2010年04月

 

 さて、当たり前といえばこれほど当たり前のこともありませんが、各種世論調査に表れた鳩山内閣の支持率低下(朝日25%、日経24%、産経・フジ22%)に歯止めがかかりませんね。25日の東京新聞のコラム「時代を読む」では、拓殖大学長の渡辺利夫氏が次のように評していましたが、きっと多くの国民が同じ思いを噛みしめているのでしょう。

 

 《齢七十、物事の判断が多少はできるようになって五十年ほどが経つ。その間に、これほどひどい政権を戴いたのは初めてのような気がする》《誠に不思議なことだが、民主党政権は公式合意のV字形滑走路が他に比較して「劣る」ことを一度たりとも国民に説明していない》

 

 また、同日の毎日新聞の「論調観測」欄では、論説副委員長の児玉平生氏がこんな風に論じていました。

 

 《(各紙の社説の)受け流したり、皮肉交じりの表現から感じられるのは、迷走が続く鳩山政権に対し、まともに注文をつけても仕方がないという雰囲気だ。》《国民の視線は、すでに、あきらめからしらけに変わっているかもしれない。その危機感が政権から伝わってこない》

 

 そうですねえ。それでも鳩山内閣はまだ2割の支持は維持しているのですから、日本人は寛容というかおおらかというか、奇特というか不思議というか、包容力があるというかいい加減というか、優しいというか変というか…。鳩山氏当人も、「ボクの悪口を書くメディアが悪いんだ」という「思い」のようですし。

 

 一方、明らかにこの支持率低下の原因となっている小沢一郎幹事長はというと、「全然、心配しておりません。新聞やテレビの世論調査は当たったことがない」と強弁していますね。実際は、ここ数年の選挙前の世論調査はほぼ結果にそのまま反映されているのですが。

 

 ともあれ、今強く感じていることがあります。それは、小沢氏が民主党内や支持団体、業界を恐怖政治や利権誘導で固めれば固めるほど、そのやり方に嫌気が差した無党派層が民主党支持から去り、それが支持率低下につながっているということです。小沢氏は連合を中心とした民主党の支持団体を集中的に回ることや、一方でこれまで自民党を支えてきた団体を引きはがすことには熱心ですが、一番多い無党派層に訴えたり、取り込んだりするのは全く苦手でその発想すらないようですね。

 

 26日の日経は自社の世論調査に基づき、次のように分析していました。急速に無党派層が民主党離れしていることが分かります。

 

 《無党派層の内閣支持率は前回の半分、2月の4分の1の4%にすぎず、(民主党も)政府と「共倒れ」になりかねない》

 

 一方、今朝の産経・フジの調査では、無党派層で鳩山内閣を「支持する」は9.9%で、「支持しない」は75.4%でした。日経の数字とは多少異なりますが、いずれにしても一桁です。19日の朝日の世論調査の記事では、無党派層は54%に上っており、ここまで嫌われてしまうと、夏の参院選も相当厳しいでしょうね。民主党としては、ますます自治労や日教組など支持団体への依存を強めざるを得ず、それがさらなる悪循環を生む可能性もあります。

 

 民主党が参院選で掲げる目標獲得議席は、単独過半数を確保できる「60議席」以上ですが、このままいくと50にも届かないのではないかと見ています。

 

 するとどうなるか。民主党は「逆ねじれ」を避けるため、なりふり構わず、公明党との連立に走り、「民公政権」ができる可能性が高そうですね。さぞや素晴らしい友愛に満ちた政権となりそうです。みんなの党あたりが、公明党の議席がかすむぐらい大躍進すれば別かもしれませんが。

 

 …とここまで書いたところで、小沢氏に対する検察審査会による「起訴相当」議決のニュースが入ってきました。なのでここまでとします。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 やっぱり鳩山首相は危ない人だと、最近、改めてそう感じています。この変な人をいつまでも形だけでも最高権力者の地位に置いていては、日本が取り返しのつかないぐらい溶解させられてしまうと。鳩山氏は昨日、視察だか選挙活動だかで群馬県を訪れたのですが、その際のあいさつなどで、3度にわたってこう持論を展開していました。どこから来る信念なのか、根拠が全く見えてこない話なのですが…。

 

 「(定住外国人が人口の17%を占める大泉町について)これは日本のモデルではないか。そのようにさえ思う。私は国を開くことが、日本のこれからの未来にとって大変大きな、私どもがやらなければならない事業だと思う」(大泉町役場での群馬県知事との意見交換会あいさつで)

 

