2009年01月

 

 とうとう米国で新政権が発足しましたね。なんだかんだ言って、初のアフリカ系大統領の誕生で、米国は新しい一歩を踏み出すことになるのでしょう。そしてそれは、世界にもさまざまな影響を与え、世界のありよう、枠組みを変えていくのかもしれません。日本時間のきょう未明に行われたオバマ大統領の就任演説を見ていて、そんなことを考えるとともに、演説の中身を読んで、指導者と国民との間で国家に対する認識の大きな部分が共有されている米国が少しうらやましくも思えました。

 

 就任演説について、今朝の産経は1面で「新しい責任の時代」と大見出しをつけ、3面のワシントンの有元隆志記者の記事で次のように指摘しています。

 

 《オバマ氏は選挙戦などでたびたび「責任」の重要性に言及してきた。それは政府の責任であり、一人一人の責任でもあった。

「責任」に重きをおいたのは、1961年に同じ民主党のケネディ元大統領が就任演説で、「国があなたたちに何ができるかではなく、あなたたちが国のために何ができるかを問いかけよ」と訴えたのを意識したとみられている。》

 

 確かに、就任演説でオバマ氏は、現下の経済危機についてもその責任は「困難な決断を行い新たな時代に向けた準備を怠ってきた我々全員にもある」と述べ、国民を免責していません。日本だったら、首相をはじめ政治家がこういう言い方をしたら、どういう受け止めをされるだろうかと考えました。もちろん、米国と日本はこの問題に対する立場が違いますし、また直接民主制と間接民主制の差異もありますが、国民にも「責任」を問うということが、日本では許容されるだろうかと。そこで以下、外務省の仮訳をもとに、演説から私が気になった部分を引用してみます。

 

 「政府ができること、そしてやるべきことに関する限り、この国が依存するのは、米国民の誠意と決意である。それは、堤防が決壊した時に他人を迎え入れる優しさであり、友人が職を失わないように自らの労働時間を削減する無欲さであり、煙に包まれた階段を駆け上がる消防士の勇気であり、また、子供を育てようという親の意思である。こうしたものこそが、最終的に我々の運命を決めることになる」

 

 「勤勉と正直、勇気とフェアプレー、寛容と好奇心、忠誠と愛国心といった、我々の成功が依拠する価値は古くからのものである。これらは真実である。これらは我々の歴史を通じ、進歩の静かな原動力であった。必要なのは、これらの真実に報いることである。今、我々に求められているのは、新たな責任の時代、すなわち、米国民のそれぞれが、自らと国家及び世界に対し義務を負っていることを認識することである。困難な任務に対し全力で奉仕すること以上に我々の精神を満足させるものはないということを強く認識し、嫌々ではなく義務を果たすことである。これこそが市民権の代価であり約束である。これこそが我々の自信の源である」

 

 …国の歴史も成り立ちも人種構成も宗教も、何もかもが異なる米国と単純に比較するのは乱暴であることは分かっていますが、改正教育基本法に「愛国心」という言葉を盛り込むことすらマスコミや与野党内の猛反発でできなかった我が国とは、やはり全く違うなあと感じ入った次第です。また、日本で首相や政府高官がこういうことを述べたら、国民としての当事者意識の薄いマスコミや左派・リベラル系国会議員らからふくろだたきに遭うのではないかとも思いました。

 

 直接であろうと間接であろうと、民主主義制度下においては、国民(有権者)に政治のあり方に対する責任があるのは当然のことだと考えますが、その点を指摘することは日本では何かタブーのようになっている気がします。マスコミは、政府や政治家の批判は書き放題でも、その政治家を選んだ有権者に批判の目を向けたり、応分の責任の負担を求めたりすることは決してしません。というか、そんな反発を買うような恐ろしいことは考えもしないことでしょう。

 

 で、今朝の新聞各紙を読んでいたところ、少し面白いことに気付きました。毎日新聞は1面トップと6面を使ってこのオバマ就任演説の内容について詳細に報じているのですが、私が注目した部分がなぜか省略されていたのです。訳の巧拙はあえて言いませんが、例えば「忠誠と愛国心」の部分や「これこそが市民権の代価であり約束」といった部分は毎日の記事からは抜け落ちていました。たまたまかもしれませんが、同様に詳報を掲載した朝日にはちゃんと載っていましたし、毎日の訳者だか書き手だか編集者だかの好みや考え方、意向が反映しているのかもしれませんね。私は実際、ここはとても大事な点だと思うのですが。

