2007年09月


 今回で最後となる公開討論会全文④のテーマは、「プライマリーバランス」「高齢者負担」「地方再生」「年金」「拉致」「皇室典範改正」などです。ここまでおつきあいいただき感謝します。やはり、麻生氏と福田氏はまったく考え方が異なるようですね。垣間見える性格も。分かっていたことですが。
 

【プライマリーバランス】

 

Q 次は経済政策と財政について聞きたいが、まず1つ確認だが、公明党の北側一雄さんが2011年の財政の黒字化目標の先送りを提案している。これに対し、両候補ともインタビューで昨日は否定的な見解を示されたと思うが、これは公明党の提案は受けない、計画は変えないということでいいのか

 

福田) これはプライマリーバランスのところに触れられたというが、私共が最終的に頂いた文書の中にその言葉はない。だから、プライマリーバランスはすでに決まっていることを実施、実現しようと言う考え方でおられるという風に理解している。

 

麻生) 基本的には2011年という目標を持ってスタートしているので、これに対して2011年を延ばすというのは簡単には言えるが問題なのは皆さん、税収なんですよ。いわゆる入ってくる、インカムの方だ。平成14年が法人税で9兆6000億円、18年は14兆9000億円、5兆円ですよ、法人税だけでですよ。それから、いわゆる税収というものも43兆円だったものが49兆円に6兆円増えている部分というのは、景気がよくなってきているから法人税収が伸びていると思う。そういうものを考えないとならないのであって、いま伸びているのだから、そんな簡単に2011年という話をいまそういったものを簡単にちょっと先送りしようやということは今の段階でする話かなと思う。

 

【高齢者負担】

 

Q 福田さんに質問。高齢者の窓口負担2割を1割凍結する。地方との格差を手を打ちます。といっているが、黒字化目標を維持するといっている中で財源はどのように確保するのか。

 

福田) これはね財源がないんですよね、そういう中で工夫してやって行かなくてはいけないということで、小泉内閣の官房長官で私中でやったときには、まあ、小泉改革をする、地方の対策をどうするかということも考えました。で、金がなくてできる方法はなにか。それはね、構造改革特区、やる気のあるところがですね、その地域の特産品を伸ばせるようなですね、その規制改革をその地域に限ってやっていこうじゃないかと言うこともやったんですね。あのそういうことをしていても今の状況というのはとても追いつかないほど、地方問題が発生したと言うことですから、これはなかなかね、大変ですよ。私もね、地方を回って歩きましてそういうことを痛感いたしました。
 それは何とかしなければいけない。と言って、財源問題を考えますとね、それはばらまきはできないですよ、その上でね、じゃあどうするのかなあと言うことになりますけれども、まあいろいろね考えられます。たとえば、法人税、今ね、景気が良くて法人税が落ちるのは東京とか大阪とか愛知とかね、集中的に落ちるんですよね、地方には法人税いかないんですよ。そういうところをどうやって解決していく、というかならしていくことができるか。地方がもっと企業を引き受けてくれればいいんですよ。だけど行かないんですよ、それはそうですよ。
 だってね、地方にはですね、働き手がいなくなりつつあるんですよ。若い人なんか特にね、いない。だからだんだん都会に出て行ってしまうという状況がありますから。だからこれは、一つやればすむ問題ではないように思います。いろいろな政策を組み合わせて、その地域や若者を取り返す。そのためには学校をね、学校をちゃんと整備しなくてはいけません。病院も必要でしょ、病院もないところがたくさん出てきてるわけですね。そういうことを総合的に考えて、ようやく若い人が帰ってきてくれる段階になるんだろうか、そこを目指してやっていかなくてはいけない、それは私、地方問題の構造改革だと思いますよ。そういう取り上げ方をですね、そういう切り口でこの問題の解決に当たっていきたい。地方も企業を引き受けるためにいろいろなことを考えてもらいたいと思うんですね。政府もそれを応援する必要があると思います。

 

【地方再生】

 

Q 麻生さんに。地方の問題についても、産業を誘致すると言うことをおっしゃってますが、小泉路線、安倍路線の踏襲にも思えるんですが

 

麻生) 一番の違いは基本的にはいわゆる地方、いわゆる地方って定義が難しいんで、参議院で言います一人区というのを僕は最近使うんですけれども、一人区に対する配慮って言うものが最初から必要なんだ、ということを政調会長の時から6年前からずっと申し上げてきております。市場経済原理主義って言うのは必ずひずみを生みます。グローバルスタンダードよりローカルスタンダード、ってジャパニーズスタンダードっていうものが必要なんです。日本で海外に輸出している部分っていうのはご存じのように日本のGDPの10%ですから。そういったところはグローバルスタンダードにしなくちゃ確かにやっていけない所はすべき。しかしそうじゃないところではGDPの約9割ですから、そういった意味から言ったら我々はきちんとした対応はすべき何じゃないか。地方で少なくとも道路がない、少なくとも携帯電話が通じないところに企業は出てきませんよ、工場は出ませんよ。そんなところに仕事、工場がこなければ若者は出てくる。仕事がないから若者は出てくるんであって、出たくて出てるという発想じゃ、私は違うと思いますんで、そこの所は根本的に違うと私はそう思います。

 

【年金】

 

Q 年金の問題、記載漏れの話し、社会保険庁の話しというところで話しがあったけれども、我々国民の不安感の根本は制度にある。この制度が持つのかというところが問題だと思う。昨日経団連の御手洗さんの税制も含めて話しをしてもらいたいという事だったが、制度論、これについてどのように考えているか。

 

福田) あの、制度のこともあるかもしれないけれども、先ほど少し話しがございまして私は申し上げましたけれども、やっぱりね、ひとなんですよね。どんな制度、組織あろうとそれを運用する人がその主旨を誤って運用する中にはインチキする人がいれば制度が持ちません。そのようなことを申し上げなければいけない。そしてまたこれからの人口減、高齢者増という、こういう社会情勢に合わせてどういう年金が一番いいのかと言うことはですね、私は柔軟に考えてもいいと思いますよ。そういう国民全般にかかる問題で、そしてその、大きな問題についてはやはり国民合意、こういったものが必要だと、これはまさに与野党で一所懸命考えていい案作っていくというのは一つの方法だと思いますよ。

 

Q 柔軟にっていうのは今の保健方式から税方式?

 

福田) そういうこともふくめて柔軟にという、まあそれだけじゃないと思いますからね。

 

Q 麻生さんに質問。国庫負担09年に2分の1、ということは1%の消費税をつければいいんだという発言。これは今の方式でよいということなのか。制度論という所から答えてください。

 

麻生) 少なくともこの6月30日に、年金機構法案というのが成立していますので、これで非公務員型できちんと出来上がっているのはご存じの通り。これで移行していくんですから、まあ、簡単に言えば解体です。私どもは今の年金の積み立てが150兆あるんだと思いますね。従ってそれが今すぐなくなるって言う話しだというように聞こえますけれども、そんなことはないんであって、150兆のものが、確か前の選挙の時には140何兆だったと思いますが、今150兆になってる。確かそのくらいになっていると思います。そういうものがあるんだと言うこと考えないと、先の話しが何となく心配になる。

従ってよく私が申し上げているのは、はがきを出すと申し上げているのですが、今年35歳になった人は全員はがきをもらうんです、間違いなく。あなたの年金はこうなっています、こうなりますという話しをもらわれたから、35歳の人は自分の年金に関しての話しに不安はない。少なくとも不安はものすごく少ない。私は少なくとも年金はこうなりますという先の話しを35歳の人が、私どもの年になったときにどうなるかという話しをきちんとするためにどうするかという大前提の話しにして、その時にいま2分の1で負担すると言うんだから、常識的に2分の1はいって持たないなんて言うことは常識的には考えられないと。まともに運営すればですよ。従ってそこの所を考えれば、そこに年金とか、福祉とかいうものを限定した福祉目的税みたいなものとして、105円の百円ショップを106円にして頂くという負担というものに考えて頂けないかという案です。

 

Q 今の制度を前提にして大丈夫ということですか。その財源さえあれば。

 

麻生) 僕は今の制度って言うものは何となく、特殊合成出生率、これによって、今年は少し増えたとか言う形になってますんで、私は今の状況って言うのは子供が生まない方が問題なんであって高齢化が、長生きした方が悪いというような話しがされるのは悪いですよ、ああいうのは。明らかに若い人が生まないから高齢化率が高いんだから。そういう意味では沖縄に高齢化の話しはありませんから、出生率が高いから沖縄は。そういう意味では、私は若い人が子供を産んで大丈夫だと思わせることの方がよほど大事なんであって、私らとしてはそこらの所を考えないと。今の制度は全て延長、それは役人の発想はそうかもしらんけど、政治家って言うのはもっと別の切り口を考えるのが政治家の仕事だと私はそう思います。

 

Q 年金の問題、財政の問題はどちらも同じ文脈の中ではなせると思いますが、与野党が一緒に協議する、消費税を含めてというのは一つの手ではないかと思いますが。

 

福田) まあこれはとても大事な問題ですね。財源が必要ですからね、財源調達のためにどうしようかと、それは消費税に頼るしかないんだ、こういう風なことは考えられることでありますが。私も将来的には消費税で社会福祉をやっていくという考え方は、これはやむを得ないというように思います。だからといって負担が多くてそれにつぶされてしまうような国民生活ということをイメージしているわけではありません。そのことによってですね、老後の安心とかいうものが得られればそれは若い人にとっての希望にもつながるわけですから、まあむしろそういう安定した仕組みを作っていくと言うことが大事では内でしょうか。私漠然とした話し方をしておりますけれども、しかし目指す方向をそういう考え方で決めていきたいという風に思っております。

 

麻生) 目先の話も確かに大事、目先の話というのはさっきのはがきの話しです。ただ言いましたように30年後、あの麻生という男の年になったときに俺の年金は大丈夫かと言うことを考えると思うんですね。そこらのところが、150兆あるんですよと言うことをしている方もあんまりおられない。僕はそういう意味で、この問題は短期的な話しと長期的なあれと二つの話しがごっちゃになっている感じがするんですが。僕は短期的には今言ったはがきでこうなっていますと。長期的には今の特殊合成出生率を前提にしてという、話しも考えられますけれども、私はその時代にどういう事になっているのかという話しはなかなか難しいと思いますね。今の話しは基本がなければできませんから、基本においた上でどうするのかという話しなんであって、絶対かえないと申し上げているわけではないんであって、こういったものはその時代にあって修正されてしかるべきだと思います。

