2010年02月

 

ちょっと前の話ですが、4日の産経に以下のような記事が載っていました。他紙にも似たような記事が掲載されていましたね。衆院議員会館内に側近議員らで固めた「小沢ガールズストリート」が出現し、同時に小沢氏と距離を置く議員らも同一フロアに集められたという内容です。

 

小沢氏固め 新議員会館の部屋、周囲はガールズ [ 20100204  東京朝刊  総合・内政面 ]

 

 国会議事堂裏に建設中の2棟の新衆院議員会館の部屋割りが3日、決まった。民主党の小沢一郎幹事長が入る衆院第1議員会館6階には、昨年8月の衆院選で当選した小沢ガールズと称される女性議員や側近議員が勢ぞろい。逆に小沢氏と距離を置く「七奉行」のうち5人は第1議員会館8階に。政治家同士の「距離間」がそのまま部屋割りにも反映された格好だ。

小沢氏が入る6階には、青木愛副幹事長や福田衣里子氏、田中美絵子氏ら「ガールズ」がずらり集結。小沢氏に近い山岡賢次国対委員長や細野豪志副幹事長、樋高剛副幹事長らも同じ階だ。

対照的なのは2つ上の8階。仙谷由人国家戦略・行政刷新担当相や前原誠司国土交通相、野田佳彦財務副大臣、枝野幸男元政調会長、玄葉光一郎衆院財務金融委員長ら反小沢派とされる議員が固まることに。

新しい議員会館への引っ越しは7月になる見通しだ。》

 

 まあ、苦笑しつつ「よくやるよ」と思っていたのですが、先日、実際に民主党の国対がつくったその部屋割り表を見る機会があったので、写真で紹介します。まずは6階からです。

 

     

 

 なるほどなるほど、な人選です。とはいえ、小沢氏はもともとほとんど議員会館の事務所に顔を出すことはないのです。それでも、こういう面々で周囲を固めたいのでしょうかね。次に、小沢氏と疎遠な人が集う8階はこうでした。

 

     

 

 すみません、名前の左側の部屋番号が切れて分かりませんね。でもまあ、これも露骨というか何というか。こういう風に、あらゆる場面で小沢派か非小沢派かで区別され、あるいは踏み絵を踏まされるのでしょうか。さて、鳩山首相の事務所はというと、4階にありました。

 

     

 

 やはり、平野官房長官や中山首相補佐官、小沢環境相…と、鳩山氏に近い人物が配置されています。ある意味、本当に分かりやすい党ではあります。決してオープンで透明だという意味ではありませんが。6日付の東京新聞社会面の連載記事「底流 陸山会事件①」の見出しに「天下人のような空気」というものがありましたが、なんとも息苦しい空気が漂う永田町です。

 

 昨日、民主党の小沢一郎幹事長の記者会見をテレビで見て、そのあまりに勝ち誇ったような傍若無人な態度に暗澹たる気分になりました。小沢氏は、マスコミに対しては「小沢一郎は不正な献金は受け取っていなかった、潔白だったという報道を続けろ」と下命し、米国に対しては「せっかく(米国に)行くとすれば、大統領にもそれなりの十分、時間をとっていただかないと困る」とゴーマンかましていたのでした。何様のつもりなのか。

 

 で、記者会見後、小沢氏を昔から知る某氏に「なんだかなあ」と愚痴をこぼしたところ、彼は「小沢さんはああやって強がって虚勢を張っていないと求心力が保てないんだよ」と私を諭し、メモ用紙に「大隈候五訓」なるものをしたためてくれました。

 

一、     何事も楽観的にみる

二、     怒るな

三、     貪るな

四、     愚痴をこぼすな

五、     世の為に働け

 

 別に大隈重信候に特別な思い入れはありませんが、なるほど、もっともであるなと感じた次第です。小沢氏は、「此の世をば我が世とぞ思ふ」藤原道長の心境であるようにも見えますが、不起訴となった4日夜、報道陣のぶらさがりインタビューに答えて部屋を出る際には「オシッ!」と右拳を挙げてガッツポーズをとったぐらいですから、これまで薄氷を踏む思いでもあったのでしょう。

