2006年08月

 自民党も確信的な保守系から社民党に近いようなリベラル派までいろいろいますが、民主党も寄せ集め政党と言われるだけあって思想・信条がバラバラなのは周知の事実です。ですが、意見対立が表面化することを嫌って、これまで党内で左右両派の議論は表立ってしてきませんでしたね。

 

 ところが、興味深い二つの文章を見つけました。一つは今月18日付で岡田克也元代表が書いた「小泉政治との5年」という論文。もう一つは野田佳彦元国対委員長が20日付で記した「パフォーマンス参拝」という小泉純一郎首相の「8.15」参拝を批判したコメントです(どちらもホームページ上に公開されています)。

 

 双方とも、小泉政治の問題点を指摘した形をとっているのですが、私には、野田氏の論考は、先行する岡田氏の論文に対する反論のように読めました。うがちすぎかもしれませんが、興味のある方にはご一読をお薦めします。

 

 まず、岡田氏は、小泉参拝を批判しつつも、「東京裁判に対する小泉総理の認識は、私と大きな違いはなかった」と指摘し、その一つの根拠として首相が国会で「(A級戦犯は)戦争犯罪人であるという認識をしている」と述べた事例を挙げています。

 

 論文の中で岡田氏は、ポスト小泉候補の安倍晋三官房長官や麻生太郎外相が「戦犯は国内法では犯罪人ではない」との見解を示していることに反論し、「国内法で戦争犯罪人となったわけではないことは事実だが、日本において犯罪人でないというのは誤りである。犯罪人とした東京裁判を、日本政府は受け入れたのである」と強調しています。

 

 岡田氏は「東京裁判は当時、国内法を超越する上位のものとして存在したのであり、そこで有罪判決を受けた以上、国内法に基づく犯罪人ではないというのは単なる形式論であって意味がなく、犯罪人とした判断に日本政府は拘束されるということが重要である」とも書いています。私にはさっぱり論拠というか、前提が理解できませんが。

 

 これに対し野田氏は、やはり小泉首相の参拝を「歴史観の欠如とした単なるパフォーマンス」と批判していますが、その論理は岡田氏と全く違います。野田氏はこう書いています。

 

 「総理が『A級戦犯』を戦争犯罪人と認める限り、総理の靖国参拝の目的が平和の希求であったとしても、戦争犯罪人が合祀されている靖国神社への参拝自体を軍国主義の美化とみなす論理を反駁できません。むしろ、中国の江沢民前国家主席の『歴史問題は終始強調しなくてはならず、永遠に話さなければならない』というような非合理な態度を助長するだけです」

 

 「私は、『A級戦犯』と呼ばれる人たちはもはや戦争犯罪人ではないのであって、戦争犯罪人が合祀されていることを理由に内閣総理大臣の靖国神社参拝に反対する論理はすでに破綻しているという立場です」

 

 野田氏は、その理由として①昭和27年の法務総裁通達によって、戦犯拘禁中の死者はすべて「公務死」となり、戦犯逮捕者は「抑留又は逮捕された者」として取り扱われるようになった②戦犯として拘禁中に死亡した場合はその遺族に扶助料を支給する法改正もされた③国会決議とサンフランシスコ講和条約第11条の手続きに基づく関係11か国の同意のもと、「A級戦犯」は昭和31年、「BC級戦犯」は33年までに赦免釈放された~ことなどを挙げています。

 

 さらに、「刑罰が終了した時点で受刑者の罪は消失するというのが近代法の理念である。(中略)既に『A級戦犯』として絞首刑になっている7名の人々も同様に解するのが自然だ」「昨今、他国に追従したり、天皇陛下のお言葉を政治利用するような論調が横行していますが、その多くが『戦争犯罪人』と『戦時指導者の政治責任』を混同しています」とも明快に主張しています。

 

 私は、この野田氏の指摘は、小泉首相に対するものというより、岡田氏を諌めたもののように感じてしまいますが、どうでしょうか。野田氏の言っていることを当てはめれば、岡田氏は近代法の理念をよく理解しておらず、戦争犯罪人と戦時指導者の政治責任を混同しているということになると思うのです。

 

 野田氏に比べ、岡田氏はあらかじめ設定された結論に向かって無理やり理屈をつけようとして失敗している、というのが私の受けた印象です。大手マスコミもだいたいそうですが。