 

Q 与野党の話しは

 

麻生) 僕はいいと思います。今のお話は。長妻先生始めそういった詳しい方がおられますし、私らにもそういった詳しい人がおられますんで、そういった人たちを含めたところでこれは国民のためにやる話しですから、安心した年金制度の確立、これは国民介護保険と同様にすごく大事な問題ですので、私は基本的に賛成です

 

【拉致問題】

 

Q 外交問題。北朝鮮のことについて。拉致問題は私の手で解決したいと福田さんは言われているが、具体的なプランはお持ちなのか。

 

福田) 私はとりあえずは意欲表明をしたと言うことです。そのことによって向こうが応じてくれるかどうかというメッセージでもあります。しかし実際の交渉が今どうなっているか知りません。ですから交渉と言うことについてですね、最近のやりとりや過去の経緯ということを十分承知した上で現実の交渉は、それは進めなければ大きな過ちになるかもしれませんから、今具体的なことは申し上げたくないです。また、こういう立場でもってそういう交渉の手続き等について申し上げれば現在の交渉をもしかしたらおかしくしてしまうかもしれない。ということもある。じゃまになるようなことはすべきではないですね。その辺は控えめにさせて頂きたいと思います。

 

Q 金正日についてのイメージは

 

福田) 私は直接ね、合っているわけではありません。ですから実際に合っている方たくさんおられるわけですから、そういう方々に情報を聞かれた方がより正しい情報が得られることだと思いますから、これはそちらに・・・

 

Q 小泉さん達の折衝を聞いていたと思うが

 

福田) そうですねちょっと私もね、それがいいのか悪いのか正しいのか正しくないのか好きか嫌いかとそういう評価、につながるようなものはありません。

 

麻生) 金正日の印象。前に渡辺美智雄訪朝団に随行したことがございます。村山内閣の時だったと記憶しておりますが。私どもは金正日に直接面談をする機会が得られませんでしたので、何となくあの国の印象というのはその時の印象しか知りません。一部しか見ることができませんので私も正直情報の絶対量が不足しています。ただ何となく見た感じが渡辺美智雄に似ているな、と思ったのがあのときの印象で、「似てますね」っていったら「おお、俺もそう思うんだ」って言われましたんで。だけどずいぶん性格は、渡辺先生の方は明るかったし、ずいぶん違うな、という感じじゃないでしょうか。私は金正日と直接交渉したことがありませんし、向こうの外務省外交部長という人もいろんな会合で会うこともありますけれども少なくとも言葉を立ち話で交わす程度でどれくらい、北朝鮮のランクが上で何番目くらいに偉くて、金正日と直接話ができるのか、ということに関しては正直私どもでは分かりませんので、正直印象を聞こうにも言いようがないというのが正直なところです。

 

Q 麻生さんは圧力の重要性について言ってますが、拉致の交渉がおいて行かれるようなら日本は6者協議から離脱すべきだという発言もあるが。

 

麻生) 6者協議というものが出来上がった結果、日本にとって最大の脅威の核とミサイルの問題係に解決したと言うことになれば、私はディスアーマメントとかディスエーブルメント、いわゆる無能力化等々が仮に進展することになれば、私はそれはすごい成果として大きいと思います。ただ日本の場合は他国と違って基本的に拉致はあるんですけれども、私たちには拉致の問題が大きく存在しておりますので、この6者協議で他のものが進んでこれだけ取り残されたからと言ったって、今の状況より悪くなるわけではございませんから、今の状況のままなんであって、日朝作業部会の2回目が行われましたけれども、今までは拉致はそういう問題は存在しないといっていた国が少なくともそういう交渉の場に出てきたという形だけでも少なくとも前に比べりゃすすんでおるという風に理解しておりますんで、安易に離脱するような話しではないと思います。

 

【靖国】

 

Q 靖国問題。福田さんは官房長官をやっていたときに国立の施設を検討していたと思うが、総理になったら?

 

福田) あれは一言で言えばありません。今のところありません。あれは一つの結論でね。まあもし、懇談会を動かすとか検討会を動かすという話しではなくて、あれを採用するかしないかという話しになるんですけれどもね。私はその気持ちはありません。ということはですね、もし私があれをやると言うことになったら、麻生候補は猛烈委に反対すると思いますよ。そういう状況ではしたくない。多くの国民の皆さんに理解をされて、そして出来上がれば皆さんがそこに対して敬意を表せるようなものであって欲しいということです。

ただね、一言申し上げます。靖国神社の代替施設ではないんですよ。代替施設という名前を付けたのが非常に意図的政治的だと思いまして、それはそうじゃなくてこの追悼施設は出すね、戦争で亡くなられた方全て、つまり民間人も含めてね、追悼しようと、こういう事でありまして、基本的な認識が違っていてそして、目的も違うんだといういうように考えて頂ければいいんだと思います。ただ、作ったけど石投げる人がいたなんていう状況の中で作っていいですか。私はそうは思ってません。

 

【皇室典範】

 

Q 女性天皇の皇室典範の改正については凍結しておりますが。

 

福田) これはね、放置しておいていいってもんじゃないんじゃないかと思いますよ。これはね時間的な制約があるんじゃないかと思いますので、これは早くですね一定の方向を出さなければいけないんじゃないかと思います。ただね、天皇家っていったってこれはやっぱり家族ですよ、だから家庭の中のルールが変わっちゃうと言うことですからね、これはどうなんでしょう、まあ国論がそれでもって分かれてしまうようなことになってはいけないと、こういうのが私の基本的な考えであります。まあ、難しいですね、難しい問題になってしまったと思って困っております。一政治家として。

 

麻生) 第24代継体天皇からこのかた125代日本の場合はきちんと図があるのはご存じの通りだと思います。その中にあって私どもは日本の憲法、戦前の憲法戦後の憲法のできる前からずっと、続いておりますので、そういったものを皇室典範我々政治家がさわれるという、とまた別の人が来たらまたさわれるんですよね。安易にこれは触るべきもんかねえ、というのが率直なところです。今時間がないといわれましたけれども、少なくとも今の陛下また皇太子殿下等々、少なくとも我々がしゃにむに論議をして結論を出すべきものかといわれれば、そんなに急な話ではないんであって、30年40年先に本当に心配しなくちゃいけないこと何であって、それまでに安易にこれをさわっていいものかどうかというのが率直な意見です。

 

【集団的自衛権】

 

Q 憲法審査会を進める意志があるか。集団的自衛権の解釈について論議する意志があるかイエスかノーかで

 

福田) イエスかどうか出答えるのは難しいですよそれは。イエスでありノーであって。憲法については国会がね、それを認めるかどうかと言うことが問題なんですよね。いくら言ってもダメならダメなんですからね。そこの所は考えてやらなければいけないんですよね。その手続きは必要だということですよね。集団的自衛権ですが、少なくとも議論されている事でしょ、まあ事例がありますね、あの事例が適切かどうかということを含めて、考えたらいいと思ってます。

 

麻生) 両方ともイエスです

 

【人事】

 

Q 自民党幹事長に古賀誠さんを選びますか

 

福田) あの人事に関してはですね、白紙であります。有力候補というものはありません。まあこれはね、選挙が終わって、そういう立場になったときに考えればいいことです。

 

Q 舛添さんは留任

 

福田) それも含めてということでございます。(了)

 公開討論会全文③のテーマは、「民主党と小沢一郎代表評」「解散総選挙」「テロ対策特別措置法」「政治とカネ」などです。読むのも大変でしょうが、よろしくお願いします。

【小沢評、対民主党】

 

Q 民主党の小沢一郎代表の印象と評価をお聞きしたい。

 

福田) まあ、あの私はですね、小沢党首と個人的にお話をしたこともございません。エレベーターの中ですれ違うぐらいなもんでございましてね、印象はね、今申しあげることができたとしても、非常に根拠のない印象になるかもしれない。評価まではとてもまいりません。まあ、いわゆる(聞き取れず)の中で拝見する程度、ということでございます。まあ、これは実体に当たってないから、私はなかなか言いにくい、いいたくない、そう思います。印象はね、正直言って申しましてね、私がね、1回生の議員のときに幹事長ですよ。自民党の幹事長。若いですよ、私より遙かに若いんですよね。だけども、権威が何かありましたねえ。偉い人なんだなあという印象をそのときは持ちました。そのぐらいで後はエレベーターの中の印象で、昔とはちょっとね、うち解けたような感じが最近はしてますけどね、非常に民主的にやられているなと思ってます。

 

Q 去年もこの討論会で、候補者に小沢一郎評をうかがった。そのとき麻生さんは、小沢さんはご本人は大久保利通を目指しているようだが、実際は西郷隆盛の資質ではないか。解体屋としては優秀だけど、建築屋としてはどうなんでしょうか、とおっしゃったが、その後お考えは変わったか。

 

麻生) 基本的には、これまで、一年間でそんな急に人間っていうのは変われるもんだと思っておりません。少なくとも今、頑張っておられるということは、私どもとして評価しておりますけれども、これまでも私は、私は福田候補と違って、これまで小沢さんと、ええーっと、副幹事長をしておりましたんで、そのときに、新生党、何とか党のあれだったんで、何回か、自民党が野党になったときの副幹をしておりましたんで、そのときに小沢党首と、個別に何回かあったこともありますし、酒飲んだこともあります。したがって、それなりの付き合いがあったといえばあった。その後も、また自民党が与党に復帰してからもありましたんで、ただ、そういった意味で、この一年間みて、いろいろ努力をされてるんだとは思いますけれども、これまで何となく、仲良くすると別れてく、仲良くなると別れてく、というこれまでの歴史だったと思いますんで、それがこの一年間さあ、これから先どうなるのかなというのは、私どもに今ひとつよく見えておりませんので、印象は変わっておりません。

 

