2006年10月


 現在、70%近い高い支持率を受けてまずは好調なすべ゛り出しをみせている安倍政権ですが、これからも数々の試練に見舞われそうです。対外的には、緊張が高まる東アジア情勢がありますし、国内的にはどうやって懸念される年金など社会保障問題に明確な道筋を示し、財政再建を行うかという課題もあります。

 また、今後は憲法改正問題もありますし、安倍政権が最重要課題として掲げる教育改革の動きも本格化します。防衛政策についても、外交政策に関してもいろいろと見直しが必要でしょうね。

 さて、そういう場面で鍵を握っているのが、連立を組む公明党と、その支持母体である宗教団体、創価学会の存在です。これまで教育基本法改正案にしても、安保政策にしても、公明党がからむと何か足して2で割ったような中途半端なものになったことは否めません。

 自民党との間でいったん合意した地方公務員法、教育公務員特例法などの改正が、公明党側の一方的な都合で反故にされたことは以前のエントリで書きました。その結果、日教組と自治労がどれぼと喜んだことか…。

 そして、その公明党の背後には、常に創価学会の影が見えました。というか、今の太田昭宏代表は創価学会青年部長を経験しているし、公明党議員たちが表向き何と言おうと、この両者を全く別物と考える人はそんなにいないでしょう。

 そこで本日は、なぜかたまたま手元にあった昭和31年の週刊朝日(7月29日号)の記事「戸田城聖という男 宗教法人『創価学会』の支配者」というインタビュー記事(抜粋)を紹介します。

 半世紀も前の話なので、現在とはいろいろと事情が異なるでしょうが、公明党の原点というか、出発点には、そういう思想があったのだなと妙に納得したからです。ちなみに戸田氏は学会の第2代会長です。

 問 創価学会の精神は
 
 戸田氏 (略)戒壇とは、本尊を置くべき場所である。いまは、この大石寺にあるが、これは日蓮正宗がかってに作ってるものである。が、これは国家が作るべきだ。この時にこそ国家が平和になるんだという日蓮大上人の予言がある。この戒壇の問題が政治にからまってくるものである

 問 国立の戒壇を作るというのは?

 戸田氏 国立戒壇の目的は国家の安泰を祈るにある。わしのこわいのは原子爆弾だ。ロシアにもアメリカにも、これを絶対落させないというのが、わしの考え、そのためには仏法の加護を祈らねばならない。戒壇の場所は富士山がいいと思う。といって、山頂に立てるんじゃない。

 問 20年後には、国会の過半数を制し、創価学会を国教にするといっているそうだが。

 戸田氏 そんなバカなことは考えていない。衆議院には候補者を立てない。日蓮精神にしなければならぬといっても日本中そうなるわけはない。ただ、国立戒壇という国家の祈願所をつくるだけだ。みんな、そういう気持ちになってほしいというわけだ。

 =現在は、公明党はこの国立戒壇を建立する話は「考えていない」と否定しているようです。広辞苑によると、戒壇とは「僧尼に戒律を授けるために設ける壇」とあり、いずれにしても宗教的なものであることは間違いありません。

 そんなものを国立で作ったら政教分離も何もあったものではありませんね。最近の公明党は、国立・無宗教の戦没者追悼施設の建設推進に熱心でしたが…。インタビューは続きます。

 問 教団の組織を軍隊式にしている理由?

 戸田氏 名称だけ、軍隊風のえらい名前をつけている。内容は軍隊式じゃない。組織がキチッとしてるというにすぎない。

 問 学会の歌など、軍歌の曲でやっているのは。

 戸田氏 自然発生的に出て来たものだ。大和時代に万葉集が現れたように、民族が勃興する時に、歌ができる。歌詞はいくらでも、作れる。フシは戦争中の曲にいいのが多いから、それを使っている。
 (こうして話している合間にも、境内から青年信者らの威勢のよい合唱が聞こえてくる。節は、戦陣訓の歌の曲だ)(略)

 問 会長の信条を一口でいうと?