 

 

 さて、私は2007年7月13日のエントリ「槙枝日教組元委員長『教育荒廃の責任の半分は日教組』」(http://abirur.iza.ne.jp/blog/entry/228548/)で、1971年から83年まで12年間もの長期にわたり日教組の委員長を務め、「ミスター日教組」「輝ける委員長」と呼ばれた槙枝元文氏にかつてインタビューした際のやりとりについて取り上げています。槙枝氏と言えば、北朝鮮崇拝者として知られていますが、このときのエントリの趣旨は、槙枝氏が戦後の教育荒廃の責任の半分は日教組にあるということを認めた部分が主でした。槙枝氏の北との関係に関しては、いずれ機会を改めて書こうと思っていたのですが、それが果たせないまま、いつの間にかずるずると1年半が過ぎてしまいました。

 

 ところが本日、その槙枝氏に関するある資料がたまたま手に入ったので、再び取り上げてみようと思います。昨日の参院予算委員会では、塩谷立文部科学相が「教育の政治的中立はありえない」と言い放った現在の日教組のドン、民主党の輿石東参院議員会長の発言について「そもそも教育は中立かつ公正に行われるべきもので、教育の政治的中立を確保することが重要だ。そのために教育基本法第14条第2項において学校における特定の政党を支持、または反対する党派的政治教育を禁止するもので、教育公務員特例法においては、教員の政治的行為は一般の地方公務員より厳しく制限されている。関連法案においても教育の政治的中立を敢行するために規定が設けられているところで、仮に、そういった規定に反するという意図であれば大変問題になる」と答弁したばかりですからね。

 

 槙枝氏の言動を見れば、日教組と政治的中立がそもそも最初から水と油の存在であることが、より鮮明になることでしょうから。資料によると、まず、槙枝氏の現在の所属団体と肩書きは、次の3つであるようです。

 

    朝鮮の自主的平和統一支持日本委員会(議長)

    自主・平和・民主のための広範な国民連合(名誉代表世話人)

    日中技能者交流センター(会長)

 

 いきなり「朝鮮」という文字が出てきました。この団体に関してはネットで検索してもらえばどんな活動をしている団体か分かります。まあ、これまでの集会でのアピールや決議をみると、「在日外国人の基本的人権すら守らず侵害する日本政府」(05年)、「共和国(北朝鮮)が在韓米軍と在日米軍の脅威に不断にさらされている」(06年)、「拉致問題の解決を前提とせずに、日朝国交正常化交渉に臨むこと」(07年)などを主張していますから、つまるところそういう団体です。しょっちゅう訪朝している団体のようで、次に記す槙枝氏のここ10年ほどの訪朝歴を見てもそれが分かります(槙枝氏は日教組委員長時代にも訪朝し、「この国には泥棒がいない」などと金日成主席を賛美していますが、きょう入手した資料には最近の訪朝歴しか記載されていませんでした)。

 

    1986年10月 「朝鮮の自主的平和統一支持日本委員会代表団」

    1991年7月  「日朝友好親善の船参観団」

    1997年12月 「朝鮮の自主的平和統一支持日本委員会代表団」

    1999年8月  「同」

    2005年10月 「同」

 

また、槙枝氏と北朝鮮、朝鮮総連のかかわりを示す事例としては、次のようなもの挙げられます。本当に北朝鮮が大好きなのでしょうね。というか、相思相愛なのか。勲章・表彰については、中国からも93年に友誼賞を授与されています。

 

 ・1991年    北朝鮮から親善勲章第1級を受章

・1998年4月  金正日総書記が槙枝氏の77歳(喜寿)のお祝いを送付

・2000年9月  北朝鮮創建52周年祝賀宴に出席

・2001年3月  朝鮮総連の韓徳銖議長の告別式に参列、弔辞を朗読

・2001年5月  朝鮮総連第19回全体大会に出席、来賓あいさつ

・2002年2月  金正日総書記誕生記念祝賀宴に出席

・2004年6月  朝鮮総連第20回全体大会に出席、来賓あいさつ

・2007年10月 朝鮮総連中央主催の「日本当局の不当な制裁措置延長に反対し、総連と在日同胞に対する弾圧を糾弾する在日朝鮮人中央大会」に出席、連帯あいさつ

 