Q 去年のこの討論会では麻生さんだけでなく、安倍さんも谷垣さんも、もう小沢さんは過去の人だということで、かなり手厳しい、くそみそといっていいような批評だった。その過去の人に参議院選でこてんぱんにやられたご感想というのはいかがですか

 

麻生) 正直いって、あまり、おもしろくないですね、ええ。甚だ不満です、私どもとしては、もっと選挙のやり方があったんじゃないかとか、まあ、私どもとしては、いろいろこの参議院選挙に関して、というよりこの過去6年間の改革のひずみの部分に関してもう少し手当のうちようがあったのではないか。政調会長のときから、そういうのをすべきだと言い続けてきましたんで、その意味に関しましては、私としては甚だ不満というのが正直な実感です。

 

Q 小沢さんは豪快な戦略と、集中力を発揮して新しい政治状況を開いたわけですから、もう過去の人じゃないですね。

 

麻生) 今、参議院で第一党をとられて、そして、参議院議長もとられて、議員運営委員会の委員長もとられて、参議院の運営に関しては第一党としての責任をとられるべき立場の党首でありますんで、当然のこととして、今、申しあげた、山田さんが言われたと同じ評価です。

 

Q その小沢さんは、小沢流原理主義、だめなものはだめというのをますます貫かれるでしょうね。テロ特措法についても後で伺うが、それも含めて、解散に追い込む、そして与野党を逆転する。その一点にかけているでしょう。そうすると、話し合いといっても、おそらくそれは実りないと見るべきかもしれない。その小沢さんに対して、基本的にどういう方針で臨むか。

 

福田) 民主党は参議院で主導的な立場になったということは、やはり日本の政治の片翼をになったというように理解すべきですね。自民党は衆議院で多数で片翼を担っていくということであるならば、そこでどうするかというのはやっぱり、国民の幸せ日本の安全とか、いったようなことを中心に考えるべきじゃないんでしょうかね。そこのところに焦点を当てて、お互いにどうするか、もちろん政策的にですね、あれは間違っているのであれば、徹底的な論争をしなければいけないけれども、まあ、この辺でどうなんだというふうなことになった場合に、ただただ時間稼ぎみたいなことをしていて、果たしてそれで国民の理解、共鳴を受けることができるか、どうか、そのことをやっぱりこれからは中心に考えていくということだと思います。ですから、私はそれほどね、悲観はしておりません。逆にそのためには、国会論争も必要でしょう。場合によっては、話し合いという場も必要かもしれません。まあ、要は国民ためというこの一点につきるわけであります。

 

麻生) 基本的には今申しあげたことと同じ、前の質問と同じことになろうと思いますが、第一党としての責任というものは、参議院の運営に関する責任というものは、これは民主党が負っておられるわけです。したがって、その民主党が、自民党の解体でしたっけ、ということに関しては、それは、解体屋をもって、われわれみてますから、そういった意味ではそういったものに対抗するということは大切なとこだと存じます。
 しかし、仮にも国家国民のため、10万からの票をもらって代表に上がってきている人たちが集まっているわけですから、その場においてわれわれと話をする究極の目的というのは、国家、国民というものを最終的に目標においておられるはず。それにいたるまでの手段手法が違っているとはいえ、目的が同じというんであれば、基本的には世論というものが、それはおかしいんじゃないかというようなことが論議される、そういったものがきちんとしたみなさん方の手によってキチンとした形で表明をされる、証明をされる、というところが世論というものの力、もしくは民主主義というものの成熟度合いにかかっていると私はそう思いますが。

 

【解散総選挙】

 

Q 安倍政権にずっとつきまとっていた、国民の信を問うてない。それは小泉内閣の3分の2だろう。正統性の根拠がないとずっと言われていた。新しい政権になってもさらに言われるでしょう。解散権はつとめて総理の専権事項だが、開催、年内、予算通過後か、サミット後なのか。結果的に話合い解散はあっても、最初からあり得るのかと私は思うがいかがか。

 

福田) 私はね、話し合い解散という言葉は使っておりません。しかし、重要なことについてですね、話し合いをする必要性というのはあるでしょう。おそらく、でてきますね。そういう中で、そういう換算の問題も入ってくるということは、これは私は今、否定しません。ただ、現職になったってね、解散の時期は言わないということなんでありましてね、まあ総裁選挙をやっている最中にね、解散まで踏み込んでいうかどうかというように思いますよ。これからの問題です。

 

Q ただ、ある大きな課題がある。その課題を解決するために、敢えて歩み寄りをして、解散は国会議員の首を切ることなわけですから。極めて、国家的な大きな問題があって、それを解決するために、歩みよりながあ、解散時期を模索するということもあるでしょう。それはテロ特措法だったり、あるいは予算だったり。そういう歩み寄る、協調するということを何を一体、念頭におかれてたんですか。

 

福田) いやですから、その解散というために話し合いをするということを言っているわけじゃないんですよ、そういうことも大事な、政治課題ですから、それはいろいろな問題について話し合いをしている中で、解散のことももしかしたら入ってくるかもしれない。それは政策の議論してますとね、例えば、予算。予算が成立したら解散と、なんていう話もね、それは一般的にいうわけですけどね、しかしこの来年の通常国会ですよ、他にも大事なやつあるとよ、これは急いであげなきゃいけないと、いうようなことがあった場合にはですね、これはその先にそれを終わってから、仕上げてから解散するということもあるわけですね。だから今ね、そういうふうなこれから起こることについて、いろいろ予測してですね、時期をそれにくっつけて言うというのは、まあちょっと空想の世界ですよね。今現在はね。少なくとも私に取りましてはね。

 

Q ただ、空想はといっても内閣の成立の根拠がいつも問われるというんでも、また問題が出てくるということになりますよね。麻生さんはそれは総理大臣の専権事項、話し合いなんてとんでもないとおっしゃってますよね。

 

麻生) あの基本的には任期は4年ですから。これは大事に大事にみな、使われるべきなんじゃないでしょうか。私は今、少なくとも自由民主党という政党が、私どもの、議院内閣制ですから、大統領制とは違います。議院内閣制ですから。選ばれた議員がみんなで選ぶ、そういうことになっておりますんで、私どもは、よく大統領選と混線しておられるかの話が、よく伺いますけれども、日本の場合は違いますんで、そういう意味では、その代表をされた議院が首班指名において選んだ内閣総理大臣というのが基本だと思いますんで、私は変わるたんびに総選挙、変わるたんびに総選挙、ということを国民が期待しているであるかということも判断に入れにゃいかんでしょうし、また解散権というのは、かかって総理の専権事項でもありますんで、それを今の段階でいついつまでというのを簡単にしばったような話になるのは、私どもとしてはもっとも避けねばならぬところだと思っております。

 

【テロ特措法】

 

Q 安倍首相が辞意を表明したとき、テロ特措法を直接の理由にした。安倍さんからの申し送り事項というか、テロ特措法の問題をどうするかというのが、政策問題の最初にくる話なのかなと思うが、いくつかのインタビューでもお二方考えを述べているが、まとめる意味で質問する。テロ特措法の延長は時間的な問題からほぼ無理かなと思うが、延長はあきららめて新法で実現を図りたいのか、実現を図る時期は、臨時国会か臨時国会か。

 

福田) インド洋における日本の艦隊の役割、これは国際社会から求められるということもあるが、やはり日本の国際協力の1つの柱として、そしてそういうことやっているんだということを海外諸国に示す良いチャンスだと思っている。この活動はぜひ継続はしないとならないという考え方だ。であるならば、現行法の延長なのかということになるが、これはいま言ったように時間的な制約がだんだんだんだん強くなってきているということもあるので、これがどうなるか分かりませんが、もしそれが難しいということになるのであれば、やはり新法を視野に入れるということもやむをえないと思っている。

 

Q その実現を図る時期はこの臨時国会か

 

福田) 少なくともそういう新法を出すということになれば、この臨時国会に出すんですよ。次の通常国会なんて言ったら諸外国はどうなんでしょうか。数ヶ月あいてしまうわけですね。そうしたら日本はもういいですと言われるかもしれない。本当にやってくれるのかなと。通常国会で通すと言うことになれば、そういう疑いをもたれる可能性もあるから日本の姿勢というものははっきりといま示しておく必要があると思います。

 

Q 麻生さんは

 

麻生) テロ特措法という中に含まれる給油活動というものは基本的に国際社会が期待している。それは米国のためでもなんでもない。日本含めてテロの被害にあった国々、少なくとも9/11の時は日本人が2人が飛行機によって、3000人のうち24人が日本人、なんなく忘れられている話だが、我々もテロの被害者だったという大前提抜きにしてこの話は語れないと思う。したがって誰のためでもない日本のためだ。したがってインド洋、ペルシャ湾というところは間違いなくペルシャ湾から抜けてくる航路というものは日本にとってシーレーンという意味からも非常に大きい。テロ活動家の勝手気ままにはさせない。したがって、これは基本的には早急にきちんと成立させてしかるべきだと思う。延長が無理なら新法、できるだけ早くやるということが我々に与えられた責務だと思う。議運、国対の話の部分もかなりあるとは思うが、少なくとも臨時国会で成立をはかれるようにすべきだと思う。

 

Q 昨日、国連安保理でこの件に関連するかのような決議が通った。これはISAFという治安部隊の派遣期間を1年延長するという決議だったが、前文に日本が参加している海上阻止行動に関しての謝意を盛り込んだ。結果的にはロシアが棄権し、国際社会の足並みは乱れることになったが、この国連決議に謝意を盛り込むというアイデアを参院選の結果が出た直後から麻生外相、あるいは中川秀直前幹事長が準備し、米国に根回しをしていたという報道もあるが、この真相はどうだったのか。

 

麻生) 基本的には米国に根回しをしていたというのは正しくない。いま我々は安保理のメンバーではない。非常任理事国でもないので、安保理のメンバーに話をするというのは、我々としてはこういったものを世界の国々から期待されているというのをぜひ分かるようにしてもらいたいということは話をした。それが根回しというなら根回しでしょう。それからなんとなく米国一本に絞っているような話だが、国連はそんなところではない。いまソ連の話が良く出てくるが、ソ連も・・・ロシアも給油活動に反対しているわけではない。この成立の時期が拙速すぎるのではないかと言っているのであって、給油活動自体を日本がやることについてはロシアとしては基本的に賛成していると理解している。

