2009年03月

 

 本日、民主党の小沢一郎代表の資金管理団体「陸山会」の政治資金規正法違反事件で、12日に東京地検特捜部から参考人として事情聴取を受けた石川知裕衆院議員(小沢氏の元秘書)が、午前10時半ごろにいったん「きょう行いたい」と報道各社に通告してきたインタビュー取材を、正午前の土壇場になってキャンセルするということがありました。石川事務所はドタキャンについて「理由はいえない」ということでした。

 

 一体どういうことだろう、もしかしたら再聴取か?などと同僚と話していたのですが、午後の鳩山由紀夫幹事長の記者会見で理由が分かりました。つまりは、幹事長(室)でストップをかけたということでした。

 

 鳩山氏 メディアの餌食になってもいけないなと。あまりこういったことで、メディアのまた、対象になりすぎてもいかがなものかということで、幹事長とし(言い換えて)幹事長室として、「今日のマスコミへのぶら下がりなどは遠慮したほうがいいんじゃないか」と。本人自身は多分、出るつもりだったんだと思いますが、それに対して抑えたというふうにうかがっています。》

 

 …うーん、気持ちは分からないでもないですが、言葉遣いをみても煮詰まっているというか、疑心暗鬼に囚われている気もしますね。この日の記者会見で鳩山氏は、一方では検察に説明責任を果たせと求めているのですから、「説明したい」という石川氏の意向を尊重すればいいのに。まあ、気を取り直して淡々と粛々と、小沢語録シリーズの続きをお届けします。

 

・ 平成18年5月10日、朝日、民主党代表、記者会見で国会や党の会議を休みがちである理由を説明して

「心臓疾患で入院以来、食事してすぐに仕事にとりかからないなど、医者の忠告を守っている。(衆院本)会議は、昼食の時間にぶつかったものは欠席している。1日60本吸っていたたばこもやめ、酒も3分の1くらいにした。朝食会や特にワーキングランチなどはもっと体に悪いのでどなたにも断っている。非常に国政上重大な場合はその限りではない」

 

 =ふーん、そうですか。聞き置くことにします。

 

    平成18年7月5日、産経、民主党代表、2日の民放番組で小沢氏が述べた発言を引用して紹介

「日中の政治家レベルで本当に信頼関係があるとは思えない。(日米中が)正三角形になって日本が扇の要になる関係でなければならない」

 

 =この「日米中正三角形論」は、ずっと以前のエントリでも紹介しましたが、自民党の加藤紘一元幹事長の持論でもあります。この小沢氏の発言に対しては、当時の麻生外相が「二等辺三角形ならあり得るが、正三角形ではない」、安倍官房長官が「日中関係は重要だが、同盟関係ではない。正三角形とは基本的に違う」とそれぞれ異議を唱えました。

 

    平成18年7月14日、朝日、民主党代表、インタビューで、政治家は首相になりたいものではないかと聞かれて

「そういうげすの勘ぐりが多いのよ。ぼくの心理では、もう(首相を)経験しちゃっているんだ。(自民党時代に)なろうと思えばなれたんだから。自分でやったほうが改革をやりやすいんじゃないかと言われれば、そうかなという気はするけれど、本当はぼくに代わって改革をやってくれる人がいれば、それはもう全然いい。ぼくは気楽でいいよ、その方が」

 

 =ずっと見ていると、この人は首相に意欲を示しているときと、必ずしもそうではないときと両方ありますね。あくまで言葉の上での話ですが。

 

    平成18年8月18日、夕刊フジ「剛腕コラム」、小泉首相の8.15靖国参拝を批判して

「首相職にある限り、その身分はついてくる。国内的にも国外的にも『日本国を代表する首相が、戦争責任にケジメをつけない行動をした』ということになってしまう。僕も英霊に尊崇の念を表すため、靖国神社に参拝したことが何度もあるが、政府の責任ある立場にいる者が参拝することは次元が違うのだ」

 

