2007年10月


 本日は、昨夜になって急遽決まった自民党総裁である福田康夫首相と民主党の小沢一郎代表の党首会談があったため、政治部員は少しばたばたしました。まさかとは思いつつも、もし自民、民主の大連立の話や、衆院解散の時期などについて話し合われていたとしたら大変だからです。会談のメインのテーマはテロ対策だったようですが、結局のところ、この二人が他の何について協議したかは「藪の中」でした。ただ、この自民、民主両党の党首会談は、自民と連立する公明党には不審を、民主党との協力を強化していた共産党には怒りを与えたようです。

 というわけできょうは、各党関係者のインタビューやブリーフ、記者会見の様子を通じて党首会談を振り返ってみようと思います。各人の証言から、会談の真相は浮かび上がるやそれとも否や…。まずは小沢氏から。

民主党の小沢代表ぶらさがりインタビュー、30日昼前

記者 どんな会談だったか。

 

小沢氏 福田総理から話し合いをしたいと。ざっくばらんに2人でということだったので、総理の話なので、結構ですということで、今日は今まで本当にざっくばらんな話を総理と2人でやってまいった。

総理からは特措法について、いつも述べられているような、内外の理由から、何とか協力してほしいという旨の話があった。私は、一般的な一般論として協力できることは協力するのは当然だが、この特措法については私どもは認められないと。自衛隊の海外派遣はきちんとした原則、すなわち国連の活動の枠内でしか許されないと。そういう主張を私も繰り返し、議論は平行線のままです。

 そのほか、いろいろの問題について、これはどちらかというと四方山の話になるが、ざっくばらんに意見交換をした最終的に総理の方から週末をメドにしてぜひもう1度話し合いをしたいという要請があったので、総理の要請であれば、もちろん私は結構ですと。また連絡をいただくことになった。

 

記者 国会会期の話は。

 

小沢氏 そんな話ではない。もっと基本的な。国会運営の透明のどうのこうのという話ではなくて、様々な問題の基本的なことについて意見交換をした。それは年金もあれば、なんもあるが、いずれにせよテーマがどうと絞ってではなくて、お互いに意見を交換し合ったということだ。

 

記者 一致点をみたものは。

 

小沢氏 今日の総理の方の一番のテーマは特措法だったと思う。総理は。それについては私どもの主張を明確に申し上げ、総理は総理で総理の考えを述べられた。その点については平行線だった。あとのことについては、何かを結論を得るという話でやったわけではなくて、一般的にいろんな話を、意見交換をしたということだ。いろんな話をした

 

記者 解散総選挙についてやりとりは。

 

小沢氏 そういうたぐいのことはしていない。

 

記者 週末に再度というが、目的は。

 

小沢氏 総理からの要請なので、総理にお聞き下さい。

 

記者 小沢代表は密室の会談をやらないと言ってきたが、何で密室になったのか。

 

小沢氏 なんで密室での会談なの?総理から話し合いをしたいというから、それを2人で話し合いをするのは嫌だ、というわけ? 変でしょ。話し合いをしたいと言ったから話し合う。国会の論戦については、国会でやるべきことはちゃんとやるべきだという方針は何も変わらない。密室でと言ったって、あんた方、周りにいたじゃない。ちゃんと公開、って話し合いの場を公開というわけではないけれど、みなさんにちゃんとお知らせして、正式に党首会談、これを密室と呼ぶのなら、それは見解の相違だ

 

記者 安倍前首相が申し入れた時は議題をまとめろと再度検討させたが、今回は具体的な話す内容があったのか。

 

小沢氏 国対委員長同士では、特措法に関連して何か、とにかく話し合いをしたいということだったようだ。

 

記者 代表から解散総選挙を迫らなかったのか。

 

小沢氏 そういう話は一切、触れていない。

 

記者 明日の党首討論について話は。

小沢氏 していません。

 

記者 特措法への対案については。

小沢氏 われわれはわれわれの主張をしたということだ。だってもう、(国会会期は11月)10日までしかないんでしょ。

 

記者 ISAF参加について代表が説明したのか。

小沢氏 違うよ。われわれの主張は、軍隊の海外派兵については、きちんとした原則に則らないとだめだと。その場その場の必要性だ、なんだかんだと理屈をつけて海外に兵を出して、大変な失敗をした例が半世紀前にあるではないか。だからきちんとして原則に則らなければならない。その原則とは国連の平和活動。その枠内でわれわれはできるだけ可能なことをやっていけばいいと。そういうのがわれわれの主張だ。

 

記者 それに対して福田首相の言葉は。

 

小沢氏 われわれの主張はわれわれの主張として言ったということだ。福田総理は福田総理が委員会やその他で言っていることをおっしゃった、ということだ。

 

記者 党首討論を翌日に控えてなぜ会談を受けたのか。

 

小沢氏 応じなかったらどうするの?あんた方、なんて報道する?小沢一郎は話し合いをしたい、というのを断ったといって報道するんじゃないの。話し合いさえ断ったなんて多分、あなた方は報道するでしょうが。話し合いはいけないの。総理の要請なので、あとはなぜ、そういう要請したのか。それは総理に聞いてください。私は特措法関連という趣旨で、という話は国対委員長から聞いていたが、総理がどうしても話をしたいということ、私はあなたと話したくない、というわけにはいかないでしょ。

 

記者 次回は週末メドというが、長期的にやるのか。

 

小沢氏 分からない。総理がそう言うから、私は総理のそう言う呼びかけならばいつでも応じると言っただけ。

 

記者 長期的にも呼びかけられたら応じるということか

 

小沢氏 応じなきゃいけないでしょ。どうするの。断るの、ダメっていうの。そういうわけにはいかないでしょ。総理が話したいというのだ。一国の総理だもの。日本の。

 

記者 総理は週末の会談のテーマを言ったか。

 

小沢氏 言わなかったです。いずれにせよ、もう一度、ゆっくりとざっくばらんにお互いに話をしたいと。そういう週末、メドにしてということだった。だから私は連絡をいただければ、可能な限り日程を、可能な限り応じるように用意しておりますと答えた。

 

記者 民主党や小沢代表にとって進んだこと、プラスになったことは。

 

小沢氏 別にありません

 

記者 年金が話題になったというが。

 

小沢氏 個別の詳しい話に入ったわけではない。昔話を含めていろんな話をした。現在のことがもちろんメーンだが、だから個別の年金やなんやについて、細かい話をしたわけではない。

 

記者 年金制度論というような話か。

 

小沢氏 そうですね。年金だけじゃないですから。

 

記者 2人で話した時間は。

 

小沢氏 最後に幹事長が入ってきた。》

 続いて福田首相です。記者への対応も、まだまだ癇癖を我慢して抑えているようですが、徐々に怒りやすく皮肉屋の地が出てきたように感じます。それが飄々とした持ち味だと評価されているうちはいいのでしょうが…。

 

福田首相ぶらさがりインタビュー、30日昼前

記者 まず党首会談のご感想を。

 

福田氏 感想?感想はですね。1時間お話ししましたけどね、小沢代表とね。非常になんと言うんですか、お互いの立場もよく分かっておりますからね、なんとかこういう状況を打開したいと、そういう思いをお互いにもって会談しました。それはそれなりによかったと思います。
 なにしろねじれ現象でしょう。衆議院と参議院でね。意見が違ってしまうという、そういう風な状況の中でまあどうしたらいいのかという、これはあの私もいちばん頭を悩まさなくてはいけない問題ですけどもね。小沢代表も同じような立場にあるんじゃないかと思います。ですから二人でよく話し合うということはとても大事だなと、そういう風な感じを持ちました。

 

記者 今日の会談で距離が縮まったか

福田氏 もともと私は近いと思ってますけどね。民主党は協力政党、こう信じてますから。

 

記者 達成感はありますか

 

福田氏 ええ?