 戸田氏 「幸福へ幸福へ」ということ。このためには弘安2年の本尊を拝めばいい。その他の宗教はみな邪教だ。身延然り、念仏然り、立正交成会然り、霊友会然り。われわれは暴力宗教などといわれるが、そんなことはない。前に若いものが、あちこちの寺に行って他流試合をしたことがあるが、今はやっていない。(略)

 =他の宗教は全部邪教という立場も、現在は撤回しているそうです。まあ、本音はどうだか分かりませんが。

 問 今度、選挙違反に問われている会員が多いが

 戸田氏 (略)南無妙法蓮華経の人は本当に熱心なので、熱心さのあまり、たのみに行っただけの話だろう。それに、買収をしたのじゃないかと買収の証拠を探そうとしている。柏原参議院落選候補のオチンコを探すようなものだ。ワシは柏原だけはオチンコがないから落ちんと思ってた。(略)

 時代の違いもあるでしょうが、質問はあけすけで遠慮がありません。それに対する答えも率直というか何というか。現在では、創価学会の代表にインタビューするとしたら、こうはいかないでしょう。学会は、いつのまにか気軽に論じる対象ではなくなり、広告の出稿を受けているメディアは腫れ物に触るように扱っています。恥ずかしい話ですが。

 この戸田氏は、公明党の議員に向けて、いろいろと戒めの言葉を残しています。現職議員たちも、ときに遺訓を振り返り、慢心に陥らないようにするのだそうです。公明党の場合、元幹部が議員辞職後、聖教新聞などで口を極めてののしられることが多いようですし。

 政界は、一般社会に比べ日常的にさまざまな宗教団体との付き合いが多い世界ですが、その中にあっても、やはり公明党はかなり特殊だなあと思います。ともあれ、政権与党の一角を占めている以上は、「国家の安泰」を祈った原点に戻り、外敵から国民の生命・財産を守ろうとする政党であってほしいものです。
 


 


 昨日は安倍政権が最重要課題に掲げる教育改革の実行部隊、「教育再生会議」の初会合がありました。この会議をめぐっては、人選が不適当であるとか、文部科学省の影響が排除されていないとかの批判もありますが、とりあえず先行きを見守りたいと思います。

 で、初会合出席後の記者ブリーフィング(首相官邸の記者会見室でありました)に私も出たのですが、野依良治座長と、池田守男座長代理の言葉に、「これは期待が持てるかな」と感じたので、その部分を紹介します。例によって、新聞の紙面スペースではごく限られた部分しか掲載できませんので…。

 野依氏 「すべての子供たちがやっぱり、しっかりとした規範を身につけ、さらに自ら生きていく力、これも培っていかなければならないと思う。子供たちが、あるいは若者たちがまっとうな自然観、社会観、そして自然観を持った精神的な厚みと、さらに単に知識だけではなくて、創造力を持って知識をさらに知恵に変えるという自発的な力を備えた知的な深さが特に必要ではないか」

 池田氏 「今日、若干、公的なパブリックという精神が薄れてきている社会の中にあって、学校教育の中にあって規範意識がいかに重要か、特にこれから教育を受ける子供たちの規範意識というものを学校教育の中にどういう風に落としこんでいくか。特に公教育の中にどういう風に落としこんでいくかが大変大きな問題であると指摘された方が(委員に)たくさんいたわけだ。
 公教育の立て直しという大きな課題がある。これについては教育の質の問題、これは大変大きな問題だ

 座長や座長代理、そして委員の人たちが学校教育における規範意識の希薄さの問題を強調したのは、安倍首相本人が「すべての子供に高い学力と規範意識を身に付ける機会を保証する」と述べていることが第一の理由でしょう。

 ただ、それだけでなく、戦後教育の中で、道徳や倫理が鬼っ子扱いされ、教育労働者たちの自由、個性に名を借りた無責任教育がここまで浸透してしまったことに、多くの人が危機感を持ち始めたことも大きいと思います。

 先日の東京地裁の国旗・国家に関するばかげた判決などは、法という明文化された規範の番人たる裁判官までもが、規範意識や、公の精神とは何かが分かっていないという現実を明らかにしましたし。

 ブリーフィングを聞きながら、再生会議がそういう問題意識で取り組むのならば、けっこういいんじゃないかと思った次第です。それで今、会社で夕刊当番をしながら朝日新聞をぱらぱらめくっていたら、「教育再生会議 日教組が批判」という小さな記事が載っていました。

