2007年02月


 あまり報道されていない(産経も含め)ようですが、安倍首相の昭恵夫人が、世界各国の駐日大使夫人たちを相手に、北朝鮮による拉致事件の重要性を訴える地道な活動を続けています。紙面ではなかなか大きく取り上げることが難しいので、ここで紹介します。

 昭恵夫人はきょう、首相公邸(首相の私的スペース)にサハラ砂漠以南のアフリカ各国の大使夫人ら19人を招いて、拉致事件を描いた映画「めぐみ-引き裂かれた家族の30年」を上映しました。大使夫人らからは「この問題について知ってはいたが、実際の映像を見てよく理解できた」「私も母親なので、上映中何度も涙を流しました」「もし自分の家族が同じような目に遭ったらと考えると胸が詰まる」といった反応があったそうです。

 この昭恵夫人による「めぐみ」上映は今回が3回目で、最初は今月13日にアジア・太平洋地域の大使夫人16人を招いたのに始まりました。このときも、大使夫人から「横田めぐみさんのご両親をはじめ、拉致被害者のご家族の長年にわたるご努力に大変感銘を受けた」「拉致問題に対する理解が深まった」「涙なしにはこの映画を見ることができなかった」などの感想が寄せられました。

 16日にも、昭恵夫人は北米・中南米の大使夫人ら15人を公邸に招き、やはり「めぐみ」を上映し、多くの大使夫人が涙したといいます。昭恵夫人は、わずか10日間のうちに、単純計算でざっと50カ国の大使夫人の脳裏に、拉致事件の重要性をインプットしたことになるのです。どこの国でも、夫人が涙を流して見た映画の感想や拉致事件の悲惨さを夫である大使に伝えないはずはないと思います。これは、昭恵夫人による立派な貢献だと思います。

 また、大使夫人らは昭恵夫人のフレンドリーな性格に魅了され、別れる際には肩を抱き合って惜しむ場面もあるといいます。目立たないかもしれませんが、これも外交の一つでしょう。

 マスコミはどうしても、昭恵夫人の映像が伴う活動しか取り上げませんし、夫人がブログを始めても安倍首相の支持率目当てだなんて意地悪な見方で報じる傾向があります。でも、これからも続けられるであろう昭恵夫人のこうした地道な活動は、拉致事件の非人間性と重要さを世界に広め、忘れさせないための大きな役割をになうかもしれません。

 まして、南京事件から70年の今年は、世界のあちこちで、南京「大虐殺」と誇張・捏造した映画が製作され、米下院では慰安婦問題をめぐる対日非難決議案が審議されています。まるで日本だけが世界の加害者であるかのような間違った空気が醸成されるのを防ぐ意味でも、拉致事件を訴え続けることは大切だと思います。もちろん、訴えるだけでなく、解決を目指すのが第一ですが。

 安倍内閣に対する世間の風当たりは相変わらずきついものがありますが、私は、昭恵夫人のこの取り組みを高く評価し、支持します。


 今朝の東京新聞に、自民党の有志議員でつくる「日本の前途と歴史教育を考える議員の会」が、米下院で審議されている慰安婦をめぐる対日非難決議の採択阻止のため、今月末にも訪米する方針を決めたという記事が、小さく掲載されていました。いわゆるミニ・ニュースという扱いです。

 私が見た限り、在京紙では東京新聞だけが取り上げていました。これは当然、弊紙も取材していたのですが、この議連の先週の会合と内容がそれほど進展していないということで、記事化は見送られたようです。でも、後輩記者が丁寧にテープ起こししてくれたメモを読むと、なかなか重要な内容が含まれていると感じたので、紹介します。まずは、会合の冒頭、報道陣もいる場での会長挨拶です。