 

記者 達成感は

 

福田氏 達成感。難しい質問だなそれは。達成感ね。会談をやったという達成感。中身はともかくとしてね。

 

記者 小沢代表から協力政党だという印象は

 

福田氏 ああ、十分感じましたよ。

 

記者 例えばどういうところから

 

福田氏 どういうとこって、全身からね、全身から感じました

 

記者 テロ新法で妥協はありますか

 

福田氏 妥協ってのは、妥協っていう言葉は私好きじゃないけどね。

 

記者 その会談の中で総理としては具体的にどんなことを要望されたのでしょうか

 

福田氏 もちろんね、いまの国会のこともございましたけども、その中で比較的急いでね、処理しなくてはいけない問題は、テロ新法ですよね。この問題を協力願えないかということは事情をお話ししまして、お願いをしました。

 

記者 それに対して小沢党首からはどんなお話しがあったか

 

福田氏 やはり今までの考え方というのがありますのできょうのところはまとまらなかった。残念ながらまとまらなかった。

 

記者 党首会談が週末また行われるという話があるが

 

福田氏 ええ、ですからね、また、こういう会談はもっとすべきではないかと。で、今日お話したことをね、また引き続きやってみようじゃないかと、ま、こういう事なんですね。どっかでね、一致点を見いださなければいけないと思いますね。ですからその努力をしてみようと、ま、いうことで、あの、お会いすることにしました。

 

記者 定期的に開催するのか

 

福田氏 定期的という意味じゃありません。今のところはそこまで話は進んでいませんけども。しかしね、そのくらいの必要性があるんじゃないかと思いますね。

 

記者 国会の会期についての話は出ましたか

 

福田氏 全然してません。

 

記者 選挙関係の話は出ましたか。

 

福田氏 ええ、それもしていない。うん。まあねえ、いろいろな政治情勢とか一般的なことは話しましたよ。意見交換という形でね、いろんなお話を1時間ありますからね、大分話ができました。

 

記者 小沢代表が出て行ったときは表情が硬かったが、会談ではどのような様子だったのか

 

福田氏 だっていつもこわい顔してるじゃない

 

記者 本日まとまらなかった要因は

 

福田氏 それはね、それは立場が違いますから意見が違って当然なんですよね。全部、1日1時間話してまとまっちゃったら、じゃあ今まで何してたのって話になっちゃいますから、そんな簡単な話じゃない。だから何回かお会いしていいんじゃないかって思います。いいね、じゃあ終わり。》

 大連立の影にびくびくしているのが公明党ですね。完全に埋没し、不必要な存在になってしまいますから。公明党は小泉政権時代も、小泉氏が大連立に言及した際、「まさか」と思いつつも「いや、自分たちはいつか切られる」という心配を抑えきれず、いろいろと確かめていましたね。その公明党の漆原国対委員長の記者ブリーフからです。

 

公明党、漆原国対委員長ブリーフ(福田、小沢会談の内容を自民から説明を受けた後)

漆原氏 最初、総理と小沢党首に両党の国対、幹事長が入ったそうです。10分15分は、ワインの会とか一般的な話。4人が退席し、2人きりになった。(2人になってから)40、50分した段階で両幹事長が呼ばれた。
 総理からお二方の話の総括を報告された。その内容は、「ねじれ国会のあり方について小沢さんとよく今後とも話し合っていかなければいけないという趣旨のお話をしました。もう一つは、テロとの戦いについて、ご理解をいただきたいという2点について話し合いをしました」という報告が両幹事長にあった。その後、さらに、総理から、今後とも継続してこの党首会談をやっていきたいので、その取り計らいをお願いしたいという話が、両幹事長にあった。

小沢代表も了解ということで、早速両幹事長が2日を目標にして2回目の党首会談の手続きに入る。ついては、福田総理がおっしゃるには、「明日の党首討論、ここでお互い丁々発止やったのではしこりが残るもしれない。したがって明日の党首討論もジャンプする方向でおとりはからい願いたい」という話があったそうです。ということで、明日の党首討論はなくなるが、その代わり明日は官房長官を中心にテロ特を動かすということになる。そんな報告を受けた。

 

記者 明日の党首討論の関係のところは…

 

漆原氏 全部福田総理のお話だ。その際に、伊吹幹事長から、「小沢代表はもともと談合的なことはやらない。国民の見えるところでとおっしゃってきたはずだが、今のようなやり方で本来国民が一番期待をしている党首討論をジャンプして、見えないところで党首会談やるというのは国民の期待に応えられないのではないかと」いうふうな質問をされたそうだが、そのとき小沢代表は「俺は田舎もんだから、そんな器用なことはできない」と。
 器用なことというのは、一方で仲良く会談やり、一方でドンパチやるということを意味するんでしょうね。「だけども、自民党が明日やるというのであれば、俺はやってもかまわない」という言い方をされたということだ。そこで伊吹幹事長が、「明日の党首討論については自民党、民主党だけの問題ではない。参議院もからんでいるし、また、公明、共産、社民、民主、国民みんな関連していることです」と申し上げたら、総理から「円満にやるために一つよろしく頼む」と言われて、その手続きに入る、こうなります。
 
私の立場から言っても本来は、明日、総理と小沢さんの初の対決になるわけだ。民主党がなぜ対案を出さないのか、小沢代表の言っているような憲法論で国民は本当に満足するのか。また今小沢民主党は給油活動は憲法違反だといっているが、しかし、9・11の後に開かれた国会での承認手続きでは、自衛隊がインド洋に派遣されることについては民主党は衆参ともに賛成をした。その辺の矛盾は一体どうなるのか。本来この辺を総理が党首討論で聞きたいところだなあと期待をして待っていたんだだが、あれほど密室での談合に反対だと言っていた小沢党首が、なぜここに来て、オープンの党首討論を取りやめて、ある意味で小沢さんの言う密室談合の党首会談をさらに続けるのかなあという不審な気持ちを持っています
 ただ、重要な国益に関することですから、話がうまくいくのであれば、また福田総理が何としても世界から日本が笑いものにならないようにありとあらゆる努力をされているんだということを、深く受け止めているのが今我が党の状況です。

 

記者 不審な気持ちを持っているというのは先ほどの与党の二幹二国二政(幹事長、国対委員長、政調会長会談のこと)でも漆原さんはそんな発言をしたのか

 

漆原氏 そうですね

 

記者 ほかにどんな意見が出たか

 

漆原氏 何で小沢さん、(党首会談を)飲むのかね、今日だけじゃなくてね。今日は、結論的には内容はほとんど決まらないわけで、もう一回やろうというのは一体どんな成算があるのかなと今までの小沢さんの態度と全然スタンスは違うわけでしょ。一体どんなお考えなのかね、という気持ちはみんな共有していましたね

 

記者 総理がこう主張して、小沢代表はこう主張したという説明はなかったのか

 

漆原氏 それはないんです。伊吹幹事長もそういう報告は受けてないそうです。

 

記者 党首討論はジャンプの方向で合意したが、総理か小沢かどっちが言い出したのか

 

漆原氏 そこまで説明はないんです。伊吹さんもそこまではしらないんでしょう。これはたぶん、そこは政治家のトップの話ですから、明日党首討論を延ばすことは、総理から言っても大きな影響があるだろうし、ましては小沢代表からもうし入れがあって、総理が受けよといったら、もっと大きな意味があるだろうし。たぶんそこは曖昧にされているのではないか

 

記者 党首討論は延期か、中止か

 

漆原氏 延期でしょうね。

 

記者 総理から、国会の手続きや運び方以外に、テロ特を合意に導くための指示はないのか

 

漆原氏 今日のところはないんです。今私が聞いた段階では2回目の会談のセットと党首討論の中止延期の手続きを指示されたといってます

 

