2006年09月

 

 きょうは、安倍内閣の組閣は夕方になるので、ちょっと政治から離れて、オウム真理教の動向について触れたいと思います。別にこの方面に詳しいわけではないのですが(警察担当のときは今よりもっとダメ記者でした)、麻原彰晃被告の死刑も確定したことだし、たまたま公安当局の文書が手に入ったので。

 

  産経のこれまでの報道によると、現在、オウム教団内部は上祐史浩代表を中心とする「M派」と、麻原被告への帰依を鮮明にする「A派」の2派が対立し、分裂状態にあるそうです。

 

 普通ならば、あれだけ大規模な反社会的事件を起こし、教祖が死刑になるのであれば、もう少しおとなしくしていそうなものです。ですが、公安文書によると、それがそうでもないようです。相変わらず、M派もA派も夏季集中セミナー(8月12~15日)を開いて活動資金をせっせと集めていたといいます。以下、文書から引用します。

 

 ■上祐派のセミナー

  (1)在家信徒約70人(ゴールデンウイークのセミナーは約80人)が参加。うち約40人は、出家信徒約30人とともに、「聖地巡礼・悟りの旅」と称して、上祐が〝聖地〟として選定した乗鞍・大黒岳(岐阜)など9か所を訪問した。行く先々で、瞑想や呪文(マントラ)を唱える修行などを実施した。

  (2)上祐は、「旧来の教団の形態だと、多くの人たちにアプローチするのは不可能という現実がある」「真理の炎を燃やし続けるためには、フォームを変えていかなければならない」などと説法した。

  (3)参加費(15万円)や秘儀伝授(2~10万円)により、800万円以上を獲得した。

 

 ■反上祐派のセミナー

  (1)在家信徒約200人(ゴールデンウイークのセミナーは約220人)が参加。埼玉・八潮大瀬施設と京都施設のメイン2会場、サブ7会場(東京・西荻施設、名古屋施設など)で、不眠不休で麻原との合一を目指す瞑想や麻原への帰依を固める修行などを実施した。

  (2)幹部信徒は、「グルが拘置所にいても、グルと弟子の契約は完璧だ。グルを心から信じ、偉大な神の化身として観想すること」などと説法した。

  (3)参加費(6万円)や秘儀伝授(5万円~50万円)により、2100万円以上を獲得した。

 

 ■今後の見通し

  (1)上祐の巡礼ツアーは、過去に麻原が行った「インド巡礼ツアー」の模倣。そのねらいは、自らが啓示を受けたとする土地を巡ることによるカリスマ性のアピール。今後、同種のツアーを全国各地で実施する可能性もある。

  (2)今回のセミナーで、「麻原絶対」を植え付けられた反上祐信徒による不穏動向が懸念され、要警戒。

 

 …上祐代表は、麻原被告の死刑確定を受けて「結果は当然だ」と言っていましたが、麻原被告のやり方を真似ているのでしょうかね。また、反上祐派は懲りもせずに「麻原帰依」を深めているようで、本当に不穏な行動が心配です。

 

 あのとき、破防法を適用しておいたらよかったのに、というような事態が起きないことを祈るばかりです。

 

 さきほど、安倍新政権下の自民党新執行部人事が発表されました。幹事長は中川秀直氏、政調会長は中川昭一氏、総務会長は丹羽雄哉氏という布陣です。みなさんはこの顔ぶれに、どういう感想を持たれたでしょうか。

 

 さて、ここで私はささやかな「自慢」をしたいと思います。私は8月1日の当ブログのエントリ「安倍内閣の人事を予想してみた」の中で、この3人のうち、2人(中川昭一、丹羽両氏)まで、役職を含めて的中させているのです。実は、昨日のエントリで、中川昭一氏がいろいろと発言しているエピソードを紹介したのも、きょうの人事への期待があったからです。

 

 私は約2か月前のこのエントリで、中川昭一氏について「安倍氏と中川氏は思想的に同志であり、絶対に起用されると思います」と書きました。当時の週刊誌や政治評論家による予想では、中川昭一氏はまったく触れられていなかったはずです。

 

 最近でこそ、新聞各社の予想記事などに中川昭一氏を横滑りの閣僚ポストで処遇するのでは、との見方が出ていましたが、超閣僚級の「政調会長」と予想した記事は、私の知る限りなかったと思います。