 

 そこで本日は、記録の意味も込めて、5日付の在京各紙朝刊に掲載された署名記事から印象に残った部分を抜粋し、ここに掲載しておこうと考えました。社説よりも、より取材現場のナマの声に近いかと。小沢氏に厳しい意見から検察に反省を求めるものまでトーンはいろいろですが。

 

    産経 近藤豊和社会部長 「ほくそ笑むのはまだ早い」

《捜査の過程で表面化した、陸山会による東京都世田谷区の土地取引に絡む不明朗な億単位の金の出し入れや融資については、腑に落ちないことが多すぎる。また、陸山会による大量の不動産取得や政党助成金の移動など総額数十億円にも上る不明朗な金の動きに至っては、「疑惑の山」であり続けている。(中略)「疑惑の山」への捜査は継続されることだろう。そして、国民の注視もやむことはない。ほくそ笑むのはまだ早い》

 

    読売 溝口烈社会部長 「虚偽報告 国民を愚弄」

《3人の起訴事実は「収入」と「支出」合わせて21億円余の巨額の虚偽記入であり、過去に例がない。陸山会では、2007年までの4年間で約30億円もの資金が、収支報告書の記載とは異なる流れにあった。帳尻さえ合っていれば虚偽を記載しても構わないという姿勢は、規正法の趣旨を踏みにじり、国民を愚弄するものだ》

 

    日経 平岡啓社会部長 「権力の対立 何を残したか」

《不正献金の一掃を政治信条としてアピールし、政権交代を主導したとして政界で大きな力をふるう小沢氏の献金疑惑の捜査だからこそ検察も長期戦にシフトした。(中略)権力の対立がもたらしたものが、検察と政治への不信の増幅だけだったとすれば、勝者はいない。最大の敗者は不信を募らせる国民ではないか》

 

    毎日 松下英志社会部副部長 「『大山鳴動』否めず」

《昨年の西松事件から続く小沢氏周辺への捜査も、複数の特捜OBは懸念する。「結果的に1人の政治家をターゲットにした通年捜査とみられてしまう。これでは国民に『政治的意図がある』との憶測すら生む」。長い捜査の果てに、検察への期待がしぼむことを恐れる》

 

    毎日 小菅洋人政治部長 「進退 有権者が決める」

《起訴された秘書たちは集票・集金マシンの一翼を担ったとも言え、それが小沢氏の政治活動を支えてきた。監督責任が問われるのは当然だ。選挙に勝って数を確保し派閥化する。票とカネは、「政官業」のトライアングルの中からひねり出す-こういう旧田中派型手法と、公開を大原則にし、カネには縛られない本来の民主党の体質は相いれない。物言わぬ民主党に「小沢化」の懸念を強く持った》

 

    東京 飯田孝幸社会部司法キャップ 「検察は国民に説明を 土地購入原資明示せず」

《刑事訴訟法47条は、公判前の訴訟関係書類を公表することを禁じている。しかし、特捜部は小沢氏の事務所や複数のゼネコンも捜索した上、国会開会直前に国会議員を逮捕してまで捜査を進めた。これだけ影響を及ぼした捜査の結果について、刑事訴訟法を盾に口をつぐんだままでいられるはずはない。特捜部にとって有利、不利を問わず、国民に最低限の説明を果たす責務があるはずだ》

 

    朝日 薬師寺克行政治エディター 「政権 出直す機会に」

《巨額な資金が絡む「闇」を持つ政治家が、政権党の幹事長として国政を左右するのでは、まともな民主主義国家とは言えないだろう。(中略)首相は「小沢氏に参院選を仕切ってもらいたい」と述べた。自浄能力のない、もの言わぬ政党のままでいるつもりなのだろうか。今、すべきは政権のリセットだ》

 

