2006年11月


 日頃、山梨県教職員組合の違法な政治活動や、日教組の反日教育とその弊害などについて書いているためか、山梨県の方から、ある集会の案内が送られてきました(いろいろな情報のご提供に感謝します)。

 平日の開催ということで、私はちょっと見に行くことは難しいのですが、山梨県教組の違法なカネ集め・票集め運動に関して資料が配られ、出席者からは提言もあるとのことなので、この場で告知してみようかと。

 送られてきた簡単な資料によると、主催は「安倍改革推進『山梨県民大会』実行委員会」(山梨改革推進・草の根会議)。12月4日(月)午後7時から、山梨県昭和町のアピオという場所で開かれるそうです。(会場代などがあるため会費は1000円ということですが、だれでも参加自由だそうです。山梨県教組関係者も様子を見にきそうですね)

 山梨県教組問題に関しては、①山梨県教組とその政治団体が各学校にファクスした選挙資金カンパの指令書②同じく輿石東参院議員の後援会の入会カード集めの指令書③同政治団体が教員らから政治資金収支報告書に記載されただけで年間6000万円もカンパを募り、うち3300万円が輿石氏に渡っていたこと④山梨県の道徳教育の実態-などを書いた小冊子が配布されるそうです。

 山梨県では、次期県知事選で、この山梨県教組問題が一つの争点となる可能性があり、注目しています。で、その当事者である輿石氏は民主党の参院議員会長として、17日の党参院議員総会で教育基本法改正案について次のようにあいさつしています。

 「私どもはあえて国会を混乱させようとは毛頭(思って)ない。しかし、きょうの午後、安倍総理がAPECでベトナムに行く。その日程に合わせて、まさに衆院では強行採決し、きょう参院では本会議を開き、特別委員会を設置し、趣旨説明も行うという暴挙が許されていいのかどうか。そのたったひとつの理由できょうの本会議は私どもは出席しない

 意味がよく分かりません。国会の審議日程がぎりぎりになり、首相が本会議出席が可能な日に間に合うようにスケジュールを組むのが暴挙だというなら、国会は通年国会にすべきだとまず主張するのが筋だと愚考します。

 また、「そのたったひとつの理由で」と強調した理由は何でしょうか。民主党は勝手に審議拒否をしておきながら、参院で審議拒否を続けるのもしんどいので、理由を限定してみせて審議に復帰しやすいよう予防線を張ったということでしょうか。

 でも、輿石氏はその2日前の参院議員総会では、「強行採決でも何でもさっさとやってほしい」と矛盾した発言をしているのです。これは与党に強行採決をさせて、国会が混乱してくれた方がありがたいと言っているように受け取れますね。

 まあ、政治、特に国対的な駆け引きや表の発言なんてそんなものだとは言えますが、この人の場合、あまりに白々しくて。民主党の保守系議員に対しては、「与党との修正協議で、勝ち取れるものがあれば勝ち取ればいい」という話もしているそうです。

 この人は、日教組の政治団体の会長でもあるわけですが、たとえ修正したとしても、政府案には絶対反対の日教組の立場との間にも矛盾があります。国会の外で連日座り込みをしている日教組の現場教員たちは、こうした輿石氏の姿勢をどう感じているのでしょうか。

 18日付の朝日新聞によると、参院自民党は参院での教育基本法審議に備えて「輿石東、佐藤泰介、神本美恵子、水岡俊一、那谷屋正義の5氏の日教組出身議員の顔写真とプロフィルを記したA4判の紙を大量に印刷し、国対委員長室に積んだ」そうです。

 顔と名前の周知徹底のためらしいですが、むしろ「怨敵退散」の護符か何かのようですね。  


 私は一昨日の拙エントリで、自民党の中川秀直幹事長の「左傾化宣言」について危惧を表明しました。その思いは安倍首相も共通していたのか、首相は昨日夕、自民党本部で開かれた女性地方議員の会合で、次のように発言しています。

 「保守系の女性議員がまだまだ少ない。能力と情熱のある女性にもっと手を挙げてもらうために、党として応援する仕組みをしっかりとつくらなければならない」

 「保守系でない女性議員が多いため、女性に投票しようと思っても選択肢がないという(有権者の)声を聞く」

 うがちすぎかもしれませんが、私にはこの首相の言葉は、「左に懐の深い自民党でありたい」と述べた中川幹事長に対し、「俺の考え方は選挙対策の上でも違うぞ」と、改めて表明してみせたもののように感じられました。