 =このように小沢氏は首相の靖国参拝やいわゆるA級戦犯合祀を繰り返し批判していますが、自治相時代の昭和61年4月の参院地方行政委員会では、公式参拝するかどうかを聞かれて「A級であろうがB級であろうがC級であろうが、そういう問題ではない。たまたま敗戦ということによって戦勝国によって戦犯という形でなされた人もいる。その責任論と私どもの素直な気持ちは、別個に分けて考えてもいいのではないだろうか」と答弁していました。

 

 私は、政治家も含め、人の考え方は変わることがあるのは当然だと思います。私も、新たなことを知り、学ぶことで日々少しずつ考えに修正を加えたり、微妙にスタンスを変えたりしています。ですから、小沢氏が言うことが昔と今とで違っていても、それを直ちに批判しようとは考えていません。ただ、一体何をもってこの人が「ブレない政治家」「理念の人」などと評されるのかがよく理解できないのです。

 

    平成18年9月14日、産経、民主党代表、インタビューで憲法改正への民主党の取り組みについて聞かれ

「政策は国民の関心の強いものに対し、どう応えるかということ。必ずしも国家の優先順位とは一致しないが、選挙が政権を決める以上はそういうことも加味しながらやっていかなければならない。その案配だ。憲法改正の必要性について聞かれれば答えるが、今は国民に全然関心がない」

 

 =こういうところは理念派というより、プラグマティストかなと感じます。

 

    平成18年10月6日、産経、民主党代表、体調不良のため入院していた日本医科大病院を退院後、記者団に

「(4月の代表就任以降)精一杯張り切ってきたもので、若干くたびれた。それで、この際、全部検査してリフレッシュして、また頑張ろうと思った。(入院が)国会の冒頭だったので、いろいろ皆さんにお騒がせした。体そのものに異常っちゅうか、悪いところはない。あらゆる検査をしてもらった。年なりに動脈硬化はあるが、特に危険というか、心配なことはないと…。そういうことだった」

 

 =安倍新政権の首相指名前夜に入院しておいて、これです。これを怒濤のマイペースとみるべきか、やはり健康不安は深刻だと考えるべきか。

 

    平成18年10月28日、産経、民主党代表、北京で中国の呉邦国全国人民代表大会常務委員長と会談した際、日本国内の核保有論議について

「残念に思う。ひと昔前なら蜂の巣をつついたような騒ぎになっていただろうが、拉致問題の流れの中で、何となく国民がそれを受け入れてしまう風潮にあり、一抹の危惧を覚える」

 

 =自民党の中川昭一政調会長の「核の議論はあっていい」発言については、私は平成18年10月18日のエントリ「検証用・核をめぐる中川政調会長発言の詳報」(http://abirur.iza.ne.jp/blog/entry/59142/)で取り上げていますが、マスコミは十分過ぎるぐらい大騒ぎ(カラ騒ぎ)していました。それを小沢氏は不十分だ、もっと騒げと思って見ていたわけですね。因果応報というか…。それと、この「拉致問題の流れの中で」というセリフもちょっと引っかかります。気にしすぎかもしれませんが。

 

 …というわけで、今回で平成18年分は終わり、次回は19年分からとなります。いよいよ記憶に新しいというか、生々しい時代に入ってきて、スクラップを読んでいてときに胸が苦しいような息がつまるような緊張感を覚えます。次回がいつになるかは分かりませんが、そう遠くないうちにアップしたいと思います。またよろしくお願いします。

 

 

 《…ジャーナリストには特別に困難な内的要求が課せられる。世間の有力者のサロンで、一見対等に、しばしば皆からちやほやされて(というのは恐れられているからだが)交際するということ、しかも自分がドアの外に出た途端に、おそらく主人はお客の前で「新聞ゴロ」との交際について弁解これ努めるに違いない、と分かっていながらなおかつ連中とつき合うというのは、それこそ生やさしいことではない》(マックス・ヴェーバー「職業としての政治」)

 

