2009年03月

 

 前回の読書エントリ「最近読んだ本について・一喜一憂編」(2月22日付)から4週間がたったので、本日はまた書籍紹介・読書感想文とまいります。今回は、けっこう多忙だったこともあり、冊数はあまりこなせませんでしたが、割といい本にあたったので、それなりに充実した読書ライフを過ごせました。

 

 まず1冊目は、非常に面白かった佐々木譲氏の「制服捜査」の続編からです。書店で見つけたときは、思わず「やった!」と声を出してしまいました。超大型爆弾低気圧に覆われ、交通網が麻痺した十勝平野のペンションに閉じこめられたわけありの人々…。警察小説なのですが、心理劇のような趣があります。個人的には、主人公の川久保巡査部長にもっと活躍してほしかった気もしますが。

 

     

 

 次に、帯の文句にひかれて初めて(たぶん)石田衣良氏の作品に手を出しました。文庫になっていたことだし。会社を辞めて、投げやりにプロデュース業を始めた元大手広告代理店社員が、同世代の依頼者たちとかかわっているうちに、いつのまにか自分自身立ち直り、希望を見出すというストーリーです。キャッチフレーズは「40歳から始めよう」。まあ、自分自身、年齢と真面目に向き合わざるをえない世代になってきたわけで…。

 

     

 

  「刑事・鳴沢了」シリーズでおなじみの堂場瞬一氏の新シリーズだということで迷わず手にとったのですが、目次裏の登場人物紹介を目にしてちょっと驚きました。いや、別にたいしたことではないのですが、主人公の失踪人捜査課三方面分室の高城賢吾警部の上司の名前が阿比留真弓室長で、部下の一人の名前が醍醐塁(るい)というのです。いや、ただそれだけなのですが…。

 

 ストーリーは過去に心に傷を負い、アルコール漬けになっていた主人公が、警視庁の厄介者が集められたお荷物部署に異動し、行方不明者を捜すうちに少しずつ立ち直り…というものです。やはり、この手の話を時代が求めているのか、あるいは私がたまたまそういう本が好きなだけなのか。

 

     

 

 今度は上下巻で、かなり読み応えがあり、いろいろと考えさせられました。これまた主人公は43歳という設定で私と同年齢ですが、ヒラ記者の私と立場はずいぶんと異なり、作者がかつて勤務していた文芸春秋社をモデルにしたらしい出版社で総合週刊誌の編集長を5年近く務めており、翌年には社の看板月刊誌の編集長に抜擢されます。

 

 その「勝ち組」の主人公の日々の仕事、政治家との駆け引き、女性関係、社内人事、胃ガン体験、幼子をなくした記憶…にからめ、マザー・テレサの手記、大英帝国の政治家、グラッドストンの奴隷制度論、ミルトン・フリードマンのインタビュー、仏陀の「ノコギリの譬え」、神秘体験を語る宇宙飛行士たち、ポール・クルーグマン …などの言葉がちりばめられ、読ませます。作者が展開する格差論と社会論について、ただちに納得したわけではありませんが、大きな考えるヒントを与えられた気もします。

 

     

 

 最後に、時代小説を一冊。この作者の作品を読むのは松本清張賞を受賞した「銀漢の賦」以来2冊目ですが、しみじみといいですねえ。九州・福岡藩の支藩、秋月藩を舞台に、藩政改革を志した青年武士の老境に至るまでを描いたもので、ただただ堪能しました。いつの時代も人の世は変わらないのだろうという思いがします。

 

     

 

 さて、本日は午後から出社して原稿を書いたり、雑用をしたりしないといけないので、ここまでとします。「読書は、他人にものを考えてもらうことである。本を読む我々は、他人の考えた過程を反復的にたどるにすぎない。(中略)一日を多読に費やす人間は、しだいに自分でものを考える力を失っていく」(ショーペンハウエル「読書について」)と言いますが、私のような怠惰な人間は読書でもしないとモノを考えることをしないので、やはり読書は貴重です。第一、楽しいし。

 

