2010年01月

 

 民主党の小沢一郎幹事長は23日、都内のホテルで東京地検特捜部の事情聴取を受けた後、記者会見するとともに説明文書を配布しました。その模様は、訪問者の皆さんもテレビや今朝の新聞でよくご存じでしょうからあまり繰り返しませんが、到底納得できるようなものではありませんでした。あれでいろんな疑問点について「理解しろ」と言われても無理があります。

 

 まあ、初めての事情聴取で、検察も小沢氏もいきなり手の内をすべてさらすとも思えませんし、いきなり決着がつくわけもありませんね。ただ、それにしても、よく分からない話でした。小沢氏は、陸山会に貸し付けた4億円の原資に関し、こう説明しました。

 

 ①昭和60年に湯島の自宅を売却して残った約2億円を積み立て、平成元年11月に銀行口座から引き出した②平成9年12月に家族名義の口座から引き出した3億円③平成14年に家族名義の口座から引き出した6000万円--を東京都港区元赤坂の事務所の金庫に保管していた。平成16年10月には金庫に4億数千万円残っており、4億円を陸山会に貸し付けた。

 

 つまり、計5億6000万円を小沢氏個人とその家族の名義の口座から引き出し、1億円と少しは何かに使ったけれども、それでも「タンス預金」はまだ4億数千万円ありました、ということですね。

 

 小沢氏はカネに細かく、実際、陸山会に貸し付けたカネについても、しっかりと平成15~17年の3年間で1000万円以上の利息を受け取っています。そういう人が、何で長期にわたって利子のつかない形でカネを寝かしていたのかという疑問も湧きますが、もう一つ、どうにも分からないことがあります。

 

 それは、①の部分です。小沢氏は「湯島の自宅を売却して残った2億円を積み立て」と説明していますね。これについては、元秘書で衆院議員の石川知裕容疑者が土地購入の原資について「小沢先生が父親から相続した遺産」と供述していることと、一応、符合しています。

 

 ただ、これは以前のエントリでも産経紙面でも書いたことですが、小沢氏自身は昭和58年1月の産経のインタビューに「遺産はなかった」と答えているわけです。そして、昭和61年2月の自治相時代の閣僚の資産公開時には、閣僚のうち2番目に不動産資産が多いことが発覚し、読売新聞に対し「最近、湯島の家を売って買い換えたもので、両親が残してくれた土地の資産価値が出ただけだ」と語っています。

 

 「湯島の家」は遺産のうちに入らないという感覚だったのか、どうなのかは分かりません。ともあれ、この資産公開時に示された小沢氏の資産は以下の通り(実勢価格とは異なるはず)です。

 

 【土地】 宅地 自家用 東京都世田谷区  1億5790万円

                岩手県水沢市     3363万円

            原野 静岡県東伊豆町       1万円

 

 【建物】住宅及び事務所 岩手県水沢市      339万円

             住宅 岩手県水沢市            321万円

 

 【預貯金、有価証券】 株式              466万円

 

  【貸付金、借入金】                   なし

 

 また、普通預金に関しては「あるにはあるが、公開しなくてもいいというので出さなかった」としています。このため、普通預金分がいくらあったかは分かりませんが、株式は多少あるにしても、外形上は現金は(少なくとも銀行口座には)あまり持っていなかったように見えます。

 

 小沢氏は、「最近、湯島の家を売って買い換えた」と読売に語っていますね。で、ここで気になるのが、平成5年12月27日付の朝日新聞の記事なのです。これは、「小沢一郎氏 世田谷区の土地・建物 取引前に転売契約成立」「所有7カ月 売却益3000万円」という見出しのもので、リードにはこうあります。

 

 《小沢一郎・新生党代表幹事が東京都世田谷区内の土地・建物を購入から七カ月後に売却し、三千万円の差額を得ていたことが、二十七日公表された衆院議員の資産公開や朝日新聞社の調べで分かった。この土地はその後、小沢氏と親しい会社社長など三者の間で転売されて、短期間で一億円以上の差益を生んでいた。契約書類によれば小沢氏が売却する前に、すでにその先の売買契約までが成立しているなど、不可解な点が浮かび上がっている》

 

 この朝日の記事によると、小沢氏は現在の世田谷区深沢の家に落ち着く以前の昭和60年2月に、同じ世田谷区の下馬に2億9000万円で土地と住宅を購入し、一度も住まないまま同年9月に3億2000万円で横浜市の元会社販売業者に売却した、とあります。

 