 何でも、日教組は18日の中央委員会で、教育再生会議について「政治権力が教育内容まで踏み込む不当介入」とする特別決議を採択したのだとか。記事によると、森越康雄委員長は「首相の好むような話し合いがされていくのではないか」と話したそうです。

 まあ、首相直属の諮問機関なんだから、首相の好むような話し合いをしないでどうするのか、という問題はさておき、早速、日教組が反応していますね。教育現場は我らの聖域だから、手を出すな、と警告しているわけです。

 その日教組は今日のいじめや不登校、学級崩壊という現実の前に何をやっているのか。結論から言えば、座り込んでいます。昨日、国会前でもらった「都教委包囲・首都圏ネット」なる団体の教育基本法に反対するビラによると、日教組は次のようなスケジュールで活動をしているそうです。

 19日 日教組、九州・四国・中国/東京教組 座り込み開始
 20日 日教組、九州・四国・中国/東京教組 30日まで続行
 23日 日教組、近畿・東北/東京教組座り込み 全:院内集会
 24日 日教組、近畿・東北/東京教組座り込み
 25日 日教組、北海道・北陸/東京教組座り込み
 26日 日教組、北海道・北陸/東京教組座り込み
 27日 日教組、東海・関東/東京教組座り込み
 30日 日教組、東海・関東/東京教組座り込み
 ※日教組はいろいろな団体にも座り込みの声をかけているそうです。

 本当に座るのが好きで好きでもう、自分ではどうしようもないくらい好きなのでしょう。東京教組さんは皆勤です。よほど人員があまっていて、勤務ローテーションも楽なのだと推察します。教育再生会議が「教員の質」を問題にする理由がよく分かります。

 昨日もらった別の教育基本法に反対するビラ(呼びかけ人・高橋哲哉東大教授ら)には、政府の改正案への批判として、次のような文が書かれていました。思わず教育現場の本音と、現状認識が出てしまったようです。

 「金は出すけど口は出さない」…文部科学省の基本はコレのはず。なのに、「改正案」では、国と行政が教育内容を直接決めるものになっています》

 国と行政の権限が行き渡らない現場で、日教組が何をしてきたか。山梨県教職員組合と県教育委員会がいかになれあい、かばいあっても文科省が有効な手だてを打てなかったのはなぜか。現行の教育基本法には、そうした弊害があったからこそ、いま改正が進められているのでしょうに。

 公教育の現場に規範意識を取り戻し、教員の質を高めてほしいとつくづく感じるきょうこのごろです。


 自民党の中川昭一政調会長の「核」発言をめぐって、国会では与党も含め、たくさんの議員が中川氏に批判を浴びせました。テレビをはじめメディアでも、何か問題発言が飛び出したように取り上げていましたが、果たして本当にそうだったのでしょうか。

 実際はどうだったかを明確にするために、中川氏の関連発言全文をここで紹介したいと思います。(同僚記者がテープ起こししたメモを利用させてもらいます)

 まずは問題の発端となったテレビ朝日の「サンデープロジェクト」での発言から。司会の田原総一朗氏が核を持つべきだという趣旨の意見を述べ、出席者が答えた形です。

 中川氏 やっぱり核というものがあることによって攻められる可能性が低い、あるいはない、やればやり返すという論議が当然あり得るわけですから、議論は当然、あっていいんだろうと思いますよ。憲法でも核保有については禁止はしていません。もちろん、非核三原則があるから言いません。
 だけども、お隣のアメリカ、ヨーロッパ、中国、ロシアを含めて持っている国と、どう見ても頭の回路が我々には理解できないような国がとりあえず持ったと発表した。これはなんとしても撲滅しなきゃいけない訳ですから。日本が攻められないようにするってことで。
 その選択肢の一つとして核ということも、今、田原さんがおっしゃったように。いや、私が言ったんじゃないということをまず大前提にします。非核三原則は守ります。でも議論はおおいにしないとそれこそ世界の中で…<聴取不能>