 先日の福島県知事選では、与党の女性候補が敗れました。政府・自民党も打撃を受けたわけですが、敗因の一つに、この女性候補の親が共産党員であったとか、女性自身もかつて民青同盟にかかわっていたという噂が流通したことがありました。

 中川幹事長は、来年の参院選に勝つためには、保守層だけではなく、もっと幅広い層の支持を受けたいと考えているのでしょう。しかし、安倍首相は以前、「左派勢力は連携しての運動がうまい。一方、保守はバラバラになっていて連帯していない。草の根保守を糾合したい」と言っていました。

 今回の発言をみても、まだまだ保守票は掘り起こせると考えているようにみえるのですが、どうでしょうか。中川幹事長は一昨日の講演で「安倍首相は2期目に必ず憲法改正の実現を目指す。政界再編をしてでも実現する決意だ」と、チーム安倍の一員であることを強調しましたが、これも「左傾化宣言」を取り繕い、私も同志ですと訴える弁明だった気がします。

 まあ、以上のことはあくまで推測ですが、政治家の発言は、現に向き合っている聴衆よりも、別の政治家に向けたメッセージであることが多いので、政治記者はついこんな発想をしてしまいます。政治部にいると性格が悪くなることは否定しません。

  さて、3日前のエントリでは、民主党の福島県知事選での電話マニュアルを紹介したので、公正を期すためにきょうは自民党側の「応援演説・訴えかけのポイント」を紹介します。こちらも、民主党の鳩山由紀夫幹事長の不思議な主張とは異なり、教育基本法には全く触れていません。当然ですが。

 《1.なぜ新人の森まさこさんなのか?
  ○今般の県知事選は、県政のトップ、前知事の逮捕にまで発展した一連の不祥事に端を発するものであり、新たな知事には、
 ①特定業者の利益ではなく、県民全体の信頼を得られる人物であること
 ②「5期18年」の王国の古い構造を打破するために、しがらみなく公正な行政を遂行できること
 ③県政に明るさを取り戻せる人物、新しい福島づくりのシンボルとなる人物であること。
 …が望まれる。
 ○このような新知事の資質を備え、高い能力をもち、福島県出身である人物を広く捜し求めたところ、新人・森まさこさんの名前が浮上した。
 ○(中略)
 ○「新しい自民党」は、こういう人物を求めていた。
 
 2.政治のスタイルを変えるとき
 ○今、国や地方の厳しい財政状況を考えれば、行政の歳出削減は最優先課題で、あらゆる事業、工事にコストダウンが求められ、談合の余地など全くないはず。
 ○古い談合体質を福島から変える。民主党の大きな政府志向、小沢さんのバラマキ政治を入口とすれば、その一つの出口が今回の県知事、建設業者の汚職事件。
 ○残念ながら、相手方候補は前知事の一連の汚職事件に絡んだ建設業者から多額の献金(3件、300万円以上)を受けていたことが発覚した人物。そして、相手陣営は、いわば「古い自民党」を知り尽くした勢力と「古い社会党」勢力の連合軍。
 ○(中略)

 3.今回の県知事選の選択
 ○今回の県知事選挙は、「県政を変えるのか」「変えないのか」の選択だ。
 ○県政を変えられるのは、しがらみのない、森まさこさんしかいない。
 ○(略)》

 うーん、なんかまともなことを主張しているような。正論を訴えるだけでは選挙にはなかなか勝てないのでしょうね。属人的な要素も大きいでしょうし。それにつけても明後日に迫った沖縄県知事選の行方が気になるところです。


 その成り立ちに、憲法と同じく連合国軍総司令部(GHQ)が深くかかわった教育基本法改正案が昨日、衆院の特別委員会で可決、きょうの衆院本会議で可決し、ようやく参院へ送付されました。まだ参院審議が残っているので予断は許しませんが、とりあえずほっとしました。

 GHQが戦前・戦後の日本社会を断絶させるために教育基本法の原案から削った「伝統の尊重」は、改正案により約60年ぶりに復活します。無国籍な子供を育成するといわれた現行法は、ようやく今、日本人自身の手で改められようとしてます。

 今朝の在京一般紙5紙は社説で、そろってこの教育基本法改正問題を取り上げています。ただ、論調は賛成から反対から、安倍首相を批判するものから民主党をこきおろすものまでさまざまですね。興味深かったのでちょっと紹介します。

 まず、「野党の反対理由はこじつけだ」と野党に厳しいのが読売新聞です。読売は社説の冒頭、《「やらせ質問」も「いじめ自殺」も、それを採決反対の理由に挙げるのは、こじつけが過ぎるのではないか》と民主党などの屁理屈をばっさり切り捨てています。