 先日のある夜、社会部の先輩記者に呼び出されて、ある会合に飛び入り参加しました。それは、東京青年会議所の有志の会合で、とにかく熱くこの国を憂う人たちの集まりでした。わけも分からず参加した私が、そこで聞いた言葉は、

 

 「JC(日本青年会議所)というと麻生首相支持のように思われて迷惑している。私たちは麻生も小沢もない。ただ、この国がおかしくなっていくのをなんとかしたい。いま立ち上がらなければ…」

 

 というメッセージでした。なんでも、その思いを込めて今度(4月8日)、国民総決起大会(彼らは「一揆だ」とも言っていました)を開くので、ブログをやっているんだったらそこで紹介してくれとのことでした。ですので、はい、ここで宣伝いたします。下の写真がその大会のパンフレットです。

 

   

 

 というわけで、どうせやるなら宣伝に徹して、その案内文も一部引用します。以下の通りです。

 

 《…この危機的な状況は、申し上げるまでもなく「経済」の側面に限られたものではありません。代議士たるものが主権者である国民の声に真摯に耳を傾けることなく自己保身に奔走するが故に、国会の立法機能は劣悪の度を極め、低調な内閣支持率をに明らかなように「政治」は国民からの信頼を失っています。同様に「官僚(行政)」も、現行の行政システムの物心両面での欠陥(臭いもの)に蓋をして(例えば年金問題に如実に現れていますが)、公僕であることの自覚もなく自らの渡り先さがしに躍起になっているのです。》

 

 《このままでは日本国は崩壊する!こうした100年に一度と言われる緊急事態の今こそ、この国の未来への責任を自覚する我々有志青年経済人が、まずは立ち上がらなければなりません。我々は意を決し、我々自身が主権者である国民の有志に呼びかけ、『日本人本来の誇り高き精神』を取り戻すことによって重病に立ち向かう自己治療のうねり(国民運動)を巻き起こす決起の場として、下記要項にて「国民決起大会」を開催することと致しました。》

 

 また、自民党も民主党も共産党も社民党もひっくるめて、全衆参両院議員にも大会出席を呼びかけ、同時にアンケートも依頼して回答については大会で発表するとのことです。その質問事項はたった二つだけです。

 

 質問1 今この日本に欠けている一番大切なことは何だと思いますか。

 質問2 日本に欠けている一番大切なことに対応するため貴方は政治生命をかけて何を行いますか(行っていますか)。

 

 …私の経験上、国会議員はこうしたアンケートにはあまり答えないので、残念ながら回答の回収率は低くなることと思いますが、JCのみなさんは「それならそれでかまわない。そのまま発表したい」とのことでした。議員参加の方は、すでに何人かから出席するとの返事も来ているそうです。

 

 この試みが今後発展するのか、本当に大きな潮流をつくっていけるのかどうか私には分かりませんが、こうして立ち上がる人たちが出てくることは、きっと周囲に影響を及ぼし、何かを変えていくことにつながるのではないかと期待しています。

 

 大会の趣意書には次のようにありました。私も賛成です。

 

 《私たちは、今の社会に強く憂いを感じている。しかしその社会こそは、まさに自分たち自身であり、自分たちの意識の鏡であること。

 この社会の迷走を許し、看過してきたのは私たち自身なのである。

 自ら意識を切り替え、今、行動しなければこの国はどこへ行ってしまうのだろう。

 声を上げたい人はたくさんいる。でも一人の声では消えてしまう。(中略)

 やらなければ責任が取れない。行動しなければ実現しない。

 大人たちがまず立ち上がり、次世代に恥ずかしくない国民の姿勢を見せよう》

 

 その夜の会合では、国会での与野党の低レベルのやりとりへの批判など政治の話題だけでなく、幅広く社会の問題について論じあいました。裁判官の実態、裁判員制度の長短、たまたま乗ったタクシーの運転手が語った社会の問題点、教育の重要性、中韓との交流で感じたこと…などなど。飛び入りの私を快く受け入れ、楽しい時間を過ごさせてくれたJC有志の皆さんに感謝します。