 この発言のどこかに違和感があるでしょうか。私には至極真っ当な当たり前の発言に思えるのですが。中川氏は番組終了後、記者団に取り囲まれて次のように説明しました。

  記者 政調会長は将来的に日本も核武装すべきと思うか。

 中川氏 議論をしようということで、私自身も議論をしないと。つまり皆で勉強しようと。持つことのメリット、デメリットもあると思いますよ。特に日米関係を上手くやっていけるのか。イギリスなんかは核を持ちながら英米同盟ってのは確固たるものがありますからね。
 私は核兵器を持つべしという前提で議論しているんじゃなくて、現在は非核三原則がありますけども、こういう日本の周りの状況を考えた時には、当然、持つべしと、田原さんもさっき言ってたけど、そういう意見が出てきて、議論をきちっとする必要がある。私自身はその議論に参加するに当たってはまず自分で勉強してみなきゃいけない、という風に思います。
 

 ふつうはこれで終わるような話だと思いますが、こと「核」となると、追及は止まりません。翌日の16日、中川氏は政府与党連絡協議会後に再び記者団に囲まれました。

 記者 週末に「核武装の議論を」という発言があったが、公明党は反対論がある。

 川氏 公明党さんにはそういうお考えだということは私も重々承知をしております。私ももとより核武装反対論者でありますし、それから、非核三原則は守るということは昨日も申し上げているところであります。

記者 (政府与党で)公明党から昨日の発言について

 中川氏 いえ、特にございませんでした。今日も斉藤政調会長、横で色々、話しましたけど、特にございませんでした。

 
記者 議論をすることも駄目なんですね。

 中川氏 何が?

記者 核武装について。

 中川氏 駄目なの?

記者 いや、どうなんですか。

 中川氏 駄目じゃないと私は思う。そういう議論があってもいいんじゃないですか。特に北朝鮮みたいな国が核実験を持ったと発表したのであれば。核を持たずに日本の安全をどうやって守っていくか、ということなんかは大いにですね、議論すべきだと思いますよ。

 記者 改めて。北朝鮮が核実験をした、核保有国になったと宣言をした訳で、条件が変わった。それで政調会長の昨日の発言があった訳だが、もう一度真意について説明してほしい。

 中川氏 ですから、今ご指摘のように状況が大きく変わった。核保有国になったと北朝鮮が言っている。従って、各国でも、日本に持ってもらいたいという議論があるとは私は思っておりませんけれども、そういう議論が各国で行われている訳です。
 日本としては総理も非核三原則は変えないという風におっしゃっている訳ですから、そういう非核三原則の下で隣に危険な核保有国ができたということになりますと、状況はかなり変わった訳ですから、そういう安全保障議論を真剣にやる必要があるんじゃないか。そういう観点から申し上げた訳です。


 記者 非核三原則を前提とした議論ですか、それとも…

 中川氏 そうです。私はだから非核三原則をいじるということは一言も申し上げておりません。

 記者 非核三原則をいじらないということと、核保有の是非を議論することは矛盾はしないか。

 中川氏 全然、しません。あらゆる議論をする中で、核を持たずにああいう国に対してどういう対抗措置ができるのか、ということをまさに今、真剣に考えなければいけない。そういう中で、核の部分だけをスポッと抜いて議論をするということで果たして良いのか、という趣旨で昨日、申し上げた訳です。議論をするということと非核三原則を守るということは決して矛盾しません。

 記者 党内で議論の場を設ける考えはあるか。

 中川氏 いや、昨日、聞かれたから答えたんで。安全保障一般の議論はあると思いますけども、その時に真剣な議論が当然出てくるでしょう、ということです。

 さて、中川発言については野党からいろいろと批判が出ました。テレビをはじめメディアも、何か問題発言をやらかしたというトーンで報じていましたが、自民党内はどうだったでしょうか。

 少なくとも、かつて副総裁まで務めた山崎拓氏には、後輩議員をかばおうという気持ちはまったくなかったようです。 16日に帝国ホテルで講演した山崎氏は、次のように厳しく中川氏を批判しました。