 あくまで他紙の記事ですし、もう20数年前の話なのでいろいろと確かめようがない点もあるのですが、この記事によると、次のように事実関係が記述されているのがひっかかるのです。

 

 《この下馬の取引の直後の八五年(昭和60年)十月に、小沢氏は代議士だった父親から相続した文京区湯島二丁目の四百三十八平方メートルの土地を十四億円で売却した。そして同年十一月十九日に、現在の世田谷区深沢六丁目の土地千六百十九平方メートルを九億千百四十万円で購入。三億三千三十三万四千五百円で住宅を新築した》

 

 湯島の土地が十四億円(!)で売れたということも、そんな不動産を受け継ぎながら堂々と「遺産はなかった」と答えたことも驚きですが、この記事によると小沢氏は、湯島の土地を売る前に2億9000万円もの土地取引をする(すぐに転売するつもりだったにしろ)金銭的な余裕があったという点にも関心を引かれました。それと、あの深沢の豪邸は土地・建物で12億4000万円もしたのかと。

 

 で、14億と下馬の土地を転がした差益金3000万円の計14億3000万円から深沢の自宅代の12億4000万円を引くと、一応、小沢氏の説明の①の「湯島の自宅を売却して残った約2億円」とほぼ合うことは合うのです。でもまあ、カネの出入りがこれだけのはずはないし、これはただ、表面上の数字がたまたま符合しただけでしょうね。それで「なるほど、疑問は氷解しました」となるかというと、逆にまた違った疑問が湧くばかりという感じを受けます。

 

 しっかし、鳩山首相もそうですが、お金というものは、あるところにはあるんですねえ。民主党のトップスリーを見ていると、真面目に働くのがバカらしくなる、と言ったら言い過ぎでしょうが。とにかく、今後の捜査の行方と政界のあり方についてきちんと注視していきたいと思います。

 

 本日は山梨県教職員組合と、そのドンである民主党の輿石東参院議員会長(幹事長職務代行)に関する過去記事エントリシリーズの「下」です。平成17年7月以降の記事に関してですが、きょうはちょっと余裕がないので、駆け足で紹介します。

 

 

 

 《山梨県では昨年の参院選で山教組の組織的な選挙資金カンパなど公教育に組合活動が持ち込まれる実態が次々発覚。校長会や教頭会と一体の組合支配が続いている。県教委も実態解明に消極的で、文科省の現地調査も十分な協力が得られず、行われていない》

 

 上は7月31日付の紙面で、社会部の安藤記者(当時、文科省担当)が書いたものです。山梨県の教育現場は、違法・脱法のオンパレードです。次は、地元紙、山梨日々新聞の記事です。

 

 

 

 《輿石東参院議員(民主)は前年に比べ(収入が)六・五倍で、増加率は国会議員関係で最高だった。一方、教職員を通じた資金集めが問題となった山梨県教職員組合(山教組)などで構成する政治団体「県民主教育政治連盟」(県政連)の収入は約三倍の五千六百六十二万円で、全体で二番目に多かった》

 

 こうした数字も、産経のキャンペーンがなければ表に出ず、資金は闇で処理されていたろうと思います。有権者を欺く行為が当たり前のように続いていたわけですね。

 

 

 

 上の記事も安藤記者が書いたものです。いわゆる「闇専従」ですね。税金をなんだと思っているのか。

 

 《文部科学省は「明らかにおかしい」として山梨県教委を通じ教諭の勤務処理が研修の実態を伴っているのか報告させ、改善を求める方針だ》

 

 

 

 

 というわけで、11月30日、山梨県警捜査二課は県政連会長と山教組財政部長を政治資金規正法違反の疑いで甲府地検に書類送検しました。

 

 《教職員組合の幹部が同法違反で立件されるのは初めて》

 

 

 

 再び、地元紙の記事(12月2日付)を掲載します。県教委と教組が互いに身内意識を持つということ自体、間違いなく不正常だと思いますが、似たような事例は後に大分県の教員採用試験をめぐっても発覚しましたね。

 

 《二十代の男性教師は「資金集めは悪しき慣習。山梨の教育界が抱える問題ととらえ、県教委には再度早急な調査をして『灰色』の部分を一掃してほしい」と訴える》

 

 

 

 これも地元紙です。教育界をめぐる腐敗と欺瞞の構図がどんどん明らかになっていきます。

 

 《山教組はこれまで「県政連は別組織であり、資金管理もかかわっていない」と説明していた》

 

 

 

 