 「将来的にこの国は、もっと開かれた国にしていかなきゃならない。そのための先行的に頑張っている地域の実情を勉強させていただいて、政府が何をやるべきかを考えさせていただいた」(同町で記者団に)

 

 「国を開くのが私たちのこれからの日本の行く道だと信じている」(前橋市の前橋商工会議所での党所属議員の国政報告会あいさつで)

 

 日系ブラジル人たちが多く暮らす大泉町によほど深い感銘を受けたのか、あるいはもともと現実と関係なく勝手に意を強くしたのかよく分かりません。この国を開くというのは、大量の移民受け入れ政策のことなのか、もっと直截に外国人参政権付与の件なのかも判然としません。でも、鳩山氏は以前から繰り返し「日本列島は日本人だけの所有物じゃない」「国というものが何だかよく分からない」「国とNPOを対等にしたい」などとわけのわからない、それでいて日本を混沌と混乱の坩堝に突き落とす危険性をはらんだ妄言を振りまいていますから、その延長線上の話なのでしょう。

 

 この大泉町での発言にしても、本来はそこからくみ取らなければいけないさまざまな問題点や不都合、克服すべき課題などマイナス面にもしっかりと目を向けるべきだと思います。私も詳しくは知りませんが、大泉町を舞台やモデルにしたノンフィクションや小説をいくつ読んだだけで、事態がそんなに美化できたものでないことぐらい分かります。ですが、鳩山氏の場合は、そうした気に入らない部分は耳目に入らないような頭の構造になっているのでしょうね。そして、自分の見たいもの、聞きたいものだけを理解すると。

 

 で、もう一つ最近のこの人の言葉で気になっていることがあります。それは23日に共産党の志位和夫委員長と会談した際の発言です。志位氏は30日から訪米して米政府要人らとも会談することになっています。

 

 「(米軍普天間飛行場は)移設条件なしの撤去しか解決の道がない」

 

 志位氏がこう主張するのは、まあ共産党ですから当然ですが、これに対する鳩山氏の次の返答はいかがなものかと思いました。

 

 「気持ちは理解するが、安全保障の観点から言って、『はいそうしましょう』とはなかなかいえない。米国に、(そう)言ってきていただきたい。訪米の成果を祈っています

 

 鳩山氏は、訪米した志位氏が米政府高官らと話す際に「鳩山首相も本当は同じ考えだ」と説明して持論を展開してもいいと、お墨付きを与えたようなものでしょう、これは。鳩山氏も最近は、国会答弁などで米海兵隊の抑止力について言及するようになりましたが、結局、北沢俊美防衛相と同じく「在日米軍は迷惑施設」という発想なんでしょうね。

 

 何度も書いてきていますが、私も日本が本当に自主防衛に向けて動き出すというのなら、それは歓迎します。しかし、そんな高いリスクを背負う覚悟も考えもさらさらなく、現実は米国の軍事力に依存したままで、甘えた子供のように反発してみせるだけというのは筋が全く通らないバカげた言動だとしか思えません。

 

 鳩山氏は、もともと「常時駐留なき安保」を提唱していました。米軍は有事の際にだけ日本に駆けつけてくれればよい、という考え方です。これまた自分勝手極まる言い分ですし、それで実効性があるのかどうか、こんなの子供でも「ダメだこりゃ」と分かる話でしょう。ですが、日本国総理大臣となった鳩山氏は「この考えは封印する」と言っているだけで、撤回はしていません。いまや世界で最も不安定な地域である極東に日本が位置していることを、全く理解していないのだろうと思います。

 

 13日には、鳩山氏がワシントンで記者団に語ったとされるこんな言葉がネットで話題になりましたね。

 

 「ある意味で、日米同盟を持続的に撤回させていく」

 

 一部メディアは、「撤回(ママ)」と報じたようですが、産経は現場にいた記者が「てっかいに聞こえないこともないが、やはり展開ではないか」と判断し、「展開させていく」と書きました。でも、こんなバカげた疑念が持たれること自体が、鳩山氏とこの内閣の持つ危険性を表しているようにも思います。

 

 結局、鳩山氏はどんな日本の未来像を描いているのでしょうか。日本から米軍のプレゼンスをなくし、防衛費は削る一方で、東アジア共同体構想を進めてアジアを中心に大量の移民を受け入れ、かつ日本人と対等の権利を与えると。国と国の国境はできるだけ曖昧にして、できれば国という概念すらなくして無国籍で個々バラバラで帰属するもののない社会(千葉法相や福島男女共同参画担当相らは、夫婦別姓の次は戸籍廃止を目指しています)をつくりたいのでしょう。