 

 ちなみに、国民総決起大会に関する問い合わせ、申し込みは実行委員会(☎03-6826-8318、e-mail:up@j-pride.info、インターネットでの申し込みhttp://www.j-pride.info、ファクスでの申し込み03-5276-6160)までどうぞ。一般の方の参加は無料ですが、事前申し込みが必要だそうです。

 

 本日は趣旨に賛同したのでひたすら宣伝させていただきました。たまにはこういうのも、ありかと思ったのですが、いかがでしょうか。

 

 

 

 

 

 きょう、国会の売店でこういうお土産用の「せんべい」を見つけました。「値下げしました ¥380」というプレートがどこかもの悲しく感じましたが、モデルとなったご本人(似てない!?)はぶつぶつこぼしながらもまだ意気軒昂に過ごしているようです。さて、長々と続けてきたこのシリーズも、早く仕上げて区切りをつけたいので、本日もさくさく進行させていきます。

 

・ 平成19年6月22日、産経、民主党代表、記者会見で、資金管理団体による不動産取得を禁止する与党提出の政治資金規正法改正案が成立確実とみられることについて

「(法律が不動産の所有を)問題と言うなら、いつでも処分する」

 

 =というわけで、現在、小沢氏名義のマンション群は、ほとんどが抵当権が外され、いつでも売却できるようになっているそうです。記事の中では、日大法学部の岩井奉信教授が「問題は売却益をどうするかだ。国民の感覚は小沢氏の個人財産だということで、そうだとすれば小沢氏が所得税を払うのか。一方、陸山会のものだとすれば無税となる可能性が高いが、税当局の判断に注目したい」と述べていますが、このあたりはどうなっているのか…。

 

    平成19年7月6日、産経、民主党代表、参院選を前にしたインタビューで首相への意欲について

「国民が選べば仕方がない。先の話を言っても仕方がない。それは国民の天命に従う。そうでなければ、私は党代表なんてやっていない」

 

 =これは、選挙で勝てば仕方がないから首相をやってやる、という意味でしょうか。

 

    同上、不動産問題について

「論理的に何も悪くない。ローンを払えば政治団体以外に政治献金は流出しないじゃないか。政治団体でちゃんと届けているだから利殖のわけがない。(だが)面倒だから処分する」

 

 =私は頭の働きが鈍いのでよく分かりません。届けているから…というのは理由になるのでしょうか?。

 

    平成19年10月11日、産経、民主党代表、記者会見で資金管理団体がマンションの2室を貸し、コンサルティング会社と社団法人から家賃収入を得ていたことについて

「無償提供しようとしたが、賃料を払いたいということだった。(この件を1面トップで報じた9日付の毎日新聞の報道については)政治的思惑で意図的に誹謗中傷した報道だと認識している」

 

 =この件については同年10月9日のエントリ「小沢不動産問題・ニュースはつくられる!?」(http://abirur.iza.ne.jp/blog/entry/334354/)であれこれ書いているのでコメントは省きます。

 

    平成19年10月30日、読売夕刊、民主党代表、福田康夫首相との初の党首会談後、記者団に

「(会談に)応じなかったら『小沢は話し合いを断った』と報道される。首相から『週末をメドにもう一度話し合いたい』との要請があったので、『首相の要請であれば、もちろん結構だ』と答えた。(今後も)首相の呼びかけなら、いつでも応じる」

 

 =このときの会談では、新テロ対策特別措置法案をめぐって話し合いは平行線をたどったのに、福田、小沢両氏とも満足げだったと報じられています。で、実はナベツネ氏が仲介した大連立のあり方についてたっぷり話していたのだと後に分かりましたね。

 

    平成19年11月2日、朝日、民主党代表、記者会見で大連立を否定

「連立どうのこうのという政局論的な政治問題は一切なかった。今、私はそういうことは考えていない」

 

 =どうしてこう虚言癖があるのか。「小沢氏の政治哲学では、誰と会ったかと何を話したかは嘘をついてもいいことになっている」と解説する関係者もいますが…。

 