記者 会談が平行線に終わったことで、会期は一日一日なくなってくる。

 

漆原氏 だから、そういうふうに見るのか、一回で終わらなかった二回目という話があるということが何らかの妥結の感触を双方もったのかということだろう。そこのところは分からないが、双方とも模索の中で、何らかの感触を持ったのであれば、もう一回やろうという話になりますわね。

 

記者 何のためにもう一回会談するのかについて自民党から説明はあったか

 

漆原氏 いや、何のためにというのは、「総理からもう一回やりたいというご指示があった」というふうに報告を受けました。

 

記者 党首討論を延期することで明日テロ特を動かすというのはいつの段階で合意に達したのか

 

漆原氏 これは現場で両国対委員長がOKしたそうです。国会を空回しするわけにはいかない、やっぱりテロ特動かさないといけないねという双方の判断が一致したんでしょう。

 

記者 とりあえず明日までか

 

漆原氏 今のところは明日まで話がついたということだ。》

 最後は、すべての小選挙区に候補を立てるという長年の方針を転換するという婉曲な形で、しかし、同時にとても効果的な選挙協力を民主党との間で行うことにした共産党です。怒っています。裏切られたと感じたのでしょうか。

 

   共産党、市田書記局長記者会見、30日午後

市田氏 きょうの自民党と民主党の党首会談について日本共産党の見解を述べる。第一に、テロ新法の野党としての初めての質疑がきょう午前10時から6時間行われる予定になっていたのを、しかもこれはテレビ中継されることになっていた。ところが、うち2時間を、午前中、文字通り密室で自民党と民主党だけの2党の党首会談に時間を割いた。これは国会運営、議会制民主主義のあり方からいって、きわめて重大だ。

国民の前で堂々とテロ新法についてそれぞれの政党が何を考え、どういう意見を持っているか、ということを示して国民に判断してもらうのが民主主義のあり方なのに、しかもすでに決まっていたものを、2党の都合で、経過は福田総理のほうから党首会談を申し入れたと聞いているが、2党だけの都合で国会運営を、そういう形で強引に変更することは許されない

 二つめに、党首会談ということはありえる。我々も党首会談に出たことはある。わたしは書記局長になって7年になるが、いつも党首と同行して出ますが、7年間で何回か党首会談はあったが、自民と民主だけの党首会談はいちどもなかった。全野党と自民党の総裁・総理との会談だとか、二党間の個別会談の場合も、自民と民主だけでなく、自民と共産、自民と社民というのもやった。今回のように二党だけで党首会談をやるやり方は絶対に許されない。テロ新法についてそれぞれの党の考え方がある。いくら議席の多い党だからといって、その党とだけ重要問題を、しかも国民の前でなくて密室でやるというのは、容認できない。

 さらに、あすに予定されてすでに決まっていた国家基本政策委員会の審議、いわゆるクエスチョンタイム(党首討論)も、これから開かれる合同幹事会で中止が決まると。週末金曜にもう一度、自民民主の党首会談が行われると。テレビを通じて国民の前にクエスチョンタイムで考えを示しあって国民の審判を仰げばいいのに、国民の目から覆い隠されたところで両党だけで会談をやる。これを密室談合と言わずしてなんというか激しい憤りをもって私たちは抗議したい

 小沢さんの記者会見を聞きましたら、密室ではないと、党首会談をやると言って党首会談をしたから密室ではないと。これは、成り立たない議論で、党首会談をやると言っただけの話で、別に公開の場でやった会談ではない。会談の結論を皆さんに話されたが、どういう話し合いが行われたかは国民の前には明らかにされていない。こういうのを世間では密室というのであって、見解の相違ではなくて事実の問題だと思う。

 福田総理の記者会見をみると、再度会談するのかということを聞かれて、きょうのところはまとまらなかったので、引き続きやってみようということで一致したと。定期的にやってみるのかと聞かれ、それくらいの必要性はあると。

国会の会期や解散問題は出なかったが、いろんな政治情勢とか一般的な話はしたと。小沢氏との距離は縮まったかと聞かれ、もともと近い、民主党は協力政党だと信じますと。もともと考えの近い協力政党とだけ会談して、重要な物事を二党だけで決めていくというやり方は、正しくないとわれわれは感じている。堂々と国民の前で論議していく。党首会談をやるならすべての政党ときちんとやるべきだというのが我が党の考え方だ。

 

記者 民主党から説明はあったか。

 

市田氏 穀田国対委員長に話があり、やりたいというが、われわれは反対だと。われわれは認められないとはっきり申し上げた。昨日の午後六時くらいだ。僕の家に、携帯にあったのは7時くらい。

 もともと小沢さん自身が、党首会談を別に否定するわけではないが、オープンな場がいくらでもあるじゃないかと。国会の論議を通じてと。クエスチョンタイムという場もあると。そこでやろうじゃないかとずっと言ってこられた。自分の前言を否定するようなことをされて、どこがおかしいのか、密室でもなんでもないと。国会の論議とこれとは矛盾しないんだとおっしゃっているが、どう考えても密室協議と言われても仕方ない行いだ。

 各党全部集まった党首会談なら、どこの党がどう言ったか全部分かる。マスコミの方は中に入れないが、終わった後に全部各党ブリーフィングをやるので、ほぼ全容が明らかになる。(今回は)ほとんどどういう話し合いかわからないですよね。1時間くらいやらにれているが、新テロ特措法について協力願いたいと、協力できないと。それだけの話で、それは以前から分かっている話で、もっといわば公になったら困るような話しをするときに普通、オープンにしないでやる。そういうことは、国会の民主的運営、議会制民主主義の精神からといってよくないとわれわれは言い続けてきた。重大な問題だ。

 

記者 党首会談の結果の連絡は民主党からあったか。

 

市田氏 穀田委員長にあった。電話で。それは公にされている話だけです。

 

記者 今回の党首会談は、野党共闘に影響するか。

 

市田氏 もともと私たちは一致する点ではどういういきさつがあっても力を合わせてがんばろうと。新テロ特措法に反対の立場を民主党さんがとる限り、その点では一致して力を合わせてやっていく立場に変わりはない。

 しかし、例のISAFや国連決議さえあれば自衛隊を戦闘地域であるアフガンの陸上に出す考えはこれまで批判してきたし、これからもしていく。一致点では協力するが、意見の違う点は堂々とフェアに論争していく立場だ。

 本当に皆さんもひどいと思いませんか。あすの党首討論は決まっていたんでしょ。二党だけの都合で金曜もまたやるからあすはやめようと。こんなバカにした話はない。きょうはテレビが入って10時から6時間、昼の休憩をはさんでやることになったのに、2時間分は密室で国民はわからない。残り4時間を午後やる。与党質問だけ終わっていて、野党が本格質疑するのはきょう初めてだ。それを国民の前でやらずに、どうして。そのために質問時間が6時間が四時間に縮められた。ほんとに重大な問題だ。》

 …党首会談の中身と目的は、今のところ本当に「真相は藪の中」なので私には分かりません。しかしまあ、政治はいろいろなところで動いており、後で振り返るとあのときが分岐点だったなあ、ということがよくあります。今回の会談がそんな重たい意味を持つのか、それともそんなにたいしたものではないのかは、まだ判断できませんが。しかし、いずれにしろ国会はいよいよ何でもありの局面になってきた気がします。

 


 根拠のない領有権主張のため、れっきとした日本領である沖縄県の尖閣諸島に上陸しようとしていた中国の抗議船は、どうやら上陸を断念し、中国本土へ引き返しているようですね。これは一応、民間団体の行為ではあるのでしょうが、中国政府が福田政権の対中姿勢を見極めようと自由にさせた側面もあるのではないかとつい疑ってしまいます。我ながら性格が悪いようです。

