2006年10月


  今朝の朝日新聞によると、公明党の太田昭宏代表は昨日の講演で、安倍政権に中道路線を求め、核保有論に関する議論を封殺してはいけないと主張する中川昭一政調会長と麻生太郎外相を名指しで批判したそうです。

 正直なところ、「何を偉そうに。だから、あなたたちはダメなんだ」と思いました。それと同時に、日本が中道路線という名の中途半端な立場をとり続け、核アレルギーを堅持したならば、一番喜ぶのはやはり中国だろうなと連想しました。

 で、この際、今年2月10日にあった中国の胡錦濤国家主席の側近、戴秉国氏と公明党幹部との会談内容を紹介することにしました。中国と公明党の関係の一端が表れていると思うからです。表に出ている話とだいぶ違うし。まずは、その会談を報じた公明新聞から…。

 《公明党の神崎武法代表は10日、衆院第2議員会館で中国の戴秉国外務次官、程永華駐日公使らと会い、日中関係の友好促進などについて懇談した。公明党から冬柴鉄三幹事長、遠藤乙彦国際委員会顧問、赤羽一嘉同副委員長、高木陽介広報局長(いずれも衆院議員)、福島豊衆院議員、西田実仁国際局次長(参院議員)が出席した。

 懇談の中で戴次官は、公明党と中国の関係について、「良好な関係を保っている」と主張。その上で、日中関係の維持に向けた公明党の取り組みに感謝の意を示し、「中日両国の美しい未来のために、ともに努力していくべきだ」と語った。

 神崎武法代表は、「日中関係は2国間だけでなく、アジアや世界の平和にとって重要な関係であり、今後もこれは変わらない」と強調した。》

 当たり障りがない記事ですね。しかし、弊紙が複数のルートから得た情報を総合すると、実際には、戴氏と神崎氏らとの間では、次のような会話も交わされていたようです(テープがあるわけではないので、完全に正確とは言いませんが、大意は押さえていると思います)。

 戴氏 公明党は与党であり、中国とは良い関係にある。公明党と中国共産党の協力は成功している。公明党の長い間の、日中関係を維持するためのさまざまな努力に感謝している。早くも60年代から70年代に、池田(大作)名誉会長が日中友好のためにさまざまな発言をされた。私も池田名誉会長のとても重要な談話をみた。すばらしい知恵が含まれていた。池田名誉会長のそうした考えが、日本の数多くの政治家に伝わっていくことを望んでいる。

 中日関係は、これ以上悪くしてはいけない。両国の人民のためにも、難局を打開し、美しい関係への努力をしていくべきだ。今、中日の政治的障害(注:靖国)を注視していく気持ちは、世界でも強まっている。私は最近、米国人とも会ったが、米国も中日関係がこれ以上悪くなるのは望んでいない。米国でも、参拝すべきでないという人はますます多くなっている。中日関係をよいものにしていくのは大きな流れだ。皆が望んでいる。公明党は与党として、他に代わることのない役目を持っている。

 
神崎氏 日中の政治的障害を取り除くのは、なかなか簡単ではない。それが打開できず、苦慮している。経済関係はすばらしいが。両国の政府が問題を解凍する方向で話し合うことが大事だ。感情的なナショナリズムを煽ることのないようにしたい。

 
戴氏 中国の方からいえば、これまでも最大限、できる限りの努力をしてきた。歴史問題は、中国が引き起こしたものではない。問題を起こした方がやらないと、問題解凍はできない。靖国は政治的に重大な問題だ。つまり、あの戦争が侵略戦争であったのか否か、東京裁判は正しいのかどうか、A級戦犯はどうなのか。第二次世界大戦の処理が正しかったのかどうかにかかわってくる。アジアの国々の被害感情は傷つけられており、参拝はそれに塩をかけるようなことだ。