・中山成彬会長冒頭あいさつ

 中山氏 これから日本の前途と歴史教育を考える議員の会いわゆる従軍慰安婦に関する河野官房長官談話を検証する会を開きたい。先週はアメリカの下院で従軍慰安婦に関する公聴会が開かれたこともあり、今週は世耕(弘成)広報官が、アメリカに行っていろんな方々に説明をして回っている。この河野官房長官談話、一応、安倍さんも踏襲すると言っていますけども、これが正しく理解されていない、あるいは誤解をされて、それが色んな弊害を産んでいるからこの会を開いている。「いわゆる従軍慰安婦」というのは全くのでっち上げですし、また今、アメリカで(映画が)作られている南京事件、これも本当にでっち上げだ。私たちはもっと声を大にして言わないと、国際政治の中では黙っていると認めたことになる訳ですから、私はこの会は非常に大事な会であると考えている。時間的にも非常におしていますので、来週中には河野官房長官談話についての我々の見解も示したい。そして、できれば来週の各派閥の総会において、皆様方からこの河野官房長官談話について我々がいろいろ、検証した結果を報告していただいて、まずは自民党の先生方にこの問題の真相、ことの重大性をしっかり認識してもらう作業をしていただきたい。

 …日本の官憲による慰安婦募集の強制性を認めた河野談話について、いよいよ見直しが進められていることが分かります。これはあくまでも自民党の有志による議員連盟の活動ではありますが、当然ながら安倍首相サイドと水面下での連絡・連携はとられていることでしょう。そもそも、安倍氏はこの議連の立ち上げメンバーで、初代事務局長でしたし、初代会長は中川昭一政調会長でした。で、会合後の記者ブリーフは次のようでした。

・中山成彬会長、中山泰秀慰安婦問題小委員長ブリーフ

 成彬氏 日本の前途と歴史教育を考える議員の会の中で、いわゆる河野官房長官談話を検証する小委員会、中山小委員長の下で今日は4回目です先週、15日にアメリカの下院で元従軍慰安婦と称する女性達を呼んで公聴会が開かれた。採決とかそんなことになると、少し急がないといかんということで、早く私たちの見解をまとめたいと今日、開いたわけです。今日、河野官房長官談話を逐一、読み上げ説明しながらこの辺がおかしい、おかしいということで中山小委員長が話しをし、それに対して先生方から色んなご意見、ご質問が出たということで、具体的なことは小委員長から話しをします。

 泰秀氏
 「いわゆる従軍慰安婦については」という文言で始まる河野官房長官談話に対して検証し、バージョンアップという形で我々が提言を、現時点において取りまとめる意味の重要性をしっかりと鑑みながら、この1週間、取りまとめに走らせていただいた。

 同時に、先生方から足りない部分に対してご指摘、ご示唆をいただいた。
 特に先日、予算委員会で1年生の稲田朋美先生から法務大臣に対する質疑の中で、相手方のいわゆるエビデンスがどのようなものか請求をなさったやに聞いていますが、しっかりと「相手方がどういうエビデンスに基づいて訴訟を起こしているのかという部分をもっと精査した方が良いだろう」という話。あとは、戸井田とおる南京問題小委員長からも「私どもが作り出す新しい提言に対する礎となるエビデンスを、指摘があった場合にしっかりと、総理もおっしゃったように客観的な史実に基づく資料を準備するべきではないのか」というご意見。それから西川京子事務局長からも「公娼制度というものが当時、背景にあった」ということ、「その中で同じ女性としての立場から、痛ましいという部分に関してはしっかりと同時並行で訴えていく必要がある」というご指摘。あと、小島先生からは「今回、当時、河野官房長官談話が出されるに至る経緯の中で、外政審議室が数々の資料を調査したはずだ。その資料をできるだけくみ取れるような形で可能な限り、当時以上に情報の開示を迫るべきじゃないか」というご意見も頂戴しています。中川先生からも同じようなご意見を賜りました。
 私どもとしては同時並行でそういった部分も行っていき、今回の米国のマイク・ホンダが提出している1月31日の決議案に対するだけでなくて、それ以後もしっかりご指摘をいただいた部分については調査、研究をより深く進めたい。

