本日は首相官邸で、安倍首相と山口新聞など地元4メディアのインタビュー取材があり、われわれ他社も傍聴しました。この中で、安倍首相は繰り返し社会保険庁の解体・廃止・6分割を行うための法律を提出し、成立させたいと表明していました。
私はこのブログで、しつこいほど日教組や自治労のことを書いてきました。ただ、自治労については、以前は日教組ほど関心を持っていなかったので、正直なところ、あまり詳しい実情は知りません。大阪市の職員厚遇問題に代表される地方公務員の問題に関心を持つようになって以降、その背景に注目を始めたというところです。
それで、きょうは自民党が以前つくった16ページの手帳サイズのミニパンフレット「あきれた社会保険庁の実態 自民党は社保庁解体を断行します」(所属議員や地方組織に配布されたそうです)を紹介しようと考えました。
ただ、恥ずかしい話、どこまで実態に即しているのか判断がつきません。あくまで参考として書き留めたいと思うのですが、けっこう扇情的な文章なので…。まず、いきなり第一章の表題は「はっきり見えてきました。わたしたちの『敵』の姿が。」です。
《混み合う社会保険庁事務所。
その受付の向こう側で、私たちを無視して休憩しながらコーヒーを優雅に飲み続ける職員。
そんな姿に怒りを覚えたこと、ありませんか。
しかしそれは、不正と腐敗の進んだ組織の、ごく表面の部分でしかありませんでした。
大切な年金を流用して、ゴルフボールやマッサージ器などを購入。
仕事の効率を上げよ、と言われて、ウソの実績を捏造して平気な顔。
興味本位で有名人の年金状況を覗き見て、その情報を他人に漏らす。(中略)
わたしたちの「敵」の姿がはっきり見えてきました。いまこそ、混み合う受付で私たちを無視した、自分たちのことしか考えない組織に、メスを入れるときです。》
社会保険庁の態度の悪さは有名ですし、まあ確かに公私混同の年金情報の大量閲覧の話もありました。で、次章のタイトルは「全部でおよそ、39万件。社会保険庁が行った不正行為の数です。」。とても説明的でわかりやすいですね。
《社会保険庁の村瀬長官が、「きちんと正直に年金を納めている国民がバカを見るようなことではダメだ。払えるのに払わない人には、ちゃんと納めてもらいなさい」と、命じました。
すると、社会保険庁の職員たちは、「まじめに仕事をするのは面倒だ。効率が上がったように見せかけよう」ということで、年金掛金を払わなくてもよい、と、勝手に22万件以上もの人々を免除しました。その他の不正行為を含めると、なんとその数およそ39万件。
野党や労働組合はこの責任を、「村瀬長官が職員に無理な仕事を押しつけたから悪いのだ」と言っています。
ちょっと待って下さい。(後略)》
確かにそういうニュースもありました。国会では、民主党議員らが村瀬長官批判を繰り広げ、テレビのワイドショーが同調していましたが、私も確かに疑問でした。ちゃんとやれ、という方が悪いとか無理だとかのセリフは、最近の必修科目未履修問題でもよく聞きましたが、ちょっと変な言い分に思えます。
第3章は「『45分やったら、15分休憩』小学生の授業ではありません。社会保険事務所での話です」がタイトル。ふーん。本当でしょうか。
《社会保険庁の不正行為を突き詰めていくと、そこに労働組合の姿が浮かんできます。
社会保険庁の窓口で端末を操作する時、「職員は45分操作したら15分休憩をとる」という約束事がありました。社会保険庁は、自治労の中の国費評議会という労働組合とこんな約束を交わしていたのです。
大問題になった「覚書」。これはそのほんの一部です。全部で100近くある覚書の中には、この他にも、普通の神経を持っていたら「?」と思う項目がたくさん羅列されています。(中略)
ちなみにこの悪名高き「覚書」は、村瀬長官が就任してから、破棄されました。しかし実態は…。》
打つのが面倒になってきたので4章と5章は飛ばして次は6章です。タイトルは「自治労・国費評議会のみなさん。『国費』とは、国民が汗水流して納めた公金ではありませんか?ならば…。」というとても長いものでした。
《(前略)ではなぜ、自治労・国費評議会は社会保険庁にそんな圧力をかけられるのでしょうか。
実は、自治労・国費協議会の社会保険庁における組織率は、40県で96%にのぼります。つまり、ほとんどの職員がこの組合に属しているということです。
ここで思い出されるのは、あの、背広まで税金でつくっていた大阪市のケースです。
大阪市の行政を市職員が食い物にしてきた原因の一つは、組織率98%を誇った大阪市労連の横暴きわまりない要求の数々でした。(後略)》
日教組でも自治労でも、組織率が高すぎるところは、問題が生じていると思います。やはり「横暴」になるのでしょう。第7章では民主党批判が出てきます。こういうミニパンフの趣旨からして当然でしょうね。表題は「小沢さん、『常識の政治』を目指すのなら、まず『非常識な支持団体』を何とかしてはいかがですか。」です。そのまんまです。
《年金不正免除問題では、最初は威勢の良かった民主党ですが、最近はさっぱりです。
理由は簡単。
民主党の最大の支持母体は連合で、連合の中で最大の組織が自治労。自治労の中で一番力を持っていると言われているのが自治労・国費協議会だからです。
つまり、自治労・国費協議会を批判することは、自分たち民主党の支持母体を批判することになるから、腰が引けているのです。
だから、不正免除問題では、ウソをつき不正を働いた職員ではなく、『払えるのに払わない人から、ちゃんと納めてもらいなさい』と言った村瀬長官を責めたのです。
まるで、労働組合の手先のような民主党の行動に、多くのまじめな国民が違和感を覚えました。民主党が政権を握ると、間違いなく国民無視の『労働組合至上主義』の政治になることは、この問題を見ても明らかです。(後略)》
自民党による民主党批判だから、割り引いた方がいいでしょうが、社民党の辻元清美氏もかつて「民主党のほうは労働組合が皆びたっとくっついている感じで、昔の社会党みたいな感じに私なんか受け取れる」と言っていますね。それで終章は、「みなさん、怒って下さい。その怒りを、自由民主党は糧とします。そして、敢然と戦い抜きます」というタイトルでした。
内容は読まなくても想像できると思いますので省略します。今年の仕事もあと数日ということで、とても忙しいです。なんか雑な内容のエントリだったかもしれませんが、ご勘弁ください。それではまた。