 中国はどうしてもこだわるのではなく、子供のけんかではない。個人の感情、心の問題でもない。責任を持って国の指導者としてどんなことをなすべきか考えてほしい。誰が次の総理になっても参拝すべきではない。(靖国問題は)永遠に取り除くべきだ。

 …判明している範囲だけでもいろいろと言われていますね。公明党側は、支持母体の名誉会長が称賛されたので喜んでいたようですが、印象としては、ほとんど反論もせずに戴氏に好き勝手言われ放題だったように感じます。

 まあ、外交の話ですから、会談内容をすべて表に出せとはいいませんし、公明新聞にもっと詳しく書けとも言いません。公明党さんが与党になり、認知度も上がって自信を持っていることは分かります。選挙協力を通じて自民党に対する発言権も増したと感じているのでしょう。

 ただ、自民党側が公明党の政策や個々の議員を名指しで批判したりしないからといって、太田代表のような自分たちがいつも正しいから言うことを聞きなさいと言わんばかりの態度はいかがでしょうか。

 公明党の幹部の中には、台湾に対する考え方を聞かれて「わしは親中一本だから」と答える人もいます。それは自由ですが、現在進行形で自国民を弾圧したり、平然と農民差別をしたりする共産党一党独裁国と、あまりべったりなのはどうでしょうか。

 神崎氏は戴氏との会談で、靖国問題ではまったく中国側に立っていましたが、私は、与党である以上、中国側に堂々と反論し、日本の首相を守るようであってほしいと思います。無理かもしれませんが。


  《つまり戦争とは、敵をしてわれらの意志に屈服せしめることを目的とする暴力行為のことである》(クラウゼヴィッツ「戦争論」)

 12年ほど前、戦後史開封取材班に所属していた私は、「総資本対総労働」の戦いといわれた昭和35年の三井三池争議について取材していました。福岡や熊本に飛び、当時、三池労組にかかわっていた関係者らから話を聞いたのですが、一つ興味深いことに気づきました。

 それは、三池労組の元幹部らの家に行くと、必ずといっていいほど冒頭に記した「戦争論」が本棚にあったことです。戦後最大の労働争議を戦った炭坑労働者の必読書は、クラウゼヴィッツだったようです。

 なにか戦後の労働運動の出発点を見るような思いでしたが、その後、いわゆる教育労働者たち(皮肉です)の必要以上に戦闘的な言葉遣いや、やたら好戦的な姿勢をみるにつけ、そういうものなのかという気もします。

 ただ、ろくな身分保障もなく指名解雇を受けた炭坑労働者と、身分も給与も年金も十分すぎるほど保障された教員たちとを一緒にしたら叱られますね。公務員と一般労組はやはり違います。

 ちなみに、私が取材した元三池労組副委員長(故人)は、「われわれが学んだ“社会主義”は、うすっぺらなものだった。あの労働運動は大衆を利用してきたんじゃないかという気が捨てきれない。組合全体のためにやったのか、特定のグループの人のためだったのか」と率直に語ってくれました。

 とまあ、そんなこんなで、先月に東京地裁が下した、希に見る愚かな判決の影響を危惧していたところ、早速、これを利用した輪をかけて愚かな裁定がありました。以下の記事は、弊紙も小さく掲載していましたが、毎日新聞さんが詳しいので、そっちを引用させてもらいます。

 《<君が代>卒業式で斉唱妨害 教諭の処分取り消し 道人事委
 
 01年3月に行われた北海道の倶知安町立倶知安中学校の卒業式で、君が代斉唱を妨害したとして道教委から訓告処分を受けた男性教諭(49)が、道人事委員会に処分の取り消しを求めた請求で、道人事委員会は「懲戒処分の乱用に当たる」として、処分を取り消す裁決を出した。

 東京地裁は9月、日の丸・君が代を義務付けた東京都教委の通達は「憲法が認める思想・信条の自由を侵す」と違憲とした判決が出たばかりだが、文部科学省によると、都道府県の人事委員会で処分を取り消したのは全国初とみられる。
 