 福田首相は、外務省チャイナスクールとも縁が深い「親中派」として知られていますね。福田首相の就任時にも、中国はおおいに期待感を表明していました。自民党総裁選での候補者討論会では、「あなたたちも友達の嫌がることはしないでしょ」と中国や韓国などを安易に「友達」と言ってのけ、靖国神社に参拝しないことを明言していましたし。外交では、できるだけたくさんのカードを保持している方がいいに決まっているのに、福田首相は最初から「靖国参拝」という中国側が困るオプションを手放し、仲良くしましょうと言っていわけですね…。

 ただ、ではその福田政権に中国が感謝し、何か譲歩してくるかというと、そういうものでもないようです。今月11日には、北京で東シナ海の石油ガス田に関する局長級協議が開かれ、日本からは佐々江アジア大洋州局長が出席しましたが、中国側はこの場で安倍政権時代よりもハードルを上げ、厳しい条件を突きつけてきたと聞いています。「中国に優しい福田さんなら、何を言ってもやっても大丈夫だと思っているのでは」(元政府高官)という観測も出ています。

 さて、今回の中国船の尖閣接近を見ていて、3年前のことを思い出しました。平成16年の3月24日には、中国人活動家7人が実際に尖閣諸島に上陸し、沖縄県警に逮捕されましたが、首相官邸の判断で起訴は見送り、本国に強制送還されました。このとき、当時の小泉首相は「日中関係に悪影響を与えないように大局的に判断しなければならない」と弁明していましたが、日本がごく普通の法手続きを曲げ、中国に譲歩したのは明らかでした。

 小泉内閣では平成13年、北朝鮮のプリンス、金正男がディズニーランドに遊びに来た際も、不法入国としてきちんと取り調べるなどの法的手続きを経ないで北に帰し、拉致問題の解決に寄与させようとはしなかったということもありました。どこまで因果関係があるかは分かりませんが、この二つの出来事があった際には、ともに福田首相が官房長官だったなあ、とふと思った次第です。

 福田首相をめぐってはやはり官房長官時代、中国の女性を利用したハニートラップにはまった上海総領事館の電信官が自殺したときに、二橋官房副長官からあがってきたこの情報を小泉首相に伝えなかったとも言われています。安倍前首相が就任にあたって二橋氏を更迭したのはこの事件がきっかけですし、その二橋氏を副長官として復帰させたのが福田首相です。因縁めいてますね。

 実は私は当時の上海総領事、故杉本信行氏が亡くなる一ヶ月前にインタビューしたことがあります。一通り話を聞き終えた後、杉本氏の部下にあたる男性の自殺について「二橋氏がにぎりつぶし、小泉氏に伝えなかったと言われているが、政治家がからまない役人の独断ということがあると思うか」と聞いたところ、杉本氏は「当然、政治家の判断があったと思う」という趣旨の答えでした。該当する政治家は一人しかいませんが、これは憶測の域は出ないので名前は記しません…。

 ちょっと話を戻すと、尖閣に上陸した7人の中国人活動家が3月26日に強制送還されたその約10日後の4月6日に、政府は内閣官房副長官補付内閣参事官と総務省大臣官房参事官との連名で、「尖閣諸島の上陸について」という通達をひっそりと出しています。もちろん、報道発表などはされていないので、当時は知らなかったのですが、後に通達分を手に入れて読み、政府の姿勢に失望しました。内容は以下の通りです。

 《1.尖閣諸島の平穏かつ安定的な維持を図るため、政府は、平成14年4月から、同諸島の所有者から同諸島(入江に係る部分を含む。以下同じ。)の3島(魚釣島、北小島、南小島)を賃借しているところである。

 2.また、同諸島の所有者からも、正当な理由なく、同諸島への上陸、工作物の設置等(以下「同諸島への上陸等」という。)、を行うことは認められない旨の意思が示されている。

 3.賃借の目的を踏まえ、政府としては、あらかじめ認める場合を除き、同諸島への上陸等を行うことを禁ずる。》

 当時、政府関係者に確かめたところ、「従来の方針を改めて確認したにすぎない」と言っていましたが、日本の領土に中国人7人が強行上陸してまもない時期に、わざわざ日本人は上陸してはいけませんと通達を出す意図は何かと考え込んでしまいますね。まあ、中国側の出方に反発して日本側の有志が行動に出るのを恐れたのでしょうが…。日本は本当に長年にわたり、中国に対して腫れ物に触るようにビクビクしながら接してきたことの一例だろうと思います。


 先々週の水曜日、17日のことでした。夕刊当番で会社にいた私に月刊「WiLL」の編集者から電話があり、「いま、小沢不動産について調べているのですが、あなたのブログを引用してもいいでしょうか」という話がありました。断る理由もないので「どうぞお使いください」と答え、さて、どんな形で引用する気だろうかと思っていたところ…。

 

 こんな感じでした。私の今年1月28日のエントリ「資金管理団体が土地を買っているのは小沢氏だけ!?」を最近になって読み、面白いと思ってくれたようで、それはそれでありがたいのですが。WiLLの記事は、「『永田町の不動産屋』小沢一郎への公開質問状」というタイトルで、北野弘久・日大法学部名誉教授へのインタビューを再構成したような形でした。

 北野氏は、小沢氏が今年2月20日の記者会見で示した、政治資金で購入した不動産は自分のものにしないという内容の「確認書」について、「納税者・選挙民への説明義務を果たしたことにはなりません」「この『確認書』を作成したこと自体が、虚偽記載だと取られても致し方ないでしょう」「いかに弁解しようとも、私的資産形成であるとの疑念はぬぐえません」「小沢氏の『確認書』などは、まさにこの『偽計行為』、つまり『詐欺』に当たるという見方も成り立ちます」と手厳しく追及しています。

 また、小沢氏が不動産を売却する意向を表明していることに対しても「本件不動産をめぐる違法行為の疑いの事実は消せません。現在、問題になっている年金を横領した人が、返却すればいいということにはならないのと同じです」と明言しています。分かりやすいたとえですね。

 実は、産経も今年2月21日の朝刊1面で、この北野氏の「不動産の所有権などの権利は、あくまで小沢氏個人には存在せず、また小沢氏死亡後は小沢氏の相続人が相続できないことを公正証書の作成などで法的措置を講ずることが必要である。以上の諸要件が満たされない場合には、当該不動産の取得に充てた政治資金分を含め、現行法の下でも小沢氏個人の雑所得として所得税の申告を行い、納税をすべきである」とのコメントを掲載していました。本当に、小沢氏の政治資金問題には、数々の疑問点や不透明な点があるのです。

 小沢氏の件に関しては、最近になって、AERAが「『政治団体が所有』という実態への疑念 小沢と都心マンション」(10月15日号)、週刊文春が「小沢一郎『10億円不動産』『25億円現金』の核心部分」(10月25日号)、サンデー毎日が「盛岡、仙台、東京…『購入不動産10件』全公開 小沢一郎はなぜ『マンション』が好きなのか」(10月28日号)…などと雑誌メディアがよく取り上げるようになりましたが、本当にどうして今なんでしょうね。この疑念については、今月9日のエントリ「小沢不動産問題・ニュースはつくられる!?」でも書いたので繰り返しませんが…。

 最近は、なんとか食欲も戻り、三食きちんと食べられるようになったという安倍前首相も周囲に「自分のときはたいした問題ではないことまであれほど大騒ぎになった政治とカネの問題が、すっかり沈静化しちゃったね」と苦笑していると聞きます。福田首相自身にも、100枚を超す領収書改竄問題などが発覚したのに、テレビのワイドショーは騒ぎませんし、なんだかなあ、という感じです。