 ふつうの人は、北朝鮮から勲章をもらうことはありませんよね…。では、その槙枝氏が上の総連第19回大会、20回大会でどんなあいさつをしていたかというと、次のような内容でした。こういう思想を、児童・生徒にも教え、植え付けようとしてきたのでしょうね。

 

 「日朝国交正常化は、北朝鮮に対する謝罪と補償がすべてである。日朝友好のために、皆さんと共通の理解、認識、目標を持って連帯していきたい」(19回大会)

 「歴史的に見て、朝鮮が日本に被害を与えたことは一度もない。むしろ。日本が朝鮮を国ごと拉致して苦しめてきた。(中略)これからも皆様とともに国内での運動を通じて国交正常化実現のため頑張っていきたい」(20回大会)

 

 また、直近の07年10月の中央大会での連帯あいさつに関しては、同月15日付の朝鮮新報が記事にしていました。それにはこうあります。

 

 「朝鮮に対し加害者だった日本は戦後、謝罪、補償もせずに拉致問題を掲げ、植民地支配への過去精算を放置してきた。これが不正常な関係へとつながった。何よりもまず、植民地支配の精算を原点としなければならないだろう。在日朝鮮人は現在も制裁、抑圧され、ひどい人的侵害を受けている。日本人が一緒に働きかけ、在日朝鮮人への差別をなくし制裁を撤廃させ、朝鮮への水害支援を行わせるなど働きかけることで、必ず国交正常化は実現できる」

 

 …とまあ、こういう人が、12年間も委員長に君臨してきた組織が日教組であるということです。そして、いまだに朝鮮総連と連帯して、政府の対北制裁政策に反対し続けていると。日教組の関係団体には日本教職員チュチェ思想研究会連絡協議会という組織もありますしね。いやはやなんとも、この国をどうしたいのか。

 

 

 本日は、東京地検特捜部の捜査の行方に注目している準大手ゼネコン「西松建設」(東京都港区)の裏金問題について、私自身の頭の整理も兼ねて取り上げます。この問題については、連日のように新聞の1面や社会面で大きく取り上げられていますが、テレビの扱いはいまひとつのようですね。テレビの短いニュース枠では、特集でも組まない限り、こうした詳しい説明がないと理解しにくいような複雑な問題は、あまり報じない傾向があるのだろうと思っています。テレビニュースで読み上げられる字数は、実に少なく、新聞で言うとミニニュース程度の分量であることが多いですからね。

 

 この問題は主に社会部マターであり、私は直接取材する立場にないので、ここでは新聞各紙が報じた内容をもとに、私の見聞きしたことを補足したいと思います。気分次第で適当に切り抜いておいた新聞記事の中から引用したものなので、漏らした記事や内容も多いことでしょうがそれはご容赦ください。

 

 問題となっているのは、西松建設のOB2人が設立した政治団体、「新政治問題研究会」と「未来産業研究会」が約4億8000万円に上る政治献金をしていた問題です。このカネが、民主党の小沢一郎代表や山岡賢次国対委員長、自民党の二階俊博経済産業相や森喜朗元首相、尾身幸次元財務相ら与野党の議員に献金されていたわけですが、この2政治団体は西松建設のダミーで、実態は脱法的な「迂回献金」に当たるという疑惑があります。この点について、昨年12月29日付の東京新聞は次のように書いています。

 

「リクルート事件をきっかけとした法改正で1995年、企業・団体から政治家個人への直接献金が禁じられ、2000年には資金管理団体への献金も禁止に。しかし、政治家が代表を務める政党支部を利用した迂回献金など、企業側は法の網をくぐり抜け、政治家に金を流し続けた」

「04~06年の主な献金先は、小沢一郎・民主党代表の資金管理団体『陸山会』へ1400万円、自民党・二階派の政治団体『新しい風』(二階俊博代表)へ778万円など、与野党首脳や建設族の議員が中心。小沢氏については、岩手県の政党支部にも1700万円を寄付している」

 

 …この時点でも、興味深い記事だなあと注目していたのですが、西松建設をめぐっては今月14日、同社元副社長の藤巻恵次容疑者ら4人が東京地検特捜部に外為法違反容疑で逮捕されたことで、再びこの政治献金の問題がクローズアップされました。もともと政治資金規正法はザル法ですし、この事件の本筋でもないのでしょうが、各紙は続報などでこの問題を取り上げています。15日付の読売新聞はこう報じています。

 