 裁決では、日の丸の掲揚・君が代の斉唱の趣旨や目的は憲法や教育基本法に反するものではないとしながらも、「強制することは教職員の思想、良心への不当な侵害として許されない」として、憲法に違反すると指摘。さらに、校長が君が代斉唱の根拠とする、学習指導要領については、「大綱的な基準とはいい難く、法的拘束力は否定せざるを得ない」としている。
 
 同中では、卒業式の式次第には国歌斉唱がなく、卒業式の事前練習でも君が代の斉唱を行わなかった。しかし、当日になって、校長が一方的に君が代のカセットテープをレコーダーから流した。このため、教諭はテープを抜き取って斉唱を妨害した。その後、校歌斉唱に移ったが、大きな混乱もなく式は終了した。【千々部一好】
 
 裁決について、道教委の平山和則・企画総務部長は「懲戒処分が相当とする当方の主張が認められなかったのは誠に遺憾。裁決書の内容を検討して今後の対応を判断したい」とコメントした。
 
 道人事委の規約によると、一定の理由があれば、人事委に再審請求することはできる。同部訟務グループによると、裁決が不服であっても道教委側から訴訟を提起することはできない
 
 請求者の弁護団長である後藤徹弁護士は「(裁決は)憲法が定めた思想・信条の自由から、日の丸・君が代の強制は許されないとしている。子供たちの教育面にも配慮し、評価できる」と話した。
               (毎日新聞) - 10月23日13時53分更新》

 沙汰の限りですね。地裁レベルの判断であり、どうせ上級審で覆されることが分かりきっているのに、この北海道人事委員会の裁定は一体どういうことでしょうか。よほど物事の道理が分からない人たちなのか、道教組から強い要請・圧力を受けていたのでしょうか。

 道人事委のホームページをみると、人事委員長は北洋銀行出身で、2人の人事委員はそれぞれ弁護士と労働法が専門の大学教授のようですが、この人たちには常識というものがないのかと疑ってしまいます。こんな裁定を出して喜ぶのはだれなのか。子供たちでないことだけは確かでしょうに。

 昨日、国会前でもらった全国労組交流センターのビラは早速、この裁定を取り上げ、「現場労働者のねばり強い行動が、闘えば勝てる局面をつくりだしています。この勝利を教基法改悪阻止につなげましょう!」とはしゃいでいました。

 筆がすべったのか、「安倍政権は明らかに国会前行動(注:座り込みのこと)に打撃を受けています」とも書いていますが、いや、打撃なんて受けてませんってば。それは妄想です。

 また、都教委包囲・首都圏ネットのビラも「ハンスト中、北海道の人事委員会で『日の丸・君が代』の処分取り消しの勝利裁定が出たとの連絡が入り、ハンスト者たちは『9.21判決(注:東京地裁判決のこと)に続く大いなる勝利だ』と喜び合いました」と記しています。

 「シュプレヒコールは日教組と一緒にやっています」とも書いてあり、何だか楽しそうですが、だから国会議員も通行人も全然、相手にしていませんよって。もっと現実を直視しましょうよ。

 こんな平和な世の中で、恵まれた環境にいながら、やたらと国家と社会の悪口を言って運動とやらにうつつを抜かしている教員たちと、それにお墨付きを与える司法と行政機関。何だか脱力してしまう現実です。

 

 昨日は私用で急遽、福岡県の実家に帰省することになり、ブログの更新ができませんでした(楽しみにしているとコメントをくださったみなさん、すいません)。それで今も実家にいるわけですが、地元紙、西日本新聞では大きく来月の沖縄県知事選の行方が取り上げられていました。

 

 2面には4段見出しで「沖縄知事選 総力戦に」、袖見出しで「自公 『補選2勝』慢心戒め」「民主 起死回生へ背水の陣」とある大型記事が載っています。また、34面では「『基地の島』の選択 ’06沖縄知事選(上)」という連載記事がスタートしていました。やはり、地理的にも沖縄に近いだけに、新聞社としての関心も高いようです。