 

 そんな社会がどうやったら維持できるのかとも思いますが、日本の破壊そのものが目的であれば、もはや維持を考え必要もないのでしょうね。無自覚なアナキストが首相を務めているというこの笑えない喜劇よ。

 

 どうして我が国はこんなloopyを首相に…と目の前が暗くなる思いです。ナントカに刃物と言いますね。これでまだ清廉潔白、人品高潔な人なら評価することもできるでしょうし救いようもあったのかもしれませんが、政治資金問題をめぐっては、読売新聞に「『説明する』も嘘だったのか」(23日の社説)と書かれるぐらいの嘘つきですし。あーあ。

 

 というわけで、ここからは宣伝です。おそらく明日の紙面から不定期連載「新民主党解剖」第4部が始まります。例によって私がアンカー役を務めていますので、気が向いたら読んでやってください。かくいう私も、「世の中というものが何だかよくわからない」でここまできてしまいましたが。

 

 

 昨日は、鳩山由紀夫首相と自民党の谷垣禎一総裁との党首討論が開かれました。訪問者の皆さんもご存じの通り、鳩山氏はこの中で、米軍普天間飛行場移設問題をめぐる米ワシントン・ポスト紙の酷評を受け入れ、「言われるように、私は愚か(loopy)な総理かもしれません」と認めましたね。会場の参院第一委員会室が一瞬、どよめいたのがテレビの画面を通じても伝わってきました。

 

 現職の首相が「愚か」であるかどうかが国会で議論され、あまつさえそれを首相自身が「その通りかも」と追認するのは、たぶん前代未聞の珍事だろうと思います。これについて平野博文官房長官は記者会見で「首相自身の謙虚さの表れ」と擁護していましたが、私はその後のやりとりを聞きながら、一見「無防備」に見える鳩山氏は、実は姑息な人だなあとしみじみ感じていたのでした。

 

 というのは、党首討論の議論の中で、鳩山氏が巧みに言葉をすり替えているのがありありと分かったからです。この点については、テレビを見ていた国民のかなりの人も気付いたことと思いますが、改めてこの場で指摘しておきたいと思います。鳩山氏の言葉の変遷をたどると次のようになります。まず最初に認めた言葉が

 

 「私は愚かな総理かもしれません

 

 ですね。この時点では、ワシントン・ポストの指摘通り、「愚か」という言葉しか使っていません。それが、次の段階では別の言い方と混在します。

 

 「愚かだったから、愚直だったから。あるいはそうかもしれません

 

 誰も「愚直」なんて言っていないのに、突然こう言い出したのです。「あれっ」と思って続きを注意して聞いていると、さらに

 

 「少しでもそれ(沖縄の負担)を和らげることができたら。愚直にそう思ったのは間違いでしょうか

 

 いつのまにか「愚か」が消え、きれいに「愚直」にすり替えられていました。私はああ、こういうところに人の本質が表れるのだろうなと感じましたね。それは鳩山氏が意識してやったか、無意識にこうなったのかにかかわらずです。ちなみに、手元にある小学館の「大辞泉」によると、それぞれの意味はこうあります。

 

 【愚か】①頭の働きが鈍いさま。考えが足りないさま②ばかげているさま③未熟なさま。

 

 【愚直】正直なばかりで臨機応変な行動をとれないこと。また、そのさま。ばか正直。

 

 他の辞書も当たってみましたが、だいたい似たようなことが書いてありました。つまり、「愚か」は文字通り「ばか」であって、「愚直」は、「正直」の程度が甚だしいもの、「正直」を強調したもの、不器用なまでの真っ直ぐさ、というところでしょうか。愚直は一般的に一定の好意、評価を持って使われる言葉であり、どう考えても両者の意味は全く異なりますね。もちろん、「loopy」に愚直なんてニュアンスは全くありません。

 

 鳩山氏は結局、他者の批判を受け入れる謙虚さを装いながら、自分の都合のいいようにその意味するところをねじ曲げたということでしょう。実際、昨夜の記者団とのぶらさがりインタビューの際にも、

 

 「愚直さを今こそ生かさなきゃならないときだ

 

 などと自己正当化し、「愚直」という言葉を7回も使用していました。自分はばかなのではなく愚直なだけだと言いたいわけです。それならば、最初から堂々とワシントン・ポストの書きぶりを批判し、反論すればいいものを、相手の主張に耳を傾けるふりして結局、自分の殻に閉じこもっているのですね。