 記者
 来週まとめるものは、政府に新たな談話を出すように求める提言か。

 泰秀氏
 はい、小委員長の私としては、バージョンアップという形で、私ども特に若い世代の政治家からすれば戦争から62年たっている今日、現在でも米国に置いて日系人の方からそういった指摘を受けることが、寝耳に水のような気がしてなりません。ですから、その中で時代にあった文言で勘違いを世界の人たちに与えないような、しっかりとしたものの必要性は感じています。ですけど、新しいものを官房長官から発表させるかどうかと言うことは、中山会長のご指導にも従いながら前に進めなければ行けません。中川昭一政調会長、また党三役にも了解を得ながら、アメリカに赴く際も、オーソライズされた党務として行くことをすでに計画をしています。しっかりと重い物を、作業として重責を担っているという認識を深めていきたい。

 成彬氏 今、中山小委員長が話したように、まさに若い議員の方々に本当にそういう意味で尽力をいただかなきゃならんと思うと、先輩議員として申し訳ない気もします。戦後の日本の政治が、どちらかと言えばその場しのぎでやってきたことのツケが今、来てるんじゃないかな、と思う。
 1つの例を言うと、河野官房長官談話において、これは色んな方々が証言していることですけど、「強制性、強制という言葉を入れればそれでいいと、誰も言わない」という韓国側の要請を受けて、この河野官房長官談話にも分かりますように、誰が主語なのか分からない(
ようになっている)。確かに女衒と言われて昔は公娼制度がありましたからね。女買いというかな、そういう事業者の人たちが無理矢理かっさらって行ったとか、あるいは親から身売り、日本でも沢山あったんだけども、身売り同然で引っ張られていった、そういう意味で気の毒な女性が沢山いたことは確かなんで、そういう事業者が強引に強制的に引っ張っていったということはあった。しかし、それは日本の政府、軍、官憲がやったことはない訳なんですけども、主語がはっきりしないもんですから、小委員長も言ったけども、タイムズか何かに英語では誤解を受けるような訳になっていると。ジャパンタイムズか。そこのところはっきりとしないと誤解を受けている。
 ですから私どもとしては
というか先輩方はああいう形で球を出せばこれでもう終わりだと思われたのかも知れませんが、今日またそういう風な議会で取り上げられることになっている。私どもの気持ちとしては降りかかる火の粉は払わないといかん、これはもう当然のことだ。日本の国益に反することですから、このことについてはマスコミの皆さん方も是非、ご理解いただきたい。
 今、私たちの教育改革、教育再生ということで、安倍さんも美しい国、学力と規範意識の向上と言っていますが、やはりこれからの日本の若い人たちが自分の国に自信と誇りを持って世界の中で生きていってもらうためにはしっかりとした歴史認識、日本人としての自信と誇りをもって雄々しく歩んでいただきたいなと、そういう思いもございまして、会長を務めている。これから来週にかけてまとめ、アメリカに赴き、ぜひアメリカの国会の先生方にも真相をしっかりと伝えていきたい。そういう努力をしなきゃいけないと考えています。

  記者
 河野談話のどういった点がおかしいという議論が出たのか。

 成
彬氏 それは今度、来週にしましょう。沢山、あるんですよ。沢山あるし、色んな質問も出ましたし。

 泰秀氏
 1点だけ申し上げるならば、「いわゆる従軍慰安婦問題」という文言自体、従軍のついた看護婦、従軍のついた記者という表現は当時もあったと思いますけども、従軍のついた慰安婦という表現はなかったということを先日の予算委員会で、麻生太郎大臣、現在の外務大臣までもが国会答弁で正式におっしゃっている。このことと当時の官房長官談話の「いわゆる従軍慰安婦」という問題提起の表現方法が歴然と違うわけです。ですから、時代がたって当時よりもさらに情報が集まった部分、風化した部分、色々精査をしながら検証するのが中山会長のおっしゃっている部分だと受け止めていますので、小委員長の認識としてはそういった部分も含めて来週までにバージョンアップした提言をまとめたいと思います。

 記者
 提言ということは、何を求める提言になるのか。

 泰秀氏 非常にいいご質問だと思いますが、私個人的には小委員長としては今の官房長官に談話という形で発表されることがあれば、私どもが努力した甲斐があったんじゃないか

 