 で、先の安藤記者の記事にあった「闇専従」を命じたのが、なんと県教委だったという話(12月22日付)です。ここまで変なことが続くと、みんな常識もバランス感覚も失って不感症になるのでしょうかね。県教委にしてみれば、中央の実権のない(強制力を持たない)文科省より、身内である組合の方がはるかに大切で、かつ恐ろしい存在なのでしょうが。

 

 《文科省は県教委自らが法律を守らない状況が相次いでいることに「県教委は法に基づき行政運営する立場。極めて憂慮すべき状況」と深刻に受け止めている》

 

 法律を守らず、組合におもねる教育委員会…。文科省は27日には、県教委に文書で指導を行い、「数え切れないほど口頭で指導したが適正な対応をとらない」とコメントしました。

 

 

 

 そうして、年が明けた平成18年1月18日、書類送検された二人が略式起訴されました。16年11月に初めて山教組の記事を書いてから1年2カ月余のことでした。

 

 《(山教組の)秋山俊一委員長は「仲間の財政部長がこのような立場に立たされてしまったことは非常に残念。事実を厳粛に受け止めなければならないが、今後については弁護士と相談して判断したい」との談話を発表した》

 

 しかしまあ、その財政部長があっさり教頭に昇任できるわけですから、山教組の県政支配は少しも揺らがなかったわけですね。どうしようもない…。

 

 

 

 結局、甲府簡裁が命じたのは罰金30万円の刑でした。一方、この間に文科省は県教委に対し、教委が以前、校長ら19人に行った「軽い処分」の見直しを求めていました。

 

 《山教組は「特にコメントはない」としている》

 

 

 

 略式起訴を受け、さすがに県教委も重い腰を上げ、山教組幹部や小中学校長ら計24人に対し、停職3カ月や戒告の懲戒処分などを行いました。また、彼らの行為が教育公務員特例法に抵触していたことをようやく認めました。

 

 《山教組の秋山委員長は「あまりに重い処分であり、言葉が見つからない。この事実を厳粛に受け止め、もう一度原点に戻り、保護者や県民の皆さまの負託に応えられるよう、教育改革と組合員の生活と権利を守るための組合活動にまい進していきたい」とした》

 

 これについて輿石氏は「非常に残念で、厳粛に受け止めている」と述べましたが、自身の責任については言及しませんでした。やれやれ。

 

 

 

 最後に、18年9月15日付の産経山梨県版からです。県政連の収入が17年の政治資金収支報告書上、10年ぶりにゼロになったことを報じています。半強制カンパに苦しみ、憤ってきた教員らからは弊紙に感謝も寄せられました。記事の表にありますが、寄付金収入が5142万円からいきなりゼロです。

 

 《現職教育は寄付収入が「ゼロ」になった事態に「世間の厳しい批判を受け、カンパを指示できる状況ではなくなった。多くの教員はホッとしている」と話す一方で、「ほとぼりが冷めたら再開するのではと心配する声もある」と懸念する》

 

 …さて、今年は6年ぶりに輿石氏の参院議長の椅子をかけた選挙の年ですね。教員の懸念のような事態になるのかどうか、それとももっと巧妙な形がとられるのか、いずれにしろ、注意深く見守っていきたいと思います。

 

 本日、国会裏の衆院議員会館の前を通りがかったところ、民主党の小沢一郎幹事長に関するビラが配られ、ポスターなどが掲示されていました。こういうのを見ると、国会が開会したのだなあと実感が湧きます。

 

   

 

 私は過去エントリで、国会前で熱心に座り込んでいる日教組のみなさんや自治労のお歴々、革マルなど左翼過激派の万年青年たちの様子や、彼らが配っているビラの文言などを紹介してきましたが、昨日、きょうと彼らの姿は見あたりません。

 

   

 

 その一方で、彼らとは明らかに毛色の違う方々が、日の丸を掲げ、警備の警察官らとなにごとか談笑していました。道をはさんだ対岸から、私服警官が双眼鏡で監視するというおなじみの風景とは異なり、心温まるものがありました。

 

   

 

 これがそのビラです。中国の習近平副主席の名前が、「周」と誤記されているのは愛嬌ですね。ともあれ、国会前にはまだ小沢応援団は現れていないようです。もし、そういう団体・個人がビラを配るようなことがあれば、ここでその主張も取り上げようと思います。

 

 さて、原稿を書かなきゃ…。

 

 ※追記(午後3時8分) 本日の民主党参院議員総会で、輿石東参院議員会長は小沢氏の政治資金問題について、こう述べました。

 