 

 衆院選の投開票日を目前とした昨年の8月24日のことですが、東京都の石原慎太郎知事は自民党政権の命運について次のように語りました。

 

 「(麻生太郎)首相が国民の軽蔑を買った。軽蔑が一番、怖いんだよ」

 

 昨日のわずか50分ほどの党首討論の時間中、民主党幹部の中には居眠りをしている人もいましたし、うつむいてずっと携帯をいじっている人もいました。若手議員の一人は、討論終了後、「しんどいね」とつぶやいていました。鳩山氏の求心力はこんな言葉の遊びでごまかせないほど低下しているようで、国民の目も厳しさを増しています。

 

 君主は決して軽蔑されてはいけないとは、マキャベリも繰り返し説いていることですが、鳩山氏はもう、引き返せない一線を超えてしまったように思います。自らがまいた種によって…。まあ、私の知ったことではありませんが。

 

 

 今朝の産経は1面トップで、米軍普天間飛行場の移設問題をめぐり昨日、滝野欣弥官房副長官から平野博文官房長官に会ってくれと電話で頼まれた徳之島の3町長が、みな、平野氏との会談を拒否したことを伝えています。その上で、この滝野氏の電話について、鳩山首相が記者団に

 

 「それは滝野副長官にお聞きください。私が存じあげる話ではありません」

 

 と突き放したことを報じ、五嶋清副編集長が「今の鳩山政権が抱える問題の縮図がある。政権内部の意思疎通の欠如と信頼関係の希薄化は、この内閣が崩壊過程にあることを物語っているようだ」と書いています。この点については私も、似たような感想を覚えたのですが、ちょっと付け加えます。

 

 私は昨夜の鳩山氏の記者団へのぶらさがりインタビューを見て、ああこの人は二重にダメだなと改めて実感しました。この人は直属の部下である滝野氏の電話に関して、「私はどのような思いで瀧野副長官が電話をされたか分かりません」と話しましたが、これが意味することは何でしょうか。

 

 まず、鳩山氏が本当にこれを把握していなかったとしたら、普天間の移設先選定という政権の最重要課題について、部下の意向も動向も何も掌握しておらず、また適切な指示も出せておらず、しかも事後報告も受けていない無能の人だということになります。少なくとも、記者団に威張って「滝野さんの電話というものが何だかよく分からないのですが…」と言っていい話ではありません。

 

 次に、本当は滝野氏の電話は鳩山氏の意向を受けたものだったか、あるいは鳩山氏も承知の上でのことだったらどうでしょうか。上司である鳩山氏は全く自らは責任をとろうとせず、「部下のせい」を決め込んだ卑怯者ということになります。こんな上司の下で働きたくはありませんね。

 

 つまり、今回の件は、鳩山氏の無能さか卑怯さか、あるいはその両方をわかりやすく示した事例なのではないかと考えたのでした。その上で、鳩山政権の「不実さ」をしみじみ感じる場面もありました。産経が滝野氏による電話後、徳之島・伊仙町の大久保明町長に電話取材したところ、大久保氏はこう憤っていました。

 

 「前に平野官房長官にお会いしたとき、反対意見書を持って行ったときに、平野氏は『それ(徳之島移設)は単なるマスコミの噂ですよ』と言っていた。あれほどマスコミが騒いでいる中で『噂ですよ』と言われたので、私は(今さら会いたいというのを)理解できない。何のために会うんですか?徳之島移設以外の話があると思いますか?なんか幼稚園生みたいな言葉遊びをやっているだけです。もっとはっきりおっしゃればいいわけですよ。島の人を何と思っているんですかね、振り回して」

 

 平野氏だけではなく、鳩山氏自身も、産経が以前、1面トップで「鳩山首相が徳之島案検討を指示している」と報じた際に「単なる憶測だ」と断じていました。政治家、特に政府首脳には、ときとして言いたくても本当のことが言えない場合や、真意を説明することが難しい事情があることは私も理解していますし、そうした場面を実際見てきました。しかし、この政権はそういうのではなくて、単に世間と国民をなめきっているようにしか見えないのです。

 

 鳩山氏は、口では「命を守りたい」だの、「(普天間問題で米国に)命がけでぶつかる」だの、「(擬装献金を)天地神明に誓って知らなかった」だの大仰なことを言いますが、人と会ったときにあまり相手の目をまっすぐに見ることのできない人でもあります。真剣さだとか、真っ当さなどをとうとう一度も理解しないまま、恵まれた家庭をバックに、小才と、ふわふわとした世渡りだけでここまで来てしまったんじゃないかと、そんな風に思えます。