 

Q 謝意を盛り込んだ目的は民主党がテロ特措法延長に反対している。その理由は国連決議がないのではないかということがあったので、謝意決議を画策したということか

 

麻生) 基本的には1990年、湾岸戦争の時に日本は1兆4000億円の資金提供をして、クウェートに資金支援をしたが、まったくクウェートから謝意は表されなかった。1兆4000億円どこにいったんですといわれて、我々は世界中から結構お前ら何をしていたんだと言われて、結構、みんな面白くない思いをしたのではないか。私共はそう思った。あの時。フット・オン・ザ・グランドとよくそこで存在を示せという言葉があるが、我々はカネさえ払えばそれで後は知らない顔をしていていいのかというような話がなんとなくあのころから出てきたと思う。したがって今回、灼熱の中で少なくとも若い自衛隊員が極めて高い評価を受けながら活動していることについて、国際社会から認められているということが日本国民に分かってもらうことは非常に大事なことだと思う。

 

Q 民主党の賛成を得るためにと言う考えは邪推か

 

麻生) 僕は民主党の賛成を得るためにと言う考え方は邪推だと思います。

 

Q 2人は給油活動は日本として国際社会に対する責任の一端だから継続しないとならないという話があったが、世論調査をすると、国民の受け止めは様々で、五分五分だったりいろいろだが、これは総理になったら世論、国民に対する説得というのを本格的にやらないとならないと思うが、これまで給油活動についてはあまり実態というものが国会にも国民にも紹介されてこなかった。これから国民、世論の支持を得るために積極的にデータを提供する、あるいは日本として他にできることはあるのかないのか、そういった積極的な世論への働きかけが必要だろうと、そういうことを通じて決意を示すことが必要だと思うが、どうか

 

福田) この問題は一般の国民の方々にとって分かりにくい問題でもある。皆さん方の中だって、どうなのかなと思って迷っている方がいるのではないか。そんなもんだと思う。だから世論調査をしてもイエス、ノーと分からないと。分からない部分が結構ありますよね。最近の世論調査では理解してくれている人が増えてきたと。もしくは逆転しているという一部のものもあるが、そうやって議論しているうちに国民の皆様方はだんだん理解を深めてくれてきていると思う。これはよく説明する必要があると思う。どう説明したら理解してくださるかという問題だから政府公報でやればいいという問題ではないと思う。やはりいろいろと議論を戦わせる中で理解が進む。だからやはり国会論戦もそういう意味では大事だと思う。

 

麻生) 基本的にいまの国連の話だが、ああいう話が出ると間違いなくいまの国際社会はこうなんだということが新聞に出ると、それは大きな広報活動の1つになると思う。ただ、これは難しいのはこれは洋上なんですよね。陸上だと成果が見やすいが、洋上というのは極めて見えにくい。われわれは交換公文を結んで、この船にはこの石油を何月何日と交換した上できちんとやっているので、それから先の話はその先の海軍の話なので、こちらがそれに関与することはできないので、我々として公開できる範疇というのは公開しにくい部分というのは確かにある。しかし、いまの範疇でもっとできるということがあれば、公開した方がより理解が得られるというのであれば公開していくことはまったく問題ではないと思います。

 

【政治とカネ】

 

Q 政治とカネについて1点だけ、もういい加減にしてほしいという国民の気持ちだと思う。福田さんは政治を進めるにあたりもっとも大切なのは信頼だと。もっとも信頼を壊しているのは先程、政治家の方ではないかと言ったが、であるならば1円から公表するということについては2人とも政治活動の自由の観点からいかがなものかという意見のようだが、この際、全部公開すれば公表すれば疑われないが、一切公表したらどうか

 

福田) まさにこのことがいろいろと問題となっていると、この政治資金規正法に基づく定時報告について、1人ひとりの政治家があまり重視してなかったんですね。まさかメディアの方が10年前のデータを集積してそれを克明にチェックするとは夢にも思っていなかったということで、いささか軽視してきたということがいま出ていると思う。でも公開しているということは現実にあるのだから、公開されるということを前提に経理を几帳面につける必要がある。それをしなかっというのは社会人としてモラルに欠けるところがちょっとルール違反というところを平気でやってきたということにおいて問題はある。
 それからもう1つは、いまの経理報告の書き方もちょっとあいまいなところがある。だから、私共も担当者がしょっちゅう選管や自治省にどうしたらいいかと聞いて、でもバラバラな答えが帰ってくる。もしくはそれはもう適当でやってくださいみたいに言われるということは現実にある。私共は何度もそういう経験をしている。だから、そこら辺はきちんとしなければならないともう1回ね。こういう問題を踏まえた上で、その辺がいい加減だとまた問題が起こす可能性がある。そういうルールをきちんと作り、その上で政治がどうするか。いまいっているようにすべて公開しなさいと、それはしたらいいと思うが、だけども、それをもしした場合に政治活動のすべてが洗いざらい表に出てしまうということがある。誰と誰がどこで会ったということも含めてね。
 政治活動というのはどこまでオープンにしたらよろしいのか、政治活動の自由というのは拘束されないのかどうか。やはり政治活動の自由は必要だと思う。いまのような平和の時代は良いが、しかし今から70年前、80年前は政府によるいろんな規制、検閲その他もあったんでしょう。その結果、本当の情報が国民に伝わらなかったということにより国民全てが惑わされ、そして戦争を是にしたということになったことも含めて考えると、やはり政治活動の自由は必要なのではないか。平和ないまはいいが、将来のことを考えてもそういう必要性があると思う。だから最小限のことはどうしたらいいかというのがあると思うが、私が主張しているのは第三者機関がチェックできるようにしたらどうかという方策だ。そこでは1円から全部チェックする。そこで得た第三者機関の情報は問題がなければ公表しないということにしたらどうかということにすれば政治家も安心して極力真実を伝えることができると思う。
 もし、そういう対応をしないですべて公表するということになった場合、本当にこれは表に出したくないな、あの人とあったことは出したくないなということになれば、それは自分のカネで払うしかない。ポケットマネーで払う。それはそれでいいが、そうなるとカネを持っている、ポケットマネーをたくさんもっている人は有利に政治活動をできるる。そうでない人は収入の範囲でやることになるから不公平が生じる。それはいいのかどうか合わせ考えてもらいたい。冷静に対処する必要がある。

 

麻生) 政党助成金という名の税金の投入という部分、これはきちんといま言われたようなものにすべき。これは自民党としてあれが始まった時に副幹事長をしていたが、間違いなく政党助成金の部分については確実に領収書がとれる事務所費、人件費、光熱費などに限れと党としてあの時いった記憶があるのでその通りだと思う。
 かたわら、政治活動の自由というこれは憲法上保証された部分、いま福田候補が言われた部分についてはどうするかというのは、これは憲法で保証された政治活動の自由というのは自分で集めてもらった浄財をもとにして政治活動を自由に行うということができないということになるといまいったような問題が起きる可能性があるので、これは区別して考えないとならないのではないかと思う。(④に続く)

 麻生、福田両自民党総裁候補の公開討論全文②のテーマは、「国家像」「リーダー像」「クーデター説」などです。何かの参考にしていただければ幸いです。

【国家像】

 

福田) 正直申しあげまして、自民党の総裁選だ。そして、その自民党の国会議員同士で議論していますとね、まあだいたい同じような結論になるんですね。それは昨年、ちょうど1年前の総裁選の記録をみてもらいたいが、最初はなにかずいぶん違うなという感じを受けていたものが、最後のディベートなんか、なんだ同じだなという思いを私は大変強くした。過去においてもいろいろと総裁選があったが、しかし基本的な考え方は似通ったものであると思っていて、麻生候補の話を聞いたが、ちょっとニュアンスの違いとかはあったとしても目指すところは似ているなと思った。ちょっと違いがあるとすれば、私は割合と遠い将来を見据えた議論もしている、しかし、麻生候補は割合と近場ですね。近場を中心とした議論をされている。こういう違いがあるのかなと思う。そういう意味で言うと、たとえば「誇れる国日本」というキャッチフレーズを掲げているが、誇れる国というのは将来誇れる国であってほしいということだと私は理解しているがそういうことでいいのか

 

麻生) 私は自民党の党員として自民党員ですと、青年局ですというように誇れるようになりたい。私は党員に対していつもそう思っている。同様に日本人も何人ですかと聞かれたときに私は日本人ですと堂々と誇れるような日本という国が私共の目標にすべきだと。落ち着くところはここが一番国民として大事ではないかと申しあげているので、短期にも長期的にも誇れる国というのは短期の目標でもあり、長期の目標でもあると思っている。

 

福田) (麻生氏は)時々、BBCの調査を例にあげて言っているが、BBCの調査によると日本は非常に国際社会に役にたっている良い国だということだ。世界一だと麻生候補も説明している。しかし、昨年1月の調査と今年の調査では、若干差ありますね。昨年は本当の一位だった。いまはもう1つ、一番の国が出てきたんですね。日本が下がって他国が上がってきたということだ。だから、どうも誇れる、そういう意味では誇れる国日本というのは、まあ昨年、一昨年とかをピークにして、だんだん下がってくる心配があるのではないかと。こんな風にも思う。特に最近はODAも相当減額をして、そして一頃は今から10年前は世界一のODA供給をしていたと。しかし、いまはそれがどうやら今年か来年辺りは4番、5番になるんじゃないかと。それが金額的に多いということであればいいが、しかし、人口当たりの1人当たりのODAということになると、一番良くてもやはり10番以内と、いまは20番に近くなっているのではないか。それだけ国民1人ひとりが負担しているODAというのは諸外国に比べて少ないという実情が先の外相としてどう思うか

 