 で、私は自分が出ているかもしれないと思い、26日金曜日の午前中に外務省内の書店でWiLLを680円出して買い求めていたのですが、その夜、帰宅すると自宅にもWiLLが一冊届いていて、「しまった」と感じました。実は出版元の鈴木社長とは、8年ほど前に縁合って一緒にカムチャッカ、サハリンに行き、知遇を得ていたのです。それで先日、久しぶりに電話をいただき、「本を送るから住所を教えて」と言われていたのでした。たかが680円で損をした気分になる自分は相当せこいなと、小沢氏の豪快な不動産の買いっぷりと比較して反省した次第です(後に編集物からも一冊届き、WiLLが3冊になってしまいました)。

 話は飛びますが、このWiLL12月号には、自民党の中川昭一元政調会長のインタビュー記事も載っていました。中川氏は、安倍氏についてこう語っています(WiLLの宣伝ばっかりになると私の立場上まずいので、今度は「正論」の宣伝もやろうかと思います。正論編集部のHさん、どうかご容赦ください)。

 《安倍さんは私より論理的で、お祖父さん、お父さんの関係から人脈も広く、冷静に物事を見ていた。非常に真面目だし、私と違って酒も飲まない(笑)。私よりも歳も若く当選回数も少ないけど、若い世代の「親分」として、慕う議員は多かった。
 何より、ちゃんと表立って行動していました。父親の晋太郎先生は、少なくとも私の知っている限り、自分から前へ行くのではなく、最後の最後、土壇場で自分の力を発揮するタイプでしたが、安倍さんは最初から行動して戦う姿勢を見せていました。》

 私のブログのコメント欄にも、先月12日の辞意表明以降、安倍前首相辞任を惜しみ、再起を期待するたくさんの書き込みが寄せられました。その中には私に、「機会があればこの気持ちを安倍さんに伝えてほしい」というものも複数ありましたので、先日、そのうち36のコメントを選び、印字して安倍氏サイドに届けておきました。きっとご本人も目を通してくれていると思います。この場を借りてご報告まで。


  福田政権が誕生して一ヶ月が過ぎた昨日、福田首相は拉致被害者家族らと就任後初めて面会しました。その模様は弊紙でも伝えていますが、例によって例のごとく新聞紙上では伝えられることに限りがあるので、きょうは福田首相の冒頭あいさつや、面会後の家族会メンバーのコメントをできる限り紹介します。このイザの記者ブログは1万字までなので、残念ながら「救う会」の西岡力東京基督教大教授のブリーフは割愛しました。なお、西岡氏によると、福田首相は「皆さん方と一体になりたい。私を毛嫌いしないようにお願いします」と述べたそうです。自分が家族会にどう思われているのか意識し、気にしているようですね。

《■冒頭の福田首相挨拶

みなさまこんばんは。きょうはこういう時間になりまして大変申し訳ないなと思ったんでありますけれども、各地からわざわざ駆け付けてくださりましてありがとうございます。私も実は、もう少しみなさまに、早くお会いしたほうがいいと思っていたんですけれども、私の政権も急にできましてね。国会行事もずっと詰めておりまして、先週ようやく参院の予算委員会が終わり、まあ、いささかでございますけれども、ゆとりができたということもございます。

また、私は実は、官房長官を3年半前に辞任いたしまして、以来、空白だった。ですから、この北朝鮮との関係の実態についてよく承知をしておりませんでした。ですから、私総理に就任してからいろいろな話をうかがって、どういう状況になっているかということもですね、調べたりしまして、その中で中山恭子首相補佐官にもよく聞いてまいり、ようやく最近になりまして、どういう状況かなという感じがつかめてまいりました

私も自民党の総裁選挙の最中において、この問題を解決したいと実は申したんでありますけれども、それはですね、当然のことでございますけれども、みなさま方、一日千秋の思いで待っていらっしゃるんでしょう? そういうお気持ちに政治家としてこたえないわけにはいかない。こういう思い。これは私はズーッと持っています。

小泉総理が最初に平壌に行かれました。大きな決断をされました。そして5人の方々が帰られましたね。あの決断もですね、総理、本当によくやってくださったと思いますよ。大変大きな、勇気ある決断だった。そういうことが実現したのはですね、小泉総理の1日も早く帰ってきてほしいと。今までさんざん交渉してきたんです。だけども、うまくいかなかったんですね。しかし、小泉総理が訪朝するという決断をしてくだすった。その結果、5人も帰ってこられたということもございますし、それに引き続いて翌々年、家族が帰ってこられた。そしてまた、その年に3人。ジェンキンスさんを含めて3人帰ってこられた。合計13人の方々が帰ってこられたんですね。小泉総理がよく決断してくだすったと思いますよ。

そういうような思いは小泉総理も私も同じなんです。向こうにおられる方に1日も早く帰っていただきたい。この思いだけをもって私どもは考えている。努力をしているわけでございます。で、その思いは今でも持っております。また、単に拉致された方々が日本に帰ってくることももちろん、人道上の問題として大きな問題でありますけれども、同時に、当たり前のことを、北朝鮮の人にやってもらいたいと強く求めるということもあります。そしてできれば、北朝鮮との関係も修復したいと思っておりますけれども、その第一歩がこういう思いでこれからもその思いを強く持って交渉していきたいと思います。

横田滋さん挨拶

今総理がおっしゃったように、6年前に5人の方がお帰りになり、また、●(聞き取れず)のお子さんもお帰りになりまして、生存者が発表された人は全部帰ってきております。また帰国された方が5年と言うことで、記者会見をされていましたが、それぞれ地域に溶け込んで、学校に進んだり、皆さん、●(聞き取れず)ですけど、非常に感謝していることをおっしゃっていました。非常にありがとうございました。

しかし、それ以外の12人につきましては、未入国または死亡ということを主張して、具体的な進展はございません。先般の総裁選の時に、福田候補が、自分の手で解決をしたいと強い意志を表明して頂いて、家族としては、非常に心強く思っておりまして、それが結果につながっていくことを期待しております。
 

(※マスコミ退室、その後、約45分間ぐらい面会。以下、終了後のカメラありオンぶら)

 

横田滋さん

記者 改めて今の感想は。

 

横田氏 拉致を解決するために、総裁選の時に自分の手で解決したいといっていたが、その感じは現在も非常に強くて、政府が一体化して事に当たっているということで。我々はあまり思わなかったけれども、今が一番いい交渉のチャンスだと。例えば、核をやったり、ミサイルをやっているときは交渉どころではないが、核を無能力化をやっているということは、自分の大事なものを廃棄するということは何が目的かというと、やはり日本の経済協力などが必要だから、逆に交渉のチャンスが出てくるとおっしゃっていました。ですから、このところ膠着状態が続いていたが、これから期待が持てる感じがした。

 

記者 町村官房長官、高村外相の食い違い発言が報道されているが。

 

横田氏 それについては、ある程度分担して増元さんが質問した。しかし、明確な答えはなかった。やはり前から政府の方針としては定義をもちろん持っているが、進展がないとか言うと相手がそれに合わせてくることがあるかもしれないので、曖昧にしておいたほうがいいということで何も言わなかった。

 

記者 今まで家族会は圧力を加えることが運動方針だったが、総理はこれからいろんな方法で交渉していくといっていることは、若干ずれを感じるが。

 

横田氏 それは運動方針にはむしろ、圧力を強めるような形に決めたみたいだ。やはり対話をすると言うことは、圧力という背景がなければ、効果がないと思うので、それは今まで通り続く。例えば10月13日で制裁の期限が切れるが、制裁を継続するんだけれども、環境が変わってきたということでチャンスがきたというような気がするんですね。

 

記者 自分の手で解決したいと総理から言及があったが、家族会としてはどう受け止めているか。

 