 

 岡田氏は最近、核兵器を持っていない日本でわざわざ核軍縮促進議員連盟というものを立ち上げましたが、9月に予定される第1回勉強会の講師は、なんと朝日新聞の論説委員を予定しているようです。まあ、もうどうにでも好きにしてくれ、と言うしかありませんね。

  本紙19日付朝刊は、北朝鮮が米国による金融制裁発動後、ベトナムやモンゴル、ロシアなど少なくとも10カ国23銀行に新たに口座を開設したと報じています。米国により、マカオの「バンコ・デルタ・アジア」と「中国銀行」の口座が凍結されたことが、北朝鮮に大きな打撃を与えたことの現われのようですね。

 

 この記事を読んで、どうしても連想してしまうのが、日本国内で破綻した北朝鮮系の朝銀信用組合の問題です。平成9年の朝銀大阪に始まる朝銀信組の破綻処理で投入された公的資金の総額は、なんと1兆4000億円弱で、平成8年に国会を揺るがした住宅金融専門会社7社への公的資金投入額6800億円の2倍にも上るのです。

 

  この朝銀信組の運営には、朝鮮総連が深くかかわっていたことが事実として認定されています。というより、総連幹部が理事長を務めるなど朝銀信組は事実上、まぎれもない総連の下部団体でした。たとえば、総連元財政局長は朝銀東京に約20の仮名・借名口座を開設し、約8億3000万円を不正流用したとして、業務上横領罪で懲役6年の実刑判決を受けています。また、朝銀東京の元理事長は、総連側に200億円以上のカネが流れたことを認めています。

 

 小泉純一郎首相が初訪朝した平成14年秋には、関東信越の破綻朝銀から、大量の預金者不明口座が見つかりました。これらの中には、朝鮮総連が管理していた口座も少なくないとみられています。あるいは、金一族の仮名口座もあったかもしれません。

 

 当時、この問題を調べていて驚いたのは、預金者が名乗り出ない(名乗り出ることができない)口座には、億を超える口座もけっこうあったことです。普通、億単位の金を預けていて、「私のものです」といえないなんて、後ろ暗いカネだとしか思えませんね。私が手に入れた金融当局の資料(非公開)によると、関東信越破綻5朝銀の「真の預金者が判明しない預金」の状況(14年10月末現在)は

 

 朝銀東京  6278口座    49億5000万円

 朝銀関東  5786口座    2億7000万円

 朝銀千葉  893口座     5000万円

 朝銀新潟  311口座     3000万円

 朝銀長野  799口座     6000万円

 合計     1万4067口座  53億6000万円

 

 また、その大口口座の上位10位はすべて朝銀東京で、内訳は

 

 ①2億5051万円②2億2807万円③1億8819万円④1億5459万円⑤1億5165万円⑥1億4935万円⑦1億3826万円⑧1億1799万円⑨1億1391万円⑩1億1390万円

 

 でした。軒並み1億円以上の預金残高があるのに、預金者が姿を見せないというわけです。こうした口座は、整理回収機構(RCC)が引き継いだのですが、相続時や転居時の届出漏れなどごく一部の単純ミスの事例を除き、ほとんど口座権利者が名乗り出ない不自然な状態が続いているようです。

 

 日本から北朝鮮への資金の流れをつかむためにも、ぜひ警察・金融当局には、こうした疑惑の口座についても解明を進めてほしいものだと思います。以前ならば北朝鮮・朝鮮総連関係は当局も手を出しにくいタブーだったかもしれませんが、今なら国民世論の後押しも得られると思うのですが。

 私のニュース感度が鈍いことを告白することになりますが、今朝の産経朝刊「イザ・ペーパー」欄で、初めて革マル派の最高指導者だった黒田寛一氏(通称・クロカン)が死去していたことを知りました。79歳だったそうです。共産主義国が中国と北朝鮮に代表されるカルト国家しかなくなっても、最期まで革命を夢見たんでしょうかね…。

 

 革マル派の教祖的存在だったといっても、われわれの世代(というか私)には特に感慨はありませんが、革マル派が現在もJR東日本などに強い影響力を保持していることは各方面から指摘されているところです。そこで、政府が現在、革マル派をどうみているのかを、民主党の山下八洲夫氏の質問主意書に対する政府答弁書(政府の公式見解、今年5月12日付)から紹介したいと思います。