 民主党の小沢一郎代表の資金管理団体「陸山会」の政治資金規正法違反事件では昨夜、かつて陸山会の事務担当だった小沢氏の元秘書、石川知裕衆院議員が東京地検に参考人として事情聴取を受けましたね。事件が小沢氏本人にまでいくのかどうかは分かりませんが、公設第1秘書が逮捕され、子分が事情聴取されている最中に、小沢氏は昨夜は居酒屋で民主党神奈川県連の関係者と一杯やっていました。まあ、誰だって息抜きぐらいしたいでしょうし、別にいいんですけどね。現場にいた記者の話では、小沢氏は店を出る際、にこにこしてかなり上機嫌だったとのことです。

 

 実は私は、昨日から一時的に外務省を離れ、野党記者クラブの応援に駆り出されています。何せ弊紙は人手が少ない(政治部も読売、朝日、共同の半分ぐらい)ので、何でもやらないといけないのです。というわけで、本日も小沢語録シリーズの続きを書いていきます。今回は小沢氏がとうとう民主党代表に就任したあたりです。

 

・ 平成17年6月3日、夕刊フジ「剛腕コラム」、民主党副代表、民主党の〝非民主的〟体質について

「民主党は基本政策について徹底的に議論して、党としての明確な主張を決めていない。これこそもいまの(岡田克也代表以下の)党執行部の下で支持率が急落している最大の原因といえる。(中略)民主党の議員総会などで議員が発言すると、党執行部は保身なのか、異論が出ることを恐れているのか、途中で『時間です』と打ち切ってしまう。こんな非民主的な党運営は見たことがない」

 

 =小沢氏が代表になって、一層、もの言えば唇寒しの傾向が強まったように感じているのは私だけでしょうか。

 

    平成17年10月21日、夕刊フジ「剛腕コラム」、民主党衆院議員、靖国神社のいわゆるA級戦犯合祀について

「靖国神社は『一度、合祀した御霊は分祀できない』と主張しているらしいが、霊璽簿に名前を記載するだけで祭神とされるのだから、単に抹消すればいい」

 

 =いかにも簡単なことのように言っていますが、ここにも小沢氏の不勉強ぶりが表れています。靖国神社の湯浅貞前宮司によると、合祀にあたっては、「厚生労働省からきた名簿をもとに招魂し、いったん御霊を霊璽簿に移し、それを本殿に運び、そこで御霊には本殿にお移りになってもらう。従って、霊璽簿はあくまで合祀のための道具であって、そこに御霊がいるわけではない。小沢氏の言うように霊璽簿から名前を抹消しても御霊は靖国に残り、小沢氏の主張は通用しない」とのことでした。

 

    平成18年1月25日、毎日夕刊、民主党衆院議員、インタビューで小泉首相について

「悪い言葉ですけど、小泉さんは冷血のペテン師です。政治家としてはそういう要素も必要で、僕なんか少し見習わないといけない(笑い)。でも、それだけというところが小泉さんの問題です」

 

 =この「(笑い)」の部分がなんかいやな感じです。

 

    平成18年4月6日、産経、民主党衆院議員、偽メール事件で退陣した前原誠司前代表の次を決める代表戦出馬の記者会見で

「私に対する毀誉褒貶、批判がいっぱいあることは承知しているが、「百術一誠に如かず」だ。一致結束が図れるようにしたい。わが党にも多くの人材がいる。適材適所で自分の得手とする分野で責任を持って力を発揮してもらう」

 

 =一応、自覚はあるのですね。なんとなく、福田康夫前首相の退任記者会見でのセリフ「私は自分自身は客観的に見ることができるんです」を思い出しました。

 

    平成18年4月8日、産経、民主党代表、就任記者会見で小泉首相について

「人間、社会は理と情の部分の二つの側面を持っている。小泉純一郎首相は情の部分が薄く、権力闘争に徹しきれる人物だ。なかなか手ごわいし、これだけ長い間国民的人気を博することができた。その意味ではとてもかなわない」