 記者 河野官房長官談話に対する議連としての考え方をまとめたものになるのか。

 泰秀氏 いえ、河野官房長官ではなく、河野さんが官房長官自体に発表された内閣官房長官談話自体が世界的に誤解を生んでいることに対して、しっかりと誤解をひもといて行かなきゃいけないということが、我々の主たる業務であるということだと思います。

 

 記者 官邸や党に出してアメリカに行くという話しがあったが、アメリカに行ってホンダ議員にあって何を求めるのか。

 成彬氏 理解を求めるの、理解をね。

 泰秀氏 マイク・ホンダに会うか、誰に会うかはまだ調整をしていますので、現段階では報告を出来ないと思いますが、今、会長もおっしゃった通り、理解を求めるという作業には変わりがないと思います。アメリカはご承知の通りロビー活動が議会に対して行われるのは当たり前のことですから、私どもはその筋に則って外交としてそういった活動を展開していくということに尽きる。

 

 記者 訪米までの段取りとしては、提言をまとめ官邸に持って行き、その後か。


 泰秀氏
 来週、提言を取りまとめたものを5回目の小委員会で発表して、そして加筆修正を加えた上で、党三役、特に政調会長がメンバーでもございますから、政調会長を中心に三役、そして官邸の方に持って行くと。それと同時期くらいになると思います。現実的には。今月末、早ければ今月末、遅くとも3月上旬には渡米をすることはもう内々、決めています。

 

 記者 来週までにまとめる提言というのは、「こういう新しい提言を出して欲しい」というものか、それとも「今の談話でこことここがおかしいからまた違う物をだしてくれ」というのか。

 泰秀氏 前段のご理解の方が相応しいかと私は個人的には思いますけども、要するに後段の部分を踏まえて前段ができあがるわけですから

 

 記者 そうなると次回は新しい談話案みたいなものが出てくるのか。

 泰秀氏 そうです。そういうご理解をいただいた方がいいと思います。

 

 記者 15日の公聴会の内容は精査しているのか。

 泰秀氏 いや、具体的にどんな方がどんな形で発言されたかということ、特に旧連合国としてオーストラリアの一部の新聞等の報道など、数々の情報も外務省と共に精査をしている最中にあります。それと、安倍総理は河野官房長官談話を踏襲されるということもご発言されているところを我々も念頭に置いていますから、そこを外して、ということではないことも同時にご理解いただけければありがたい。

 

 成彬氏 踏襲はするんだけども、誤解を与えている面もあるようだから、そこはこうだよ、こういうことじゃないですか、ということを言ってもらいたということですね。

 

 泰秀氏 何か消化不良みたいな感じですけど、実際は枕カバーに鋭い出刃包丁を隠して持って行くという表現でご理解をいただけたら、意のあるところをお酌み取りいただけるのではないか。

 

 成彬氏 それはきついよ、ちょっと(笑)。

 

 記者 来週も水曜日か。

 成彬氏 水曜日になるんじゃないかな

 泰秀氏 会長と日程と。今度はフルメンバー、お越しをいただこう、政調会長のお時間もいただきたいと思っていますから、政調会長、会長おそろいいただいた中で今回よりも大きな部屋でやりたい。

 …ということです。議連の思惑通りに進むかどうかはまだ予断を許しませんが、首相の立場を慮って慎重に話を進めているようですね。この動きは各紙が思っているよりはるかに大きな意義を持っていると思います。新しく、河野談話を事実上修正する「塩崎談話」を出すことなるのか、それとも河野談話そのものに加筆・部分修正することなるのか、第三の選択肢があるのかは分かりません。

 安倍政権下で、日本政府による「狭義の強制性」を伴った慰安婦狩り、強制連行のたぐいは存在しなかったことを、明確にしようという動きがだんだん具体化してきたと感じています。肝心の塩崎官房長官が、いまひとつ歴史認識問題にうといように、日ごろの答弁から感じてしまうのが気がかりなのですが。


 昨日は、民主党の小沢一郎代表が急に資金管理団体「陸山会」の事務所費を公表することになったので、ちょっとバタバタしました。夜は夜で飲み会が入ったため、ブログ更新を怠ってしまいました。で、おいしいベルギービールを飲みすぎ、本日はなんとか職場に出勤したものの、頭がぼーっとしています。

