風ぐるま 風が吹くまで 昼寝かな」
周囲から総裁候補としての待望論が沸き起こり、大きな波が到来するのを待って決起するとでもいいたいのでしょう。まあ、それはいい。是非出てもらいたいものです。
ですが、許せないのは、同じインタビューの中で山崎氏が靖国神社のA級戦犯合祀のことを痛烈に批判していることです。広田元首相は昭和23年12月23日、現天皇陛下の誕生日に、A級戦犯として絞首刑になっているというのに!。
この無神経ぷりには、思わず週刊朝日をその場で破り捨てたくなるほど腹が立ちました。山崎氏は以前から、尊敬する人物の一人として郷土の先輩である広田元首相の名前を挙げてきましたが、矛盾は感じないのでしょうか。
また、山崎氏はやはりインタビューの中で、北朝鮮のミサイル連射をきっかけに政府内で敵基地攻撃能力保有論が浮上したことを批判し、「政権要路は教養がない」とグフフと笑ったそうです。
安倍晋三官房長官や額賀福志郎防衛庁長官をバカにしてみせたかたちですね。でも、メディアで防衛族のドンと持ち上げられた山崎氏について、自民党の安全保障に詳しいある議員は「山拓は防衛をまったく何も分かっていない。想像を絶する○○だ」と呆れていました。伏字は武士の情けです。教養がないなどと、どの口がそんなことを言うのか…
山崎氏が以前、週刊誌に女性問題を書かれた際、記事の中に、山崎氏がその場にあった産経新聞を丸めて女性をたたいたという描写がありました。でも、山崎氏は産経を購読しておらず、まったくいい迷惑でした。
私はわずか1か月間ですがこの人の担当をしていました。朝、議員宿舎で待っていると、よく「産経新聞をよこせ」と召し上げられたものです。車の中で読んでいたようですが、内心「新聞ぐらい取れよ」と思っていました。
今回の昭和天皇のご発言だとされる「富田メモ」騒ぎ以来、虎の威を借る狐たちが盛んにA級戦犯批判を繰り返していますが、これには強烈な違和感を覚えます。
インターネットでは、メモの語り手が違うのではないかなどと真偽を疑う意見が多いようですが、私も別の意味で割り切れない思いがするのです。
絞首刑の執行に立ち会った花山信勝博士の著書「平和の発見」によると、絞首刑となった7人の処刑は2組に分けて行われましたが、両組とも「天皇陛下万歳」を三唱してから刑場に消えたのです。2組目の板垣征四郎氏、木村兵太郎氏、広田氏の3人の場合は、広田氏のすすめで板垣氏が発声し、まるで割れんばかりの大声で「天皇陛下万歳」を三唱したとあります。
昭和天皇が、自らを最後までかばって露と消えた忠臣たちが靖国に合祀されたことを、それほど不快に思うものでしょうか。もちろん、メモに記された人物は2人だけですから、特定人物の合祀を不快に感じたということならありうるでしょうが。
私は広田元首相がつくった学生寮の出身でもあり、山崎氏だけには広田さんや昭和天皇を利用してほしくないのです。心の底からお願いしたいぐらいです。