 

 それによると、まず、革マル派の現状については

 

 《日本革命的共産主義者同盟革命的マルクス主義派(以下「革マル派」という。)は、共産主義革命を起こすことを究極の目的としている極左暴力集団であり、約5400人の活動家等を擁しているとみている。革マル派は、他の極左暴力集団と比較しても非公然性が極めて強い組織であり、(中略)将来の組織拡大に備えるため、その組織拡大に重点を置き、周囲に警戒心を抱かせないよう党派性を隠して基幹産業の労働組合等各界各層への浸透を図っており、例えば、全日本鉄道労働組合総連合会(以下「JR総連」という。)及び東日本旅客鉄道労働組合(以下「JR東労組」という。)内において、影響力を行使し得る立場に革マル派活動家が相当浸透していると見られる》

 

 =まだ5400人も活動家がいるのか。ちょっと恐ろしい数字ですね。新聞は一般に、「右翼」という言葉はストレートに使うのに、はるかに組織的で恐ろしい「左翼」については「過激派」との表現で済ませる傾向があるのは否めません。なんか不公平というか、「左」に甘いですよね。私自身は、できるだけ毎回「左翼過激派」と表記してきましたが…。

 

 答弁書は、さらにこう続きます。

 

 《警察としては、JR総連及びJR東労組という公共交通機関の労働組合における革マル派の動向について、公安の維持の観点から重大な関心を払っている。また、革マル派に関係する組織としては、その学生部門の傘下にある革マル派系の全日本学生自治会総連合会等があり…》

 

 =全日本学生自治会総連合会、つまり「全学連」ですね。ちなみに、日本共産党は今年7月、所属議員・秘書に対して、「全学連との懇談会 出席のお願い」という通知を送っています。実際に懇談会を開いたかどうかは把握していませんが、場所は衆議院第2議員会館でした。全学連といっても、大学によってどこ(中核など)とつながっているかは微妙に異なるそうですが、共産党ねぇ…。懇談会って何を話し合うのか。

 

  また、答弁書は次のような実態も明らかにしています。

 

 《革マル派には、労働運動の指導に当たる中央労働者組織委員会があり、その中に通称「トラジャ」と呼ばれる組織が存在していること並びに「トラジャ」の指導の下に在る組織としてJR総連及びJR東労組にいる革マル派活動家の指導に当たる通称「マングローブ」と呼ばれるものが存在していることが確認されているが、その実態等については、今後の警察活動に支障を及ぼすおそれがあることから、答弁を差し控えたい》

 

 =多数の人命を預かる公共交通機関に、左翼過激派が深く浸透している…。利用しないわけにはいかない基幹交通機関だけに、とても恐ろしいと感じます。最近、週刊現代が果敢にこの問題を取り上げていますね。現状のままでいいわけがないので、私も真剣に考えていきたいと思います。

 本日は夏休みで、東北某件のハワイをテーマにしたプールで遊び、その近くの温泉に浸かり、心身ともにふやけていました。麻生太郎外相の出馬表明がありましたが、自民党総裁選の行方はすでに決しているため、のんびりさせてもらいました。


 ちなみに、郵政解散のあった昨年は、楽しみにしていた夏休みが吹き飛び、小泉純一郎首相のことを深く逆恨みしたことを告白します。

  

 というわけで、実はきょうはエントリをさぼろうかとも思ったのですが、そうもいきません。そこで、某与党の国会議員らに配られたある「回議書」を紹介することで、お茶を濁して勘弁していただきたいと思います。新聞業界に携わる者としては、身につまされる思いがする文書です。

  

 ■「平成18年度 下半期の機関紙購読推進について」

     内容

平成18年度の下半期活動について91011月の3カ月を強化月間とし、下記の4項目を柱に戦って参ります。ご検討をよろしくお願いします。

〔下半期のスローガン〕

○○新聞の大拡大で統一地方選・参院選の大勝利を!!