 「『民主党頑張れ』というファクス、電子メールが来ている。一連の目に余る情報漏洩、過剰なマスコミ情報に、国民もようやく本質に気付きつつある」

 

 はて、国民がようやく気付きつつある「本質」とは何でしょうね。非常に関心を覚えるところです。

 

 民主党の小沢一郎幹事長はきょう午前、都内の個人事務所で輿石東幹事長職務代行と約10分間、会談しました。国会運営やら小沢氏から任せられる幹事長業務の打ち合わせをしていたのでしょうか。輿石氏はその後、記者に民主党や小沢氏への応援メールを印字したものを配り、われわれはこんなに国民に支持されていると意気軒昂だったようです。いやまあ、そりゃ、中にはそういう人もいることでしょうとも。はい、決して否定はいたしません。

 

 というわけで、本日は、輿石氏に関する過去記事エントリの続きとします。今回は平成17年前半分(5月まで)です。まずは1月8日付の山梨県版からです。

 

 

 

 《山梨県教職員組合(山教組)などの政治団体、県民主教育政治連盟(県政連)が輿石東氏支援のために平成十五年末に集めた選挙資金カンパを同年の政治資金収支報告書に記載していなかった問題で、県政連幹部は七日、産経新聞社の取材に対し、「県教育会館内にある金庫に保管するよう、(別の)幹部に指示した」などと述べ、支部などが十五年中に集めたカンパを本部に保管していたことを明らかにした》

 

 《(県政連の)寄付金(カンパ)収入は、輿石氏の選挙があった八年と十年の二回だけ、計上されており、いずれも五百万円前後だった。複数の現職教員が証言している「数千万円」を大幅に下回るレベルで、県政連の不透明な会計処理ぶりが改めて浮き彫りになった》

 

 …分かりにくいかもしれませんが、上の写真の表に注目してください。山教組の選挙資金カンパは輿石氏の選挙がある年だけでなく、知事選など地方首長選や県議選その他の選挙の際(つまりほぼ毎年)にもボーナス時に行われていたわけですが、県政連の政治資金収支報告書は2年分しか寄付収入を記載していません。で、後の写真で出てきますが、こうした産経新聞の追及を受けてこれがどう変わるかに注目していてください。

 

 

 

 これは、1月28日の紙面に載った記事です。教育が仕事であるはずの教員が、「選挙運動が第一」とばかりに動員されてきたのが山梨県での常態でした。いみじくも輿石氏自身が後に言い放ったように、「教育の政治的中立などありえない」というありさまです。例によって県教委は同じ穴のナントヤラです。

 

 《昨年七月の参院選の直前、輿石氏の選挙対策本部が教員を有権者への電話作戦に動員させていたことが二十七日、明らかになった。また、昨年夏に、教員が実態を山梨県教育委員会に告発したが、県教委が事実上、黙殺していたこともわかった》

 

 

 

 次は、1月29日付の紙面です。輿石氏は前年11月に事件が発覚した際、私の取材に対し「金を集めたのは県政連であり、私と直接関係はない」と回答していたのですが…。

 

 《これまで県政連への関与を否定してきた輿石氏が参院選当時、県政連の役員である「顧問」だったことが二十八日、分かった。(中略)産経新聞が入手した平成十六年「県政連役員名簿」によると、輿石氏は顧問と明記されているわか、会長、副会長、幹事長、幹事、会計責任者ら幹部は全員、山教組出身者だった》

 

 

 

 県教委と文部科学省のやる気のなさや無力ぶりに、とうとう教育関係者の有志グループが刑事告発へと立ち上がりました。ただ行政に任せていても、いつまでたっても解決しないと。2月4日の紙面はこう報じています。

 

 《告発状によると、県政連会計責任者は、県選挙管理委員会に提出した政治資金収支報告書に、平成十五年中に個人から県政連が受けた寄付金の総額が少なくとも一億円であるのに、寄付金がなかった旨の虚偽記載をしたと指摘》

 

 

 

 2月5日付紙面では、管理職教員の集まりである教頭組合も、県政連や輿石氏の政治団体と密接につながっていることを、資料を通じて描き出しています。山教組がときに隠れ蓑を使いながらも大きく外郭を広げ、輿石氏と連携しながら県政を支配している実態がどんどん明らかになっていきました。

 

 《教頭組合が平成十四年度の「活動経過報告」で、県政連や輿石氏の政治団体の活動を複数回記載していることが四日、わかった。(中略)教頭組合は輿石氏の国政報告を「公式行事」と位置づけていたことになる》