 「特捜部は、西松建設がOBを代表にした二つの政治団体を隠れみのにして国会議員らに行っていた献金についても捜査。これらは他人名義での献金や政党以外への企業献金を原則禁止している政治資金規正法に違反する疑いがあるため、同社関係者から事情聴取を行っている」

 

 逮捕された4人の中には、同社子会社「松栄不動産」元社長、宇都宮敬容疑者の名前もありました。15日付の朝日は「外為法違反容疑で逮捕された4人のうち、裏金の使途解明に向けたカギを握るのは、西松建設の藤巻元副社長と、同社の元部長で子会社『松栄不動産』元社長の宇都宮敬容疑者とみられている。いずれも、社内で国沢幹雄社長の側近とされていた」と指摘しています。松栄不動産について、17日付の産経は「西松の政界への資金提供の窓口だった疑いのある」と指摘した上で、次のように書きました。

 

 「松栄は民主党の小沢一郎代表が党首を務めた旧自由党の政治資金団体などに献金。西松が小沢氏ら国会議員8人の資金管理団体に事実上の企業献金を行った際のダミーだった政治団体の代表は、松栄の監査役を兼務していた。特捜部は松栄を通じて裏金も政界に流れていた可能性があるとみている」

 「政治資金収支報告書などによると、松栄は平成13年、旧自由党の政治資金団体『改革国民会議』に200万円、14年にも100万円を献金。国会議員のパーティー券購入など、政界に資金を支出していた」

 

 …さて、ここで「改革国民会議」の名前が出てきました。これは、小沢氏の側近である平野貞夫元参院議員が会計責任者を務めており、現在は小沢事務所が「関係団体だが、小沢氏自身の政治団体ではない」と説明している団体です。昨年9月の政治資金収支報告書公開時で11億1104万円もの繰越金(資産)を保有していました。ちなみに自由党は平成15年9月26日の解党の2日前、合併相手の民主党からなぜか2億9540万円もの寄付を受けた一方、解党当日には、改革国民会議に13億6816万円を寄付しました。そのため、国会で「(政党助成金は、解散時に残金があれば国に返還しなければならないため)政党助成金の返還逃れではないか」(故松岡利勝元農水相)と追及されたのは、以前のエントリで紹介した通りです。

 

 ちょっと話が脇にそれましたが、要するに西松は、2つの政治団体と子会社を使って小沢氏の資金管理団体や政党支部、関係団体に献金してきたということになります。前述の通り、西松は小沢氏以外の複数の与野党議員にも献金していますが、特に小沢氏を大事にしている姿がうかがえますね。

 

 それでは、なぜ西松は大物政治家とはいえ、野党生活が長く公共工事に絡みにくく見える小沢氏のことをこれだけ優遇してきたのか。旧田中派に詳しいベテラン秘書に意見を求めたところ、あっさりとこう言われました。

 

 「そんなことも知らないの?西松には昔、Sさんという社長がいて、その娘が金丸信さんの次男坊と結婚している。そういう関係がある。金丸さんは当時、小沢さんを異常にかわいがっていて、小沢さんにいわゆる『利権』を譲ったから、西松の仕事は小沢さんが仕切ることになった。当時、西松は(金丸氏の地元の)山梨で大きく業績を伸ばしたけど、それも最後は小沢さんが取り仕切っていたよ」

 

 …これは以前も書いたことなのですが、繰り返して述べたいと思います。2年前に国会で政治とカネの問題が大々的に取り上げられた際には、「分かりやすい」ためか、何よりも領収書の有無ばかりが焦点として扱われ、マスコミも大騒ぎし、まるで1円から領収書を公開すれば問題はなくなるかのような議論が横行しました。そうした中で、例えば資金管理団体、陸山会による大量の不動産購入問題では、事務所費の領収書を公開した小沢氏は一部メディアで喝采され、「次は自民党が公表する番だ」(毎日新聞の社説)といった論調が出ていました。

 

 でも、あのときの小沢氏の「公開」は、コピーや写真撮影は認めず、公開時間も報道機関1社あたり30分間で、閲覧者も3人に限定するというもので、どの社だろうと、とても十分なチェックなどできるものではありませんでした。その点を当時指摘したのは日経新聞だけでした。私には、みんな問題の本質を忘れて領収書に目をくらまされているだけのように見えました。例えば領収書さえ整っていれば、いや、整っているように演出すればそれでいいのかと。とにかく物事を単純化してテレビの前で「分かりやすく」訴えれば、それでその他のことは不問にされていいのかと。

