2010年05月

 

わたしのまちがいだった

わたしの まちがいだった

こうして 草にすわれば それがわかる》(八木重吉「草にすわる」)

 

 さて、みなさんもうご承知の通り、鳩山首相は本日2度目の沖縄訪問を行い、仲井真知事らと会談して米軍普天間飛行場の移設先を、名護市辺野古付近でとお願いしましたね。なんのことはない、自民党政権時代の日米合意の微修正レベルであり、袋小路をさまよった挙げ句、元の地点に戻ってしまったというわけです。

 

 就任以来の9カ月にわたる迷走で、日米同盟を「もう元には戻らない」(外交筋)ほど毀損し、東シナ海は中国の海であるかのように中国を増長させて諸外国の嘲笑と迷惑顔を招き、沖縄県民の気持ちを「差別」という嫌な言葉を使わせるまで傷つけ、結局、以前の案でまたどうかよろしく頼むよと言っているわけです。

 

 一昨日の参院本会議で、自民党の丸川珠代氏が鳩山氏に対して「ルーピー」とヤジを飛ばしたのには賛否両論が出ていますが、私は心から賛同します。これ以上、ぴったりくる言葉は他に思いつきません。長い野党時代、首相になれば何でもできるぐらいに世の中を甘く考え、かつ「米国はきっと折れてくる」という根拠不明な自信を持っていたようです。ある民主党中堅議員はこう言っていました。

 

 「首相はこれまで、すべてが何とかなってきた人だから。困ったな、という状況になっても周囲が何とかしてくれた。今回初めて、これは何ともならないと感じているんじゃないか」

 

 …身もふたもない言い方をすれば、これまでの人生は有り余るお金の力で何とでもなったのでしょうね。ご自身も「恵まれた家庭に育ったものですから」と語っていましたし、母親から毎日50万円の子ども手当をもらっておいて「気付かなかった」と堂々と言えるような人生を送ってきたわけですから。

 

 《政治家が心しなくてはならないのは、問題に直面したとき決して直線で考えないことだ。最短距離を見つけようとしてはならない。目的地へ直線を引くことをやめて、必ず迂回すること、むしろ、回り道を見つけだそうと努めるべきなのである。

直接的であることを避け、間接的なものの考え方を選ぶ重要性は、政治はもとより経済、社会問題においても当てはまる。直接にアプローチすることで、かえって時間がかかるだけでなく、目標を達成できないことも多いのである》(李登輝「台湾の主張」)

 

何度でも繰り返しますが、私は本来、自主防衛ができるものならそうすべきだと考えていますし、沖縄の過重な負担も軽減する方向に持っていくべきだと当然そう思います。ただ、そのためには、準備期間も法整備も防衛費の大幅増も必要ですし、何より国民の相当の覚悟が求められることでしょう。

 

何の検討も「腹案」もなしに、できることとできないことの区別もつかないままいい加減なことを口にし、プライドを保とうと言い逃れを続けているうちに収拾がつかなくなって最期はお手上げというのでは無責任すぎますね。鳩山内閣では、「決着」「合意」という言葉の意味がくるくると日替わりで変わりました。

 

 《外務大臣の宇垣一成は一種の妙な癖がある、彼は私が曖昧な事は嫌ひだといふ事を克く知っているので、私に対しては明瞭に物を云ふが、他人に対してはよく「聞き置く」と云ふ言葉を使ふ、聞き置くといふのは成程その通りに違ひないが相手方は場合によつては「承知」と思ひ込むことがありうる、宇垣は三国同盟(三月事件か?)にも関係があつたと聞いているがこれも怖らくはこの曖昧な言葉が祟つたのではないか。この様な人は総理大臣にしてはならない》(寺崎英成「昭和天皇独白録」)

 