 

 まあ、肝心要の幹事長予想を外しているのですから、あまり勝ち誇ると叱られそうですが…。私は、安倍氏と中川昭一氏がいろいろな局面で連携し、互いに認め合っているのを見てきましたから、重要ポストにつけないはずがないと思っていました。

 

 政調会長の仕事は、文字通り党の政策を仕切ることです。拉致事件、教科書問題その他、安倍氏と考え方が非常に近い中川昭一氏がこの地位に就くことで、ちょっとリベラル色が濃い中川秀直幹事長への牽制(?)にもなると考えます。

 

 丹羽氏の方は、自民党社会部長を務めた安倍氏とパイプもあり、当選回数や党内の立場をみても、まあ順当かと思っていました。個人的につきあいはないので、それ以上の根拠はありませんでしたが。

 

 で、今朝の朝刊各紙を見ると、朝日新聞は「政調会長に柳沢氏浮上」と4段見出しで書いています。当日の紙面でこれでは、罪作りなことをしたものです。ご本人がぬか喜びしていなければいいのですが。朝日としては、例のNHKの慰安婦問題をめぐり、「政治介入だ」として安倍氏と同時に攻撃した中川昭一氏が政調会長になる事態は、考えたくなかったでしょうね。

 

 読売新聞は二階俊博経済産業相について「選挙対策責任者」に起用と書いています。産経は今朝、二階氏は国会対策委員長との予想を示していますが、果たして…。(※その後、国対委員長就任との情報が入ってきました)

 

 毎日新聞の見出しは「甘利、中川昭氏の入閣有力」。中川昭一氏の名前は出していますが、やはり閣僚だと見たようです。共同通信も、きょう未明の配信記事で「政調会長には柳沢氏の名前も挙がっている」と書いています。

 

 日経新聞は丹羽氏の三役起用の可能性に言及していますが、中川昭一氏はこれも閣僚横滑りだと予想しています。東京新聞も柳沢氏について「経済閣僚か党政調会長に起用される可能性が高い」としていました。ふーん。 

 

 さて、ここまで偉そうなことを書いてきましたが、明日はいよいよ閣僚人事が明らかになります。そのとき、全く当たっていなかったら、きょう自慢しただけに恥ずかしいですねぇ…

 

 自民党の安倍新総裁は、首相就任後に教育改革に取り組む考えを表明しています。それには、教育基本法改正をはじめ教員の質の向上、日教組対策、保護者側の意識改革、教育プログラムの改正…といろいろな施策が考えられますが、私はぜひ、教育行政を管轄する文部科学省自体の改革も進めてほしいと思います。

 

 この役所は、自社さ連立政権の誕生とそれによる左派の教育行政への影響力増大によって、かなりリベラル化が進行しています。それと平行してあった「日教組との歴史的和解」は、文部省の日教組化にほかならなかったという指摘すらあります。

 

 まあ、教科書問題などが国際問題化するたびに、外務省あたりに頭越しに仕切られ、ろくに発言さえ認められなかった文科省の立場の弱さに、同情しないでもないのですが…。

 

 文部省の意見も聞かずに外務省、あるいはときの首相官邸が勝手に教科書記述や学習指導要領の「改善」(?)を約束したりしてきましたからね。また、山梨県教組などがいくら政治活動を繰り返しても、文科省は強制力のある指導を行う権限を持っていませんし。

 

 そこで、ちょっと古証文ではありますが、きょう家で資料整理をしていて、たまたま手元に残っていた平成15年7月24日の「歴史教科書問題を考える超党派議員の会」(中川昭一会長、現在は休眠中)の会合記録を紹介したいと思います。文科省の姿勢が表れていると思うからです。

 

 この会合には、文部科学省から初等中等教育局審議官と教科書課長が出席していました(公式の記録ではありませんのて、一言一句その通りというわけではありません。差し引いてお読み下さい)。

 

 中川会長 「本日は今春検定をパスした高校教科書の実態について、藤岡信勝先生から説明を受け、検定と採択の実情について議論したい」

 

 ・藤岡氏の説明

  

  『南京事件の犠牲者数』

 