麻生) 基本的にいま言われたのは昨年、カナダが同率1位になった。3位が確かイギリスだったと記憶する。そういう意味で私共は少なくとも誇れる国であったという話で、いま誇れる国ではないというなら、なおさらいま誇れる国にすべきだと思う。ODAの額というのも極めて大きい。確かにODAの総額は例の一律3%のマイナスという指示でODAは減らされてきたというのがこの5~6年間、間違いない事実だ。そういう意味では日本として、きちんとした対応をもっとしてもらいたいと国連からの要請もたびたびあった。それに対して、我々としてはこれまでいろんな努力をしてきた。これも間違いない事実だ。しかし、カネと同時にやはり日本という国は、たとえばよく例にひくホンジュラスという中米の小さな国だが、このホンジュラスに行っている海外青年協力隊、なんでホンジュラスの子供はこれだけ計算、算数ができないということをいろいろと考えて、要は教科書が悪い、教え方が悪いという結論に達して、海外青年協力隊がみんなで集まってホンジュラスでスペイン語で算数の教科書をつくった。これによって結果が出た。そしてホンジュラスは昨年から日本の海外青年協力隊が作った教科書を初めて国定教科書にして隣国にもぜひという話をしておる。算数の先生がつくったのではない。海外青年協力隊いろんな分野の人がつくっておる。こういったものが日本として大きな力を出していると思っている。カネも大きい。しかし、日本というものが出しているその他のものというものも大きく評価されてしかるべきだと思っている。

 

福田) まあそうおっしゃいましたけれども、それはですね過去のこと、過去のことなんですね、これからどうするか、これから本当に誇れる国になるかどうかということが問題なんだと言うように思います。私はどちらかといえばですね、その後者の方をとりたいと言うように思いまして、そのためにまあ日本がどのようにすべきなのかこれはあの格好だけではダメなんです、中身が伴っていなければいけない、内容の充実が必要なんだというように思っておりましてですね、まあ環境問題についてもですね、日本が先進的な立場で諸外国をリードすると言うことが必要なんだというように思っております。でそのためですね、具体的な案も私は用意をしておりますけれども、部分的に用意しておりますけれども、まあそういうものを核にしてですね、諸政策を展開していきたいと思っております。あの、麻生候補いかがですか、そういうようなことで同じ考え方でしょうか。

 

麻生) あの、それは質問ですか。

 

福田) 同じような考え方ですよね。

 

麻生) あの誇れる国というのは常に、今でも必要以上に自虐的な史観を私は持っておりませんし、そういった自虐史観に基づく考え方を私の哲学とは合いません。従って誇れる国と思っておりますし、今後とも誇れる国であり続けるようにするというのが一番肝心なところだと、私は基本的にそう思っております。

 

福田) あの誇れる国でいいですよ、それは。これからの問題なんですね。それからそういう意見が出ますとすぐ自虐史観とかそういうように切り捨ててしまうと言うことがですね、これが問題があるんではないのかな、というように私は思いますがどうでしょうか。

 

麻生) 私は自分の国を少なくとも私ども親から習い、また私ども幸いにして学校から習った時期において、そういう感じで自分の先祖を何となく明治、またその前に向かっていろいろな脈々としてつづいてきた伝統というものは誇れるもんだと、私はそう思っております。事実それに立脚して全く過去60年前と60年以降では全く違う国かのごとき話しには私はくみ致しません。従ってそういうものを前提として歴史を伝統として、それに立脚して今後どうやっていくかということを申しあげてるんであって、今後もこれからも、我々が作り上げてきたそういったものを一つ一つ、紙芝居を例に引きましたけれども、そういった例を含めまして、今後ともそういった土台の上にたってという話しを申し上げております。

 

福田) あのそういうようなお話になってしまいますと、現状を全て認めてしまうと言うような感じになりますね。で私は現状にはいろいろ問題がある。また将来を考えた上においては今までの考え方を大いに変えていかなければならない、まあこういうような課題がたくさんあるわけですね。ですからむしろそういう課題がたくさんあるんだと、今の日本の状態をですねもっとよくしていこうという気持ちが良く、なければですね、日本は良くならないんだと思います。そして誇れるような国になりたいというのが実際には妥当なんではないかという風に思います。それからあの先ほど社保庁の解体について、あの麻生候補からお話がございましたけれども、これはあの、既に6分割するということが決まっていると、いう陽に理解しておりますのでこれはあの補足をさせて頂きます。

 まあ現状は肯定したいです、肯定したいけど肯定しきれないことが、まあいろんな所で出てきているわけですね。例えば教育の問題もそうです、まあ地方の問題もそうです。そういうことをどうしていくかということが我々に科せられた課題だというように思っております。政治家って言うのはね、問題を解決するのが政治家なんですよ、問題を起こすのが政治家の仕事ではありません。ですからこの問題解決、この問題も山ほどあるんですよ、それをひとつ一つ着実に解決していく、という中で国民との信頼というものが生まれて来るというように思っておりますので、私はそういう方向で努力していきたいと思っております。

 

麻生) 将来に対してのところで、今は誇れる国か今後とも誇れる国であり続けるかっていうような話しが、いや質問が福田候補の方から質問があっておりましたが、私は基本的には今後とも、現在も私どもは誇れる国なんだ、と言うことにもっと自信を持つべきだということを申し上げてきました、日本の底力とか、いろんな表現を使わせて頂きました。一年前もこの言葉を使ったと思います。
 そういう意味では今、我々に科せられている問題というのは、少なくとも小泉改革、安倍改革の中で、中長期的な方向は決して間違っていなかったと言うことは出ていると思います。ただそれによって短期的な話しが今起きてきております。それが年金であったり、地域的格差であったりいろんな所で問題が起きてきている。その問題を我々は長期的ではなくて、短期的な部分を今解決せねばならぬ、というのが今の内閣に与えられている最初の仕事なんだと私はそう理解をしておりますんで、短期的なところだと、いうところを申し上げております。そのためには信頼が必要、当然のことです。そういった意味では私は今の置かれている状況というのは決して絶望もしませんし、あまり悲観主義に陥ることもありません。我々はこういった過去を、いくつか難しい課題をくぐり抜けてきたという知恵とそういったものをやってきたという歴史というものをもっと信頼をし、日本人に対する信頼というものをもっときっちり持った上で政治というものに取り組んで参りたいというように思っております。

 

【リーダー像】

 

Q 麻生さんがおっしゃったように1年に2回も総裁選をやる事態に行ったのは、安倍総理の突然の辞任表明、退陣表明だった。一国の総理の出処進退としてそれをどう見るのか、リーダーの責任の取り方はどうあるべきか

 

福田) あの、これはなにも総理大臣だけではない話しですけれどもね、やはりトップリーダーと言うのは、これはねやはり出処進退、これがきちっとしていなくてはいけない。これができないと組織が持たない。そう考えていいんじゃないかと思います。これは極めてその、大事なことだと思います。やめた後にどうなるかと言うことに影響してくるから大事なことだというように私は思っております。総理大臣の場合は日本全体のリーダーですから、これは極めて重いものがあります。
 そういう意味においてその、退陣の時期、決断をするって言うのは、大変重い決断だと思います。このことにですね政治家は全てを賭けてもいいという風に思っていると言うところがありまして、これは自分の利益とか打算とかそういうことではこれは決断できない話しでありまして、日本全体のリーダーシップとしてどうあるべきか、リーダーになる人はそのことは常日頃持っていなければいけない問題であると思います。
 そういう意味において、私あの、今こういう事になったということ、私決断の時期、これを間違えられたと思っております。それはやはり参議院選挙で敗退をしたとあの時期がですね、決断の時期ではなかったかと思っております。で、もしあのとき今のように、その続けるんだと言うことを決断されたのならそれはそれでですね、大変重い決断だったと思います。しかしそのためには本当に苦しい道をご自身が歩む、その覚悟がなければ、この決断はしては行けない。まあ、普通で言えばですね、参議院選挙で負けたっていうことは自民党が参議院で力を失ったと言うことでありますから、その影響は極めて大きいわけでありまして、そのことだけで十分辞任に値する、そういう課題、問題だという風に思います。そしてそれを続投されたと言うことはその後は茨の道ですよ、どっちに転ぶか分からないけれども、しかしとことんやるんだと言うところで、最後の最後に決断すべき、そのタイミングが適当でなかった、というように私は思っております。

 

Q 参議院選挙の大敗で、一番最初に続投を進言した麻生さんだったといわれています。それを含めてリーダーの出処進退のあり方をどう考えるか

 

麻生) リーダーたるもの、人に別にリーダーに限りませんが、何かするときには人に相談する、しかしやめるときには相談しないもんです、みんな引き留めるから。だからそういった意味では引き留めないってのは正しい相談しないのは正しい。私は常日頃そう言われて育ちましたんでそう思っております。従って今回の話しにつきましては言われる時期としては、所信表明の前ならともかく、しゃべって言われるのは少なくとも今の時期ではありません。テロ特措法が終わってからですと言うことを申し上げたのが自分の基本的な考え方です。参議院の選挙の後の話しがありましたけれども、参議院の選挙というものは前政権のいわゆる負の遺産というものをかなりの部分引き継いできた、というのは事実ですから、そういう意味ではその責任全てを一人でしょわれるというのはいかがなものか、私は基本的に今までもそう思っております

 

【クーデター説】

 

Q 麻生クーデター説などいろんな事が言われているが、安倍さんを追い込んだのは誰なのか、いろんな事を言われていることに終止符を打つためにも、具体的に説明願えませんか

 

麻生) この種の話というものは、今おもしろおかしくいろいろ出ておりますし、私と与謝野馨が一方的にやられた形になっていると思いますが、今総裁選挙をやっている真っ最中ですから、こういった話しを、まあ作られる話って言うのはよくある話しだと思いますが、あまり次元としてはいかがなものかという感じがしますんで、橋本さんの質問でございますけれども、これはいずれ安倍総理に聞いて頂くのが一番だと、私は基本的にそう思っておりますので、今この段階でこの種の話しを実はこうですと、言うことをいって、そちらのネタの提供にはなるかもしれませんけれども、私どもとしては自分の党の品格を汚すようなことはさけなければならんと、基本的にはそう思っております。

 

Q 私にではなくて、国民に対して説明すべきではないでしょうか

 