 

 今回の西松による脱法的な迂回献金疑惑も示すように、政治資金規正法はまだまだ穴だらけな不透明なものです。脱法行為に何の手も打てず、それを正すことも難しい現状から見れば、法改正で1円から領収書を揃えることになったなどというのは極端に言えば枝葉の問題だと思います。何を今さらのような話ですが、ずっとそう書いてきましたし、今もそう考えています。東京地検特捜部の捜査が、多くの人が政治とカネについて思いをめぐらし、問題意識を持つきっかけになればいいと思っています。

 

 

 本日は何を取り上げようかと少し迷ったのですが、昨日書いた小さな記事がボツになっていたので、その件について書きます。記事はもともとミニニュースように12字組で25行のごく短いものに、「日教組問題究明議連 輿石氏発言に危機感」という狩り見出しをつけてデスクに送ったのですが、特にニュース性はないと判断されたのか使ってもらえませんでした。以下がその記事です。

 

《自民党有志でつくる日教組問題究明議連(会長・森山真弓元文相)は15日、日教組問題を追及してきた元神奈川県鎌倉市議の伊藤玲子氏を講師に招き、党本部で第3回会合を開いた。伊藤氏は日教組の所属教員による過激な性教育の実例などを挙げ、「日教組は学校という囲いの中で、子供をだめにする教育を堂々と行っている」と述べた。

 会合では、民主党の輿石東参院議員会長が関係法令を無視した「教育の政治的中立はありえない」との発言を行った問題も話題となった。議員側からは「まさにここ(政治的中立)が大事なところだ。もし日教組の代表が文科相にでもなれば、日本はおかしくなる」(中山成彬前国土交通相)などの指摘がなされた。》

 

   

 

 そこでこの場を用いて、記事の内容を少し補足してお伝えしようと思います。第3回となるこの日は、私がざっと数えた範囲で18人の議員が出席し、その中には文相、文科相経験者である森山、中山、町村信孝の3氏もいました。記事の中でも少し触れましたが、中山氏は冒頭のあいさつで次のように述べました。

 

 「(次期衆院選の結果)もし日教組の代表が文科相にでもなれば、私たちが進めてきた教育改革は元の木阿弥となり、反日、反米、道徳教育反対の教育が行われ、日本はおかしくなる。きょうもマスコミは取材に来ていない。マスコミは、自分たちの社の方針に反することは全く報じない。昨日も、民主党の輿石氏は、『教育の政治的中立はありえない』と述べたが、まさにここが大事なところだ。現状に危機感を抱く。このままでは教育どころか日本がおかしくなる」

 

 また、義家弘介氏も「輿石氏は日教組の新年会で『私も日教組とともに戦っていく』と宣言している。まさに、この大きな問題にどうメスを入れていくかだ」と語っていました。私が今の自民党は弱いなあ、本当に下手だなあと思うのは、輿石氏の発言が法令違反をそそのかすような問題発言だと分かっているのであれば、こういう議連の場だけでなく、党幹部の定例記者会見などで自ら取り上げて追及すればいいのに、と考えるからです。そうすれば、マスコミ側だって何らかの形で取り上げるだろうにと。そうすれば、より国民の関心を喚起する機会は増えるでしょうに。私は昔の自民党は知りませんが、ここ数年ずっと見てきて、小沢不動産問題でもマルチ疑惑でも、少し相手をつついてはみるものの、本当に戦おう、たたきのめそうという姿勢は見せませんね。よく言えば上品、悪く言えば弱い政党になってしまっているのだろうと思います。

 

まあそれはともかく、この日の会合で山谷えり子氏が述べたところによると、この議連には全国から日教組による教員の人事支配の事例・情報などが寄せられてきているといい、その点は月末に予定されている次回会合で公表したいということでした。また、今後は全国集会を開くほか、日教組問題に関する小冊子やビラをつくり、地方視察も行うということですから、ぜひ頑張ってほしいものです。とにかく日教組の問題、弊害をより多くの人に知ってもらわないことには、なかなか事態は改善されません。

 