 

 

 

 県教委が教員らの違法な政治活動を処分することに消極的だった一つの理由が、2月15日付紙面で明らかにされています。まあ、もともと山梨県教委は山教組と一体なわけですが。

 

 《資金集めに関与して訓告処分を受けた教頭(当時)の一人が、県教委の現職の指導主事だったことが十四日、産経新聞社が入手した処分者リストで分かった。違法行為で処分された人物が、教員を指導する立場の県教委幹部に就いていることに、教育現場から疑問の声が上がっている》

 

 

 

 今度は、退職教員の選挙資金カンパの振込先が判明したという記事(2月19日付)です。当時、県警の捜査に寄与すればいいなと思ったのですが、まあ、残念ながら期待したような効果はなかったようです。

 

 《関係者の話では、退職教員のカンパ集めは地域によって①退職教員互助組合の担当世話人が個人宅を訪問して集金(甲府市など)②個人宅に振込依頼書が届き、各自で郵便振込を行う--の二パターンがある》

 

 

 

 はい、修正申告がきました(2月24日付紙面)。さすがにゼロのままでは通らないと判断したようです。

 

 《県政連が平成十五年の政治資金収支報告書について、個人からの寄付金をゼロから千二十一万円に修正したことが二十三日、分かった》

 

 

 

 ここで目先を変えて、地元の山梨日々新聞の記事も紹介します。これは3月3日付のもので、これまで隠してきた資金カンパについて、刑事告発や追及キャンペーンを受けて表に出さざるをえなくなったのがよく分かります。このころは、地元紙もけっこう大きく取り上げていました。こうした金のやりとりは、本来は誤魔化して知らんぷりしておきたかったのでしょうが…。

 

 《参院選があった2004年に県政連が輿石東民主党参院幹事長側に、計三千三百万円を寄付していたことが二日、県政連の政治資金収支報告書で明らかになった。繰越金を除く支出の九割近くに上り、後援会への寄付は前回参院選があった1998年の約一・七倍に膨らんでいた。一方、収支報告書では、収入に個人からの寄付金として五千百四十二万四千百六十円を計上》

 

 …最初の写真で指摘したように、県政連は毎年、ほとんど寄付収入を記載していませんでした。それがいきなり、5142万円です。これが不自然でなくてどんな超常現象が世の中にあるものか。選挙資金カンパのからくりがばれてしまったので、いやいや記載したのでしょうが、逆にいうと、それまで長年にわたって、虚偽記載を続けてきたと推測されるのです。

 

 

 

 この点について、同日付の産経はきちんと指摘していました。こんなことがよくまかり通るなと、呆れてしまいます。そうして、こういうずさんな、しかし強力なシステムに乗っかって、輿石氏は当選し、現在の地位を得ているわけです。

 

 《県政連は、二月には十五年分の寄付金収入をゼロから千二十一万円に修正しており、十六年七月の参院選などに向けて、教職員らからカンパ名目で集めた資金が少なくとも(16年の寄付収入5142万円と合わせ)六千百六十三万円にのぼることが裏付けられた》

 

 《県政連の寄付金収入が計上されたのは、平成二年以降では輿石氏の選挙があった八年の六百三十一万円と十年の四百四十七万円の二回だけ。いずれも十六年の十分の一前後だった。一方、会費収入はここ数年、約千九百万円と記載されていたか十六年は五百二十万円にとどまった。会員数についても例年四千五百人前後だったものが、十六年は七分の一以下の六百十四人となるなど不自然な記載が目立っている》

 

 あと、3月4日付の記事の方は、輿石氏が「直接関係ない」と主張してきた県政連について、国会でつい「私自身の政治団体」と本音を漏らしてしまったエピソードを書いたものです。実態上、その通りですしね。

 

 

 

 さらに、山梨県教委側の問題点の追及も続きます。3月16日の紙面では、県教委が責任をもって行うべき懲戒処分まで、山教組に支配され、決められている実態を指摘しました。そりゃ身内に甘いわけです。

 

 《山梨県教委では、教職員の懲戒処分や分限処分について判定する「職員分限懲戒諮問委員会」に、教職員組合が推薦する教職員をメンバーに加えて審議していたことが十五日分かった。全国では他に例がないという》

 

 《諮問委のメンバーは八人で、このうち、四人が県教委が指名する県教委事務職員。残る四人は「関係職員によって推薦されたもの」としており、小中学校の場合、山教組側が推薦する教員が三人、さらに残る一人が山教組出身者が多数を占める校長会推薦者だった》