    平成19年11月3日、産経、民主党代表、福田首相との会談後、民主党に持ち帰った大連立構想を役員会で拒否され、記者団に

「先ほど福田首相との懇談の中で、わが党に対し、連立の要請、いろいろな今日の状況の中で力を合わせないと政策の実現ができない、そういう意味で連立を何とか組んでもらえないだろうか、とそういうお話があった。(中略)そんな中で、先ほど役員会を開催したが、役員会の皆さんはその政策協議に入ること自体も反対だと、そういう考えの人が多数ございましたので、先ほど福田首相に対して、連立は、私どもとしてはのめない、受諾できない、せっかく誠意あるご対応をいただいたが、結果としてはできません、ということを福田首相に(電話)で伝えた」

 

 =このときの産経の見出しの一つは、「『小沢神話』に陰り」というものでした。もう何度陰ったことか数え切れないぐらいだと思いますが、それでもマスコミが何かあるとまた「神話」を倉庫の奥から引っ張り出しては金メッキし、無理矢理持ち上げてきた、その繰り返しであったように思います。要は、政界という名の舞台を引き立てるには、こういうキャラ、カリスマがいた方がいい、必要だと決め込んできたような…。

 

    平成19年11月5日、産経、民主党代表、記者会見で代表辞任を表明して

「政治的混乱が生じた。私が選任した役員から不信任を受けたに等しく、けじめをつける。民主党はいまださまざまな面で力量が不足しており、国民の皆様からも、自民党はダメだが、民主党も本当に政権担当能力があるのかという疑問が提起され続け、次期総選挙での勝利は大変厳しい情勢にあると考えている。政権担当能力が本当にあるのか、というような、あらゆる意味で今一歩という感じだ」

 

 =これは今からわずか1年4カ月前のことですが、もう遠い過去の話のような感じもします。政治の世界はあまりにも移り変わりが早く、ちょっと前に大騒ぎしたことでもどんどん忘れられていきます。私はこのとき、「ああ、やっと小沢時代も終わったか。ただ辞めるだけでなく、自分の党の政権担当能力まで疑ってみせたし、これでみんな小沢氏には飽き飽きしただろう」と思ったのですが、甘かったようです。本人はもっと面の皮が厚く、また世間も私の予想よりこの人に優しかったというのか。

 

    平成19年11月8日、産経、民主党代表、党の両院議員懇談会で続投表明

「国民に多大な迷惑をかけた。この体にもう一度鞭を入れ、次期衆院選に私の政治生命を賭けて勝利する決意だ。不器用、口下手の東北気質のままで説明不足で、それが今回の混乱の一因にもなった。私の思いを打ち明け、丁寧に説明をすべきだった」

 

 =現在、民主党内では24日に小沢氏の公設第1秘書が起訴されても、小沢氏は辞めずに続投するだろうとの見方が強まっています。常識的には責任をとって辞めるのが普通ですが、小沢氏にはそんな常識は通用しないし、小沢氏の首に鈴をつける議員もいないだろうからというわけです。ヘンな話ですが、このときのことを考えても、実際そうなるのかなという気がします。やれやれ。

 

    同上、両院議員懇談会後の記者会見で

「私は昨年代表に就任して以来、心身ともにひたすら7月の参院選に向けて、自分の限界までやってきたつもりだ。体も精神面もかなりくたびれていた。頑張っていた気力が途切れたというか、プッツンしたというか」

 

 =65歳にもなって「プッツン」、だそうです…。

 

    平成19年11月28日、朝日、民主党代表、「政治資金問題や年金記録問題を追及し、国民不在の政治に風穴を開けた」として「小学館DIMEトレンド大賞」の特別賞に選ばれて

「何かよく分かんなかったんですが、ありがとう。私はあまりこういう場に慣れていないので、特別賞をいただくようなことやったかなと思った」

 