 会合では、伊藤氏が鎌倉市議として日教組と対峙し、闇専従問題を議会で追及した件や過激で無意味な性教育の実例(小一生に両親には秘密だとした上でSEXの仕方を教えるなど)を暴いた経験を語ったのですが、興味深いやりとりもありました。もともと鎌倉出身で、小中と鎌倉で過ごしたという山際大志郎氏が、「自分は伊藤さんが指摘するようなおかしな日教組教育は受けていない。周りもみんなそうだった」という疑問を口にしたのです。それに対し、伊藤氏に代わって西田昌司氏がこう答えていました。

 

 「自分は京都だけど、全国どこでも同じだと思う。教育委員会が選別しているのだ。悪いとされるところに悪い先生を送り込んで集めている。組合側だけではなく、教委側もそうした方が管理しやすいのだ。だから、同じ市内でも地域・学校によって全然違う。京都もそうだ」

 

 この点は重要だと思います。私のブログのコメント欄でも、日教組の弊害を説くとよく、「でも自分の先生はいい先生だった」「そんなに偏った教育は行われていなかった」「自分の出身地は日教組の組織率が高かったが、そんなにひどくはなかった」といった感想が寄せられますが、西田氏が指摘するような事情から問題が見えにくくなっている場合もあるのだろうと考えます。それと、これは以前のエントリでも書いたことですが、一口に日教組と言っても、児童・生徒に自虐史観を植え込み、国旗国歌反対闘争を続け、過激な性教育を実施する「分かりやすい」単組と、暴力的な闘争路線はとらず、一見穏健派を装いながら、教委などとの癒着・一体化を進め、県政を背後で支配し、公教育を根深く蝕んでいく「分かりにくい」単組もあるのです。ちなみに、輿石氏の基盤である山梨県教組は後者です。こういうところでは、教委のメンバー自体、組合幹部出身者で占められますから、教育現場の支配の仕方は巧妙です。

 

 また、この日出席していた町村氏も重要な指摘をしました。町村氏は官房長官時代に、文科省に対し、教員の闇専従の実態を調査させたそうですが、文科省から戻ってきた回答は「闇専従はない」というものだったとのことでした。「そんなわけはない」と再調査を命じたところ、文科省は「ずっと以前に北海道であったが今はない」とシラっと答えたとか。町村氏は「おそらく現場では山ほどあるだろう」と語っていましたが、文科省の調査などそんなものです。おそらく、文科省は官房長官に言われて仕方なく、都道府県教委に問い合わせ、県教委側が「ない」と回答したものをそのまま報告したのでしょう。その教委も、各学校に問い合わせたかもしれませんが、実際に闇専従をやっている学校が「はい。以前からやっています」などと答えるはずがありません。

 

 伊藤氏、教員が日教組で闇専従を行っている実態を議会で追及した際、学校側が校長ぐるみで出勤簿を改竄して問題ないと教委側に報告し、教委側がそれをそのまま鵜呑みにして(あるいは実態を知りつつ知らん顔して)議会に報告した問題を、その学校の生徒からもらった時間割票をもとに虚偽であると暴いた話を紹介していました。

 

 こうした伊藤氏の戦いについては、その著書「中山成彬はなぜ日教組と戦うのか」(KKベストセラーズ)に詳しいので、関心のある方はそちらをご覧ください。ちなみに、私も昨日入手して読んで初めて知ったのですが、この本は私が以前、激論ムック「誰も知らない教育崩壊の真実」(オークラ出版)に書いた「迫り来る日教組による政治支配」から山梨県教組問題についてけっこう、そのまま引用してあったので驚きました。ちなみに、私の名前も出てくるのですが、「阿比留瑠衣」と間違えてありました。これでは女性だとしか思えません(正しい表記でも性別不明ですが)。今年いただいた年賀状でも私の名前が違っていたものが3通ありましたし、変わった名前で得したこともありますが、本当に因果な名前だとも感じます…。

 

     

 


 本日は、千代田区一ツ橋の日本教育会館で開催された日教組「新春の集い」で、出席した各党の代表がどんなあいさつを行ったかを紹介します。内容は、取材した原川記者がメールで送ってくれたものですが、民主党の輿石東参院議員会長は「教育の政治的中立などと言われても、そんなものはありえない」と怪気炎を上げ、暗に教員の選挙運動を煽っていたようです。この開き直った言葉は、教育基本法にも教育公務員特例法にも抵触し、場合によっては児童・生徒や教員自身の思想信条の自由をも侵しかねない暴言だと思います。とても政権を担う民主党のネクスト副総理が口にしていいものとは思えませんが、そんな言葉を公の場で平気で吐けるだけ増長し、情勢は有利だと口元が緩んでいるのでしょう。