 …小沢氏は昨日の記者会見で、石川知裕被告に対し、野党側が辞職勧告決議案を提出している件について「石川自身は、国会議員の職務に関連して、責任を問われているわけではない。若干そこは違う」と強調しました。4日の起訴の時点でも、同じ趣旨のことを言っていました。

 

 しかし、これはおかしな理屈だと思います。同僚記者は「そんなことが通るのなら、選挙違反をして当選した議員は『あれは当選する前の話だから』と免罪されることになる。納得がいかない」と感想を漏らしていました。小沢氏一流の「オレ様流」の屁理屈、言い逃れとそれが通用すると世の中を甘く見ている姿勢にはもう辟易しています。もういいかげんにしてほしい、ホントに。おっと「大隈候五訓」を思い出さなくては。

 

 

 きょう発表された産経新聞とフジニュースネットワークによる合同世論調査をみると、鳩山内閣の支持率は42.8%で、不支持率は46.1%でした。この調査で初めて不支持率が支持率を上回ったものの、まだ4割の人がこの内閣に期待を残しているようです。やはり、衆院選での投票行為を通じ、自分で選んだ政権だからという思いがあるのでしょうか。

 

 で、調査の中に鳩山政権の外交政策を評価するかという設問がありました。回答は、「評価する」が21.2%で、「評価しない」が60.8%でしたから、鳩山内閣を支持する人でも、その外交のあり方は半分しか支持しておらず、さすがに呆れてみているのでしょうね。そりゃそうです。むしろ、2割の人が評価している方が不思議なくらいです。随分甘いというか。

 

 私は昨年12月2日のエントリ「危惧を覚えざるをえない鳩山政権の盧武鉉化」(http://abirur.iza.ne.jp/blog/entry/1348836/)や紙面などで、鳩山首相が、夢想的かつ独善的な論理をあまりに振りかざすので諸外国、特に米国に相手にされなくなり、軍事情報の提供なども受けられなくなった韓国の盧武鉉前大統領に似ていると揶揄されている件を取り上げました。

 

 その際には、「いや、盧氏の方が鳩山氏よりマシだろう」という指摘をいただきましたが、本日、たまたま盧氏に関する新たなエピソードを確かな筋から聞いてきたので、ここで紹介しようと思います。それにしても、この人以下なのか…。

 

 それは、日時は把握していませんが、盧氏が大統領就任後、初めて米国のラムズフェルド国防長官(当時)と会談したときのことだそうです。盧氏は開口一番、こう切り出したそうです。

 

 「韓国は歴史上、二百数十回の侵略を受けてきた国だ。日本から百何回、中国からも百何回と。米国からも一度、侵略されたが、そのときは8時間だけの占領だったのでまあ許せる。しかし、日本は今も脅威だ。韓国の安全保障政策は対日本を第一に考えている。そういう観点から話をしたい」

 

 盧氏は当然、韓国語でこう熱弁していたそうです。そしてそれに対し、話の途中でラムズフェルド氏は同席した同僚の方を向いて(もちろん英語で)「このバカは、一体何を話しているんだ?」と言っていたとのことです。

 

 そして盧氏の話が終わると、ラムズフェルド氏は「日本は米国の同盟国であり、ご主張のような観点からの話はできない」と明確に回答したのでした。まあ、いきなりこんなピントのずれたことを言ってくる人を相手にできないと考えるのも当然ですね。

 

 果たして、鳩山氏はどうなのでしょうか。私はこの盧氏の話を笑って聞きながら、内心では「鳩山氏の言動を考えると笑っていられないな」と感じていました。鳩山氏も、昨年10月に中国の温家宝首相と会談した際には、東シナ海のガス田をめぐる条約締結交渉について「急がば回れ、という言葉もある」と先延ばしに言及した温氏に対し、「その通りです。まさに急がば回れです」と応じて喜ばせたり、「(鳩山内閣では誰も参拝しないから)靖国神社のことは頭から消し去ってください」と自分から言ったり…と外交を任せるには正直、とても危ない人物です。

 