 =ご本人も受賞を訝しんでいますが、私もさっぱり分かりません。小沢氏が「政治資金問題を追及…」ってこれは悪い冗談なのか。当時、この記事を読んで「世の中の受け止め方なんてそんなものなのかなあ」と空しく感じたのを思い出しました。

 

 自民党幹事長室長として歴代自民党幹事長を身近に見てきた奥島貞雄氏は著書、「自民党幹事長質の30年」(中公文庫)の中で、小沢氏について「ワーストワン」の幹事長だったと断じた上で、「幼児期は積み木遊びで積み上げてもすぐに崩す。少年期は戦争を知らない軍国少年もどきの戦争ごっこ。そして大人のつもりのパワーゲーム――これが小沢の歩みだったのだろう」と手厳しく書いています。

 

 何度でも繰り返しますが、彼の一体何が一定の支持と評価を集めているのか、私には本当に理解できません。小沢氏は「自己中心的でわがままなただの子供」にしか見えないのですが。

 

 

 今朝の毎日新聞の2面「風知草」で、専門編集委員の山田孝男氏が書いているコラム「傍観者的『検察』依存」はその通りだと頷けました。このコラムはまず、「小沢一郎とカネをめぐる逸話には釈然としないものが多い。にもかかわらず、検察が動かぬ限り是非は問わないという世の中は健康だろうか。何がヘンか自分の目で見ず、判断を司法に丸投げする検察依存社会のゆがみを問いたい」と提起しています。

 

 他紙のコラムをあまり褒めるのもナンですが、我が意を得たり、という思いがしました。司直の手が入ろうと入るまいと、私もこれまでさんざん書いてきた通り、小沢氏の政治資金の問題はどこかヘンだと感じる方が普通であり、健康であるように思います。

 

政治資金規正法はその「目的」として、「政治活動が国民の不断の監視と批判の下に行われるようにする」ことを挙げていて、総務省政治資金課は「要は国民がどう思うか」としています。それなのに、問題がこれでいいのかを自分の頭で考えずに、検察の国策捜査だなんだのと言うのは筋が違うだろうと私も考えます。毎日のコラムはまた、辛辣にこう書いています。

 

 「小沢も国家改造を語るが、晩年の田中と同様、金集めと権力掌握が自己目的化していると見るべきではないか。小沢はこの疑念に答える代わりに、献金はすべて『適法に処理している』と繰り返す。微罪で秘書を逮捕した検察の政治性を批判し、『政治を変えることが私の思考のすべて』とす『官僚主導を壊す』とか言い始める。こういう話のそらし方に虚無的なものを感じる」

 

 いやあ、新聞の、それも他紙のコラムでここまで小沢氏に対して舌鋒鋭いものは初めて読みました。惜しむらくは、毎日さんもそう思っていたのだったら、もっと早くから、踏み込んで書いてきてほしかったなあ、という気もしますが。さて、それでは本日も小沢語録シリーズをお届けします。平成19年へと突入しました。

 

    平成19年1月13日、朝日夕刊、民主党代表、平成17年の政治資金収支報告書に事務所費約4億1500万円を計上していた理由について

「秘書の給与が低いから、宿舎を提供してやろうと、(私の自宅の)近所に(土地・建物を)購入した。(事務所費に)計上するしかない」

 

 =この件に関しては何度も書いてきたのでもう詳しい説明は省きますが、ふつう、私設秘書の給与が安いと思うなら、政治資金で自分名義の不動産など買わずに素直に給与を上げるものだと思います。理解できません。小沢氏はこの「秘書の宿舎」を3億7900万円かけて建設したのですが、当時、自民党のあるベテラン秘書は「それだけあれば、秘書5人に家賃10万円のアパートを50年間借りてあげられる」と呆れていました…。

 

    平成19年1月23日、産経、民主党代表、記事の中で16日の民主党大会での小沢氏のあいさつを引用

「私の政治資金の処理においては、使途不明の資金や他の経費の付け替えなど不正や虚偽記載は一切ない」

 

 =で、2年余り後に、公設第1秘書が政治資金規正法違反(虚偽記載など)の容疑で逮捕されたというわけですね。

 