 

 ちなみに、国家公務員法に準拠している教育公務員特例法が定める、公立学校教員が禁止されている政治的行為の例には①政党その他の政治団体の役員等となること、これら団体の構成員となるように、もしくはならないように勧誘運動を行うこと②政党その他の政治的団体を支持・反対するため、または公の選挙において特定の候補者を支持・反対するため等により以下の行為をすること(1)公の選挙または投票において投票をするように、またはしないように勧誘運動をすること(2)署名運動を企図・主催し、または指導する等これらに積極的に関与すること(3)寄付金その他金品の募集に関与すること。

 

 まあ、いずれも輿石氏のお膝元の山梨県教職員組合が長年続けてきたことで、なんだかなあ…と、ため息をつきたくなる現状ですが、輿石氏は最近、産経の記者を捕まえて「阿比留君によろしく」と笑みを浮かべて話しかけるそうですから、本当に余裕を感じているのでしょう。いよいよ日教組(自分)の天下だと。このブログを読んでいるかもしれない輿石氏を喜ばせるだけかもしれませんが、自分の非力ぶりに歯がみするばかりです。本当にこんな世の中であっていいのか。

 

 それでは、気を取り直して、民主党の鳩山由紀夫幹事長のあいさつから順番に紹介します。この人も日教組に平身低頭し、「日教組の皆様方とともにこの国を担う」とまで言っていますね。読んでいて悲しくなります。この人の口から「政治は愛」と言われても、言葉がふわふわと宙に浮かんでつかみようがない気がしますね。

 

民主党の鳩山幹事長 中村委員長さんをはじめ、日教組の皆さん、お集まりの皆さん、私どもからも新年明けましておめでとうございます。常日頃、民主党に対しても、辛抱強くご支援を下さっておりますことを心から感謝を申し上げます。特に、思い出せば教育基本法の改正のときなど、「(民主党の改正案は)政府案より悪い」と、いろいろとご注文もいただきながら、それでも選挙のときなどご支援をくださっております、何より皆さん方の温かいお気持ちに感謝を申し上げたいと存じます。

私は政治は愛だと信じております。その中心は、教育はまさに愛そのものでなければなりません。先ほどから委員長方のお話がございました。この国、強い者が勝ち残っていけばいいじゃないか。そんな世の中になりすぎたことが、政治の場から、日本の現場から、愛というものを奪ってしまいつつあるのではないか。そんな危機感を覚えております。今こそ、教育に、政治に、愛を取り戻さなければならない。大変大事なときだと思っております。

それは、一言で言えば政治の理念というものを新しく作り変えていかなければならない、大変大事なときだとも思っております。そのようなときでありますだけに、私どもはある意味で、今までこの国を担ってきた考え方ではなく、新しい政治理念というものを作り出していくために、どうしても政権交代が必要ではないか、そのように考えて行動しているところでございます。ぜひ、皆様方の大なお気持ちを、特に今日まで青少年の教育に心血を注いでこられた皆様方が、平和のために、そして子供たちの未来のために、もっともっとお互いに信じあえるような、そんな日本に作り変えていくためにぜひ民主党の思い、小沢代表を中心とした、今日また多くのメンバーにも、こちらにお邪魔させていただいておりますが、その一人ひとりの思いにも、ご協賛、ご協力をいただきながら、大きな日本の未来というものを一緒に見つつめつつ、そして作り上げていきたいと願っております。改めて日教組さんの今日までのご活動に、敬意と感謝を申し上げながら、今年がそんな意味での大きな転機の年になりますように。中村委員長からは予算も増やせ、という話もございましたが、そのことも当然のことながら、政府の皆さんと協力して、また政権をとりましたら、そのことを第一にお約束を申し上げながら、日教組の皆様方とともにこの国を担う覚悟の一端の表明とさせていただきます。本年もまことにおめでとうございました。ありがとうございます。》

 

 次は社民党の福島瑞穂党首ですが、この人も教員の既得権益を守ると宣言しています。日教組は民主党と社民党に票を出していますから、それはそれは大切なお客様ですからね。教育基本法を元に戻すと強調していますが、教育基本法改正がいかに左翼陣営にとって打撃であったかが分かります。

 