 実教出版の高校日本史Bは、中国側の発表として「30万人以上の人々が日本軍によって虐殺された」と記している。南京大虐殺説は東中野修道先生などの研究によって否定されているし、当時20万人しかいなかった南京で30万人が殺されたという記述は国民常識を無視している。

 

 また、三省堂の日本史Aは「歴史学者の洞富雄は20万人を下らない数、中国側は30万人、という見解を持っている」と書いている。しかし、犠牲者数については限りなくゼロに近いという学説もある。南京事件については、こうした新しい研究成果を採り入れない、極めて一面的な記述が多い。

 

 さらに、山川の詳説日本史(平成14年)は、結果的に訂正したが、原文段階では「40万人に及ぶ説がある」と記していた。

 

 『いわゆる従軍慰安婦』

 

 「従軍慰安婦」という言葉は歴史的な用語ではないことが判明し、現行の中学の歴史教科書からは一斉に消えた。にもかかわらず、実教出版の高校日本史B、三省堂の日本史A、第一の高等学校日本史A、桐原の新世界史Aなどは依然、「従軍慰安婦」という用語を用いている。

 

 『扶桑社の歴史教科書への言及』

 

 実教出版の日本史Bは「復古的ナショナリズム」という言葉を本文で使い、さらに脚注で、「現職首相の靖国参拝や国旗・国家法の制定などは、復古的ナショナリズムのあらわれといえよう」「2001年には、文部科学省が新しい歴史教科書をつくる会の中学校用歴史教科書を検定合格としたことや小泉首相の靖国神社参拝に対し、韓国、中国などから強い批判と抗議がなされた」と記している。

 

 しかし、「復古的ナショナリズム」という言葉は特定グループの思想用語であって、歴史教科書の記述としては不適切である。こんなレッテル用語を使って、検定合格した他社の教科書を批判することが許されてよいのか。

 

 この記述をもとに、「復古的ナショナリズムの具体例を答えよ」などという試験を子供に出すこともできる。その正解は、小泉首相の靖国参拝とつくる会の歴史教科書ということになる。これは、教科書記述に名を借りて、特定の政治的立場を子供たちに刷り込むことにほかならない。

 

 また、実教の高校日本史Bは扶桑社の歴史教科書を取り上げ、「文部科学省は多くの意見を付して修正させ、2001年、この教科書は検定に合格した。いっぽう、その採択の是非をめぐって大きな市民運動が各地におこった。その教科書は、ほとんどの中学校で採択されなかった」と記している。

 

 扶桑社の歴史教科書には137の検定意見が付いたのは事実だが、これは果たして「多くの意見」と言えるのか。家永氏の高校歴史教科書にはもっと多くの意見が付けられた。

 

 東京書籍の政治経済には、「ときに一部の政治家が侵略戦争を正当化し、日本軍による残虐行為はなかったなどとする発言をした。また、歴史教科書の中にはこうした主張を反映しているものもあるとして、アジア諸国から批判を受けるなど、対日不信感を強めた事例もある」という記述がある。

 

 しかし、「日本軍による残虐行為はなかった」という発言をした政治家を私は知らない。また、扶桑社の教科書は「これまでの歴史で、戦争をして、非武装の人々に対する殺害や虐待をいっさいおかさなかった国はなく、日本も例外ではない」と記しており、「日本軍による残虐行為はなかった」などという主張を反映していないことは明らかだ。この記述は事実無根の中傷であり、他社に対する批判である。

 

 文科省審議官 「教科書の検定は、著しくバランスを欠いている記述、学説状況から判断して明らかに間違っている記述などについて、(教科書執筆者らと)大変なやりとりをしつつ、是正するよう努力している」 

 

 教科書課長 「南京事件の犠牲者数については、断定的な表現を避けていれば認めている。慰安婦については、『従軍慰安婦』という言葉も学説上や歴史用語辞典で使われており、検定意見を付けることはできない。『復古的ナショナリズム』という言葉については、高校生であれば言葉の意味は理解できるものと思われるので、特に説明を求める必要はないと考えている。また、そうした言葉は当時の新聞報道でも使われているし、この教科書の記述は厳密な意味で断定しているわけでもない」 

 

 中川氏 「なぜ首相の靖国参拝が『復古的ナショナリズム』と言えるのか。自分には理解できない。理解できる根拠を示してほしい」 

 