 鳩山氏はきょう、仲井間氏との会談でこう語りました。自民党の谷垣総裁との党首討論で「愚か(loopy)」を「愚直」とすり替えたように、この日も「最低でも県外」という自らの言葉を「できる限り県外」へと誤魔化していました。謝罪に言い訳や嘘を混ぜるこのやり方はもう、はっきりと卑怯者だと言うしかありません。

 

 「私自身の言葉、できる限り県外だということ。この言葉を守れなかったこと。そして、その結論に至るまで、その過程の中で県民の皆さま方に大変混乱を招いてしまいましたことに対して、心からお詫びを申し上げたいと思っております」

 

 国民の声、県民の声、地元の声、同盟国の声、連立与党の声、声、声…。すべてにいい顔をして、それで「自分は何といい人だろう」と良心の満足を得るようなタイプの人とはつきあいたくないですね。まあ、これほど極端な人は滅多にいないでしょうが。

 

 《なによりも、われわれは「国民」をカタル人たちに振り回されないようにしよう。とくに正義を気取って「国民本位」や「国民目線」といった言葉を使うヤカラには最注意だ。かれらは、きっと自分かわいさに「国民」を濫用している。われわれ国民は政治家の自己正当化のためにダシにされるわけにはいかない》(高瀬淳一「政治家を疑え」)

 

 鳩山氏は、仲井真氏との会談で「政府のこれまでの対応によって、県民の皆さま方に大変なご迷惑をかけてしまっていますことも、私自身、痛いほどよく分かっておるつもりでございます。ご批判をちょうだいしておりますことから、逃げるつもりもございません」とも語りました。でも、本当に「痛いほどよく分かっておる」のでしょうか。以前も書きましたが、簡単に「よく分かっておる」なんて口にすること自体、分かっていない証拠のようにも感じるのです。そして、こうも言いました。

 

 「県民の皆さんの思いというものをしっかりと勉強させていただいて、県民の皆さんに理解が少しでも深まってまいるよう最善を尽くしてまいりたいと思っています」

 

 …就任後、学べば学ぶほど、海兵隊の抑止力が理解できたという鳩山氏ですから、県民の思いもこれから学ぶということですね。きょう、鳩山氏と会談した名護市の稲嶺市長はこう述べました。まさにハシゴを外された当事者ですね。

 

 「辺野古に移設ということは、名護市民および県民に県外移設を訴えた行動や、思いを裏切ることであり、特に残念でなりません。鳩山総理が県外移設を公約し、県民の期待を盛り上げ、自らそれを反故にし、鳩山政権が掲げる友愛政治を自ら否定するものであると認識しております」

 

 《みな子よ、人生とは、何をはしたなく思うか、恥と思うか、それだけです。恥のない人間は、日本人だろうが韓国人だろうが、クズです》(つかこうへい「娘に語る祖国」)

 

 それでも、この鳩山氏は今後も首相であり続けるつもりであるようです。政権交代って、本当に素晴らしい。われわれ国民に何か重要なことを気付かせてくれるチャンスだったというわけですね。もう十分、身にしみましたが。

 

 (※引用した本の文章は、職場の本棚にあったものから適当に引っぱりました。たいした意味はありません。)

 

 

 このところ、鳩山首相のことばかり取り上げてきた気がするので、本日は目先を変えて民主党の小林千代美衆院議員と北海道教職員組合(北教組)の件を書いてみたいと思います。小林氏は来月、今国会終了後に、議員辞職する(自分で辞めなくても、いずれ連座制で失職する)ようですから、今のうちに触れておこうかな、と。

 

 この人をめぐっては昨年、選対委員長代行で元連合札幌会長の山本広和被告が公職選挙法違反(買収の約束、事前運動)で逮捕され、のちに懲役2年、執行猶予5年の有罪判決(現在控訴中で6月1日に判決)を受けたことで注目を集めましたが、それまでは全国的には無名に近い議員ではなかったかと思います。この事件を端緒に、北教組による違法献金事件が明るみに出て、大きなニュースになりました。ただ、私は別件で小林氏の名前を記憶の片隅にとどめていました。こんな場面があったからです。