 

 =同じく権力闘争を最も重視する者として、小泉氏に一目置いているということでしょうか。

 

    平成18年4月8日、朝日、民主党代表、就任記者会見で「自ら変わる」として

「私は情に棹(さお)さして流される方なので、政治の決定に感情を挟んではいけないと自分に言い聞かせている。みなさん(マスコミ)に対する態度をよくするとか、ブスッとしていないで笑うとか、そういう意味の変身も心がけねばならないと肝に銘じる」

 

 =このときから丸3年。でも、その後もすぐ感情的になったり、ブスッとしたりで、別に変わっていないような気がします。

 

    平成18年4月10日、朝日夕刊、民主党代表、記者団に対し、靖国神社の合祀対象からA級戦犯を外す方法について

「政権を取ったらすぐやる、そのとき教える」

 

 =私はこの発言は、実はテキトーなことを言っただけで本当は何も考えていないのではないかと疑っています。ちなみに、この発言に対し、当時の安倍晋三官房長官は「靖国神社が自主的に決定することであり、政府が介入すべき事柄ではない。小沢さんらしい強引な考え方なのかなという気もする」と述べています。

 

    平成18年4月11日、朝日、民主党代表、インタビューでメディアによる「小泉劇場」報道について

「メディアは公正・中立の一線を越えた。自殺行為だ。片方だけを報道するから本当は選挙違反。私が国家公安委員長なら取り締まるところだ」

 

 =私も当時の報道は過熱しすぎていたと思います。特に「刺客」騒動や、当選してきた小泉チルドレンに対するちやほやぶりは、常軌を逸していると自分のマスコミの一員ながら感じていました。でも、それにしても「国家公安委員長なら取り締まる」ですか。やはり怖いなあ、この人は。

 

    平成18年4月14日、夕刊フジ「剛腕コラム」、民主党代表、自らの健康状態について

「健康不安説については、365日、大好きな酒は欠かしていないことだけは記しておきたい」

 

 =そんなこと言ってインドのシン首相との会談は体調不良でドタキャンしていますしね…。私もそうですが、酒飲みは、健康状態が悪くてもつい飲んでしまうものですから、あまりたいした健康の根拠にはならないような。

 

    平成18年4月19日、産経、民主党代表、記者会見で創価学会の秋谷栄之助会長との会談について聞かれ

「秋谷会長や、その関係者とは会っていない。(秋谷会長と会ったという報道は)マスコミの取材の範囲の問題だ」

 

 =そんなこと言ったって、公明党の神崎武法代表が「表敬訪問に過ぎないと受け止めているし、ほかの特別の意味はないと承知している」と会談の事実を認めているのに…。この人はいつもこうやって押し切ってきました。例えば、相手との約束などがあり、事実を公にできない場合などは「言えない」というのならまだ分かりますが、この人の場合はいきなりマスコミのせいにして全否定ですからね。信用できません。

 

 さて、本日の本題とは関係ありませんが、民主党の輿石東参院議員会長が昨日の記者会見で自民党による日教組批判についてコメントしていたので、ここに掲載しておきます。記事も書いたのですが、ネットには流れたものの、紙面からは落ちているようなので。

 

記者:森元総理が、輿石会長と日教組の批判をしているが

 

輿石氏:ああ、私のことですか。コメントに値しない、呆れかえっている。それ以上でも以下でもありませんが、昨日も昼間の(民主党参院の)会で「われわれのトップなんだから、会長を信頼しているので、こんなもの大人の対応だといってコメントに値しない、放っとけなんて言ってないで、きちんと反論してほしい」というお話もありましたが、4年前か5年前の3月3日だと私は記憶してます(※間違い)が、幹事長のときにこの問題を産経新聞で一面トップで書いていただいた。