横田氏 家族会のほうも、そういうことを非常に期待していますといっていたが、また、最後のあいさつの中でもその言葉が出て参りました。

横田早紀江さん
 非
常にユーモアある方だったし、こういう状況で拉致問題は一生懸命取り組まなければならないと政府が一体となって、家族も一体となって、いっしょにみんなで救出するために頑張りましょうということで非常に心強く感じた。今度は本当に取り返してもわらなければならないし、子供たちは海におぼれている状態のままで長い間助けを求めている。泳いでなりブイを投げてくれるなり、何らかの形で必ず救出していただきたい。そして信じている。「自分の手で解決したい」という首相の発言には本気になってやってくださるんだという姿勢を見た気がするので私たちは期待している。必ず取り返して下さいと言うことを一生懸命言ったので、分かって下さったと思う。

年前のときは死亡宣告とか非常事態だったからそれぞれがみんなびっくり動転していた状態。これからの総理として、私たちが家族としてお願いした。一番いいようになるように一体となってやろうとおっしゃっている。

 

飯塚繁雄さん

記者 首相になった福田さんと初めて面会し、前の印象と比べとうか

飯塚氏 さすがに総理大臣となったので、いま重要課題を、拉致問題という認識、意識はかなり上がってきているなと。しかしながら、総理いわく、3年のブランクがあったんで、その間、何も出来なかった、と。総理になられてからいろいろいま忙しい中だが、拉致問題をしっかり自分自身で認識して取り組みたいという意気込みは、ちらっと感じたが、でも、前の総理大臣とどうも比較してしまうのだが、真面目にやるという雰囲気はわかるが、意欲とか覇気とか絶対とか、そういったことがちょっと見受けられない、感じられなかったというのが正直な気持ちだ。

 で、先ほど説明あったと思うが、拉致の解決はいまがチャンスだ、なんとか早く解決したいんだという気持ちは相当もっています、と。いまいろいろ交渉でいろんなかたちでプロセスが進んでいるが、それをきちっと注視、注目していきたいということだが、早く解決しようと言う気持ちと、注視しているという、なんか相反する感じがちらっとはしたが、それでも総理は、みなさんの家族の思いを今日相当聞かされました、さらにそういったいわゆる国民に対する政府としての責任、相当感じていたようだ。

 それと私は特にこの問題が6者協議の枠組みの中で解決する歩みをとっているので、それについてはアメリカの協力というか支援が絶対だ、という話をした。とくに最近いろいろ取りざたされている北朝鮮のテロ支援指定国家の解除とか言う問題については、絶対そういうことがないように、強くブッシュ大統領に言って下さいと。我々も訪米団を組んで11月11日に訪米し、向こうの賛同してくださる議員とともにアピールを重ねて、新しい法案をつくっていくというような動きを要請している。

それから日本の大使館も昨日、一等書記官と話したが、一部、毎日新聞に誤解されるような記事が出ていて、アメリカ大使館については100%日本を支持する態度がものすごく硬い。ご承知の通り、シーファー大使もブッシュ大統領に対して直接電報なり、電話なりして、北朝鮮のテロ支援国家の解除は絶対あり得ない、してはダメだという強い意見をもっている。もしそれが解除になるようだったら、同盟国として裏切る行為になるという強い話までしているようだ。

昨日の一等書記官も、それをさらに精密に、あるいは中身を濃くしながらアメリカに報告するために私たちの話を聞きたいと言うことで、その中には特に拉致問題の解決、あるいは拉致問題の進展とは何かという定義付けの話もあった。私たちは、進展というのはあくまでも金正日が拉致問題すべて日本人を帰すという約束があって、帰してくる作業を始めたときに初めて進展だというふうにみんなであわせております。

どなたがいったか知らないけれども、3人帰ってくればそれだけで進展かという話がありますけれども、そうではないと。全体が結論的に帰すという約束がとられて、その段階でいっぺんにという状況にはないが、どんどん帰ってくる、そういう作業がはじまったときには進展だと認識しているので、誤解のないようにお願いします

 

記者 訪米とテロ支援国家の解除について質問されたと思うが、総理からどんな話があったか?

 

飯塚氏 私は質問ではなくて、要望みたいな話でしたので、答えるという、そういった形じゃなかった。ですから直接訪米してブッシュさんにこう言います、ああ言います、あるいはそういったことを約束しますといった話はなかったんですよ。だから私が要請した言葉に対して反論とかそういうものはないからですね、受けていただいたという認識ですね。

 

増元照明さん

記者 増元さんから、高村外相が進展についての定義について、これまでの定義を覆すような発言があったことについて質問したようだが、総理のリアクションは?

 

増元氏 とにかく高村外務大臣のそのような談話が出された。私たちは昨日アメリカ大使館に行ったときに、以前から日本政府の方針として進展の定義とか、解決、それは家族会のメンバーも一緒なんですけれども、それをうかがったので、変わっていないんだろうと思ったのですが、高村大臣の発言を聞いて、確認をしてみたいなと思ったのでおうかがいをしたが、総理としては普通に聞いておられました。

で、私が話をしているときに、中山補佐官のほうから、手を振って、今までの日本政府の方針は今までの変わりないということを意味されたと思うんですけれどもね。規定方針通りだというふうには理解します。

 

記者 高村さんの発言についてはどう思うか?

 

増元氏 それも私たちがうかがっている日本政府の進展の定義と違っているので、今政府は一体となってやってらっしゃるというので、これからおそらく補佐官とも総理とも外相ならびに官房長官含めてお話を深めていただけるというふうに思いますし、日本政府の方針は変わらずにいるというふうには思っています。

 

記者 福田総理の印象は?

 

増元氏 テレビで見ているのと同じような雰囲気でした。国会答弁と全く同じような話し方で、ほとんど変わられないんだなと思いますね。

 

記者 お会いになったらお聞きになりたいことがいっぱいあったと思うが?

 

増元氏 ええ。今回は私たち、本当にもう、一国民としてお願いするべきことだけお願いしようという気持ちでおりましたし、我々のできることは本当に小さいです。ですからあとは政府に、総理にやっていただくしかないので、お願いをしてきました。

 

記者 険悪な雰囲気とか、総理の耳にいたいようなやり取りは?

 

増元氏 ありません。はい。一切ありません。

 

記者 友好的だった?

 

増元氏 友好的でした。

 

記者 増元さんとしてこれで大丈夫だと思いましたか?


増元氏 ちゃんとやっていただきたいと思っております。期待をしていきたいと思っております。

 

記者 福田首相は冒頭で小泉さんの話はいっぱいされていたが、安倍さんのことは全く触れなかったが。

 

増元氏 そうですね。

 

記者 それについてどう思ったか?