 

 

 

 平成17年2月1日のことでした。衆議院第二議員会館では、NHKが制作し、当時その偏向性が問題になっていた慰安婦番組をめぐり、「日本軍性奴隷制を裁いた『女性国際戦犯法廷』に対する冒涜と誹謗中傷を許さない日朝女性の緊急集会」という、いかにもその筋の集会が開かれていました。

 

 番組が特集した「法廷」では、北朝鮮の工作員と指摘される人物も、判事席に座っていましたね。議員会館の狭い会議場に約200人が詰めかけた集会には、北朝鮮の国会議員(最高人民会議代議員)の資格も持つ金昭子氏の姿もありました。

 

「この問題、国会議員の介入により番組の改ざんがさせられた。これだけ世界的にも大変評価を受けている国際法廷について、一部の議員が、まるで裁判ごっこではないかと誹謗中傷することに対し、強い憤りを持つ」

 

 集会で、こうあいさつしたのが当時も民主党衆院議員だった小林氏でした。一部の国会議員とは、当時、朝日新聞に攻撃されていた安倍晋三官房副長官(後に首相)や中川昭一元農水相(故人)らを指すのでしょうね。小林氏はもともと日教組出身ではありませんが、日教組や自治労の強い支援を受けた背景には、こうした思想傾向の共通性があるとみられます。

 

 

 

 北教組の違法献金事件をめぐっては最近、いくつか大きな展開が見られ、それが小林氏の議員辞職へとつながっています。少し整理してみます。

 

 5月18日 北教組の違法献金事件で、政治資金規正法違反(企業・団体献金の禁止)で起訴された「小林ちよみ合同選挙対策委員会」の資金管理統括で、自治労北海道財政局長の木村美智留被告の初公判が開かれ、即日結審。木村被告が北教組側から提供された資金について「表に出してはいけないお金と認識していた」と起訴事実を全面的に認め、検察側は禁固6月を求刑。判決は6月9日

 

→小林氏は「まだ裁判が動いているので、判決が確定した時点で話したい」と語る。

 

 5月19日 北教組委員長代理、長田秀樹被告の初公判が開かれ、即日結審。検察側は長田被告に禁固4月、北教組に罰金50万円を求刑。判決は6月14日。長田被告は起訴事実を全面的に認めた。長田被告の逮捕後、北教組は「法に違反する事実は一切なく、不当な組織弾圧」との声明を発表していたが、長田被告は公判で「(声明の)内容は誤りだった」とこれを否定した。長田被告は公判終了後、報道陣に「教育に対する信頼を損ねたことを深く反省している」と述べる。検察側は論告で、「計3回捜索したが、直近6年分の会計簿はなかった。資金源を隠すため、会計帳簿を移動するなどしたことは明らか。組織的な証拠隠滅を行い、長田被告が関与しているとみられる」と北教組を非難。

 

 →小林氏は「私の選挙にかかわる一連の事件につき、社会的・道義的責任を重く受けとめている。議員の身分については、今の時点で申し上げるべきではない。今後の司法の判断を尊重したい」との談話を発表。

 

 

 

 5月20日 小林氏、記者団に「一連の事件におきまして、私の政治家としての、また道義的責任を強く実感しているところでございます。(進退は)昨日結審しましたけれど、司法の判断はまだ下されておりませんので、議員の身分という大変重要な問題につきましては、今の時点では申し上げるときではないなというふうに考えておりますけれど、今後の司法の判断というものを尊重してまいりたいと考えております」と語る。

 

 →輿石東参院議員会長は記者会見で「これはご本人が出処進退は決めることですから、私の立場で軽々にコメントする問題ではない」と人ごとのような顔をする。

 