 さて、小沢氏の領収書公開の件ですが、私はもともと領収書の有無には関心がなかったので、小沢氏が10億余の不動産購入について何と説明するかに注目していました。小沢氏は、不動産については陸山会との間で「小沢氏は権利を有しない」という確認書をつくってあり、政界引退後は「若い政治家」「後進」のために使いたいと話しました。

 ふーん。「自分のものにはしない」というのはいいのですが、では何のために10数カ所で不動産を買う必要があったかについては、よく分かりませんね。「資産として活用した方が有効」だと小沢氏はいいますが、そのまま受け取っていいのでしょうか。まさか「後進」とは、ご自分の息子さんということはないでしょうが…。

 この確認書にしても、陸山会代表である小沢氏が、小沢氏個人との間で約束したという何だかよく分からない形ですし、法的効力のあるものではありません。確認の当事者は自分なわけですから、気が変わればそれまでです。小沢氏は、「国民に監視していただきたい」と言いますが、10年、20年後にはだれも覚えていないか、覚えていてもわざわざ監視して追及しようとは思わない気もします。

 では、今朝の在京各紙はこの問題をどう報じているでしょうか。まずは産経からみると、1面トップで「不動産『権利ない』」という小沢氏の言い分を掲載したうえで、その下で「取得、必要なのか」という北野弘久・日大名誉教授のコメントも載せています。政治資金や税法に詳しい北野氏はこう指摘しています。

 《不動産の所有権などの権利は、あくまで小沢氏個人には存在せず、また小沢氏死亡後は小沢氏の相続人が相続できないことを公正証書の作成などで法的措置を講ずることが必要である。以上の諸要件が満たされない場合には、当該不動産の取得に充てた政治資金分を含め、現行法の下でも小沢氏個人の雑所得として所得税の申告を行い、納税をすべきである》

 なるほど。産経はまた、3面では「なお残る疑問」と書き、他紙の社説にあたる「主張」では、小沢氏の領収書公表を評価しつつ、「政治資金による不動産資産の形成は政治資金規正法には触れないものの、国民感覚からかけ離れたものであることを指摘しておきたい」と記しています。

 次に東京新聞はとみると、やはり1面トップで扱っていますが、見出しは「不動産取得に10億円」とありました。陸山会の不動産が計10億円超になることは、弊紙は既報でしたが、東京新聞的には「ニュース」だと判断したのでしょう。袖見出しには「私物化は否定」とありますが、10億円という数字が印象付けられる形になっています。

 内容はと読むと、「政治資金で高額の不動産を取得することの是非をめぐり、今後各党間の議論を呼ぶことになりそうだ」と書いていました。東京はこれまで、小沢不動産問題についてはあまり熱心ではないという印象でしたから、舵を切ったということでしょうか。

 でも3面の「小沢氏捨て身、閣僚に迫る」という記事を読むと、やはり小沢氏に優しい感じがします。ここには「代表の〝捨て身〟の戦術により、民主党にとっても、事務所費問題の『足かせ』(党関係者)が外れたのは確か」とありましたが、本当にそうかな。一方、不動産購入に対する小沢氏の説明については「必然性に欠ける印象も」とするだけで、追及はとても柔らかでした。

 社説はとみると、「さあ松岡農相らの番だ」と張り切っています。小沢不動産については「庶民感覚からは理解しがたいものがある」としているものの、これで自民党側を攻められると何だかうれしそうな雰囲気が伝わってきます。でも、社会面には岩井奉信・日大教授の「何のために億単位の不動産を持っているのか。小沢代表が言う『後進のため』というのは、有権者が納得できる説明とは言いがたい」「法律上は小沢代表の資産に当たり節税対策や私的流用という見方もある」とのコメントも掲載しているので、バランスは取れているか。

 次は日経新聞です。1面に「不動産12件 計10億円」と、東京と同じく10億円を見出しにとってきました。この記事には「資金団体の不動産保有は法的には可能だが、政治活動のあり方を巡って議論を呼びそうだ」とあり、この書き方も東京に似ていますね。また、2面には「『政治とカネ』民主が先手」という記事がありましたが、この中でも「ただ多額の不動産所有の実態には批判の強まりも予想され」と書いています。ふむふむ。