 教科書課長 「当時、過去の歴史認識の議論も含めて、そういう新聞報道があったことは事実だ。また、再びそういう時代に戻るのではないか、という議論もなされた」 

 

 高市早苗氏 「『あらわれといえよう』という記述は断定に当たるのではないか」 

 

 教科書課長 「…(沈黙)」 

 

 中川氏 「われわれに理解できないことが、高校生に理解できるというりはおかしいのではないか。『復古的ナショナリズム』とはイデオロギー用語だと思うが」 

 

 教科書課長 「あくまでも、『復古的ナショナリズム』という意見もあるということだ」 

 

 某議員(だれか不明) 「意見であれば、どんな一部の意見でも教科書に載せるということなのか」 

 

 某議員(同じく不明) 「教科書の記述は明確で、わかりやすい言葉を使うべきであり、あいまいな言葉は避けるべきだ」 

 

 中川氏 「『採択の是非をめぐって大きな市民活動が各地におこった』などという記述がどうして認められるのか理解できない」 

 

 教科書課長 「事実関係を書いており、他社の中傷批判を書いているわけではない。検定意見を付けた結果、(少しは改善されて)こうした記述になった。また、『歴史教科書の中にはこうした主張を反映して…』の記述についていえば、扶桑社の教科書をアジア諸国が批判したのは事実である。また、この記述は扶桑社の教科書だけをさしているのではなく、昭和61年の高校教科書なども含まれる」 

 

 坂本剛二氏 「今はGHQはいないのだから、自虐的な記述を容認する必要はない。結局、システムに問題がある。システムを変えるべきだ」 

 

 森岡正宏氏 「近隣諸国条項も問題だ。これを利用して左翼が好き勝手なことを教科書に書いてきた経緯がある。この条項がある限り、検定は正常に機能しない。近隣諸国条項の廃止運動を起こすべきだ」 

 

 中川氏 「検定のあり方と両方を再検討すべきだ」 

 

 高市氏 「それとともに、政府のこれまでの歴史認識に関する見解も問題とすべきだ。さきほどの教科書課長の答弁に関してだが、『従軍慰安婦』という用語は正しい用語と言えるのか」 

 

 教科書課長 「歴史学事典における用語だし、今の歴史学会において学説上の用語としても使われており、否定することはできない」 

 

 鳩山邦夫氏 「学説や学会には信用できないものもある。三省堂の日本史Aには、南京事件の犠牲者数について洞富雄の『20万人を下らない数』という記述がある。一人だけ歴史学者が出ているのだが、彼は歴史学会を代表する人物なのか。それとも、誰の説でも載せることを文科省は認めているのか」 

 

 教科書課長 「今日の学説状況において許容されていれば認めている」 

 

 中川氏 「国民的議論の対象として侃々諤々やっているのに、事実上、一方の学説の肩を持っているということであり、全く不公平だ」 

 

 鳩山氏 「南京事件の犠牲者数が限りなくゼロに近いという説も検定りの許容範囲か」 

 

 教科書課長 「いわゆる『南京虐殺まぼろし説』には意見を付けているが、犠牲者数については、たとえば数千人という説も許容している」 

 

 高市氏 「学説の基準が不明確である。たとえば辞典に書かれていれば、どんな種類の辞典の記述でも許容するのか」 

 

 古屋圭司氏 「検定には内規があるのか。もし内規なしに検定をやっているなら、とんでもないことだ。内規があるなら是非見せてほしい」 

 

 教科書課長 「内規はない。歴史の辞典や解説書などをトータルに勘案して検定している。家永訴訟の最高裁判決でも学説状況をふまえて判断を下している」 

 

 下村博文氏 「課長はわれわれのような問題意識を持っていないのではないか。教科書の記述内容を課長本人が認めているフシがある。私は高校生の教科書に『復古的ナショナリズム』という言葉があること自体が問題だと思うが、課長は問題だとは思っていないのではないか。これは文科省そのものの問題である」 

 

 泉信也氏 「検定は国会の議論をふまえて行っているのか。『従軍慰安婦』という言葉については、防衛庁などが資料はないと答弁している。国会の議論を無視して検定を行うことは許されない」