 …20日付の朝日は、「小林氏が議員辞職すれば、鳩山氏や小沢氏らの責任論が再燃する可能性がある」と書いていました。まあそうなんでしょうが、「小沢氏ら」の「ら」って誰でしょうね。過去に似たような問題を起こした議員っていましたっけ?さっぱり、分からない。思いつかないなあ。

 

 

 

 (※写真は28日発売の「決定版 民主党と日教組」の目次であり、本文とは何ら関係はありません)

 

 前回エントリで、23日上映の映画を紹介しましたが、私自身は鳩山首相が一体何をしに行くのか沖縄を再訪するらしいので、残念ですが、観に行くことがてきません。

 

 「ところで、鳩山内閣の功績って何かあるんでしょうかね。私らから見れば、赤字国債を発行して子ども手当を出すぐらいしか思いつかないんですが」

 

 窓の外に国会議事堂を望む某省の一室で、その男は、妙に明るい口調でさらっと根本的な疑問を投げかけてきた。蛍光灯特有の白々とした光の下で、男の輪郭が妙にぼやけて見えた。虚を突かれた私が咄嗟に言葉を返せずにいると、男はさらに言葉を重ねた。

 

 「今朝の産経のコラムに、『この政権が3回予算を組めば、日本は巨大なギリシャになる』とあったけど、これ、あながち嘘じゃないと思うんですよね。みんながバラバラに際限なく支出を増やすことばかりしていて、誰もコントロールできていない」

 

 ギリシャは債務不履行(デフォルト)寸前まで経済状態が悪化している。かつて経済大国ともてはやされた日本も、このままではいずれ同じ道をたどるということだろう。男の口調はどこまでも明るいが、目は真っ直ぐにこちらを見つめていた。

 

 語り続ける男の言葉を耳で追いながら、頭の中では鳩山政権の九ヶ月の軌跡を振り返っていた。

 

政権の「命」だったはずの政治主導は、肝心の政治家たちの能力不足から無惨な結果となりつつある。日本郵政は再国有化に向かい、国民の注目を集めた事業仕分けも実効は薄かった。「対等で緊密な同盟関係」を築くはずだった日米関係は戦後最悪となり、財政規律などなきに等しく、マニフェストはなし崩し的に破られている。

 

 表の政権トップと実質トップが二人とも政治とカネの問題を連日追及され、しかも責任はとらない。これを真似してか、違法献金事件が発覚した議員は、失職寸前になってもまだ辞めずに居座りつづけている。税金は、指摘されてから支払えばいいもので、天皇陛下のご心中は勝手に忖度して決めつけてかまわないとなった。

 

 そして今回の口蹄疫問題だ。この政権には、危機管理能力もそもそも危機意識そのものもないことが、はっきりと露呈した。そんな中で、鳩山首相は終始一貫してブレ続け、くるくると同じところを飽きずに回り続けている。国民を道連れに…。

 

 「この政権は、国民から遵法精神を奪い、社会秩序を壊し、国民にアパシーとアノミーを植え付けているな。たいした破壊力だ」

 

 そんなことを思いながら外を見ると、いつのまにか鬱陶しい雨が降り出していた。傘は持っていないし、近くにビニール傘を買えるような売店もない。気持ちはますます陰々滅々と暗くなるばかりだ。ぬるくなったお茶まで煩わしい気がする。話題は夏の参院選に移った。

 

 「五月上旬に民主党が実施した抽出世論調査では、一人区はだいたい自民党候補が民主党候補を上回っている。山梨のK氏は今のところ勝っているが、それは30対29と1ポイント差に過ぎない」

 

 こう言った私に、男は真剣な表情になって聞いてきた。

 

 「小沢幹事長は二人区に二人立てることにしていますが、共倒れもあると思いますか。民主党の議席は30台と見ていますか」

 

 首相官邸までは普段は歩く距離だ。だが、びしょ濡れになるのは嫌なので、タクシーを拾った。社の規定でワンメーター分、710円の金額では取材経費として精算することは認められない。当然、自腹となる。三年前の参院選の結果を見て、いずれ日本がこうなることは覚悟していたが、腹立たしいことばかりだ。