 山崎氏 やれ周辺事態だ、やれ船舶検査だ、臨検だというようなことを今騒いでいるが、果たして一番大事な究極の目標(朝鮮半島の非核化)に到達するかどうかを考えると非常に心配な点が多い。たとえば、目には目を的な発想で日本も核武装すべきだという発言を要(職)の者がする。これはもうゆゆしき問題であると私は思っている。
 自ら核武装を志して隣の国が核武装することについてこれだけはもう制裁を加えないといかんという議論が成り立つのかどうか。非核三原則を国是としてきた国が目には目を的発想で、俺のほうも持つんだということで、今の国際社会に向かって日本が言っている立場が損なわれるし、根拠を失う。もう少し政府与党の幹部がこの種の発言をするときにはしっかり考えて発言してもらいたい
 わが国は民主主義国家であり多数意見で物事を決めていくわけで、若い政治家の皆さんが核武装論が多数を占めるということに仮になるとすれば、それは実行に移される可能性は出てくるわけで、それは本当に由々しきことだ。
 わが国が核武装することによってこの問題を解決しようということはまるっきり論理が成り立たない話だ。実際上も確かに技術水準としてはもっているわけだが、仮にそういうことをやろうとすればおそらく極端な政情不安定になると思うし、たぶん自民党政権はそれをやるとすればそれでお終いになると私は思う。
 国際関係においても、日米同盟もこれで崩れる。アメリカはけして日本の核武装化を望んでいない。日本は核分散を阻止するNPT体制の中心勢力だ。これが抜けた場合にNPT体制は必ず崩壊するだろう。それはアメリカがもっとも望まないと考える。もしそういうこと(核武装)を志す政権ができるとすれば、もちろんそれは選挙に負けるし、アメリカも望まないということだ。

 このお人の頭の中では、安全保障も選挙がらみ、ということでしょうか。私には理解できないし、理解したくもありません。で、この日夜、山崎氏と同じような言い回しで中川氏を批判したのが、民主党の鳩山由紀夫幹事長でした。

 記者 自民党の中川政調会長の核発言についてコメントを

 鳩山氏 昨日の中川政調会長の核保有の議論はあってもいいという発言は、私はとんでもない発言だと思う。なぜなら日本は唯一の被爆国で、それだから、その経験を二度と世界の人々に味あわせてはいけないということで、本来ならば、核廃絶に向けてリーダーシップをもっともっと発揮していかなければならない国だ。
 必ずしもそれが十分できていないというところがあるが、それはじくじたる部分があるが、それは別として、それだからこそ、核をもってもいいか、いけないかという、あるいは核の保有をすべきだという思いを乗せた中での議論をするということ自体がたいへん間違ったメッセージを与えてしまうことになり、核の保有の議論というのはなされるべきではないと思う。
 すなわち、中川政調会長はやったらやり返すなどというような発想で、まさにこれは目には目をということで、殴られたらこっちも殴るという、しかも殴るのが核であれば、これは世界が地球が消えてしまうような話になるわけであって、核の議論のなかで、このようなことを決して日本が主張すべでないことは言うまでもない。
 したがって、自民党はいま打ち消しに躍起になっているが、私は安倍政権の本質見たりという思いがする。安倍政権が誕生したときに、タカ派政権だと、これは首相も含めてだが、閣僚見て、あるいは陣容を見てそう思った方々が多かったわけです。ただスタートのときは、極めて慎重な発言で本音と建て前をうまく使い分けておられたんだと思うが、ここにきてやはり、安倍政権のなかで特に自民党の政策の責任者からタカの爪の部分が鋭く表れてきたということは、安倍政権のある意味での本質がかいま見えてきたなと、そんな気がしている。
 われわれとすれば、核も、格差もともにゼロにするという発想のもとでこれから、いかに民主党が自民党とは違うぞというところをしっかりと示していきたいと考えている。

 ふーん。まあ、どうぞ勝手にそう思いこんでいてくださいな、というところです。安倍政権の本質がかいま見えたというのは本当ですが、それはいい意味でのことだと思います。

 こうして発言を追うと、今回の中川氏の発言をめぐるどたばた自体が空騒ぎだったような機がします。最後に、安倍首相の17日夜のコメントで締めたいと思います。簡潔にすべてを言い切っています。

 記者 中川政調会長が核保有も議論すべきとの発言に対して、与党からも非難があるがどうか。

 安倍氏 もうこれは終わった話ですね




 今朝は、地下鉄「永田町駅」から首相官邸まで歩いたわずか数分間の間に、5枚のビラと新聞1紙を手渡されました。日頃から、だれが何を言っているのか知りたい方なので、けっこうまめに受け取っているのです。