社民党の福島党首 どうも皆さん、明けましておめでとうございます。中村委員長が過激な発言をどうぞとおっしゃったので、過激じゃないかもしれませんが、私が2008年(ママ)日教組、新春の集いで見る初夢は、与野党逆転し、教育基本法をもとに戻し、教師の免許更新制など廃止をするということです。皆さんこの初夢にどうかご協力を心からよろしくお願いいたします。(小さな拍手)

 今学校の先生たちから多く手紙をもらいます。免許更新制が本当に大変だ、と、これから始まるけれど、夫婦で教師やっててものすごく負担が大きい。こんなことをやっている暇はない。とても大変だ。現場から本当に悲鳴が聞こえてきます。また国はちゃんと予算付けるから、といっていましたが大嘘で、50億つけるといっていたのが、10億しかつけられません。圧倒的に、現場の先生たちの負担が本当に増えてしまいます。

 大学側も同じです。どんな教育をどんなキャパシティでやっていいのか、どこだって困っていると。そういう意味では免許更新制は始まる前から、本当に極めて問題だと思っています。実は早く解散総選挙をしてもらって、免許更新制を3月前になくすという段取りになっていたらベストだったんですが、できるだけ早く解散総選挙をしてもらい、免許更新制が実現できないように社民党としては全力をつくします。(後略)》

 

 …自民党の馳浩氏と公明党の山口那津男政調会長もやってきて何か言っていますが、当たり障りのないことに終始しているようなので、大幅に割愛します。自民も公明も、面と向かってきちんと日教組を批判することもできないていたらくです(日教組なんてたいしたことないなどと言って、政治活動に罰則を設ける教育公務員特例法改正に反対した公明は当然ですが)。

 

自民党の馳浩氏(自民党文部科学部会長) はい、明けましておめでとうございます。自己紹介から入りたいと思いますが、自由民主党の文部科学部会長を拝命いたしております、馳浩です。ま、個人的に申し上げれば、石川県の金沢星稜高校で国語の教員として現場に立っておりました。今自由民主党には現場の教員出身の国会議員は、私と、例の義家さんというヤンキー先生と二人だけになってしまったということもお伝えしておきたいと思います。

 正直ここで挨拶するのは心苦しいところがあります(会場笑い)。なぜかというと昨年、この場でご挨拶をさせていただいたのが、中山成彬でありましてですね、あの、一言申し上げておきます。あの、やっぱりね、あの、お互いに売り言葉に買い言葉でね、対立を煽って溝を深めるようなことをすることは私は反対です。そういう意味でいえば、皆さんに極めて不愉快な思いをさせたと思いますので、これは私の立場としてもお詫びを申し上げておきたいと思います。(ひよったどっちつかずの話が続くので後略)

 

公明党の山口政調会長 (略。家族に教員が多く、娘もこの春から教員になるなど、非常に当たり障りのない話)》

 

 さて、真打ちの輿石氏の登壇です。短いあいさつですが、「政権交代にも手を貸す」というのは、イコール選挙運動をやりますということだと理解できます。はい、法も何もあったものじゃありません。「永遠に日教組組合員」というのは、命ある限り日教組を支配し続けるという宣言でしょうか。

 

民主党の輿石参院議員会長 明けましておめでとうございます。中村委員長の最後のあいさつの部分だけ聞きました。過激な発言も、とか。私が何を言ってもマスコミは取り上げてくれない。馳議員から組織率は何で20%前後だろう、こんな話もありました。まともな運動をしてないからじゃないかと思っている(会場笑い)。例えば全国で一斉家庭訪問、こんなものを提起して、親と子供の信頼と絆を取り戻すという運動をしたら、(マスコミも)これは必ず取り上げていくでしょう。

鳩山幹事長も政治は愛、教育もまた愛と、こう言われました。日教組は社会の中心の(聞き取れず)に教育を。しかし、連合の古賀事務局長が言われたように、新自由主義の中で30年の歴史に終止符を打つためには、新しいステージに挑戦をしなければいけない。政権交代にも手を貸す。教育の政治的中立などと言われても、そんなものはありえない(会場やや笑い)。政治から教育を変えていく。逆説的に。そんな勇気と自信を持っていただきたい。私も日政連(日本民主教育政治連盟)議員として、日教組とともに戦っていくことをお誓いをし、永遠に日教組の組合員であるという自負を持っております。そのことをお伝えし、日教組に期待をするごあいさつに代えさせていただきます。本日はおめでとうございます。》

 

 世のことわりは驕れる者は久しからず…だと思うのですが。

 

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