 

増元氏 いや、あの、我々サイドとしては安倍さんの制裁の継続をやっていただきたいと思いますけれども、今、福田総理から安倍総理の話が出ないというのは、トラウマになってらっしゃるのかなと思いますけれどもね。でも、今回、北朝鮮への制裁を継続していただいたことに関しては感謝を申し上げて、今後ともよろしくお願いしますというのは申し上げましたが、真意は伝わっていると理解しています。

 

有本夫妻

記者 この前、横田さんが「制裁一辺倒ではいけない」と話をしてましたが

 

嘉代子さん それは(今日は)おっしゃりませんでしたけれども。マスコミさんがそれを捉えて言ってるみたいですけど。やっぱり、私たちは制裁をしないといけないと。話し合いしよったらダメなんですよ。一番最初にアメリカに行きました時に、向こうの人が「この国と交渉するときは、物を先に与えてするということは絶対ダメですよ」といってたんですよ。話し合いということになると、非常に難しいんですよ

 

記者 福田さんの決意みたいなものは感じました

 

明弘氏 福田さんかて、自分の内閣の命運がかかっとるやん。わかりやすく言うたら。選挙かて、このままでいったら、わからへんやん。自分の内閣のときに、死んだいうてた人が何人か帰ってきたら、これはええことだわな。

 

嘉代子さん 総理は「今、内閣が一体となっておりますから」とおっしゃった。「この問題に取り組んでいきますので」といってましたね。

 

記者 ご夫妻からは総理へは何を言われましたか

 

嘉代子さん 1990年に金丸さんが北に行かれましたときに先遣隊で、石井(一議員、民主党)さんが行ったんですよ。(石井氏が国会質問で拉致問題について)●(聞き取れず)を総理に言われましたでしょ。だからこの人(明弘さん)は「そんなこと言うだけの資格は(石井氏)にない」と言ったんですよ。

 

記者 お母さんは

 

嘉代子さん 私は、このごろ深刻に思うことは、足が悪くなってるので、いつまでこの運動ができるかな、という不安がずっとついて回ってるんです。だから1日も早くしていただきたいと思うんですよね。松本さんが、私は家族会の貫いてる人たちだけを助けて済むもんとちがうんですから、これを解決しようと思ったら特定失踪者460人、全部が全部そうではないでしょうけど、これもともに解決しないと、拉致は解決したとは言えないです、と高村(外相)さんが言うたでしょ「何人か帰ってきたら」と。あれは評価はできない。これは解決にならないですからね。そのときに物を出すってことになったら困るわけです。

 

明弘氏 日本は、アメリカと共同歩調を取らんとあかん(首相は)踏み込んだことは言わなかったけれども、今がチャンスの到来、というようなことを、ちょろっとひと言だけしゃべった。

 

嘉代子さん だから今、アメリカの核問題が年末には解決するもんと言うてますもんね。そこのとこにぱっと拉致問題も乗ってくれたらいいと思うんですけどね。セットとして。

 

明弘氏 否応なしでも乗るんやて。

 

嘉代子さん アメリカが言うてきてますもんね。やはり、いくらかアメリカも出さないといかんでしょそれを、日本にも援助してくださいと。新聞で見ましたけれどそのときに、拉致問題も合わせて解決するとなったら一番いいんじゃないかと思うんですよね。

下手しよったらね、私らが懸念してるのは(北が)何人か出してくる感じがするんですよね。そしてその何人かは、案外、特定失踪者から出してくるんじゃないかなと思うんです。今、死んだ人は死んだで押し切ってますでしょ。そこんところは私たちはちょっと心配してます。国民がそこのところまで、マスコミさんが明らかにしてくれてないから、金が北に流れるということを全然理解されてないですからね。国交正常化イコール、莫大なお金が北に流れるということですからね。そこを、マスコミさんがきちっと説明してくれたら…。

 

記者 それは総理にも伝えられましたか

 

嘉代子さん あんまり今日はね、言わないように。それはあんまり言わないように、前もって私ら打ち合わせして、今日は総理にはとにかく「よろしくお願いします」というぐらいに(と話し合った)

 

記者 福田総理らの発言で、おっと思ったものは

 

明弘氏 「チャンスが近い」というようなことをちょろっとひと言いうた。

 

嘉代子さん それは私も同感ですよね。その機を外さないように。アメリカもそんなに長いこと引っぱらないと思うんですよね、核問題をね。早く片づけないといけないという気持ちありますからね。

 

明弘氏 あんまりアメリカが焦ったら、向こうの手に乗る可能性もあるからな。そこは日本が、日本の原理原則で、アメリカの原理原則を踏まえていってくれたらええんやろ。ついこないだまでは(米国は北を)悪の枢軸や、言うてたんやからな

 

嘉代子さん なんか、どこかでぱっと変わりましたよね。中間選挙でかなり負けましたよねブッシュさん不利でしたね。だから、あれから変わったのかな何で変わったのかな、という気がしてますよね。私たちの感覚ではアメリカの力で押し切ってくれると思ってたのが、ぱっと変わってしまったので、そこがなんでかなという気がしてますけどね

 

記者 横田さんの総会での発言「制裁一辺倒ではいけない」のこと、そのことについて家族会のなかで話はされてないんですね

 

嘉代子さん ないんですないんです

 

記者 ご夫妻としては、それはあり得ないですか

 

明弘氏 新たな制裁を加える必要はないけどな、安倍さんがやってたことを、何もないのにこっちから解除することは絶対あらへんで。福田さん、いっぺんに人気落ちてしまうやん。

 

嘉代子さん (北船籍の船舶入港禁止などの制裁を)半年間、10月に延長したんですよね。でも、昨日の新聞載ってますけど、自転車なんかものすごい抜け道あって、輸出されてるんですよねだからそこのところはどうなんかなと思いますけどね。

 

明弘氏 家族会がどういうニュアンスで行くのかということを、佐藤さん(救う会会長)に聞いたんや。佐藤さんが、自分から言わんと、というから、俺は「褒め殺していくほうがええやろ」思って言うたんや。

 

嘉代子さん 今日のお話の一番最後に総理が)「あんまり嫌わないでください」って)。

 

明弘氏 誰も昔のことしゃべらへんかってやからな。むこうからお返しが来たわけやからな。最後だけ笑いがあった。

 

記者 実際に話して、印象は変わりましたか

 

明弘氏 印象としては、雰囲気よかったんちゃう?

 

記者 政府の人から、アメリカの指定解除の動きについての発言は

 

明弘氏 解除のことは、アメリカの大使館のシーファーさんが本国に(解除しないようにと)福田さんが行くまでには、それぞれの人が行くんちゃう。アメリカに、勝手にすることだけはやめてくれ、と言うやろ。

 

嘉代子さん 私らにしたら、ほんとにおかしいと思ったら、蹴ったらいいと思うんです。でも、行かれてる外務省の方はそういうわけにはいかないんでしょうね

 

明弘氏 人質捕まえて金出せというのと同じやんか。規模が大きいか小さいかの違いやろ。片っぽは核武装してるつの国やからな。1988年から来とるんやからな。これは。社会党が招待してそれをしゃべらしてるやん

 

記者 福田総理が「チャンス」といったのは、これこれこうだからチャンス、とは言っていたか

 

嘉代子さん 前段はこれ、と言う風にはないですね。政府としたら、ほんとにきちっと、政府あげて、みんなで、中山さんとか、全部で、この問題に対してはきちっと国として解決せないかんいう気持ちで動いてますから、と。今までとはちょっと違います」ということは言われましたね

 

記者 違う気持ちはされましたか

 

嘉代子さん はっきり言うたらね、山崎拓さん、加藤紘一さん、古賀誠さんでしょ。この人たちが入ってきてる政府で、どうかなー、という気は正直ありますね

 

記者 総理自身はどうですか

 

嘉代子さん 総理自身はね、あの人たちみたいには悪いとは思ってないんです。私はね。

 

記者 本当にそういう思いでやってくれるんじゃないかなと?