 教科書課長 「国会の議論は無視していない。その当時の資料で『従軍慰安婦』という言葉が使われていないことは承知しているが、歴史用語という観点からは教科書で使うことは許容される」 

 

 某議員(不明) 「根拠となる資料がないのに、どうして学説上使用が許されるのか理解できない」 

 

 中川氏 「さきの藤岡先生が述べた3点について答えたほしい」 

 

 教科書課長 「まず『多くの検定意見』という点については、家永教科書は高校用教科書であり、中学教科書とは比較することはできない。中学教科書の中では、扶桑社は検定意見が比較的多かったのは事実だ。また、『一部の政治家が…残虐行為はなかったなどとする発言をした』との記述については、『南京虐殺はでっちあげ』などという政治家の発言があった。そのように報道されている。しかし、具体的に教科書記述のような政治家の発言があったかどうかは確認していない」 

 

 坂本氏 「この教科書の記述が、政治家の国会での公的な発言ならいざ知らず、仮に記者のぶらさがり取材に対する発言などをさしているとすれば、それは大問題だ」 

 

 平沢勝栄氏 「そもそも、こうした記述を載せること自体が間違っている」 

 

 中川氏 「教科書課長は野田英二郎氏(元教科用図書検定審議会委員、元駐インド大使。扶桑社教科書を検定前に不合格にしようと工作した人)と同じ考えではないのか」 

 

 平沢氏 「全く納得できない答弁だ」 

 

 古屋氏 「実教の高校日本史Bの『その教科書は、ほとんどの中学校で採択されなかった』という記述は他社の批判に当たるのではないか」 

 

 教科書課長 「事実関係を記している。他のマスコミでもそうした報道がなされている」 

 

 某議員(不明) 「採択の是非をめぐって大きな市民運動が各地におこった、というのは事実ではない」

 

 平沢氏 「一部の極左の妨害があったというのが実態だ」

 

 教科書課長 「大きな市民運動という記述には、賛成派の運動も含まれている」

 

 平沢氏 「全く納得できない。文科省は中立どころか、おかしな連中に加担している。中立を欠いており、この連中の共犯であり確信犯だ。もう一度、別個に担当者に話して、文科省の回答をもらう必要がある」

 

 …こうしてみると、文部科学省の役人が一方的に政治家に責め立てられているように感じられるかもしれませんが、実態は必ずしもそうではありません。彼らは、いろいろと文句を言われても、ただちに改善に向けて動こうなんてしませんし、しばらくやりすごせば、自分が異動するかもしれませんし、相手の政治家が落選するかもしれません。

 

 私の印象では、文科省はこうした保守系からの抗議や批判よりも、日教組をはじめとしたサヨク・リベラル勢力の攻撃を恐れているように感じます。私は、義務教育国庫負担金の問題で、文科省幹部が日教組の親玉である民主党の輿石東参院議員会長に送った協力要請のコピーも持っています。彼らは裏で通じていると思わざるをえません。

 

 安倍氏の教育改革では、こういう部分にもメスを入れてほしいのですが、多くを望みすぎでしょうか。

 

 今朝の産経に、慰安婦問題をめぐる対日非難決議案が、米下院の本会議で採択される可能性が出てきたことが報じられました。「戦前、戦中に20万人を超える女性や少女が日本政府により性奴隷とされた」という、何の根拠もないことが、独り歩きしています。

 

 以前のエントリで、旧日本軍が慰安婦を募集した際の「強制性」を認めた、平成5年の河野洋平官房長官(当時)の「河野談話」作成の事務方だった石原信雄官房長官のインタビュー前文を紹介しました(詳しくはご参照ください)。

 

 あの通り、日本側が「強制性」に言及したのは単なる政治決断であり、事実に基づく根拠は何もありませんでした。官庁、公文書館に残されたあらゆる文書には、当然ながら、日本が政府・軍の意思として女性を強制的に慰安婦にする決定など全くなかったといいます。

 

 河野という親中派で知られる衆院議長が何を日本に残したか。彼と当時の宮沢喜一首相は、目前に迫った日韓首脳会談を成功裏に終わらせることと引き替えに、日本と日本人に「性奴隷の国、日本」という耐え難い屈辱を背負わせました。

 