 

 衆院補選では、2勝をあげた与党側ですが、この沖縄県知事選はかなり厳しいとみているようです。民主党が推す糸数慶子参院議員は、地元では知名度が高く、かなりの票を集めるとみられているからです。水面下では、現在は野党側にいる元自民党議員を復党させ、この人の集票力を取り込もうという動きもあるようですが…。

 

 ともあれ、衆院補選でも、大きな力を発揮したのが公明党の組織票でした。他社の出口調査によると、公明党支持者の95%が自民党公認候補に投票したというデータもありましたから、相当のものです。

 

もちろん、公明党と組んだ自民党には入れたくないというマイナス票も一定数あるでしょうが、とりあえず、自民党は公明党に頭が上がらない状況は続きます。沖縄県知事選でも、公明党の働きに大きな期待を寄せていることでしょう。一方、民主党にとっては、有利といわれる沖縄で負けたら、小沢一郎代表を含め執行部は死に体に近くなってしまいますから、こっちも必死でしょう。

 

さて、では公明党は沖縄でどう動くのか。いろいろあるのでしょうが、一つは、沖縄に強く、支持母体の婦人部に絶大な人気を誇る浜四津敏子代表代行をフル稼働させて票を固めるというやり方だと思います。

 

そこで、本日は前回の参院選時の公明党の内部討議資料、「こう語ろう『はまよつ敏子』さん」を紹介したいと思います。沖縄県では、浜四津氏のイメージをこう演出しよう、という内容です。実際にどう使われたかは分かりませんが。

 

 《7月11日に参議院選挙が行われます。この選挙で私たちは、人を選ぶ選挙区(沖縄選挙区=定数1)で1人、政党を選ぶ比例区(旧全国区)で1人(あるいは1つの政党)に投票することができます。つまり、2票、投票ができるんです。

 

今、ちまたでは、女性のはまよつ敏子さんと稲嶺知事が並んだポスターが貼り出されているのをご存知ですね。この、はまよつ敏子さんとは、公明党の比例区の候補で、公明党の代表代行をされている方なんです。ちなみに、比例区というのは、何百人もの候補者がいるのですが、稲嶺知事と並んだポスターは、比例区でははまよつ敏子さんだけなんです。それほど、稲嶺知事のはまよつ敏子さんに対する期待が大きいことが分かると思いますし、沖縄には無くてはならない人なんです。

 

では、なぜ、稲嶺知事がはまよつ敏子さんを応援しているのか。はまよつ敏子さんは稲嶺知事と同じ慶応大学の出身という個人的なつながりもあるのですが、それ以上に次の3つの大きな理由からなんです。

 

    沖縄の経済発展のために、政府にモノが言える人

はまよつ敏子さんは、国政与党のリーダーとして、政府に対し非常に強い影響力があります。沖縄の経済発展のためには、沖縄の意見や要望をストレートに政府に届ける必要があります。その役目が担えるのがはまよつ敏子さんです。

 

    沖縄の平和のために働ける人

はまよつ敏子さんは、沖縄の平和のために働く人です。沖縄に国連機関を誘致するため、ニューヨークの国連本部まで行き、直接、アナン事務総長に要請書を手渡しました。その結果、国連平和大学が沖縄への進出に意欲を見せています。また、はまよつ敏子さんは沖縄への国連機関誘致を推進する国会議員連盟の事務局長も務めており、国を動かすことのできる実力者です。

 

    1人のために働く弱者の味方

はまよつ敏子さんは、弱者の味方です。アメラジアンスクールの卒業生は、公的な卒業資格が認められませんでしたが、1人の公明党員から手紙を受け取ったはまよつ敏子さんが一生懸命動き、国や県に卒業資格を認めさせ、新しい校舎も完成しました。