 

 対米関係においては、鳩山氏は野党時代から繰り返し「対等な関係」「従属的でない関係」を築くと強調してきました。なるほど、そのこと自体は私も賛成です。ですが、真に対等になるためには口先だけで「対等」と唱えれば済むというものではありません。

 

 普天間問題にしても、米国との一種の条約である日米合意を一方的に破棄すると宣言し、それなのに代替案も示さず、ただ「トラスト・ミー」と言っては不誠実な先延ばしの連続でした。しかも、その間、米国をはじめ国際社会が「継続してほしい」と要請していたインド洋での補給活動は中止し、かといってそれに代わるようなテロ対策もアフガン支援策も打ち出していないわけです。

 

 相手との約束を破り、その上、相手が望まないことばかりをやりながら、しかも安全保障面で間違いなく依存的立場にあるにもかかわらず、「今までは従属的だったがこれからは対等だ。なぜなら、政権交代したからだ」と言っているわけです。こんな甘えた子供のような言い分を、どこの誰が聞くでしょうか。これでは当事国だけでなく、はたから見ている他の国も、日本は約束も守れないし「ギブ・アンド・テイク」も理解できない支離滅裂で自分勝手なダメな子なんだなと思うことでしょう。

 

 しかし、何度もこの点を強調しますが、これは民主的な選挙を通じてわれわれ国民が選択したことですね。やはり、民主党に投票しなかった人も含めて一定の責任を負わざるを得ません。鳩山氏がこういう人であることは、少し政治に関心を持って、これまでの彼の言動を見てきた人ならば予想がついたことです。もちろん、メディアの責任もあるでしょうが、産経は連載記事その他を通じ、民主党とその幹部らがどういう人たちで、どういう考え方を持っているかは報じてきたつもりです。それで免責されるとは思いませんが、今となっては「予想できた範囲内で悪い方向に進んだな」という感想を覚えるだけです。

 

 ちょっと朝から気が滅入ってきたので、ここらで我が師、宇宙的スケールですべてを俯瞰し、いつも深遠なる言葉を贈ってくれるミスターLに再び登場を願います。彼のすべてを包み込む大きな心と、誠実で嘘偽りのない魂に触れると、私はいつも「生まれてすみません」と自らの半生を反省したくなるのです。それでは早速…

 

 私 閣内崩壊といっていい鳩山内閣の支持率低下が続いています。現在、調査によっては20%台前半まできていますが、このままいくと10%台前半にまで落ちることも想定されます。鳩山氏の命運はどうなるのでしょう。

 

 ミスターL もし、総理が正常な神経をお持ちだったら、もう耐えられない。というか、国民から早期退陣を求められているということは、それは民主主義ですから、ご自身の進退はもう極まったなと。ならば潔く自分としては思い残すことはあるけれども、総理の職を辞するべきだと、こう判断するはずですね。

 しかし、なかなか総理をなさる方は正常な視野というものを失ってしまいがちで、名誉心とか、自己顕示欲とか、そういうものが先に立って、結果として個利個略、私利私欲におぼれて、国民の皆様方に多大な迷惑をかけてしまう。(中略)潔く職を辞することが、日本を救う唯一の道だということを改めて総理に対して申し上げたい。(2009年2月20日の記者会見)

 

  そうですね。一方で、野党側は民主党が鳩山氏のクビをすげ替えて新たな総理を選び、参院選を行うことを警戒しているようです。

 

 ミスターL 警戒していませんよ。それをやったらおしまいですよ。国民は、麻生さんのもとでどんなに支持率が低くったって選挙しなさいよと、そう言っている。まさに、常套手段のように、疑似政権交代を自民党の中で演出をし、その実、何も代わらなかったと、中身がますます悪くなってきたのが自民党政権ですよ。

 自民党政権自体もうおやめなさいよというのが国民の声で、それを総理のクビをすげ替えて済むというのは許しませんというのが世論調査の結果ですから。(2009年2月23日、記者団に)

 

 …本日も、ミスターLから快刀乱麻を断つ明快な言葉をいただきました。オバマ大統領が就任した際、記者団に「麻生さんとの類似点、または相違点は?」と質問されて、「似ているのは漢字が読めないところ。オバマは読めなくても仕方がないが」と答えて自分一人でウケていた鳩山氏に爪のあかを煎じて飲ましたいぐらいです。これらの言葉を肝に銘じろと。

 

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