 また、《民主党は、改正絶対反対の共産、社民両党と一緒に「採決阻止」を叫んでいる。これでは、多くの国民が心を痛めるいじめ自殺まで、採決先延ばしの材料にしていると言われないか》《審議は尽くされていないと言いながら審議の邪魔をする。こんな相矛盾した態度こそ、「今まで言ってきたことは採決阻止の方便でした」と自ら認めているようなものである》とも書いています。

 読売はこのところ、ナベツネ氏の導くままにサヨク路線に転換したのかと懸念される記事も多々ありますが、社内にはいろいろな方がいるようですね。少し安心しました。

 ちなみに、平成7年3月8日付の読売社説は、「そもそも、立法府である国会に、そうした多面的で多様な歴史解釈を〝確定〟する資格があるのか、という疑問がある。国民は、政治家に対し、歴史の解釈まで託したわけではあるまい」と「正論」を書いていました。

 ナベツネ氏は最近、「歴史の総括は本来、政治家がやるべきだ、政治家がやらないから読売がやったんだ」という趣旨のことを盛んに述べているようですが、過去の社説のことはすっかり忘れてしまったようです。余談ですが。

 次に弊紙の社説にあたる主張をみると、タイトルは「やむをえない与党単独可決」。《改正案は戦後教育の歪みを正し、教育の主導権を国民の手に取り戻す意味合いがある》と書いています。何から「取り戻す」のかは明示していませんが、私は「教職員組合」からだと解釈しました。

 また、《現行の教育基本法は昭和22年3月、GHQ(連合国軍総司令部)の圧力や干渉を受けながら成立した》《国旗国歌法や学習指導要領などを無視した一部の過激な教師らによる〝不当な支配〟は許されなくなる》とも指摘しています。私が言うのも何ですが、いかにも産経らしい視点です。

 毎日新聞は「教育の『百年の大計』が泣く」ときましたね。毎日は《何のために改正するのか、原点が見えない》と主張し、《単独採決したことは将来に禍根を残すことになるだろう》と予測しています。《目に見える成果をあげていない安倍首相は、実績作りを急いだのかもしれない》とも書いていますが、そうでしょうか。安倍首相の教育に対する信念からだと思いますが。

 首相は最新の安倍内閣メールマガジンの中で、はっきりと「最近起こっている問題に対応していくために必要な理念や原則は、政府の改正案にすべて書き込んであると思っています。公教育の再生や教育委員会のあり方など、具体的な教育政策を今後検討する上でも、一刻も早い改正案の成立を願っています」と書いていますし。

 で、朝日新聞の社説のタイトルが「この採決は禍根を残す」なんですね。見事に毎日の予測とシンクロしている。発想が似ているのでしょうか。毎日が一通り与党を批判した後、《民主党も決してほめられたものではない》と書いたのをなぞるように、朝日も後半の段落で《議論が深まらなかった責任は民主党にもある》と書きました。

 朝日は最後の言葉を《肝心の国民が置き去りにされるようでは、将来に禍根を残すことになる》と締めくくっています。毎日より断言調ですね。まあとりあえず、読売、産経、毎日、朝日は民主党の対応を「よし」とはしなかったわけです。例外が東京新聞です。

 「国民の理解が必要だ」という社説は、《改正を急ぐことに国民の理解が得られるか極めて疑問だ》《政治日程を優先したような野党欠席での採決は、国民に受け入れられるとは思えない》と訴えています。

 まるで自分たちが国民の代表であり、代弁者であるかのような口ぶりですが、不思議なことに、この社説には民主党や共産、社民両党の名前が出てきません。欠席した側の野党の問題点には触れずに、ひたすら安倍首相と与党を批判していますが、バランス上、いかがなものでしょうか。

 また、読売が「野党のこじつけ」と批判したやらせ質問やいじめ自殺の問題をやたら強調しており、なんだかなあ、という印象を受けました。余計なお世話かもしれませんが、この論説の方が国民の理解を得られまいと。

 まあ、各社の社説はあまり読者に読まれないものと相場が決まっていますが、政治家はけっこう気にして読んでいるものなので、この場で取り上げてみました。一昔前は、新聞なんかみんな同じだろう、と言われましたが、最近はそんな言葉を聞かなくなってきました。それは、いいことなんだろうと思っています。