 

このように、「はまよつ敏子」さんは沖縄の平和と発展のために、どうしても必要な人です。》

 

 それにしても公明党は、実に選挙にまめな政党ですね。今回は、自公が推薦する仲井真弘多候補と浜四津氏との関係をどう強調し、どんなイメージ戦略を展開するのかは分かりませんが、きっといろいろと考えてプランを練っていることでしょう。

 

 政界再編でもない限り、あるいは政権の座から降りることでもない限り、自民党は公明党と別れることは難しいのかもしれません。今回の衆院補選の結果と、来月に控える沖縄県知事選について考えると、そんな気すらしてきます…。


 先日、10年前に1度取材させてもらったことのある世界出版の茂木弘道さんから電話をいただきました。当時、茂木さんは日本の漫画を英語に翻訳し、文化背景などの説明を加えた雑誌『MANGAJIN』の著作権交渉、販売業務などに携わっていました。私は当時の連載記事「日本とUSA」の中で茂木さんを取り上げたのです。

 取材に対し、茂木さんはかつて国際羊毛事務局(本部・ロンドン)に勤めていて、外国との商取引や事務手続きで不都合が起こるたびに、相手側の日本への無知のために誤解され、偏見で判断された体験を語り、こう言っていました。

 「日本を理解してもらうためには、ただ訳すだけではなく、背景説明などの付加価値が必要。日本の若者は米国流を受け入れることが英語の勉強と勘違いしているが、これからは日本を伝えることが大事だ。発信型英語の学習教材として『MANGAJIN』を読んでもらいたい」

 それはともかく、久しぶりの電話に、一体どうしたのかなと思いましたが、茂木さんの用件は米下院外交委員会の慰安婦問題に関する対日決議問題に関してでした。私がブログを始めたのを聞き、「何だったら取り上げてくれないか」という趣旨でした。はい、諒承します。

 なんでも茂木さんは外交評論家の加瀬英明氏が代表の「史実を世界に発信する会」の事務局長を務めているとのこと。それで、発信する会は、今回の対日決議問題をめぐって、435人の下院議員全員に対し、決議文の事実認識の誤りや偏向ぶりを指摘する抗議文書(当然英文)をファクスで送ったというのです。

 茂木さんは「効果はあまりたいしたことはない。しかし、決議内容はひどいデマそのもので、これが向こうでは常識にされていることは見過ごせない」と話していました。

 この決議の採択阻止をめぐっては、外務省も一応の働きはしたようですが、民間有志が有意義な活動をされていたようです。敬服した次第です。以下、この抗議文の日本語文(抜粋)を掲載します。

 《■慰安婦問題対日決議案の不当性

 アメリカ下院外交委員会が提出しようとしている慰安婦問題に関する対日非難決議は、極度に歪曲された歴史認識に基づくものであり、直ちに撤回さるべきものです。

 (中略)1945年夏、北ビルマのミートキナーにて米軍にとらわれた朝鮮人慰安婦20人と雇用主の北村夫妻からの尋問記録では「慰安婦とは売春婦にすぎない」「月平均で1500円の総収益をあげ(債務者の)マスターに750円を返還する(注:当時日本軍曹の月給は30円、したがって軍曹の25倍は稼いでいた!)」などと書かれています。

 1945年3月三人の韓国人軍属から聴取した記録でも、「太平洋の戦場で会った朝鮮人慰安婦は、すべて志願者か、両親に売られたものばかりである。もし女性達を強制動員すれば、老人も若者も朝鮮人は激怒して決起し、どんな報復を受けようと日本人を殺すだろう」と述べられている。

 そもそも「戦場と性」の問題は古くて新しい問題です。ところが旧日本軍の「慰安婦」が性的虐待であったとしてことさら厳しく非難されています。なぜ、旧日本軍の場合のみこのように糾弾されるのでしょうか。