    平成19年2月21日、産経、民主党代表、資金管理団体「陸山会」の事務所費の詳細を公開(短時間)した上での記者会見で

「私は不動産に何の権利も持っていないことを書面で確認している。私が政界を引退した場合、これらの不動産が『陸山会』の資産として残存していた場合は、その資産は後進の人たちへの支援に使いたい」

 

 =言葉だけ聞くと、その意気やよし、という気にもなるのですが、小沢氏の言う「確認書」は公文書ではなく何の法的効力もありませんし、東京高裁は昨年6月、「不動産は必ずしも陸山会のものとはいえない」という判決を下し、小沢氏の主張を退けていますね。また、ここで言う「後進」がだれを想定しているのかも定かではありません。仮に小沢氏が死亡した場合、法制上、親族が相続することになりますし。

 

    平成19年2月28日、毎日、民主党代表、インタビューで政治資金について

「(大声で)大事なのはディスクロージャー、オープンにすること。違法行為は司法が取り締まる。妥当性はオープンにすることで、税金を納めた国民、献金した国民が判断する。オープンにされていなければ国民は、判断のしようがない」

 

 =ちゃんと分かっているじゃないですか。うんうん、よしよし。

 

 …小沢氏の政治資金問題については、民主党の前原誠司副代表も「たとえ合法でも、あれだけの献金をもらっていいのかという問題はある。私には考えられない金額だ」と声を上げ始めていますね。当たり前の感覚だと思います。こういう意見が、民主党内からまだ表にほとんど出てこない、公の場で発せられない現状の方が、やはり健康ではなないだろうと。

 

 本日もちょっとばたばたしているので、短いエントリで失礼します。「宿題」があって、朝4時に起きて原稿を書いたので、まだ午前中だというのに少し疲れてもきました。なるべく早く、続きをアップしたいと思っています。

 

 

 先ほど例の「アレ」の件はどうなったかなと安倍元首相のホーム・ページをチェックしたところ、13日正午までの回答を求めていた安倍事務所に対し、ジャーナリストの上杉隆氏側から回答再延期の要請があったと記されていました。当初の回答期限の9日に答えられず、13日になっても返事をしないというのは、やはり何と言い訳して誤魔化そうかと考えてもいい案が浮かばず、混乱しているということでしょうか。

 

 ちなみに、安倍氏のホーム・ページには「上杉隆氏に誠実な対応を求める」という一文がアップされていて、それには次のように書いてありました。

 

  《…当方が証拠となる写真を示し、さらに安倍晋三議員に批判的は新聞社を含め、東京から同行してきた記者全員が上杉氏の記事を否定しています。また当時のビデオテープも残っており、上杉氏の記事がでっちあげの捏造であったことは明らかです。
 当方がそうした証拠を示したことに、上杉氏が動揺しているとしか考えられません。真実はひとつであり、すでに明らかになっています。上杉氏は直に回答すべきです。
 上杉氏は自身のブログでふざけた対応をしていますが、当方が指摘している事実関係にこそ対応すべきでしょう。上杉氏自身も「自称ジャーナリスト」と認めているようですが、自称とはいえジャーナリストを名乗る以上、誠実にお答え下さい。》

 

 …そうか、上杉氏は自称ジャーナリストであると自ら認めたのかとある感慨にふけりながら、ふざけた対応をしているという上杉氏のブログをのぞいてみると、題名が「東京脱力SPORTS&RESORTS(試作版)~ゴルフとスパと時々、永田町 元内閣総理大臣公認 自称『ジャーナリスト』上杉隆のラグジュアリー・ブログ」という訳の分からないものになっていました。

 

 他人事ながら、大丈夫でしょうか。まあ、上杉氏に対しては私も少なからず腹を立てているので、どうしようとどうなろうと知ったことではないのですが、常軌を逸しているような気が少し…。でも、今週の週刊文春や週刊朝日にも上杉氏の記事が載っていましたし、仕事はしているようですね。ふざけているだけなのか何なのか。

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