  ここのところ、多くのマスコミは自民党の中川昭一政調会長の核発言にばかり注目していましたが、私はむしろ中川秀直幹事長の言葉が気になっています。ありていに言うと、「ああ、なんて変なことを言い出すのだこの人は」という気分です。

 テレビはもちろん、新聞各紙もあまり取り上げていなかったようですが、中川幹事長のある、いかにもリベラルな発言について、産経は9日付朝刊の政治面で小さく報じています。以下、引用します。

 《◆「左傾化」路線を表明
 自民党の中川秀直幹事長は8日、都内で講演し「左の方に懐を深くする自民党でありたい。そういう安倍自民党を作っていきたい」と述べた上で、正規も非正規雇用の処遇均衡化や男女の役割分担の見直しなどの政策を重視していく考えを表明した。保守色が強い安倍政権のイメージをぬぐい去ることで、支持層の拡大を目指していく思惑とみられる。しかし、党内からは「保守層が党から離れかねない」(中堅)との声も漏れている。》

 いや、この人はもともとそういう人ですからね。それは分かっているのですが、この発言は言い過ぎだと思いました。もともと安倍首相は「草の根保守」の結集を提唱していて、現在は首相という立場上、慎重に振る舞ってはいても、「保守の道は外さない」と周囲に漏らしているというのに。

 中川秀直氏は、皇室典範をめぐっては女系天皇容認の旗振り役の1人でしたし、夫婦別姓、男女共同参画、人権擁護法案などをめぐっても安倍首相と意見・主張が異なりました。首相も、だからこそ、自分とほぼ同じ考えの中川昭一氏を政策責任者である政調会長に起用して、中川秀直氏が暴走しないようにいわば「お目付役」に据えたのでしょう。同姓はややこしいですね。

 実際、自民党総裁たる安倍首相と政調会長のラインがしっかりしていれば、党ナンバー2の幹事長といえども勝手なことはできないはずですが、「左の方に懐を深く」といわれると正直、げんなりしました。自民党を現在の民主党みたいにしたいのかと。「そういう安倍自民党を作っていきたい」というのは、首相を差し置いて僭越ではないかと。

 安倍首相がせっかく、核心的な保守層に一時的に疑心暗鬼の目を向けられることを覚悟しつつ、長期的には実績で理解してもらえると批判に耐えてやっているのに、こんな発言が飛び出しては下手すると台無しということになりかねません。

 中川秀直氏は、郵政造反組の復党問題についても、「各種世論調査で内閣支持率が若干低下したのは、この問題が一部響いた」と語っています。それは確かにそういう部分はあるでしょうが、私はこの発言も安倍首相に対する牽制かなと感じました。

 以前のエントリにも書きましたが、造反組の中には、古屋圭司氏や衛藤せい一氏、城内実氏や古川禎久氏など、首相と保守思想を共有する同志が多く、それはとりもなおさず、中川秀直氏にとっては目障りな存在だろうな、と考えたからです。

 安倍首相は組閣の際、麻生太郎外相を幹事長にしたいと考えていたようですが、なかなか思うようにはいかないものですね。首相としては、いろいろと恩があり、いち早く支持を表明してくれた中川秀直氏を粗略に扱うわけにはいかなかったのでしょうが…。

 まあ、私もこの人を評価する部分はあるのですけどね。例えば、私が一昨年の11月2日に初めて山梨県教組の違法な政治活動について書いたときには、早速、翌日の自身のブログ「中川秀直トゥデイズアイ」で大きく取り上げ、問題の重要性を理解してくれましたし。

 中川秀直氏の著書「上げ潮の時代」の中にも、「地方公務員も聖域ではない」という項があり、私と問題意識を同じくする部分があります。具体的で明確な指摘でわかりやすいです。少し引用すると、

 ・民間の平均年収、約400万円に対して、国家公務員の平均年収は約660万円、地方公務員に至っては約700万円となっている。

 ・地方自治だから、地方公務員だからと、現状をそのまま放置するわけにはいかない。なぜならば、人件費の補填に国からの交付金が使われており、それは国民の負担によるものだからだ。

 ・地方公務員の一般行政職の「級別職員構成」を見ると、国家公務員の場合は、課長補佐級以上が約4割(37.7%)、係長級以下が約6割(62.3%)であるのに対して、地方はまったく逆で、課長補佐以上が約6割(59.5%)、係長級以下が約4割(40.5%)となっている。