 

嘉代子さん うん。そういう気はあるんですけど。でも、はっきり言うたら担がれた人でしょ。なかなかあちらの人たち山拓氏ら)を軸にして動くんじゃないかな、という気持ちがある。言えないですけど。大丈夫かなー、という気はある。もう、山崎拓さんなんか最たるものですよねえ。加藤さんも米50万トン出したでしょ。そういうことした人が、肝心なところにおるんだからという気持ちはありますよね

 

記者 実際にどこまで大丈夫かなと思うと

 

嘉代子さん 正直な話、そんなことないと思いますけれども、そういう気持ちを私は持っております福田さん自体は、話をしてたらそんなに悪い人という感じはしないです(笑)》

 実は私もたまたま昨日、元政府高官と話をしていて、有本嘉代子さんのご懸念とよく似た話を聞いていました。その話というのは、「福田政権下で北朝鮮は拉致被害者を数人帰してくる可能性がある。ただ、それはわれわれがよく知らない被害者か、(北に家族を人質にとられている)寺越武志さんのような人物だろう。横田めぐみさんは生きているとしても、北には帰せない事情があるのだろうから」というものでした。その上で、あとの被害者は死亡したか、もともといないということにして拉致問題は解決、1兆円規模の対北支援開始ではたまったものではありませんね。

 この元政府高官は、「米国のヒル国務次官補は、北とテロ支援国家指定解除について密約しているのではないか」との疑念も示しています。米国の田中均氏ともいわれる韓国びいきのヒル氏とライス氏のラインが、米政府内でも独走している疑いは、多くの人が共有しているところです。ブッシュ大統領は、安倍前首相との間では「この問題でアベを困らせることはしない。ライスが何を言おうと、俺と君とで決めればいいことだ」と約束していましたが、福田首相と同様の約束をしているわけではありませんし…。


 今朝の新聞各紙は、小学6年生と中学3年生を対象に43年ぶりに実施された文部科学省の全国学力テストの結果を報じています。特に産経は独自に教科全体の成績を集計した表を1面に載せています。学力テストの正答率が高い県が、必ずしも私のイメージ(先入観)とは一致せず、へえ、と考えさせられました。

 さて、その中で私が注目していたのは、学力テストの成績とその都道府県の日教組の組織率との関連性がどこまであるか、ということでした。果たして、日教組が強い県の教育効果・事情はどうなっているのだろうかと知りたかったからです。それで、今朝の産経の表と、教育委員会月報(平成18年12月号)に掲載されている都道府県別教職員団体加入状況のグラフとにらめっこして見てみたのですが…。

 結論から言えば、成績と日教組の組織率とが関係するかどうかは「どちらとも言えない」(元神奈川県教組委員長の小林正・元参院議員)ということのようです。確かに、北海道(組織率5割超)、三重県(同8割超)、大分県(同約65%)のように、教組の政治活動が活発で、国会前の座り込み運動でも「常連」であるところの成績は、あまりよくありません。これを見る限り、一定の関係がうかがえるのは事実です。ただ、秋田県のように、日教組の組織率が5割を超えているのに成績はトップクラスという県もあり、一概には言えないようでした。地域性が大きいのでしょうね。

 また、個人的に非常に興味があった民主党の輿石東参院議員会長のお膝元、山梨県(同8割超)の成績も、とりたてて良くはないものの、まあまずまずというところでした。うーん、山梨県民には申し訳ありませんが、「あれだけ政治活動に教員がかり出されているのに…」とちょっと意外でした。ちなみに、日教組活動が活発なことで有名な都道府県など、個人的に気になったところをいくつか抜き出すと、47都道府県での順位は次のようになりました。ちなみに、組織率は文科省が各都道府県教育委員会に問い合わせた数字で、「あくまで教委側が把握している範囲」(初等中等教育企画課)なので、実際より多少低めになっているようです。

 ・北海道(組織率5割超)  小学校46位  中学校44
 ・岩手県(同   4割超)  同   10位  同   39位
 ・秋田県(同   5割超)  同    位  同    
 ・神奈川県(同  6割超)  同   27位  同   34位
 ・新潟県(同  7割近く)  同   17位  同   22位
 ・山梨県(同   8割超)  同   29位  同   20位
   ・静岡県(同   6割超)  同   14位  同    
 ・愛知県(同   約6割)  同   22位  同    
 ・三重県(同   約8割)  同   42位  同   29位
 ・大阪府(同   3割弱)  同   45位  同   45
 ・兵庫県(同  6割近く)  同    23位  同   27位
 ・岡山県(同   約6割)  同   39位  同   38位
 ・福岡県(同   約3割)  同   38位  同   40
 ・大分県(同  約65%)  同   44位  同   32位
 ・沖縄県(同  約35%)  同   47位  同   47

 …ここから何が読み取れるのか、あるいは特別な傾向性はないのか。ただ、日教組は長年にわたり、全国学力テストに対し、「能力主義による差別・選別を教育現場に持ち込むものだ」として、ボイコットなど反対闘争を行ってきました。今年に入ってからも、北海道教職員組合(北教組)が所属組合員に対し、学力テストへの非協力を指示していたことが発覚しましたね(私の1月24日のエントリ「読売GJ!北海道教組のいじめ黙殺」と2月15日のエントリ「日教組とゆとり教育をかばう毎日社説と北教組」を参考にしていただければ幸いです)。

 特に北教組は、民主党の鉢呂吉雄ネクスト外務大臣の選挙運動を活発に展開しているほか、教育基本法改正案審議中などには、平日の朝から夕まで国会前に連日、数十人から数百人の座り込み部隊を送り込み、ひたすら所在なげにたばこを吸ったり、おしゃべりしたり、道に寝っ転がったりしていました。私は、「こんなんで子供の教育は大丈夫か」と懸念していましたが、やはり大丈夫とはいかなかったようですね。大分県教組もしょっちゅう、国会前で見かけました。

 余談ですが、民主党の「次の内閣」には、鉢呂氏のほか、輿石東ネクスト副総理、神本美恵子ネクスト男女共同参画担当相が入っており、日教組の組織内候補が3人もいます。神本氏は自身のホームページでこの学力テストへの批判と懸念を表明していますし、やはりいろいろと考えてしまいます。

 前述の小林元参院議員によると、児童・生徒の学力は、日教組の組織率自体よりも「児童中心主義の教育をやっているところ、ゆとり路線で、児童の指導ではなく、児童の支援の教育実践をしているところ」での低下が著しいそうです。また、「日教組の組織率と関連がはっきりしているのは、校内暴力の発生率の方だ」とのことなので、いずれ調べてみようと思っています。

  ※午後1時追記 参考までに、昨夜の福田首相ぶらさがりインタビューから、学力テストに関連する部分を紹介します。この人の言動の「軽さ」がよく表れているように感じたもので。23日に再開した教育再生会議でも、福田首相の教育観は全く見えなかったと言いますし、われらが総理大臣さまって…。
 

 《記者 全国学力テストの結果、日本の子供たちは知識を活用したり、表現力に課題があることがわかりました。今後、どのような教育が必要と考えるか

 福田首相 んーですから、今言ったようなことをね、これを補う形でね、教育は、まあされればいいと思いますけどね。まあ、あのーやっぱり、基本的なことがね、教育の面では大事なんじゃないでしょうかねえ。特にあの初等教育とかねえ。そういう面では、生活をきちんとするってこと、ねえ早寝早起きとかね、それから朝ご飯ちゃんと食べるとかね。こういったような基本的なことを、しっかり家庭でやっていただくということが、最高の教育だと思うけどねえ。そしてそのうえで、あのー、読書するとかね。あなた方のあんまり得意でない、読書、ですよ。そういうことをね、やるなんてのは、いいんじゃないでしょうかねえ。読解力がないっていうから。やっぱり本読むしかないですよ。ケータイメール。まあこれはしばらくおあずけかな?(意味不明)

 記者 テスト結果による学校選別や序列化を助長するのではないかとの指摘にはどう考えるか

 福田首相 今日発表になったのは県別の、数字ですねえ。ですからねえ、これは、各学校はその県別の数字をね自分の県、がですね、どういう水準かなと参考にして、参考にして。あとは学校自身がね、おのおのの学校が、どうしたらいいかということをそれぞれに考えてやって欲しい。あくまでも参考ですから。これはね。各学校ごとの数字じゃありませんから。県別のやつですから。

 記者 今後も定期的に実施していく考えは

 福田首相 さあーどうでしょうかあのー参考にするという程度なら続けても良いように私は思いますけれどもまあしかし文科省でどんなようにね考えるかとかっていうことありますから、あのーそちらの方で的確な答えを出すと思います。》 


 

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