麻生) あの私は基本的には、うかがったのは、今言われました話しから言わせて頂ければ、えーと月曜日の日、所信表明の終わった後の役員会で初めてその話しがうかがったのが最初です。で、この時期ではとんでもありませんということを申し上げて、うかつにそういったことを言われるべきではないと申し上げたのが最初。それから二日目になりまして、しかしこの話を私が外にもらしたことはどなたも聞いた方がいらっしゃらないと思います。二日目が火曜日でしたけれども、このときは政府与党連絡会議が終わった後、官邸でありましたんで、官邸でありましたんで、総理大臣の部屋でその話し2回目うかがいましたんで、あの明日、代表質問が、あ、いや、所信表明が終わって最初の代表質問が明日ですよと、そういった時期なんであってこれはこれはテロ特が形がつくまで、ということを申し上げたんで、これは断固今はやられるべきではない、ということを2回目申し上げました。
 この話を外に漏らしたこともない。私がうかがっている範疇はこれだけです。従って前の日にいろいろ、クーデターだといろいろありましたけれども私にとりましては全く関係ないと思っておりますんで。これはいずれ安倍総理から直接聞かれた方がよろしいんだと思いますんで、私自身は全くその点に関しては、だいたい私はそういった趣味でもありませんし、あの今申し上げたのが事実で、極めて短時間ではありましたけれども、それを持って人に相談すべきだ、という話しはございますが、これは人に相談したとたんに、ばっと広がりますから私は人からそういった決意をうかがったときには、安易に漏らすべきではないと私はそう思っておりますんで、ずっと漏らさず最後まで説得しようとしましたが説得できずに次の日にはああいう形になったというのが私の正直な感想です。

 

【リーダーに必要なもの】

 

Q 政治的な手法も極めて対照的なお二人ですが最高のリーダーとして最も大切なものはなにか、ずばっと一言で。

 

麻生) 孤独に耐える力。

 

福田) まあ一言って言うのも難しいんだけれども、全部総括してですね、やっぱり決断ですね。その決断もですね、やめるときの決断っていうのが一番大切なんじゃないでしょうか。

 

Q キャラが立つかどうかっていうのは一番大切な条件ではないでしょうか

 

麻生) 総理としてキャラが立つというのが大事かと言うことですか?総理として、キャラが立つという言葉の場合、自由民主党としては次に総選挙というものが控えておりますんで、2年以内にあります。その総選挙に勝つというのが、自由民主党に与えられている、総裁としての仕事だと思いますので、その総選挙にとってということが一番大きな話であって、それはキャラが立った方がいいのか、立たない方がいいのか、ということは、キャラが立つという事も分かったとこの間言っておられましたんで(福田の方を見て)21世紀はキャラが立つ、とかいろいろな表現がありましたけれども、あの立っておられる、立つと言うことが選挙にとっていいことかどうかということはこれは今の段階では申し上げる段階ではないと存じます。

 

Q 福田さんは去年の夏、総裁選に出ない理由として「もう年も年だ。70歳になって気力も体力も衰えてきた。現代の首相は行動力がなければ務まらない」と言われていたが。71歳で突然、気力体力が蘇ったと言うことか。

 

福田) まあ昨年は昨年でいろいろなことがありましてね。ですからあの私いつも申し上げているんだけれども、その一つのことの政治判断というのはいろいろな事情を総合して決断すると言うことがあるんじゃないでしょうか。私はそれをそういう意味で言いますとね、あのときの事情はたくさんありますよ、なぜ立たないのか。私も選挙区行ってね、ずいぶん言われましたよ。なんであなたやんないのか。そこでこういう理由があるんですと、いくつも並べましてね、そうか、それじゃしょうがないなと、こういう風に思って頂いた。ずいぶん苦労しましたけれどもね。そういうところをですね、一言でですね、ぶら下がり取材でもって言おうとおもうと、ああいうのが一番いいんですね、簡単なんですね。よくある事じゃないですかああいうのは。

 

Q 今年、福田さん、もともと総理になるつもりはなかったと。多くの方々から激励、推薦をいただいたので決断したと公言していらっしゃるわけですけども、そうすると、風向きが変わって多くの人から批判されたり、足を引っ張られたりした場合はおやめになる考えなのか。現に福田さんは04年5月に年金未納を理由に突然官房長官をお辞めになった経過があるわけだが、いかがでしょうか。

 

福田) まあ、あの政治家の判断はいろいろな事情の総合において行われるということでありまして、過去のそういう判断をですね、そのときどきの状況に応じてやっているんだということでご理解をいただきたいと思います。まあ、今回ですね、私は、これある意味においてはですね、総裁選びのね、この手順ですね、執行部、もしくは選挙管理委員会が決めたこの手順が、あまりにもせっかちというかね、そういうようなスケジュールであったと思いますよ。辞意表明をして、そして翌々日ですか、その次の日ですね、にはもう告示だったいうんですよ。極めて短時間に決めなければいけない。ですから、この短時間にみなさんの政策を聞いてどうこうなんて、そういう余裕はないんですよ。もうあたふたと、みなさんからワーッと、やれという声がかかってくる。そして政策の中身を詰めよ、というふうにいってもですね、それはなかなか整理なんかつかない、こういう状況。であれば、自分で政策も考えてやるしかないということになりましたけれども、まあ、そういう決断をしたのはですね、やっぱり、そういう時間的な状況もあったと思います。

それから、当初はですね、これはねえ、麻生さんしかいないんじゃなかとうような話もありましてね、であるならば、まあ、これは麻生候補がずっと言っておられるんだけども、私一人じゃこれは自民党が潰れるとこういうふうな判断でもって麻生候補は出られたというふうに、言っていらしゃるけれども、私も同じ立場ですよ。麻生候補だけっていうんであればですね、私も出て、自民党を何とか救うといったらおこがましいけどね、そういう気持ちを持って、これに臨んだと。そしてあまりにも多くの方々からご推挙をいただいた。そのご推挙に、私自身はね、そう思ってなかったんだけども、しかしみなさんがそう思ってくだすってるというんであれば、その期待に答えるというのも政治家としてはこれは役割じゃないのかな、とこう思いまして、決断をしたんです。苦しい決断ですよ。

 

Q 福田さんは非常にソフトで安定感があるということで好感度があるようだが、裏を返せばことを成し遂げようという執念や気迫にかけて、派閥や官僚の思惑に振り回されて、無原則な調整に流れてしまうんじゃないかなあ、というのが福田さんに対する疑問、象徴していえばそういうことだと思いますが、そういう批判にはどう答えられますか

 

福田) まあ、あの、世の中はいろいろなことをおっしゃいます。私が官房長官をしているときもですね、まあ、さまざまなことを言われましたけどねえ、そういうように言われても、別にめげないということですよ。そして、私が官房長官として、リーダーシップを発揮しなかったということをいう人はいないと思います。ですから、私は十分これからリーダーシップを発揮して、そして、私がかかげたビジョン、実現したいんですよ、その方向に一歩でも歩み続けていきたいと、こう思いますんですね全部出来ませんけどね、2050年まで生きてられませんからね。ですから、できる範囲で、できるだけのことをしていこうというのが私の考え方です。

 

Q 準備不足だと認められているが、総理大臣になろうとする人は、さあ、今、告示も間近だから、選挙期間がないから、あたふたと決めるのはおかしいと私は思うんですよ。そうではなくて、すでに国会議員になったときからその準備をしておかなければいけなかったんじゃないですか。

 

福田) いやですからね、私はその気持ちで政治家はやってきました。しかし現実に総理大臣になるなんて、夢の夢の話ですよ。それからもう一つ、私はクローニン会といって、50歳以上で初当選してと、こういう会ですけどね。ま、そういう苦労人ですよ、言ってみりゃね。ですから、そういう可能性はもともとないと、思っておりました。それは常識にそう考えるでしょ。私が総理候補だと思ってましたか、思ってないでしょ(会場笑い)。あたなのような見識のある方もそう思っていたんだから、それは私がね、そう考えなかったとしてもおかしくはないと思いますよ。ですけども、いざ、そういう立場になればね、今まで私が一生懸命やってきた積み重ねをフルに駆使して、そして自分の考え方をまとめてそれを訴えていこうと。私はこのビジョンを提示しましたけど、これね、ほとんど私が手作りなんです。私の今までの考えを申しあげているという部分、ほとんどなんです。骨格は私の考えなんです。ですから、政治家としてやるべきことはやっている、とこういう自負は持っております。

 

Q 麻生さんは秋葉原では大変な人気。以外に、世論調査やると以外に麻生さんの支持が低い。やっぱり女性の支持が麻生さん少ない、残念ながら。何故だと思いますか

 

麻生) 女性の支持が少ない理由を私に聞かれてもちょっと答えようがない。

 

Q そこは厳しく自己分析しないと。

 

麻生) 世論の支持が、女性が少ないというのは、もてないという話にしたいとうわけですか。つまりよく質問のあれが答えようがないんであれですけれども、女性の支持が少ない。まあ、その話を伺ってああそうですかという以外に他に方法がありません。(※③に続く)


 昨日行われた麻生太郎、福田康夫両氏の公開討論会の模様は、NHKでも中継放送されていましたから、たくさんの人がごらんになったと思います。また、今朝の朝刊各紙でも当然、大きく取り上げられていますが、この際、全文を掲載してじっくり読んでもらおうかと思いました。文字に起こすとあまりに長いので、いくつかに分けて紹介したいと思います(後輩が苦労してテープ起こししたメモを利用して)。①のテーマは、「冒頭発言」「年金」「拉致問題へのスタンス」などです。私自身の感想は付記しないことにしました。
 

 0921 自民党総裁選公開討論会/日本記者クラブ

【冒頭スピーチ】

福田) 今回、私はこの自由民主党の総裁公選に立候補いたしました。私が当初、立候補すると、しなければいけないというように固く心に決めていたわけではございません。しかし以来、いろいろな方々からおすすめをいただき、またこの危機的な状況にあります我が党の再生ということを果たさなければいけないという、そういう強い思いに駆られまして、そしてまた同時に今非常に問題が多くなってきているとうわが国の情勢、これをいかにして解決していくかということについての責任、政治家としての責任を感じまして立候補を決意いたしました。おかげさまで多くの方々にご支援をいただき、今一生懸命私の考え方を訴えてきておるところでございます。