 

 

 

 で、4月23日付紙面では、山梨県警が現職教員らから事情聴取を始めたことを報じています。教員たちも、輿石氏の選挙支援をしたばっかりにいい迷惑だったことでしょうね。

 

 《カンパ時期の特定など、本格的な裏付け捜査に入っており、今後、資金を取りまとめた県政連幹部からも聴取する方針だ》

 

 

 

 一方、5月11日付の山梨県版は、文科省が前年に山梨県教委が出した処分は不十分だとして、直接処分者から聴取する方針であることを書いています。文科省は当時、山教組の顔色ばかりうかがって文科省の言うことをなかなか聞かない県教委にほとほと手を焼いていました。

 

 《校長らによるカンパ要請について、県教委は「明らかに違法とはいえないが、紛らわしい行為」として、懲戒より軽い訓告などの処分を下した。これに対して、文科省は「教育公務員特例法に違反する明らかな政治的行為」と判断。当事者から直接、事情を聴くことで違法性を明確に結論付け、改めて懲戒処分を求めるとみられる》

 

 

 

 この山教組有志教員が行ったアンケートに関する記事は5月20日付のものですが、実は有効回答は、組合員約3200人に発送したにもかかわらず、約200人分(6%)にすぎませんでした。この極端な回答の少なさ自体が、迂闊なことは口にできないという山教組の恐怖支配を表しているとも言えます。

 

 《組織内候補で民主党の輿石東参院幹事長を支援したカンパについて「自分の意思でなかった」「仕方なく払った」などの回答が九割以上に達した。(中略)回答者の約六割は、輿石氏の後援会入会カード集めについても、「ノルマに達しないと支部書記長に呼び出された」「(知人などに頼み)人間関係が悪くなった」などと不満を述べている》

 

 …ちょっと疲れてきたのできょうはここまでにします。しかし、こうして振り返ると、現在の小沢幹事長の資金問題とどこか似ているような気がします。輿石氏と小沢氏が気が合うのも、似た者同士だからだったりして。さてどうでしょうね。

 

 今朝の産経はFNN(フジニュースネットワーク)との合同世論調査(調査日は16、17両日)の結果を掲載しています。鳩山内閣の支持率(44.3%)が引き続き下落し、不支持率(40.3%)と拮抗してきた点も注目すべきでしょうが、紙面で見出しはついていないものの、私が気になった点は別にありました。それは、以下の質問です。

 

 【問】今夏の参院選を前に、次の動きに期待するか

 

 《永住外国人に地方参政権を与える法案の成立》

 

 期待する 40.5%   期待しない 46.7%

 

 …あるいは誤差の範囲かもしれませんが、今回は慎重派の方が上回っていました。多少はほっとする結果でした。賛成派も4割と、かなりの数字ではありますが。ちなみに、昨年11月21、22両日の調査では「次の政策は実現すべきだと思うか」とい設問で、外国人参政権に関しては「思う」(53.9%)が「思わない」(34.4%)を大きく上回っていました。

 

 それだけ、この問題に関しては国民にまだ「定見」のようなものがないということでしょうか。ただ、これ、今回は設問に「参院選を前に」とあるので、そういう条件的な言葉をつけなかったら、どうだったんでしょうね。急ぐ必要はないけど、参政権には賛成だという人がもっとパーセンテージを押し上げたかもしれません。

 

 また、選択肢も「期待する」ではなくて、「どちらかといえば賛成」だったなら、別に期待しているわけじゃないけど、いいんじゃないという人が丸をつけていたかもしれませんね。いずれにしろ、まだまだこの問題は論点や課題、問題点を周知していく必要があるようだと改めて感じました。

 

 この調査では、これだけ敵失が続いているにもかかわらず、自民党の支持率は前回(昨年12月19、20両日)からさらに0.6ポイント下がった18.6%(民主党は32.4%)でした。やはり、全然国民に期待されていないというか、とことん愛想を尽かされている感があります。

 

 一方、みんなの党は前回から1.8ポイント上がって4.9%(社民党は2.4%、国民新党は0.7%)に達しており、夏の参院選ではけっこう議席を伸ばすのだろうと思います。存在感も大きくなることでしょう。

 

 今後の政界がどうなるかは、民主党の小沢一郎幹事長の事件の行方が大きな不確定要因としてあるので迂闊な予想はできませんが、政界地図もまた、だいぶ変わっていくのだろうなという気がしています。世の中は好むと好むまいと、否応無しにどんどん変化していってるし。

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