 以前、やはり慰安婦問題で外国への謝罪と賠償に熱心な村山富市元首相にインタビューした際、「それでは、慰安婦の中で多数を占めた日本人慰安婦についてはどう考えているのか」と質問したところ、「うっ」と絶句して、何も答えなかったことがありました。たぶん、何も考えていなかったのでしょう。

 

 この問題では、一方の当時者である日本人の視点が、きれいさっぱり忘れ去られています。

 

 慰安婦問題については、やはり以前のエントリで作家のつかこうへい氏にインタビューした際の話を書きました。基本はああいうことですが、戦後60年以上たって、当時のことを知っている方は老いて数少なくなっています。そこで、10年前に書いた記事を再掲します。参考程度にはなると思います。

 

 これは当時、中学歴史教科書のすべてに「従軍慰安婦」が登場した際に、産経新聞に「実態は違う」と自らの経験談を投書してこられた方々に、電話で再取材してまとめたものです。(当時、私は社会部でした)

 

 見出し 「中国教科書、慰安婦記述の嘘」「投書にみる歴史教育の現場」

 

《来春から使われる中学校社会科(歴史)の全教科書(7冊)に「従軍慰安婦」が登場したことをめぐって、読者からは、実際に中国や朝鮮半島で暮らした経験に基づき、「強制連行はなかった」「教科書の記述は私の体験と違う」といった証言が寄せられた。

 千葉県我孫子市のAさん(76)は朝鮮・忠清北道に生まれ、小学校までそこで暮らした。陸軍士官学校(53期)を経て、昭和15年から17年まで旧満州(中国東北部)の西部国境地帯のハイラルに勤務した。

 Aさんの記憶によると、朝鮮では、警察の第一線の巡査はほとんどが朝鮮人で、同胞を強制連行などするはずがなく、できる雰囲気もなかったという。

 「内地(日本)に帰ったとき、最初に手紙をくれたのは朝鮮人の友達。今も韓国の友人と行き来があるが、同年配の女性が強制連行されたなんて聞いたこともない」

 ハイラルでは、近くに日本軍目当ての売春宿があり、日本人、朝鮮人、白系ロシア人の娼婦がいた。

 Aさんは彼女たちと話をしたことはないが、「軍とのかかわりは、兵士の性病予防のため、業者らに病気の娼婦の接客自粛を要望していたぐらいでは。朝鮮女性もいたが、陸続きの安心感からか、暗い感じはなかった」と印象を語る。

              × × ×

 中国河南省の新郷付近で15年から終戦まで衛生兵として勤務した横浜市の業界紙経営、B
さん(75)は性病予防のため、週に一度、慰安婦の衛生検査を行っていた。

 「外出兵にはサックを持たせ、検黴(ばい)と称して慰安婦の性器検査、菌検査などを実施したが、それは軍が女性を管理していたのではなく、軍にとっての自衛策だった」

 朝鮮人慰安婦の多くが「嫁入り資金を稼ぐために働いている」と話し、「彼女たちの行動は自由だったと思う」とBさん。

 Bさんと同じ中隊にいた神奈川県大磯町の男性(76)も「部隊は5カ所ほど移動を繰り返し、朝鮮人の業者に連れられ慰安婦もついてきたが、引っ張ってこられた形跡はなかった。業者には、アヘンの密売をしている海千山千の人もいたが」と回想する。

              × × ×

 宮城県岩出山町の農業、C
さん(80)は「公娼制度があった当時を現在の見方で判断するのはおかしい。岩出山でも、戦後の35年ぐらいまで、身売りは実際にあった」と証言。

 10年に渡満、満鉄に勤め、大連市と錦州市で生活したCさんは娼婦の相場を記憶している。満鉄社員の初任給が日給で約1円50銭の時代、苦力(クーリー)相手の中国人は1時間50銭、朝鮮人は1-1円50銭ほどだったという。

 Cさんはあるとき、20代前半の朝鮮人娼婦から身の上話を聞いた。彼女は「故郷には親も夫もおり、子供もいるが、生活苦のために出稼ぎにきている。2、3年働いて、家に帰るのが唯一の楽しみ」と話し、家族の写真を見せた。

 彼女たちは寝物語で聞くのか「何百人ぐらいの兵隊がどの方面にいくか」に詳しく、あっせん業者から「第一線の兵隊相手だと、待ち時間も少なく相場が高い(1回1円)」などと勧められていたという。