 日経が他紙と違う切り口を見せたのは、「小沢氏資料 コピー・撮影ダメ」という囲み記事でした。小沢氏が領収書などの文書の撮影やコピーを禁じ、公開時間も1社あたり30分間だけにとどめたことを書いています。まあ、公開はしたものの、詳細な調査・検討はご遠慮願いたいというところでしょうか。

 日経も社説で「管理団体が秘書の寮を持ったり、多数の不動産を所有したりする必要があるのだろうか。政治資金の性格からみて疑問は残る」と指摘していました。普通はそう感じるのでしょうね。社会面でも「事務所費の明細は、4億円を超える不動産取得費が含まれるなど庶民感覚との乖離を感じさせる内容だった」と書いています。

 さて、毎日新聞はどうかな。こちらは1面3段見出しで「小沢氏が領収書公表」と、淡々とした扱いです。ただ、記事の中では「確認書は個人資産にならないことを法的に担保するものではなく」ときちんと押さえていますね。2面の記事でも「引退後に個人資産として引き継げる可能性があるなど疑問は残った」とちゃんと指摘していています。うん、うん。

 さらに「次は自民党が公表する番だ」とのタイトルがついて社説では、「そもそも『団体代表・小沢氏』と『個人・小沢氏』が文書を交わすというわずらわしい手続きまでして政治献金で不動産取得や秘書寮建設をする必要があるのかという根本的な疑問は残る」とずはり切り込んでいます。この点はまったくその通りだと思います。あの小沢氏の説明で納得しろと言われても無理があるように思います。

 読売新聞をみてみます。ここも1面の袖見出しで「不動産12件10億余取得」とやってきました。なんだか小沢氏は領収書を公開することで、逆に小沢不動産問題を国民に強くインプットしてしまったような…。まあ、私はそうなるだろうなと予測していたのですから、少し意地悪な言い方かもしれませんが。

 読売は4面の解説記事「税優遇の政治資金 『不明瞭な使い方』指摘も」で、「有識者からは疑問の声が上がっている」と書き、やはり岩井日大教授の「なぜ多くの不動産が必要なのか。仮に売却して利益が出た場合、不動産売買で資金運用したのと同じ結果になる。制度上の不備だ」というコメントを使っています。

 読売の社説は特徴的でした。他紙とは論点が違い、タイトルは「小沢さん、前副議長の問題もある」です。社説は「小沢代表の事務所費公表には、こうした民主党の現状を打開するテコにしたいという計算もうかがえる。それならば、民主党の角田義一前参院副議長の疑惑についても真相を調査し、明らかにすべきだ。(中略)事務所費とは異質かつ遥かに重大な問題だ」とビシっときました。やるなあ。

 さあて、いよいよ朝日新聞です。結論を先に言えば、小沢氏に大甘の紙面づくりでした。1面記事の見出しは「不動産『個人所有せず』」で、小沢氏の言い分をそのまま載せたという印象です。もちろん、小沢氏の言い分を載せること自体は当たり前の話ですが、この記事をはじめ2面の記事にも社説にも10億円の話も、確認書の効力への疑問もなく…。

 「小沢氏は約130人の報道陣を前に自信たっぷりに自らの事務所費問題を説明した」「入念に準備したことをうかがわせた」などと、思い入れたっぷりに小沢氏に肩入れしています。まあいいけど。「さあ、どうする自民党」というタイトルの社説も、「公開に踏み切った小沢氏の決断を評価したい」とベタ褒めする一方、小沢不動産への疑問には触れていません。露骨だなあ。

 同僚記者とも感想を述べ合ったのですが、朝日って本当に分かりやすいというか、片一方の側に立つと決めたら迷いがないというか。今回に限りませんが、この新聞一紙しかとっておらず、ネットものぞかない人には、日本社会はどう映っているのだろうとつい心配になります。