 ・横浜市よりも人口の少ない大阪市が多くの交付金をもらい、多くの職員を抱えている(大阪市の人口1万人当たりの市職員数190人、横浜市は87人

 ・自民党は「官公労の党」ではなく、「民の党」である。

 などです。こういう主張については私も同意見ですし、だからこそ、来年の参院選の争点は自治労と日教組だと言っているのですが。前の幹事長みたいに、選挙戦でいきなり「最初はグー、○○ケン」なんて馬鹿なことを言う心配もないのですが。

 だけど、やっぱり中川秀直氏が今後、何を言い出すか心配なのです。中川昭一氏の方は信頼しています。いや本当に。


 福島県知事選は、大方の予想通りに民主党候補が勝利し、与党候補が敗れました。民主党執行部もさぞかしほっとし、胸をなでおろしていることと推察します。まずはおめでとうございます。

 ただ、今朝の読売新聞の社説が批判している通り、鳩山由紀夫幹事長が「教育基本法改正の論議をやり直せというメッセージだ」と語ったのはおかしいですね。基本法問題は別に知事選の争点にはなっていなかったでしょうに。

 そんな事実はありませんが、仮に福島県知事選が基本法問題を主要な争点にしていたとしても、47都道府県の一つがそういう選択をしたから日本中がそれに従うという話にもなりません。

 また、今朝の朝日新聞の世論調査によると、政府の教育基本法改正案に賛成の人は42%であるのに対し、反対の人は22%にとどまっています(※朝日は見出しにはとっていませんが)。鳩山氏の言い分は牽強付会にすぎるというか、いい加減ですね。

 で、福島知事選も終わったことだし、この選挙で民主党が使った「電話作戦」のマニュアルを紹介します。ああ、こういう風にやっているんだ、政党ってこんなことも指示するのかという参考程度の話です。

 《「こんにちは。○○さんのお宅でしょうか?」

  「こちらは佐藤雄平選挙事務所です。」

  「12日が知事選挙投票日になっております。
   福島県を立て直すには経験豊富で、地域の実情を熟知した佐藤  
   雄平をどうぞ宜しくお願いします。
   ありがとうございました。」

  ※あくまで基本形です。皆様の豊富な経験でケースパイケースの
  対応をお願いします。

  ○選挙戦における当選対の強調ポイント
  ・現在も動揺が続く県政の立て直しには、佐藤候補の豊かな政治
   経験(秘書・参議院議員合わせて36年間)による安定感が必
   要。また、全県をくまなく歩き、各地域の実情・課題を熟知してい
   る
ことも大きな強み。
  ・自民候補が党主導で擁立されたこともあり、「中央」対「地方・県
   民党」の立場
で戦う。
   (相手自民候補は行政経験ゼロ、高校卒業後は本県を離れてお
   り、地域事情はほとんど分からない)》

 このマニュアルを見ても、地域事情や県民党を強調しており、鳩山氏がいうような教育基本法のような全国マターには触れていませんね。鳩山氏の言葉は本当に軽いと感じています。

 ちなみに、鳩山氏は今月9日、鉢呂吉雄選対委員長と連盟で、民主党所属の国会議員にあてて、「沖縄知事選挙に対する御協力のお願い」を送っています。ついでにこれも紹介します。やはり、こちらにも相当力を入れているようです。

 《連日の福島・沖縄知事選、福岡市長選への多大な御協力に感謝申し上げます。
 
 さて、過日、沖縄県知事選挙への現地入り応援要請をさせていただきましたが、大変、厳しい情勢であり、更なるご協力・ご支援をお願い申し上げます。
 
 自己完結(原則)による企業・団体・知人対策など、各議員におかれましては期間中に1度は、現地における活動の御協力をいただきますようお願い申し上げます。
 
 尚、自己完結な現地活動が困難でも、現地入りが可能な場合、現地選対にて調整を致しますので(短期間の上、選対構成上、調整が困難な場合もございます)日程の拠出をお願い申し上げます。
 
 別紙、日程拠出用紙にご記入の上、御返信願います。
 
 尚、航空券等(出発空港までの鉄道、到着空港からの鉄道も含みます)の申込・受取は別紙2に御記入の上、JTBへ直接お申込み下さい。宿泊につきましては、現地選対で手配可能です。費用は党本部負担と致します。》

 民主党の場合は、応援に入った議員の交通費・宿泊費は党本部持ちのようですね。自民党の場合は、幹部を除いて自己負担が大きいそうです。それにしても自己完結って一体何なのでしょうか。

 よほど自己完結だと強調しないと、党本部や現地選対に頼り切り、任せきりとなる議員が多いということでしょうか。民主党の性格を考えるうえで、少し気になるところではありますね。

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