 Cさんは「ボスが上前をはねたり、前貸しした借金でしばることはあったろうが、軍は関係ない。私には孫がいるが、間違った教科書で先祖を敬わなくなると困る。慰安婦が軍の強制というなら、証拠を出してほしい」と訴える。

              × × ×

 東京都板橋区の木材業、Dさん(85)は満州東部の国境地帯、鵜佗江付近の関東軍第一国境守備隊に勤務時、部隊についてきた日本人慰安婦に「どうしてこんな場所で働くのか」と聞いたことがある。


 その女性は「兵隊さん、今、私たち女が働いて、金になるところがありますか。好んでやっているわけではないけど、ここには金を使う所もなく、貯金ができます」と答えた。不況下では、強制などしなくても、女性のほうから集まってきたという。

 現在、区の青少年健全育成連合会長でもあるDさんは「日ごろからいじめや学校五日制など教育に関心を持っているが、文部省はどうしてこんな教科書を検定で通すのか」と憤る。

 来春から使われる中学校社会科教科書の多くは軍属でない慰安婦を「従軍慰安婦」と表記し、強制連行の一環として取り上げているが、本紙に寄せられた証言は教科書の記述と明らかに食い違っている。(教科書問題取材班)》


当時はみなさん元気でしたが、現在はいかがお過ごしでしょうか…。もちろん、この証言だけで全体像が描けるなんて毛頭考えていませんが、少なくとも、中韓の宣伝活動に乗せられつつある米下院の決議は実態を反映していません。


日本も負けずに情報宣伝活動ができる日がくればいいなあ、と心から思いますが、日本人には向いていないのでしょうか。

 

 このブログではこれまで何度か、民主党の輿石東参院議員会長が率いる山梨県教職員組合の恐るべき選挙活動の実態を取り上げてきました。それで、ふと思い出したのですが、私は先日にフィンランドに行った際に写真をアップすることを覚えていたのでした。

 

 ならば、山教組が学校のファクスを通じて送った指令文書(コピー)を、ここでお見せしたら、エントリも説得力が増すのではないかとようやく気づきました。一つは産経新聞東京版に掲載されたものですが、多くの方はご存じないだろうと。

 

 

 

 これは山教組傘下の教頭会が、平成16年の輿石氏の選挙に備えて、15年12月に資金カンパを求めた通知です。①にある「東明会」とは、「輿石東とともに明日を拓く会」という輿石氏の後援会のことです。

 

 これを見ると、校長3万円、教頭2万円、一般教員1万円のカンパのほかに、教頭には輿石氏の後援会入会カードを20人分集めるノルマが課されていたことが分かりますね。ちなみに、一般教員は80人分が要求されました。

 

 宛先名は筆ペンで私が塗りつぶしましたが、もとは学校名と個人名が記されています。「※読んだらこの用紙を破棄してください」とあるところが、後ろめたさを表しているようです。

 

   

 

 山教組には、山梨県下に9つの地域支部があります。で、この文書を出した支部が「目標に945足りない」と言っているのは、さきほど書いた東明会の入会カードのことです。山教組は各学校に「分会」を組織しており、分会長は学年主任クラスが務めることが多いそうです。

 

 それにしても、昼休みに分会会議を開けと、堂々と学校内での政治活動を命じていますね。これは、日教組が改正反対を唱えている教育基本法など関係法規にもろ違反する行為ですが…。本日7時までに届けろという文面からは、山教組の締め付けがいかに厳しいかがうかがえます。

 

 また、この文章についても指示徹底後の処分を要請しているところが何だか笑えますね。そんなに秘密の文書ならば、学校のファクスを使って送るなよ、とつっこみたくなるほどです。

 

 そして、先日紹介した山梨日々新聞のインタビュー記事によると、輿石氏は「(山教組の政治)活動が変わるはずがないし、変える必要もない」と述べ、こうした選挙活動を来年の参院選でも教員たちにやらせようとしているのです。

 

 何度でもしつこく書きますが、私には到底、容認できません。内心は自由ですが、仕事上は政治的中立が求められる教員を利用し、資金を吸い上げ、選挙に動員することによって政治的影響力を保とうとする。そういう人が参院のトップにいる限り、私は決して民主党を信用することはないでしょう。

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