 それで、小沢氏と小沢氏との間の確認書の件ですが、昨日、閲覧に行ってきた後輩記者が面白い事実を見つけてきたので紹介します。小沢氏の不動産13物件中、6件については確認書の作成日が平成18年9月14日になっていたそうです。

① 仙台事務所
所在地:仙台市青葉区錦町1-3
登記日:平成15年4月30日
確認書日付:平成18年9月14日

② 盛岡事務所
所在地:盛岡市開運橋通3
売買日:平成15年3月18日
確認書日付:平成18年9月14日

③ 深沢事務所・土地(476平米)
所在地:世田谷区深沢8-28
登記日:平成17年1月7日
確認書日付:平成17年1月7日

④ 深沢事務所・建物
所在地:同
登記日:平成18年6月6日(池田秘書は登記が事務的に遅れたためと説明)
確認書日付:平成17年9月14日

⑤ チュリス赤坂事務所
所在地:赤坂2-17
登記日:平成6年1月25日
確認書日付:平成7年1月25日

⑥ 水沢事務所
所在地:岩手県奥州市水沢区袋町6
登記日:平成11年11月30日
確認書日付:平成18年9月14日

⑦ 政策事務所
所在地:赤坂2-17
登記日:平成6年2月22日
確認書日付:平成6年12月22日

⑧ 赤坂事務所B
所在地:赤坂2-8
登記日:平成13年1月18日
確認書日付:平成18年9月14日

⑨ 赤坂事務所A
所在地:赤坂6-1306
登記日:平成11年3月4日
確認書日付:平成18年9月14日

⑩ 元赤坂事務所駐車場
所在地:元赤坂1-7
登記日:平成6年11月24日
確認書日付:平成6年11月25日

⑪ 保管事務所(資料と機材の保管用)
所在地:赤坂2-14
登記日:平成6年12月22日
確認書日付:平成6年12月22日

⑫ 南青山事務所
所在地:南青山2-2
登記日:平成13年12月22日
確認書日付:平成18年9月14日

⑬ 元赤坂事務所
所在地:元赤坂1-7
登記日:平成6年11月24日
確認書日付:平成6年11月25日

 後輩が現場にいた小沢氏の弁護士にどうしてかと理由を聞いたところ、回答は「足りない分や紛失した分などがあり、私の方で作成をするよう勧めた」というものでした。また、「確認書には公正証書などのような法的な意味があるのか」と質問したところ、「法的な契約などではない」とのことでした…。確認書があるなんて、胸を張れた話なのかどうかと疑問に思います。

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 いまサンデー毎日のホームページで見つけたものですが、「旧竹田宮家」の間違いのようです。それにしても、よくこんなミスができるなあ、関係者はだれも気付かなかったのかと、ひとのことを棚に上げて呆れたのでアップしてみました。サンデー毎日の宣伝ではありません。


  さきほどお昼のNHKニュースを見ていたら、麻生太郎外相が衆院予算委員会で米下院の慰安婦問題をめぐる決議案について、「まったくそのような事実を認めている立場にはない。法的拘束力はないし、客観的な事実にはまったく基づいていない。甚だ遺憾だ。一部の議員の動き受け、日本政府として、我々の立場に理解えるため努力をしていきたい」と批判している場面を報じていました。

 そりゃそうです。あの下院決議案は「『慰安婦』という日本政府により強制された軍の売春制度は、20世紀最大の人身売買事件のひとつで、その残虐性と規模において前例がない」「強姦、強制堕胎、恥辱などを伴い、性的な暴力は手足などの切断、死、あるいは結果的な自殺などを招いた」などと事実関係に基づかないことを一方的に断じ、日本の首相に公的な謝罪を求めています。まったくふざけた話です。

 この決議案を推進しているのが日系のマイク・ホンダという下院議員であることは何とも皮肉ですね。この人は中国・韓国系米国人の支持を受けている人で、慰安婦問題以外でも南京事件などにかかわり対日批判を繰り返している確信犯です。米国社会に溶け込もうという日系人ゆえの努力が、過剰適応となって表れたものか、単にもともとそういう人であるのかは分かりませんが…。