その中で、私はまず申しあげますことは、わが自由民主党、そして政権与党として、この総裁選挙をしなければいけなくなったその背景、事情、そのことについてですね、深く思いをいたさなければいけないと思っております。それは、参議院選挙に敗れたということでございます。そしてこの参議院選挙で敗れた現状というは、これは極めて深刻な状況だと考えております。その参議院選挙敗北の原因が何にあったのか、そのこともよく考えておかなければいけないと思っております。もちろんいろいろな問題がございました。不祥事の問題があった。そして年金の問題もございました。そして、地方における格差問題、というそういうテーマもございました。さまざまなことについて国民の不信を買ってしまったと。要するに日本の政治、我が国与党のですね、政治に対する信頼感の欠如、これが現状だと考えております。その結果が、この総裁選挙となったということであります。そしてこの総裁選挙を行うことによって、国会の審議を止めていなければいけない。こういう事態も起こしておる。いろいろな意味において、非常に大きな問題、そして深い傷をおったこの問題に対処しなければいけない。そしてこういう事態にいたったことについて私はまずは、国民の皆様、またご支援下さる自民党の支持者の方々に深くお詫びを申しあげなければいけないと思っております。そのような反省に立って、これからの政治を進める、ということになります。

けれども、私は、今の若い人たちがとかく、閉塞感を持ちがちであるということ、これはすなわち将来に対するビジョンを提示すること。将来日本が、どのような国になるべきなのか、ならざるを得ないのか。そしてそういう方々の将来が、明るい期待を持てるものかどうか。このことについてですね、まずは希望を持てる国づくり、とこういう申しあげ方をさしていただいております。若い人が希望が持てる国、そういう社会くにづくりを進めていきたいと思っております。そして働く人、そしてお年寄りの方々が安心して生活ができる、そういう国づくり、社会づくりをしてまいりたい。希望と安心。こういうキャッチフレーズでですね、私の政治を進めていきたいと思います。安心の問題や何も老後のこと高齢者だけの問題ではないということですね。それは今の高齢者は安心のできない、生活に満足できないような日々を送っていて、今の若い人たちがそれをみてどう思うか。自分たちもそういう時代にいつかはなるんだな、ということをもって、本当に希望をもって活力をもって仕事ができるかどうかということも考えますと、やはり若い人にとっても安心は大事であると。しかし今の安心が勝ち得ることができるかどうか、これは現実の問題として極めて大事であり、そして今働いている人が近い将来、安心できるかどうか、そういうことをわれわれとしては政策課題として、また政治課題として考えていかなければいけない、そのように思っております。そしてまた、今の時代は地方の問題もございましたけども、やはり自立と共生という考え方がないとやっていけない。これはいろいろな時代でこの意味合いが違ってくると思います。しかし、今こそ自立と共生という言葉がぴったりくる、そういう時代はないんだろうと。今と、そして将来見通してですね、この精神なくして、私は社会も国もそして国際社会も安定した関係、状況というのはつくっていけない。そのように思っておりまして、希望と安心の国づくりを進める。その基本的な考え方は自立共生の概念だとこのように思っております。やはり、自立心なくししてですね、また自立の努力なくして社会は、また国はうまくいかないと思います。しかし、同時に自立だけではだめなんであって、共生できる社会でないといけない、国がなければいけない。また同時に国際社会もですね、共生の概念が必要だと。国際社会で共生といえばですね、資源の問題、環境の問題、これはまさに共生でしょう。これをお互いに協力してやっていかなければですね、環境問題の解決というのはあり得ないと、私は思っております。個人の家庭においては自立は大事です、個々人の自立は大事です。しかし、何かのときには、共生は家庭の中でいつでもあるわけであります。そして若い人は自立、お年寄りは共生社会で、家庭の中でお互いに支え合うという関係。しかし、もし家庭の中で支えられないようなお年寄りがいたときにはですね、これは社会が、国がそれを支える仕組みをつくっていかなればいけない。それがうまくできあがってはじめてですね、共生社会、自立をもとにした共生社会というのは存在するだろう、いうように思っております。私は、今、身近な政策の話はしておりません。しかし、そういう政策は一つ一つがですね、今、私が申しあげたような概念の上に立ってできておかなければいけない。そうのように考えておりまして、私はそういうことにですね、これから全力を挙げて取りくんでまいりたいというように思っております。この考えは私は別に、総裁候補になるとか、そういうことではなくて、日頃考えていたことです。一政治家として考えなければいけないこと。それをですね、ぜひ実現してみたい、と、こういう強い希望、欲求をですね、今、持っております。ぜひ、これは国民の皆様と協力して、なし得ることだと思っておりますので、ご協力をよろしくお願いしたいと思っております。以上で私の考え方を申しあげました。

 

Q まだ若干時間が残っておりますが、よろしいですか

 

福田) 何分?(あと1分ぐらい)あ、いいです。

 

麻生) 麻生太郎です。まさか、同じお招きをこういう短期間に2回も受けるという予定は私の想像を超えておりました、予定外でしたけれども、本日もどうぞよろしくお願いを申しあげます。まず、最初にはなはだ突然のこととはいえ、内閣総理大臣の突然の辞意表明によってこういった形での、政治、国会開会中ということでもありますんで、その空白期間を招いたということに関しましては、はなはだ短期間でとは思いましたけれども、約11日間の時間をいただくことになったことに関して心からお詫びを申しあげたいと存じます。私の所信を申しあげたいと存じます。

私は、小さくても温かい政府、小さくても強い政府をつくりたいと申しあげております。経済は名目成長率にして少なくとも2%以上、フローののびを追及するということを申しあげております。高齢化に伴い、活力ある高齢化社会いうものも申しあげております。また、中国との付き合い方を聞かれたときには、日中共益、つまり、中国とは共益だと、李ちょう星外交部長にも申しあげましたけれども、その通りと思っております。地方分権、また、それには地方に経営感覚をと、いうことも申しあげております。今日は今申しあげた公約について、全然違った角度から説明をさせていただければと存じます。まず最初に私が政治信条としておるところは、日本人に対する信頼であります。日本人への信頼。有史はじまって以来、このかた、日本ぐらいではないかと存じます。切れ目のない伝統を保持しております。一つの国家として、自主独立の道を営々として歩んできた国家だと存じます。危機に臨んで外国勢力に学ぶことはあっても引き入れということはしておりません。幕末における危機に際してさえ、そうでありました。天皇家にあっては、その間、男系の皇統をずっと維持しておられる。我が国の歴史には、おかげさまで一本、太い大黒柱が通っているわけでもあります

これほどまでに今様の言葉でいうとsustainabilityという持続可能性というものの体現してみせた国が他にあるだろうか。歴史を通じて、国柄というものを維持してまいったのが、私どもの国日本であります。人間、じいっと同じ一つの姿勢で立つと言うことはよほど鍛えた筋肉を持った人でもそうそうできるものではありません。日本という国家は、例えていえばほぼ2000年、それをやってきた国であります。足がよっぽど強い国だと思っております。保守すべきは保守し、そして危機に臨んで改革すべきは改革してきた。そのことにわれわれの先輩たちは、文字通り、命をかけてまいりました。私はそう思っております。よく中国の台頭で日本は負けるといった類の議論も出て参ります。私はこの種の話が、あまり信用できません。中国の台頭という現象を見まして、大歓迎と本心申しあげました。たぶん日本の外務大臣として公に、中国の台頭、発展、成長を歓迎という言葉を使った最初だと思います。

なぜなら日本という国は、強い相手が周りに現れてくると、先方のいいところを吸収し、必ず自分の力で脱皮してきた国だから。中国とは共生というより、共益、つまりお互いに益するという関係にならねばならないし、また、できると信じております。なにせ持続性においてはすいぐれたくにでありますから、国家経営の模範というものを、はっとするようなものが、実は過去の歴史にもあります。

例えば江戸の街。人口100万の都市を統治する今で言えば行政、司法の仕事を皆担当しておりましたのが、ご存じ、大岡越前之守などでおなじみの江戸南北町奉行所であります。その奉行所で働いていたお役人は、何人くらいだったと思われるでしょうか。わずか300人弱という資料がございますが、100万都市に300人だった。それでいて、幕末日本にきた外国人は、江戸の清潔ぶりとか、また老いも若きもにこにこして、機嫌よく暮らしていたところに驚いております。たった300人というまあ、小さな政府としては究極の小さな政府。その小さな政府が、同時に温かい政府でもあったということです。それはほとんど今なら、区役所でしているような仕事というのは、全部民間人がやっていたからです。その多くはご隠居さんだったといわれております。江戸時代というのは究極の民間活力、ボランティア全盛期でもあります。活力ある高齢化社会でもあったと存じます。

この間、総務省が出した資料によりますと、65歳以上の高齢者の方は2744万人。しかし、そのうち要介護、いわゆる支援が必要な人は別の統計によれば、16・6%と出ております。したがって、残りの83%強という方々は、基本的には元気な高齢者。ここにも大勢きておられます。昨日、67回目の誕生日を迎えた私に取りまして、年に二回もしんどい総裁選を戦える体力があるということでもあろうかと存じます。私はこういう高齢者という方々を税金を使う人、タックスイーターではなくて、税金を払いわゆるタックスペイヤーにしたい、できるはずだというのが、私のいう活力ある高齢化社会であります。そして、そのモデルというのは、私どもは今一度、200年以上にわたってやったことがあったということだと存じます。今、高齢者の約6割が働く会社というものは、従業員数30人未満、いわゆる零細企業であります。したがって私は名目成長率でみて、2%以上の必要があると申しあげている次第です。高齢者を吸収してくれる零細企業にしっかりしてもらわねばならぬ。その点だけをとりましても、成長というのは大事だと思っております。また、地方の会社に頑張ってもらわねばなりませんが、その頑張ってもらう環境づくりとか方向付けとか。これは地方の首長さんにやってもらうべきだと存じております。権限と財政面と、そして人材を工面して差し上げる必要があろうと存じます。それについては地域を経営、それによって地域を経営していただく。もう一度、江戸の話をさせていただきますが、江戸の世の中というのは子供を遊ばせていた。子供あつかいしておりました。当たり前じゃないかとお思いでしょうが、同時代の世界にそんな国は二つとありません。桃太郎、一寸法師、また浦島太郎等々、子供向けの物語があんなに早くからあったという国は、他の国にはありません。ちなみに、大人向けの童話ではありますけども、グリム童話集、あれは1812年が初版であります。19世紀に入ってから。私はこれが文化の土台としてあったからこそ、昭和に入って、大恐慌になったとき、わたしはある偉大な失業対策事業が全国に広まったんだと存じます。なにかといえば紙芝居です。失業者が手軽にできる仕事でもありました。紙芝居はシネマ、映画の技法です、ありゃあ。映画のやり方を取り入れている、そして全体がストーリーと、物語になっている。これをわくわくしてみた世代が、どういう世代だったか。戦後、漫画のパイオニアになった偉大な作家たちです。名前を挙げる必要もないと思います。したがってストーリー漫画、物語のある漫画というそれまで世界のどこにもなかった、独特のジャンルが生まれました。映画の技法を駆使した文法が生まれたんだと存じます。それが今、ドラゴンボールだ、キャプテン翼だ、となって、世界中の青少年を熱狂させております。どうでしょう日本にある物語は長い長い歴史の成長を経ております。もういい加減、日本人の持つ、日本独特の自発的な創造力、新しいものをつくる力というものに信をおいていい時代だと、私はそう考えております。