それを受けて小泉総理に私の政治信条なり政治活動に疑義があったら、いつでもどこでも行くから、証人喚問なり参考人なりぜひ呼んでほしい、きちっと説明しますと言ったけど、総理は「これは国会で決めることです」とその後何も言っていただかなかった。で、今日に来ている、それがすべてだと思っていますし、そして日教組批判ね。日教組批判は、日教組もそんなに力があるのかあと僕はびっくりしています。改めて日教組を宣伝していただいているのかなと思います。》

 

 …余裕かましているように聞こえますが、実態はどうでしょうかね。某参院議員に聞いた話では、自民党が衆院側で輿石氏の問題を追及していたころ、輿石氏が何度も自民党の参院国対の部屋に飛び込んできて、「誰がやらせているんだ。こんなことをやっているのは森派だろ!?」と談判している姿を目撃したそうです。気にしていないわけがないと思います。

 

当時は、自民党の参院は青木幹雄氏が仕切っていて、青木氏は輿石氏ともその仲間である民主党の角田義一前参院副議長(引退)とも昵懇の間柄(特に青木氏と角田氏は本当の仲良し)でしたからね。いわゆる55年体制的与野党のなれ合いがまだ参院を支配していて、輿石氏の問題は衆院ではけっこう厳しく追及されたのに、参院ではほとんど取り上げられず、いつの間にか忘れ去られていった経緯があります。あのときも残念というか悔しい思いをしたものですが…。

 

 

 《刑罰によってこそ負い目の感情の発達は最も強く抑えられてきた――少なくとも刑罰権の発動を受けた犠牲者について言えば――と断定することができる。わけても軽視してならないのは、犯罪者は裁判上および行刑上の処置そのものを見るというまさにそのことのために、自分の行為、自分の行状をそれ自体において非難さるべきものと感じることをいかに妨げられるかということだ。》(ニーチェ「道徳の系譜」)

 

 今朝の新聞各紙によると、民主党の小沢一郎代表は昨日、党本部で若手議員の激励を受け、自らの秘書で同党衆院議員の石川知裕氏の参考人聴取について「選挙妨害」と位置づけて検察批判を展開した上で、「何としても次期衆院選で勝つ。オレは悪いことはしていない。いずれ真実が分かれば国民も理解してくれる」と述べたようです。ふーん。まあ、どう思おうと自由でからね…。

 

 そこで本日は、不定期連載の小沢語録シリーズの第15弾をお届けします。今回は平成17年となります。やっと4年前まできました。

 

    平成17年1月10日、産経、民主党副代表、フジテレビの番組「報道2001」で小泉改革を批判して

「(郵政民営化は)小泉首相にとっては最大のことであろうことは間違いないが、国や国民にとって最大の課題かというと首をかしげる。戦後のいろいろな仕組みが行き詰まっている。この仕組みを根本から改めることが構造改革。それはイコール政権交代だ。小泉首相の発想は角福体制で角をやっつけるというだけ。郵政も道路も田中派の牙城だった。国民のために仕組みを変えるという発想ではない」

 

 =小泉氏が福田派議員だったことを指して言っているのでしょうが、田中派の正嫡子であるあなたがそれを強調しても説得力が…。

 

    平成17年1月14日、夕刊フジ「剛腕コラム」、民主党副代表、ゆとり教育についての見解を表明

「文部科学省はやっと『ゆとり教育』を見直しつつあるようだが、僕は以前から、基本政策の1番目に『人づくり』を掲げ、ゆとり教育について『軽薄な時代の風潮に迎合したものであり、とんでもないことだ』と批判してきた」

 

 =で、そう言いながら、ゆとり教育の発案者であり推進者である日教組の支援を受けているというわけですか。今年2月に広島で開催された日教組の教育研究全国集会でも、小沢氏は「日ごろより、民主党に対するご支援に厚く御礼申し上げます」というメッセージを送っていましたが。

 

    平成17年3月25日、夕刊フジ「剛腕コラム」、民主党副代表、ニートについて

「僕は自宅で小鳥を飼っているが、親鳥はヒナが大きくなるまでは一生懸命に世話をするが、一定の時期がくると冷たいほど突き放して巣立ちさせる。ニートの親は動物にも劣るといっても過言ではない。(中略)僕に言わせれば(ニート)対策は簡単だ。一定の猶予を与えて、親が子供を家から追い出せばいい」