 

 そうだ、こういうときは気分転換に映画でも見よう。さいわい、今度の日曜日にはあの名作の上映会がある。

 

 第2回「正論」シネマサロン


 


 「受験のシンデレラ」上映会のお知らせ

雑誌「正論」は、読者の方との交流の場として映画上映会を開催しています。シネマサロンの第2回は、2007年度モナコ国際映画祭で作品賞、主演男優賞、同女優賞、脚本賞の四冠を獲得しながら、日本国内での公開は一部劇場にとどまった「受験のシンデレラ」(和田秀樹監督)を上映します。

 多くの受験生を東大に合格させ受験指導のカリスマと呼ばれる男が、驕り高ぶる日々のなか、末期がんに侵され余命1年半であることを知る。一方、父が出奔した後、働きもせず遊び呆ける母親のもとで暮らす少女は高校を中退し、彼氏にも裏切られて人生に絶望していた。自殺を図ろうとする少女に偶然出会った男は少女の抜群の数学センスに気づき、自分の残り時間をすべて費やして東大に進学させようと決意する

 いかなる境遇にあっても、明日を信じて努力すれば人生は必ず変えられる、夢は叶えられるというテーマを追求した本作は、新学期を喜びで迎えた若者、逆に失意で迎えた若者、その両親家族それぞれに向けて今や忘れ去られた感のある直向(ひたむ)きに生きることの意味、「努力すれば人生は変えられる」という熱いメッセージを届けます。家族のあり方、医療における「緩和ケア」や「格差」など今日的な問題も盛り込まれ、エンターテインメントの枠を超えた社会派ドラマとしても胸を打ちます。

 出演は寺島咲、豊原功補、田中実、浅田美代子ら。(2007年 (c)「受験のシンデレラ」パートナーズhttp://www.juken-movie.com/

和田秀樹氏のオフィシャルブログ「テレビで言えないホントの話」 http://ameblo.jp/wadahideki/entry-10517880017.html

「受験のシンデレラ」のDVD購入はこちら和田秀樹氏の公式サイト http://www.hidekiwada.com/

〔日時〕平成22年5月23日(日)正午(開演)~午後3時30分(終演)

〔場所〕九段会館大ホール 千代田区九段南1-6-5 地下鉄九段下駅すぐ

〔主催〕産経新聞社 雑誌「正論」 緑鐵受験指導ゼミナール

〔協賛〕積水ハウス株式会社

〔入場料〕事前予約1,000円(税込)当日券 1,500円(税込)(学生は学生証提示に限り1,000円) 全席自由

〔申し込み〕郵便番号、住所、氏名、電話番号・ファクス番号、購入する枚数を記入し、03-3241-4281までファクス、もしくはseirontaisho@sankei.co.jpまでメールでお申し込みください。予約番号を記して予約券として返送しますので、当日、受付にお持ちください。予約券をお持ちの方には1,000円で入場券を販売します。当日券は1,500円ですので、どうぞ事前に予約をお願いします。

〔問い合わせ〕産経新聞社正論調査室 03-3243-8454(平日午前10時~午後6時)

午前11時開場/正午開演です(上映時間106分)

映画上映後、本作の監督をつとめた和田秀樹氏(精神科医、産経新聞正論メンバー)、脚本をつとめた武田樹里さん(シナリオライター)、雑誌「正論」編集長・上島嘉郎によるトークライブを行います。

 

 

えー、この問題はすでにあちこちで取り上げられているし、国の外交・安全保障や教育問題、財政問題を左右するような話でもないので傍観していましたが、本日、新たな動きがあったので参考までに記しておきます。以下の発言は、昼に国会内で開かれた民主党の代議士会でのものです。感想は…まあ特別なものはありませんが、お二人ともひたすら強気のポーズをとっていますね。

 