〔強化月間の設定〕

  91011月までの3カ月とする

〔各県本部の具体的な取り組み〕

  1、強化月刊中に全議員が年間実配数の目標を断固達成しよ 

    

  ①市民相談・地域サポート運動などと連動させ長期購

   読を目指そう

  ② 支部、分会で購読状況を把握し、休止読者などに

   購読の拡大をしよう

   地域の有力者、保守系支持者、企業等への拡大を

   しよう
  2、「分会一部増」を達成し、総支部、支部、分会で   
    有権者比1%を目指そう
       9~11月の強化月間を通じ「分会一部(6カ月以上の  
    購読)」の新規購読者を達成しよう。
       支部・分会で具体的な啓蒙部数の目標を設定し、
    支部交流・1日推進デー・議員とのペア訪問等工
    夫をしながら拡大をしよう
  3、 支部会等のあらゆる会合等で○○新聞を活用し、党勢拡

     につながる新聞拡大をしていこう 
       支部会等で身近な政治課題等を取り上げ学習をし
   ていこう
       常に○○新聞を持ちながら、日常の対話の話題に
    していこう
  4、総支部、支部の推進長の体制強化と県支部推進長会・

    支部推進長会、愛読者大会等の定例化をしていこ     

     
       女性議員、女性党員を総支部、支部、分会の正・
    副推進長に積極的に登用しよう
  ②     県、総支部で定期的な推進長会、愛読者大会の
    開催をしよう


 こういう体制が組めれば、産経ももっと部数が伸びていたんだろうなぁ、とうらやましく思います。でも決して、真似がしたいわけではありませんが。




 6月に社命でブログをはじめて約2か月半、昨夜遅くにアクセス数が10万件を超えました。10万といっても、有名ブログからみれば1日分程度なのかもしれませんが、私にはとても重みのある数字であり、感慨も深いのです。好き勝手言いたい放題で、決して出来がいいとは言えないこのブログに、たくさんの方が訪問してくれたことに心から感謝します。

 

 さて、このブログは今まで、何度もいわゆる靖国問題について取り上げてきました。私のスタンスは、無理に解決など図らなくとも放っおけばよいというものですが、メディアや政界では相変わらず「戦争責任」だの「敗戦責任」だのと、死者に鞭打つことを続けています。

 

 学者同士が冷静に豊富な資料を駆使し、論じ合うことには意味があると思いますが、イデオロギーで目が曇った左翼マスコミだの、ろくに歴史的知識も見識もないくせに中国様に迎合しようと論陣を張る政治家が偉そうにモノを言っている姿には、ずっと、違和感を覚えていました。

 

 大平正芳元首相が国会で答弁し、安倍晋三官房長官が踏襲しているように、「東京裁判、A級戦犯というものへの判断は、歴史がいたすであろう」という線が、責任ある政治家のとるべき姿勢ではないでしょうか。そもそも政治家に、歴史を裁く資格など与えられていません。

 

 まだ、遺族や親族が存在しているのに、個人名を挙げて責任(罪)の重さのランキングづけという軽薄なことを行った読売にも、心底失望しました。ナベツネさんによる紙面の私物化の結果だとも言われていますが、不見識としかいいようがない。

 

 先人たちの苦労に何のシンパシーも感じず、あと知恵で神様にでもなったかのように歴史を断罪する。まともな感性だとはどうしても思えません。この夏の靖国論争には、特に常軌を逸したものを感じました。

 

 そこで、唐突ですが、「ヨハネによる福音書8章」から非常に有名なエピソードを引用させてもらいます。

 

 《律法学者やファリサイ派の人々が、姦通の現場で捕らえられた女を連れてきて、真ん中に立たせ、イエスに言った。

 

 「先生、この女は姦通しているときに捕まりました。こういう女は石で打ち殺せと、モーセは律法の中で命じています。ところで、あなたはどうお考えになりますか」

 

 イエスを試して訴える口実を得るために、こう言ったのである。イエスはかがみ込み、指で地面に何か書き始められた。しかし、彼らがしつこく問い続けるので、イエスは身を起こして言われた。

 

 「あなたたちの中で罪を犯したことのない者が、まず、この女に石を投げなさい」

 

 そしてまた、身をかがめて地面に書き続けられた。これを聞いた者は、年長者から始まって、一人また一人と、立ち去ってしまい、イエスひとりと、真ん中にいた女が残った》

 

 靖国問題と「姦通した女」をごっちゃにしたら叱られるかもしれませんが、言いたいことは、朝日さん、読売(特にナベツネ)さんに媚中政治家のみなさん、あなた方は立ち去らずに石を投げ続けられるのですか、ということです。自らをかえりみて、現在の言動が恥ずかしくはありませんか?

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