改めて申しあげます。我が国は脈々として続いた伝統に誇りを持ち、そして勇気を持って改革、新たしきを創造していくことができる国家なんだと。私は幕末の志士の如く同様に国家のために頑張りたいと思っております。長時間のご静聴ありがとうございました。

【年
年金問題】(※ここから両候補が相互質問)

 

麻生Q) それでは年金問題というのが最大の関心事だと思いますが、私は今年35歳になられた方はいずれも年金の将来性についてすべて葉書を受け取っておられると思います。したがって35歳の人には年金に関する不安はない。自分の将来、短期的にはこれだけもらえるんだということが示されている。私はこういった年金というのは不安を与えているのが一番の問題。150兆円からのカネがそこにあるわけだから、それは心配ではないんだという安心をきちんと示すというために葉書を出すことを提案しているが、福田先生は年金問題について具体的にどういうような考えを持っているのか。

 

福田A) 年金はこれはいまの政治不信の具体的な原因として非常に大きなものだ。特に国家が運営している、この機構がどうもおかしいではないかと。そしてまた今でも横取りするような、そういうようなことを担当する人たちがやっていたということになると、本当に信用ならない仕組みだということになる。年金というのはいま払って将来もらうということだ。だから、その期間ずっと信頼し続けてなければ、またそういうことができなければこの制度は存続しえないということになりますから、いまの状態というのは本当に最低の状態だと思う。政府の仕組みの大事なところは、国民から信頼を受けていないということになると、これは極めて大きな問題だと。単に年金不信ということではなくて、国家に対する不信というように考えても良いと思う。そういうことをきちんとやってくれるという信頼のもとにこの制度は存立しているということを考えると、いま起きいているのは極めて罪深いことだと思う。だから、それを解決するために1つ1つ積み上げていく。私は信頼というのは一気に回復するというものではないと思う。時間をかけてこつこつとやることにおいて信頼を回復できればいいなあというように願っている。

 

麻生Q) 社保庁は解体ですか

 

福田A) 社保庁は、これはやっている人の問題もあるわけですね。なにも社保庁に限らず、いろんなところで不祥事が起きているということだ。これはやはりその仕組みが悪いということもある、また人の問題もあるということで、またそういうことが許されるようなそういう風潮があるのかどうか知らないが、いずれにしてもやっている人がきちんとしていれば、組織の問題では私はないと思う。ただ、具体的にはどういうように回復するかについてはいま現在、具体的に考えておりません。近い将来、結論を出さないとならない問題だと思っている。

 

【拉致問題】

 

麻生Q) 社保庁というところがもっとも信頼されるべき、頼りにされるべき組織と私は思っているが、それが一番信頼がおけない組織ということなれば、その組織は根本的に解体してきちんとやり直すということにならない限りは信というものはなかなか立たない。したがって社保庁というものをどうされるかということについては具体的な話を伺わせてもらえればと思っていた。次は拉致について聞く。私は基本的に北朝鮮は圧力と対話、この国とのこれまでの交渉を約2年やったが、いずれも拉致というのは私共にとって、自主というものの、日本の自主権というものの大いなる侵害であることははっきりしている。したがって、この日本という国から日本人というものをさらってもっていったという事実というものは、これはものすごく大きな事実であり、国家にとって大問題だと思う。したがって、このような問題は安易に米をやって帰してもらうという種類ではない。基本的にはきちんとした対話を成り立たせるためには、これまでも圧力が必要であったと思っている。今日、6者協議がスタートできたが、最大の理由は少なくとも7月における国連安保理における日本のリードによる少なくとも全会一致の圧力というものが6者協議を生み、日朝作業部会というものがまがりなりにも動き始めた大きな背景があるんだと思っているが、まず伺いたいのは圧力はいるのか、そしてもう1点は拉致被害者という方々は確かすべてなくなっておられるという前提だと、福田官房長官の時にしていたが、私はこういう方々は生きているという前提でこの交渉をすべきだと思ってこれまでもやってきたが、それについての見解を聞きたい。

 

福田A) 拉致は、やはり人道的な問題として考えるということが第一番に必要なんだろうと思います。ということは、いま現在、北朝鮮におられるんですよね、まだ残っておられると考えると、そういう方々を一刻も早く日本に帰ってもらうということを最優先にすべき問題ではないかと思っている。だから、そのことを中心に考えた時にどういうことなのか。ただ、だからといって過大な要求をつきつけられるということはあってはならないのであり、これはハイジャック問題とかいろんな時に自問自答させられるということがあるが、そういうことも含めてこれは北朝鮮と日本に帰ってきてもらうということについての交渉をできればしたいと思う。もちろん、その交渉の過程において対話一本槍ということはない。やはり、「対話と圧力」という交渉上のことは外交交渉、その他の交渉において常にあることなので、そういう手法を駆使しながらこの交渉を進めていくということだ。ただ、最初から話し合い拒否というような感じでもって向こうに受け止められるようなことであれば、向こうからは対話をする意欲はないだろうと。しかし、現状は先方はこちらも対話をするような雰囲気がまったくないということで対話が双方途絶えてしまっているなら、これはやはり圧力ということは必要なのかなと思う。いずれにしても外交交渉上の問題なので、その時々の状況に応じて、そういう手段を発揮するということになる。両方をうまく利用、活用しながら交渉していくということになる。


麻生Q) 対話と圧力という話だったが、確か5人の拉致被害者が日本に帰ってきたときにこの人たちに北朝鮮に戻すか戻さないかという話は官房長官の時に結構話題になった。帰すべきではないという意見に対し、官房長官は約束通り帰すべきと主張したと思うが、あの時の主張といまの主張を聞くと、この間に少し変わったのかと思うが、あの時は確か拉致被害者は死んでいるという前提で議論をして、拉致被害者の方々がいろいろと記者会見をしてきた記憶があるが、そういったところをもう一回話してもらいたい

 

福田A) ええ、正しく話をしましょう。外相をやっていられたのだから、その辺はよく過去の資料をよく、くってもらいたかった。まず私が9月17日、5年前に北朝鮮から報告をうけた。こういう状況ですと。私はその通り報告しました。それ以上報告すべきものは何もなかったから、その通り先方から、現地にいる外務省ということだが、その通りに話をした。だから、外務省の連絡によるとこういうことですということを明確に拉致されたご家族にいったということだ。私が断定的にそういうことを言ったと言うことはない。当時知り得たすべてであり、それ以上のことをいう必要性はないし、またそういうことをいうことはできなかった。
 そして5人が帰ってきた。その時に帰すか帰さないかという話は確かにあった。しかし、もともといったん帰ってきたということにおいて、それは帰るんだということは前提に話は進んでいたと風に思う。だから、当初は私はそういう報告を聞いて、ああ帰るものかなと思っていた。しかし、帰すべきではないという話が起こって、そのことについて議論はした。その時に私は帰すべきではないという風には申していない。ただ、そういう約束があるのだから、それを破って大丈夫なのかと外務省によくたずねた。そして帰すべきではないという判断があったときに、最終結論を出す前に家族の方に、というかご本人にですね、そういう本人に意向を聞いて下さいと。まあ、それぞれどういう事情があるか分からないから、ご遺族・・・ごめんなさい。帰国本人ですか、拉致されて帰国された本人に意向を確認して下さいと、こういうことをお願いし、その確認がとれた。それではそうしようという結論を出した。そういうプロセスを経ているので、私は十分な配慮しながら、この道筋を歩んだと思います。(※②に続く)

 


 ちょっと旧聞になりますが、昨年の自民党総裁選を前(7月30日刊行)に出された「季節感、あふれる情景 白山麓。」(北國新聞社出版局)という句集があり、この本の「白山を愛する方々に寄せる」という章に、森喜朗元首相の俳句が掲載されています。ご存知の方も多いかとは思いますが、当時を振り返り、紹介したいと思います。

 夏山や総裁選は五里霧中

 梅雨空の向こうに白山我ひとり

 実るほど頭を垂れぬ純一郎

 永田町汗をしぼりて総裁選

 梅雨空や安倍は東に福田西

 短夜にやせる思いの総裁選

 
こういうのは、ユーモアというのでしょうか。そんなにやせる思いまでしてかかわらなくてもいいのに。白山についての句集なのに、総裁選の句ばかりですね。政治家の業なのか、今回の総裁選でもずいぶんとご活躍のようですが、今だったらどんな句を詠むのでしょう。してやったり、という感じでしょうか。

 ちなみに、この本に載っている馳浩衆院議員の解説によると、二番目の句は、「大男がポツンと一人、白山を目の前にして無力感を感じている距離感がイイ」そうです。ふーん、なるほどねぇ。ぜひ句集の第二弾を出してもらい、また鑑賞させてもらいたいなと思いました。

 本日は短いエントリですいません。また頑張ります。

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