 で、最初に受け取ったのが、日本革命的共産主義者同盟革命的マルクス主義派(革マル派)と思われる人が配っていた教育基本法改正反対のビラです。この中の一つの見出しが注意を引きました。

 「教労と国鉄を軸に勝利開こう」
 《9月21日の予防訴訟での「日の丸・君が代」強制は違憲・違法だという判決は、3年間の不起立闘争が切り開いた決定的な勝利だった。これは階級闘争全体にものすごいインパクトを与え、教育労働者の勝利感と高揚感は、確実に追い風となり、大流動情勢が生まれている》

 はあ。そうですか、あの愚劣極まる東京地裁の判決は、あなた方の階級闘争とやらにそういう効果を与えたのですか。こういう記述もあります。

 《労働者階級には今、二つの決定的な闘いの武器がある。一つは教労決戦だ。10.23通達以来の「日の丸・君が代」強制拒否を始めとする教育労働者の不屈の決起には、戦争協力拒否の質を持った無限の可能性がある。これを全面的に発展させ、教基法改悪阻止と07年「日の丸・君が代」決戦に攻めのぼろう》

 いや、そんな決戦に攻めのぼっていただかなくてもいいのですが。教育労働者って、そんなにあなた方と連携しているものなのですか?それで、さらに《国鉄労働運動の階級的再生を切り開こう》と続くのですが、そういうば革マル派はJR総連を支配しているのでしたっけ。

 続いて隣でもらったビラも、教育基本法改正阻止を訴えるものです。こっちのビラは「全国労組交流センター」なるところ(正体不明)が発行しているようで、こんな見出しがついています。

 
「全職場から国会前座り込みにたとう」
 
《10月10日からは大分県教組の仲間が独自に国会前での連日の座り込み闘争に立ち上がりました。9月30日には仙台で、宮城県教組。宮城高教組をはじめ3800人の労働者・学生・市民による教育基本法改悪阻止の集会が開かれました。(中略)19日からは日教組東京教組の座り込みが呼びかけられています。広島では広教組有志による原爆ドーム前でのハンストが予定されています》

 以前も書きましたが、教職員組合のみなさんはよほど暇なようです。いじめも、学級崩壊も投げ出し、ひたすら座り込む。何か悪い悟りでも開く気でしょうか。ビラを配っている横では、季節はずれのTシャツ姿の男性がギターをかき鳴らし、「まるで皇民化教育じゃないか~」と歌っていました。いやそんなことないって。

 で、このビラには、沖縄の米軍嘉手納基地に配備されるパトリオットミサイルの搬入阻止活動をした市民団体の写真が誇らしそうに掲載されていたのですが、私はそれを見て「ああ、やはりそうだったのか」と深く納得しました。

 報道では、市民団体、平和団体が阻止活動を行ったとあったのですが、写真を見ると「沖縄高教組」「自治労沖縄」「沖教組」の文字が書かれた幟がはっきりと写っていました。「平和団体って、自治労と日教組のことかい」と独りで突っ込みを入れました。

 また、「ハンストやってまーす」と言ってビラを配っていた人のビラには「私たちは、教育基本法の改悪に反対する教職員と市民の有志です」とありました。「だから、本当に先生って暇なのかい」と再び独りごちる私でした。このビラにはこう書いてありましたが、本当にそうでしょうか。

 《安倍政権は格差社会を助長し、個人の尊厳よりも国家の利益を優先させ、戦争のできる国家、戦争のできる人間づくりのために、この法律を変えたいのです教育基本法が改悪されてしまったら、命令に無批判なロボットのような人間が生み出されてしまいます

 最後にもらったのは、気功集団「法輪功」の機関紙、大紀元時報の特集号で、「中国共産党の正体を暴く」という内容でした。なぜだか、とてもほっとしました。


 本日、累計アクセス数が40万を超えました。拙く内容も乏しい当ブログをたくさんの方が訪問してくださり、まことにありがたいことだと感謝しています。今後もよろしくお願いします。