 

 =動物にも劣る、ね…。相変わらず極めて乱暴な言葉遣いをする人です。

 

 …あっ、すいません。たった三つの言葉しか紹介していないのに、手元の小沢氏の過去記事切り抜きがここまでで終わってしまいました。またおりをみて会社に行って調査資料部で仕入れてこないといけません。随分と半端なことになってしまい、重ねてお詫びします。

 

 そうこうするうちに、時間もなくなってきました。また近いうちに「その十六」をアップしますので、とりあえずきょうはこれでご勘弁ください。失礼します。

 

 

 私は今朝の産経政治面に、「自民、衆院選にらみ『保守色』鮮明 日教組に矛先」という見出しの記事を書きました。麻生太郎首相や閣僚、元首相など政府・自民党幹部から日教組と、その支援を受けている民主党批判が相次いでいることを紹介し、特に日教組のドン、民主党の輿石東参院議員会長が標的となっていることを指摘したものです。

 

 すると、きょう弊紙の記者が早速、輿石氏から「励ましてくれてありがとう。阿比留君によろしく」とのお言葉をたまわったそうです。この余裕ぶりに「ある意味、この人は小沢一郎代表なんかよりはるかに人物が大きいのか?」という気の迷いも一瞬、頭をよぎりましたが、せっかくですからもっと励ましてあげようと思います。

 

 さて、記事でも紹介しましたが、この輿石氏に対し、森喜朗元首相は「違法なカネを集めて当選してきた」と語り、安倍晋三元首相も「かつて山梨県教職員組合が輿石氏に違法な献金を集めていた。実はそれまでもずっと同じことをやってきている」と指摘しています。これに対し、民主党の幹部からは「輿石会長の名誉のために、これ以上自民党が何か言ってきたら反論しようではないか」という声が上がっているそうです。

 

 私は、その反論をとても期待しています。ぜひ、力を込めてやってほしい。というのは、そうしてもらえれば、現在はあまりこの問題について書く意欲がない他の新聞・テレビも、少しは書くかという気になるでしょうし、何より、森氏や安倍氏の指摘はまがうかたなき「事実」なので、その点を多くの人に知ってもらう役にも立ちます。輿石氏本人はさすがに自覚があるのか、森発言に対し「コメントに値しない」と反論せず、逃げをうっていますが…。

 

 輿石氏を支援してきた山梨県教組の政治団体である県民主教育政治連盟(県政連)は、産経新聞が疑惑を指摘するまで平成15年末から輿石氏の参院選挙が行われた16年初頭にかけて教員らから半強制的に集めた輿石氏の選挙資金カンパについて、政治資金収支報告書に一切記載していませんでした。そのため、18年1月には、山梨県教組の財政部長と県政連会長が政治資金規正法違反(虚偽記載)で略式起訴され、罰金刑を受けています。違法なカネ集めとその処理は、だれも否定できません。

 

 ただ、それだけではないのです。安倍氏が「実はそれまでもずっと同じことをやってきている」と述べたように、山梨県では輿石氏の選挙の年や、山梨県教組の組織内候補がいる県議選、あるいは知事選、市長選などがある年(つまりひっくるめるとほとんど毎年)、教員のボーナス時に「校長3万円、教頭2万円、一般教員1万円」(教員OB5千円)の闘争資金カンパを行ってきました。山梨県教組の組織率は95%以上といわれ、実際は4500人前後いる教員のほとんどと、教員OBがそれに応じてきたのが実態です。ですから、県政連は毎年、数千万円の寄付収入があったはずなのです。

 

 ところが、この資金カンパには領収書は発行されず、使途も明らかにされてないことをいいことにして、県政連は長年にわたって政治資金収支報告書にこの寄付金のことを記載せずに誤魔化してきました。政治資金収支報告書をもとに、それを簡単な表にしてみます(万単位以下は切り捨て)。