 それは日本の場合、慰安婦(売春婦)を国家権力をもって奴隷狩りのように狩り立て、強制的に日本兵相手の慰安婦にしたというキャンペーンがある時期に日本で一部の人達によって行われたものが国際的に広がってしまったためです。しかも政府の対応が事実に基づかずに、隣国政府への配慮を優先したために、虚説をはびこらせることになってしまいました。三つのことがポイントです。

 ①1983年、吉田清治なる日本人が「戦争中、軍の命令で自分が韓国の済州島に出かけ、多数の女性を従軍慰安婦にするため狩り立てた」と「自白」し謝罪したこと。
 ②朝日新聞がこの「自白」が事実だと報道した上、91年8月11日、「強制的に戦場に連行され慰安婦とされた『朝鮮人従軍慰安婦』の内、一人が名乗り出た」と報じたこと。
 ③93年8月4日、河野洋平官房長官が、「官憲等が関与した事例があった」と「権力による強制」を認める「河野談話」を発表したこと。

 では、これらの自白、報道、談話は事実に基づいていたでしょうか。まず、吉田清治の証言は全くのウソでした。89年に韓国の「済州島新聞」の女性記者が詳細な現地調査をしたところ、現地の人はみな「自分は当時から住んでいるがそんな事実は知らない」と否定しました。郷土史家も「自分も追跡調査したが、事実ではない」と否定。こうした証言をもとに、記者は吉田証言を全面的に否定する記事を書いています。ところが、国連人権委のクマラスワミ報告書はこの全くのウソである吉田証言を全面的に取り入れて書かれています。

 朝日の報道も事実ではありませんでした。実はこの女性・金学順さんは、日本政府を相手取って「謝罪と賠償」を求める裁判の原告の一人でした。彼女が東京地裁に提出した訴状には、「キーセンとなるべく身売りされた」と書いてあります。しかし、朝日の植村隆記者は、この「親から売られた」という決定的なことを書かなかったのです。

 最後に「河野談話」ですが、(中略)「強制」とは「権力による強制」から、「本人たちの意志に反して=強制」ということに定義を変えてしまったのです。このような定義を適用すれば、売春婦だけでなくあらゆる職業で無数の「強制」が成立します。愚かなことでした。事実でもないのに「強制連行」も認めたために日本人の名誉を傷つけ、「二度と問題にしない」はずの韓国政府は執拗に日本批判を続けています。韓国の教科書にも登場し、世界に誤った情報が発信されています。

 (中略)慰安婦というものが戦場における売春婦であったということからして当然のことですが、日本人がその多数を占めていました。最近の研究によれば、おおよその比率でいうと、日本人40%、現地人30%、韓国人20%、その他10%というのが実態でした。

 結論ははっきりしています。決議案が述べているようなことは、全く歴史的事実に基づかない虚説であります。そのような虚説に基づいて一国の政府を非難する決議を世界の民主主義国の代表を自認するアメリカの議会が行うなどということは信じられないことです。直ちに撤回を求めるものです。

 平成18年9月26日 「史実を世界に発信する会」
                         代表 加瀬 英明》

 実際のところ、私にもこの抗議文がどの程度、効果があったかは分かりません。ですが、こうして日本人の声、日本の主張を相手に届けることはとても重要だと思います。

 中国や韓国、北朝鮮は今後も世界を舞台に反日プロバガンダを繰り返すでしょうから、なおさらです。以前、インドネシアで慰安婦問題の取材をしていて、現地の新聞社の会長から、「なんで日本の大使館は反論しない。何をやっているんだ」と不思議がられたことがありますが、外務省にもぜひ一層の奮起をお願いしたい。

 この「発信する会」の活動は、有志の寄付でまかなわれているそうです。関心のある方は事務局(電話03-3519-4366、fax03-3519-4367)までお願いします。