 と、そんなことを考えていたら、過去に2回このブログで取り上げた「史実を世界に発信する会」の茂木弘道事務局長から、タイミングよく私にファクスが届きました。それによると、「発信する会」はこの16日、ホンダ議員と決議案の共同提出者の6人に対し、公開質問状を送付したとのことです。

 質問状は、米国の公文書の中に「慰安婦とは売春婦に過ぎない」「朝鮮人慰安婦は志願か両親に売られたものばかり」などとあることを指摘した上で、ホンダ議員らに「あなたは米国の公文書を最初から価値なき虚偽文書とみなしていのか」と突きつけた内容です。回答はあるかどうか分かりませんが、こうした事実を指摘し続けていくことは大事ですね。

 茂木氏は、この質問状について、自民党の「日本の前途と歴史教育を考える会」の中山成彬会長に手渡し、中山氏を通じて、きょう米国へ出発した世耕弘成首相補佐官にも渡したそうです。世耕氏は米国で大手メディア関係者と意見交換をしてくるそうですが、これを活用してくれることを期待します。以下、質問状の一部を掲載します。

 《アメリカ下院議員マイク・ホンダ(慰安婦決議案121号提出者)に対する抗議の手紙(公開質問状)

 (前略)もし貴殿が撤回しないということであるなら、貴殿は添付した手紙でわれわれが提示した歴史的事実、すなわち慰安婦は当時合法的な職業として認められた売春宿で働いていた売春婦であり、軍の強制によるものは全くなかったという基本的な事実に反証してからにすべきである。

 特にわれわれが強調したいのは、われわれが手紙で引用した米軍の2件の公式記録、UNITED STATES OFFICE OF WAR INFORMATION,Psychological Warfare Team,Attached to U.S Army Forces India-Burma TheaterおよびComposite Report on three Korean Civilians List No.78,dated 28 March 1945,''Special Question on Koreans''(U.S National Archives)に記述された「『慰安婦』とは売春婦に過ぎない」「月平均で1500円の総収入を上げ(債務者の)マスターに750円を返還する(筆者注:日本軍曹の月給は30円、したがってその25倍稼いでいた)」「太平洋の戦場で会った朝鮮人慰安婦はすべて志願か、両親に売られたものばかりである。もし女性達を強制動員すれば老人も若者も激怒して決起し、どんな報復を受けようと日本人を殺すだろう」(朝鮮人軍属の証言)などの情報は、正しくないということを貴殿は証明する義務があるということである。さもないとアメリカの公式記録を貴殿は最初から価値なき虚偽文書とみなしていることになるからである。

 慰安婦とはどのような存在であったのか、なぜいわゆる慰安婦問題が日本で起こり、それが国際的な話題となったのか、そして大きな誤解が生じたのか、また戦場における性は各国でどのように処理されていたのか、などについて一つの論文をご参考までに添付する。これらの資料をよく検討され、慰安婦の真実の理解を深められことを切望する。

 われわれ日本人の名誉がかかった問題であり、また関係するすべての人達の人権にかかわる問題でもある。貴殿の良心を信じて、誠意あるご回答をお待ちするものである。》

 実際の質問状には、上に書いたものに加えて、10ページほどの慰安婦問題に関する論文などが添付されているそうです。

 この対日決議案については、安倍首相が就任後、外務省に「歴史事実に基づかない対日批判に対しては、その一つひとつに徹底的に反論するように」と指示していることもあり、加藤良三駐米大使も「客観的事実に基づいていない。日米関係が悪影響を受ける」などと反論していますね。

 「発信する会」は昨年は、米ネット大手のAOL副会長が南京事件に関する映画を制作した件で、このLeonsis副会長に手紙や南京事件に関する解説書を送付するなど頑張っています。外務省にも、民間のこうした活動に負けないぐらいにもっともっと闘ってほしいと心から思います。

 ※話は飛びますが、昨夜遅く、拙ブログの累計アクセス数が100万を超えました(これで、ブログ本の帯に100万と書いてあるのがウソではなくなりました)。一部の億単位のアクセスを誇る有名ブログの足元にも及びませんが、私にとっては望外の喜びです。今後とも、よろしくお願いします。

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