 この先日本がどうなっていくのかと、本当に危機感を覚えざるをえませんね。何か、恐ろしい近未来小説の世界か何かが実現しつつあるような、悪夢を見ているような心持ちがします。

 
 昨日は、連載記事「新民主党解剖」第3部を書きながら、耳ではテレビで放映された衆院予算委員会のやりとりを聞いていました。中でも、やはり白眉だと感じたのが、自民党の石破茂政調会長の質問でしたね。鳩山内閣の閣僚たちが「何を聞かれるか」と緊張している様子まで伝わってきました。
 
 石破氏は当初、鳩山首相と民主党の小沢幹事長の「政治とカネ」の問題を突くことも検討したようですが、結局、質問の大半は民主党による予算の個所付け通知の件と、得意の外交・安全保障、憲法の分野にあてていました。それでよかったのだろうと思います。
 
 で、その中で私が注目した鳩山氏の答弁がありました。たぶんそうだろう、いやきっとそうに違いないと思ってはいたことですが、それがはっきりしたのです。石破氏の質問に、よくぞ聞いてくれたと拍手を送りたい気持ちでした。
 
 石破氏 総理、あなたは昨年の衆院選挙のときに、米軍普天間飛行場の移設先について国外、最低でも県外とおっしゃった。当てがあっておっしゃったか。
 
 鳩山氏 今までの様々な経緯を私としてもすべて理解しているわけではなかったが、様々な選択肢の中で(名護市の)辺野古に決まったと理解している。その中で、海外、県外、様々な議論があったので、一切、県外、国外に理解なく申し上げたわけではない。ただ、県民感情を考えたときにそれが望ましいという思いで述べたことは事実だ。
 
 …しどろもどろでよく分かりませんが、要するに、辺野古の代替え案にたいしたアイデアはなかったということを明らかにしていますね。その程度の考えで、沖縄県民の期待をもてあそび、日米同盟にひびを入れたわけです。せっかく、沖縄県知事と名護市長(当時)がともに日米合意の受け容れを表明するという「奇跡に近い」(石破氏)千載一遇の好機も逸してしまいました。
 
 また、鳩山氏は新たな移設先について5月末までに「合衆国政府もこれでよい、分かったと。地元も納得という形で最終案を政府として決めるということだ 」と明言しましたが、これも当てがあって言っているようには聞こえませんでした。鳩山氏が答弁の中でやたらと「思い」を繰り返すことは以前も指摘しましたが、実は自分の「思い」と「現実」の区別がつかない人なのではないかという懸念を覚えています。
 
 施政方針演説でガンジーの言葉を引用し、「労働なき富」は罪だと語った件もこの人の現実感覚を疑わせます。あれは、現にそう冷やかされている通り、誰がどう聞いたって「それはあんただろう」という話ですね。実際、施政方針演説の閣議決定の前には、閣僚や官房副長官らから「それはまずくないですか?」と反対論が出ていたのに、鳩山氏は「批判は覚悟している」と押し切ったそうです。
 
 一応、お金の件で自分が評判がよくないこと自体は分かっていたのでしょうが、その批判がどのくらい大きく、本質的なものであるかは理解していなかったのだろうと見ています。つまり、この人は他者の目に映っている自分の姿が想像できず、ただ自分自身の夢の世界に遊んでいるだけなのでしょう。
 
 これも以前のエントリで書いたことですが、こうした鳩山氏のあり方について小沢氏側近の平野貞夫元参院議員は「意識した夢遊者」と表現していましたね。そういう人間がいたっていいとは思いますが、国のトップとして仰がなければならない国民は不幸だと、わが身を顧みてしみじみそう感じています。 

 

 このブログを始めて初のエントリ削除のご報告とおわびです。実はさきほどアップしていたエントリで、民主党の村越祐民衆院議員のコメントを掲載していたのですが、ご本人から取材した小田記者に対し、「産経新聞に載せるのはいいが、ブログは困る」という趣旨の申し出があったため、不得要領ながら削除しました。すでにコメントを寄せてくれていた方々におわびいたします。

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