 先日のエントリで、安倍晋三首相直属の諮問機関、教育再生会議で公教育における「規範意識」が大きなテーマになりそうだと書きました。17人の委員の大半は、日本社会で規範意識が薄くなっていることに危機感や問題意識を表明したようです。

 私としては、野依良治座長が「まっとうさ」という言葉遣いをしていたのが気に入りました。私が好きな漫画家の一人に川原泉という人がいますが、この作家の作品の登場人物は、愚直で実にまっとうな人が多い。そんなことを連想した次第です。

 そんなことをぼんやりと考えていたところ、また山梨県の公立学校教員から情報提供がありました。選挙資金集めと政治行動で有名な山梨県教職員組合は今月28、29の両日、富士吉田市で第56次教育研究集会を開くそうですが、この集会では過去、一度も「道徳教育」が研究テーマになったことがないそうです。

 送られてきた資料によると、今年の研究テーマは「外国語教育」「数学教育」「自治的諸活動と生徒指導」「平和教育」「民主的な学校づくり」「保護者・地域住民との連携」…と22個もありますが、道徳や規範、公共心のたぐいは一切ありません。

 この先生によると、「山教組が道徳教育を受け付けない。こうした実情はあまり県民も知らない。時代の要請に背を向けている」とのことでした。小中学校では、道徳の時間が週1度、年間で35時間確保されているのに、それに関する研究発表は56回にもおよぶ教研集会の歴史上、一度もないというのです。他県のことは分かりませんが、まったく何を考えているのか。

 日教組の頭の中では、道徳=国家統制=軍国主義=戦争という古くさい上に実際は何の根拠もない思考パターンが固定化し、それ以外は考えられないということでしょうか。道徳の時間は自習にしている学校も多いと聞いたことがありますが…。やれやれ。

 で、昨日の朝のことですが、地下鉄永田町駅を降りて首相官邸に向かう途中、またまた新しいビラを受け取りました。例によって教育基本法に反対する内容ですが、見出しを見て思わず笑ってしまいました。

 「日教組の座り込み始まる」「ハンストパワー・3日目も爆発!」「教基法改悪阻止の訴え国会前に響く」

 これは全国労組交流センターのビラです。ハンストパワーが爆発って、どういう現象なのでしょうか。私には、ほとんどの通行人に無視され、邪魔にされているだけに見えるのですが。本人たちものんびりと雑談に興じているようにしか思えないのですが、この人たちにとって、座るとは何か宗教にも似た特別な意味でもあるのでしょうか。

 もう一枚もらった都教委包囲・首都圏ネットのビラは、大分県教組の活動を詳しく載せていましたので参考になりました。こちらの見出しは

 「大分県教組 10月10日~11月いっぱいまで」「支部単位で順繰りに、国会前座り込みを闘う

 はあ、座り込みを闘うのですか。だから、何でそんなに座りたがるんですかって!。…気を取り直して記事を読むと、次のように書いてありました。

 《大分県教組は代表者会議で、教育基本法改悪阻止のため、支部5人で順繰りに上京団を組織し10月10日より、教基法阻止まで(さしあたって11月いっぱい)国会前行動を闘うことを決定したそうです。この日は2支部10人がハンスト現場の隣で座り込みをしていました》

 まったく、山梨が山梨なら、大分も大分です。このビラには「国会見学に来た小中学生にノリノリでアピールしたり、また、ハンストを国会議員、とりわけ苫別委員会(※特別委員会の誤記と思われる)の委員たちに知らせるために、独自のロビー活動=議員まわりもやりました」と誇らしげに記されていました。

 国会見学に来た小中学生が可哀想です。こんなのを見せられて道徳だの規範意識だのと言われても、説得力を感じないでしょうね。ビラにはさらに、ハンストの様子を写した東京新聞の写真と、ハンストを報じた朝日新聞の記事(ともに18日付)も転載されていました。

 東京新聞と朝日新聞には、彼らを増長させないよう配慮をお願いしたいのですが、聞いてはくれないでしょうね。

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