三宅雪子氏 ここで一言、お詫びを申し上げたいと思いまして、お時間をちょうだいしております。今回、私の転倒にあたりまして、大変、みなさまにご心配をかけ、またお騒がせをしまして大変、申し訳ありません。地元でいろいろご質問も受けることと思いますが、言うまでもなく、私が私自身で転倒したという事実もございませんし、それをまた、自民党の議員の方に言ったという事実もございません。この2点だけははっきりさせておきたいと思います。

細かい点につきましては、私のブログで釈明させていただいております。私はこういう時は黙っている方が良いと思いまして、先週はあまり発言をしないでいたんですけれども、そのために土日に大変、ひどい報道がされまして、日曜の夜にブログに細かい説明をさせていただきました。いくつかのインタビューには、ナマの条件とか、編集の条件とかで受けさせて頂きました。

私としては精一杯説明したつもりでございます。今回ばかりは、私は応援で駆けつけたところで巻き込まれたということで、本当にみなさまにはご迷惑をかけていると思いますが、これからもよろしくお願いします。本当にすいませんでした。

 

山岡賢次国対委員長 いろいろと相手は言っているが、誰の目にも明らかなので私たちは懲罰の手続きをきちんととっている

 

…まあ、確かに、映像を見る限り、誰の目にも明らかだという点では全く異存がないというか私もそうは思うのですが、一体何をおっしゃるやら、ご無理ごもっともでありまして、いやはやなんとも、はてさてどうしたものかと…。同僚記者に聞くと、民主党議員たちも陰では「あれは自分でやったに決まってるだろ」と言い合っているそうです。

 

 さすが、誰の目にも透明でオープンな政治を目指す党だけあって、いろいろと見え見えの行動をとって国民により政治を身近に、わかりやすくしてくれていますね。みなさんのたゆまぬ努力に、きょうも自然と頭が下がり、心が友愛で満たされていくの実感します。ありがとうこざいました。

 

 ところで本日、私はふと思うところがあって、昨年9月16日の鳩山内閣発足時に発表された鳩山首相の「基本方針」を読み返してみました。茶化すつもりはなく真面目な話、少々抽象的ではあるものの、当時の内閣の高揚感や意気込みが伝わってくるようで、久しく忘れていたある種の「清新さ」すら感じました。その冒頭にこうありました。

 

 「私は、先の総選挙は、民主党及び友党のみの勝利ではなく、国民の政治へのやりきれないような不信感、従来型の政治・行政の機能不全への失望とそれに対する強い怒りが、高い投票率になって現れ、政権交代に結びついたものだと考えてきました。その意味で、総選挙の勝利者は、国民一人ひとりであるはずです」

 

 それが9カ月後の今では、最大の敗者は…。

 

 本日は、民主党の小沢一郎幹事長の元秘書、石川知裕衆院議員の東京地検による事情聴取が行われました。15日には、小沢氏自身の事情聴取もあったわけですが、それでも民主党内から小沢氏を引きずりおろそうという動きは出ていません。今朝の毎日新聞の世論調査(内閣支持率23%、前月比10ポイント減)では、小沢氏に幹事長辞任を求める声が78%に上っているにもかかわらずです。

 

 東京検察審査会は4月27日、小沢氏について「起訴相当」という議決を行いました。このときは、党内でようやく小沢批判の声が上がり始めたのですが、鳩山首相が翌朝に「幹事長には、このまま頑張っていただきたい」とひたすらかばってみせたことで勢いを失い、すぐに消滅しました。このときには、ある民主党の中堅議員はこう嘆いていました。

 

 「支持率は10%以下になるんじゃないか。気が狂っている。国民を敵に回してしまっている」

 

 でも、この議員にしても、オフレコ(匿名)ではこう述べても、オンレコでは同じことは決して言いません。なんとも閉塞感の漂う重苦しい民主党であります。トップと実質トップのナンバー2が、互いのすねの傷をなめ合って奇妙な均衡状態をつくり出し、内外の軽蔑を招いている。いつまでも政権与党がこんなありさまであっていいはずがありませんね。