 

 ・平成2年   寄付金        ※輿石氏の衆院初当選

 ・  3年   寄付金   

 ・  4年   寄付金   

 ・  5年   寄付金        ※輿石氏の衆院再選

 ・  6年   寄付金   

 ・  7年   寄付金   

 ・  8年   寄付金  691万円  ※輿石氏の衆院落選

 ・  9年   寄付金   

 ・ 10年   寄付金  447万円  ※輿石氏の参院初当選

 ・ 11年   寄付金   

 ・ 12年   寄付金   

 ・ 13年   寄付金   

 ・ 14年   寄付金   

 ・ 15年   寄付金        ※問題発覚後、1021万円に修正

 ・ 16年   寄付金 5142万円  ※輿石氏の参院再選

 

 …これを見ていただければ一目瞭然だと思います。輿石氏の選挙があった平成8年と10年に、申し訳程度に寄付収入を記載していますが、もちろん、実態がそんなものであったわけがありません。16年の参院選に向けての資金カンパでは、表に出ているだけで6163万円ものカンパを集めている(このうち、輿石氏の後援会と支援組織に3300万円が寄付されています)のですから、その他の年のゼロや数百万という数字が、いかに信憑性が薄いか分かってもらえるでしょう。立件されたのは15年の不記載分でしたが、長年にわたって政治資金規正法違反を続けてきたことはほぼ断言できると思います。累計したら、一体どれだけのお金が闇に消えたのか。

 

 これは、産経の報道、追及キャンペーンがなければずっと不記載のままだったことでしょう。収支報告書を閲覧した県民も、資金カンパに応じた教員もあざむく行為だと思います。小沢氏の資金管理団体、陸山会の迂回献金問題より悪質だという気すらします。

 

 ちなみに、輿石氏はこの県政連について「直接関係ない」「当事者ではない」と言っていますが、産経新聞が県選管に情報公開請求して調べたところ、県政連の役員となっていましたし、国会でもぽろっと「私自身の政治団体」と明言したこともあります。いやあ、本当に民主党には反論に出てもらいたいものです。この問題は、産経以外はほとんど取り上げてきませんでしたが、ここで再びスポットを当ててほしいなあ。

 

 

 例の西松建設の迂回献金問題では、盛んに自民党の二階俊博経済産業相のことも取り上げられていますね。もともとは民主党の小沢一郎代表の側近でしたが、やがて小沢氏の自己中心的でオレ様的な振る舞いについていけなくなり、「小沢氏の名前も聞きたくない」と周囲に漏らして小沢氏の元を離れ、現在は自民党でそれなりの立場にある人です。でも、読者の中には「二階氏ってどんな人だったっけ?」という方もいるかもしれないので、参考までに私が二階氏に関連して書いた過去エントリを3本みつくろって紹介します。

 

    2007年1月16日「二階国対委員長の訪中で思い出すあの石碑」(http://abirur.iza.ne.jp/blog/entry/102395/

    2007年11月1日「グリーンピア南紀の再生白紙化と江沢民石碑のイメージ画」(http://abirur.iza.ne.jp/blog/entry/370991/

    2006年10月2日「臓器移植の闇と中国と永田町」(http://abirur.iza.ne.jp/blog/entry/49365/

 

それと、安倍晋三元首相の事務所が9日昼までに公開質問状への回答を求めていたジャーナリスト、上杉隆氏の「アレ」な記事に関して、安倍氏のホームページに新たな記載がないので直接、事務所にどんな回答があったのか聞いてみました。

 

するとなんでも、週刊文春から安倍事務所に「ご指摘の部分については、現在、厳密に精査しています。したがって、回答までに少し時間をもらいたい」という連絡があったとのことでした。まあ、これまで書いてきたいきがかり上、一応報告しておきます。

 

本日はちょっと忙しいので、短いエントリで失礼します。あしからず。

 

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