 さて、折しも現在、北朝鮮の核実験実施表明と、国連安保理の制裁決議採択を受けた日本の対応が問われています。政府は今回、周辺事態法を初めて発動して給油など米軍艦船の後方支援を行うつもりのようですが、一番脅威を受けている当事者である日本が、後方支援だけでいいのか、という指摘も出ています。

 つまり、今は防衛庁・自衛隊にとっていわば重要な時期なわけですが、防衛庁が必死になって頑張っている問題がもう一つあります。議員会館をうろうろしていると、防衛庁の認識証を胸に付けた人たちが、各議員の部屋を「ご説明」に回っているのをよく見かけます。

 それは何のためかというと、防衛庁の「省」昇格法案をこの国会でなんとか通してくださいというお願いをするためです。彼らが議員会館に持参した説明書類はというと、

 ・①パンフレット「防衛庁を省に」
 ・②防衛庁の省移行関連法案について(2ページのペーパー)
 ・③防衛庁の省移行関連法案の概要(8ページのペーパーと1ページのまとめペーパー)
 ・④防衛庁設置法等の一部を改正する法律案(抜粋、25ページ)
 ・⑤防衛庁の省への移行について(12ページの写真、図入りペーパー)
 ・⑥省移行に係る地方説明会(タウン・ミーティング)結果概要

 の6点と、かなり気合いが入っています。私も長年、防衛庁は当然「省」であるべきだと主張してきた者ですが、防衛庁のかつてない意気込みを感じます。本当に必死さが伝わってきます。

 例えば、②のペーパーには、「政府・与党ともに新体制の下、先の通常国会で継続審議となった省移行法案は、最初の重要法案の審議として、必ず臨時国会で成立させることが必要」と強調してあります。強い言葉です。

 また、「本法案は、昨年12月以後、与党安保PT9回、自民党部会4回、公明党部会14回といった精力的な議論の結果、与党合意を得たところであり、与党の政策合意を実現することが必要」と指摘しています。連立与党の信義にまで言及するとは。

 さらに、「今後の政治日程などを考慮すれば、今臨時国会の機会を逃せば、省移行法案の成立は困難な状況へ」と悲痛な訴えをしています。確かに、参院選を前にした来年の通常国会では、公明党が嫌がるでしょう。支持母体の婦人部あたりが「平和の党にふさわしくない」と言ってくるのが怖いでしょうから。

 ペーパーは、「法案の内容は、防衛庁を単純に『省』に移行させるとともに、国際平和協力活動等の自衛隊法上の位置付けを改めるといった、シンプルな内容」とも説明しています。もう何でもいいから、とにかく成立させてくれ、という心の叫びが聞こえてくるようです。

 締めくくりの言葉は「したがって、臨時国会における最優先課題として、早急に審議入りし、でき得る限り早期に成立させることが必要」とあります。発足時から長い間、いわれなき差別と批判に黙って耐えてきた防衛庁が、国会議員に対してこんなに強い姿勢を示したことがあったかと驚いたほどです。

 断っておきますが、私はずっと国防こそが最も大事な政治課題であると主張してきた者で、今回の件でも、防衛庁・自衛隊を茶化す気は全くありません。

 実際、防衛庁長官は閣僚の中ではずっと軽量級ポストとして扱われてきました。防衛庁はこれまで外務官僚や財務官僚には見下され、警察庁からは「省」昇格の足を引っ張られてきました。これだけ日本をめぐる国際環境が緊張の度合いを高めているにもかかわらず、まだ庁であり続けることは弊害が大きいとも思います。

 ①のパンフレットは、庁のままだと何が困るかについて「『国の防衛』は内閣府の業務の一つになっており、防衛庁長官は防衛庁という組織のトップですが、『国の防衛』の主任の大臣ではありません。このため、内閣府の主任の大臣である内閣総理大臣を通じなければ重要な仕事をできない仕組みになっています」と説明しています。もっともな話です。

 その重要な仕事については、国の防衛に関する重要案件について閣議を求めること▽法律の制定や高級幹部の人事について閣議を求めること▽予算の要求や執行を財務大臣に求めること-と例示されています。確かに大事です。

 というわけで、国会議員のみなさま、どうか防衛庁・自衛隊の悲願をかなえ、「省」昇格法案を成立させてやってください。彼らの必死さに応えてあげてください。よろしくお願いします。

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