 

 そこで本日は、何者にも妨げられず、何があっても動じもブレもしない明鏡止水の境地から、私にいつも適切かつ物事の真相をえぐる尊いお言葉をくださる当代の偉人、「ミスターL」に、この小沢氏について語ってもらうことにしました。ミスターLは、その神ともみまがう神々しくも鋭い舌鋒で、果たして小沢氏のことを何と論じるのでしょうか。

 

  過去20年間、政局の中心に居続ける小沢氏をどう評価しますか。

 

 ミスターL 大変強いリーダーシップを持たれるときもあったが、逆に自分の主張を遂げるために民主主義の基本的原則を超越、無視してきた部分があって信奉者が離れていった(平成10年4月11日付日経新聞インタビュー)。

 

  なるほど、鳩山政権は政治主導の名の下に、天皇陛下と中国副主席との特例会見をセットしましたし、今も国会法改正案で官僚の国会答弁を禁止しようとしています。これは外国人地方参政権に対する法解釈なども、自分たちで勝手に決めるという布石にも思えます。政治主導という意味がゆがめられている懸念を感じます。

 

 ミスターL 私はこの発言を聞いてゾッとするような空恐ろしさを感じました。小沢氏の発想は、明文化された法律でも内閣次第でどのようにも運用可能というもの。このような発想は、安全保障以外にも転用される恐れがある。例えば首相の法解釈だけで突然税金が上がったり、対立する政治勢力が弾圧されたり。いわゆる独裁者の思考なのです。(中略)

 新党さきがけ時代から、私はこうした小沢氏の手法に危険性を感じ、警戒してきました。小沢氏の政策自体には同調した人々も、民主的プロセスを無視したやり方に失望して多くが離れていったのです。(平成10年12月3日付夕刊フジコラム)

 

 私 ただ、小沢氏を政治改革の旗手として期待した人は多かったですね。今はだいぶ、国民の目にも正体が知れ渡ってきましたが。

 

 ミスターL 結局、小沢氏が五年前に自民党を飛び出したのは、派閥内や自民党内の権力闘争に敗れて飛び出しただけで、国民にそれを悟られないために「政治改革」の旗を掲げていただけ――としかいいようがありません。そして、第二自民党を作ろうとしたが挫折し、再び自民党に舞い戻ろうとしているのです。

 こういう政治家がいるから、国民の目には「政治家は自分たちの器の中で権力闘争をしているだけ。国家のことも国民のことも考えていない」と映り、政治に対する失望感が増大するのです。(平成11年2月25日付夕刊フジコラム)

 

  なるほど。小沢氏は今後どうなっていくのでしょうか。

 

 ミスターL いよいよ小沢氏は政治家として終焉を迎えつつある。ついにここまできたかという思いだ。(平成11年12月1日の記者会見で)

 

  ところで、一方の首相のブレについてはどんなご感想をお持ちですか

 

 ミスターL 日々、ブレておられますからね。いつも二転三転、なかなか意思決定をされないようでありますので、国民の皆さんも政権が末期症状だなという認識をさらに新たにしたのではないかと。そう思いますね。つまり、日常茶飯事なものですから、あまりこれ以上、コメントしない方がよろしいのではないかと思います。(平成21年7月1日、国会内で記者団に)

 

 …ミスターLは本日も、バッタバッタと小気味いい名調子でぶった切ってくれました。特に、鳩山氏に対しては、もうコメントしたくもないようですね。お気持ちはよく分かります。

 

 しっかし、もともとはこれほど小沢氏を強く批判していた鳩山氏と、当の小沢氏のもたれ合いだけでも気持ち悪いのに、それを輿石東参院議員会長が全力で支えるという醜悪な構図は、もう一体何と表現したらいいのでしょうね。一言でいって「ダメだこりゃ」でしょうか。

 

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