2010年10月

 

 米ワシントン・ポスト紙がこの人の存在を知って「そうだ、世界で最も間抜けな組織に与える『ルーピー賞』をつくろう」という天啓を受け、それを実行したという世紀の偉人、鳩山由紀夫前首相が昨日、訪問先のハノイで記者団に対し、自身の引退宣言の撤回を表明したそうです。6月の首相辞任の際には「総理大臣たるもの、その影響力を行使しすぎてはいけない。次の総選挙には出馬しない」と偉そうに言っていたくせに。

 

 いったい、何度国民を唖然、呆然とさせたら気が済むのでしょうか。この人について私は9月26日付の産経コラムで「鳩山前首相に引退を勧める」という一文を書いたことは、以前のエントリでも紹介した通りです。そうしたら、9月29日付の朝日新聞にも、北海道報道センターの若松聡記者が「鳩山氏は早期に議員辞職すべきではないか」という記事を書いていました。多くの人が似たような思いを持っているのだと考えます。

 

 ところが、ルーピーのルーピーたるゆえんというか、頭のネジが外れ、シナプスとシナプスがもつれ、ほつれて人類の言葉が理解できない鳩山氏は自己愛と自己陶酔の極北へ立ち、次のように語ったといいます(産経は今回、同行取材をしていないので、他紙を総合して記します)。

 

 「議員を続ける方向に気持ちが傾いている。党の状況が思わしくないから、自分の役割を投げ出していいのかと、いろんな方々から声をいただいている。辞めたときと状況が違うから、前向きに変えなきゃいけないかなと思っている。今年中に結論を出す」

 

 …これは何のギャグだ?誰だよ、ルーピーをまたその気にさせたのは?余計なことをしやがって、と正直思います。先日もある官邸スタッフと話をしていたら、やはり「本当に愚かな人だった」と述懐していましたが、仙谷由人官房長官の「柳腰」とは違った意味での手強さを感じます。人が一生のうちにそう何度も出会うことのできない正真正銘の、本物の「◯×」を見ているのだと諦めるしかありませんね。

 

 で、そんなことを思いながら同僚記者たちの取材メモをチェックしていたら、自民党の石破茂政調会長が激怒しているのが目につきました。いやほんと、鳩山氏はそろそろ国民の逆鱗に触れてとうぜんでしょうが、かなり激烈で面白いと感じたので報告します。

 

記者:鳩山前首相が引退の意向を撤回したが。

 
石破氏信じられないどうかしている。自分の言葉に責任を持て。特に政治家の出処進退というのは最も重要なことであって、「辞める」と言った、それをいとも簡単に取り消す。それも民主党が私を必要としているというような理由である。いかなる理由があっても、総理まで務めた人が軽々と前言を撤回するということはその人が作った民主党、そして民主党が発言すること、そのことも全て信用がならないということだ。だから、これはどうしても証人喚問を求めざるを得ない。裁判が終わったら検察にある書類は全部出しますと、あれも大嘘だったわけですよ。この人の大嘘に世界中が翻弄されたわけですよ。これを断罪せずしてどうするかということだ。許し難い

 記者:小沢元代表とも合わせて証人喚問を求めるか?

 
石破氏:そうなりますね。これはね。昨日、民主党に対する厳しい審判が下った。その日に平気でああいうことを言うという神経を私は疑う国民に対する挑戦。そして政治家というものを貶める愚かな振る舞だと思っている。こういう人はもう徹底的に国会に呼んで真実を明らかにするのがわれわれ議会の責任だと思っている。

 記者:国対レベルでは民主党の調査を待つということになっていたと思うが、昨日の選挙の結果や鳩山さんの発言も受けてということか?

 
石破氏:そうだと思う。私はあの人が政権を取り、日本をめちゃめちゃにしたと思っているものですからね。この人はこういう人であったのだということを国民の前に明らかにする必要があると思う。普天間の問題にしても、財政の問題にしても、あの人が政権を担ったことによってこんなことになっちゃった。それでも辞めればまだ許せるかと思ったが、なおやるというわけで、何をかいわんや言語道断

 

 …石破氏には、この怒りを国会の場でストレートに表し、どんどんやってほしいところです。まあ、実際は証人喚問実現は難しいのでしょうが。でも、どうして鳩山氏や仙谷由人官房長官らはわざわざ他人の気持ちを逆撫でするような言動ばかりとるのでしょうか。菅直人首相もきょうの参院予算委員会でこう述べ、国会招致は必要ないとの考えを示しました。

 

 「(鳩山氏は)関係する裁判などはすべて終了し、首相辞任という一番重い政治責任をとった。(鳩山氏が持っていないと国会答弁した会計資料のコピーを顧問弁護士が保管していた件は)鳩山氏の個人的な政治資金の話で、直接知る立場にない」

 

 まるで他人事です。本日の菅首相は、自民党の森雅子氏の質問に対し、相手の名前を間違えながら怒りを剝き出しに威嚇していましたが、答弁内容は相変わらずの「逃げ菅」「空き菅」「すっから菅」「こりゃ、あ菅」ぶりでした。

 

 鳩山氏が次の衆院選に出馬したら、地元有権者の見識と良識が問われる選挙区として、かなり注目を浴びるだろうなと思います。その中で、スポットを浴びて嬉しそうな鳩山氏がくるくると飛び回り、素っ頓狂で的外れな演説を繰り返す姿が目に浮かびます。なんなんだ、この人たちは!

 

 ※追伸 共同電によると、鳩山氏は25日、ハノイで記者会見して、政界引退の撤回に批判が出ていることについてこう反論したそうです。

 

 「国難といえる時に、自分だけ辞めて『はい、さようなら』でいいのか」

 

 だから、その国難を招いた大きな要因の一つがあなたでしょうが…。とことん、何も分かっていない…。

 

 

22日の衆院法務委員会で、岡崎トミ子国家公安委員長は自身が2003年にソウルの駐韓日本大使館前で行われた反日デモに参加し、こぶしをふりあげて演説したことを「国益にかなう」と自己評価しました。全くもって意味不明であります。自民党の稲田朋美氏の追及への答弁なのですが、読者のみなさんに岡崎氏の真意を伝えるために、そのほぼ全文を以下にお届けします。

 

後輩の内藤慎二記者がテープ起こしをしてくれたので改めて読み返し、岡崎氏のシドロモドロぶりと逃げっぷりが強く印象づけられました。この人は自分が一体何を言っているのか途中でわけが分からなくなったのだろうけれども、とにかく必死で何かを誤魔化そうとしていますね。そんな人ばっかりだ…。

 

稲田氏)岡崎大臣の2003年の反日デモの問題をお伺いすると、質問通告したら、(民主党側から)「その問題と日本の治安との関係がない」と。だからこの委員会には来られないのだと伺いまして、私は大変驚きました。反日デモと我が国の治安は密接な関係があって、その点について質問をするべきだと思っているからです。さらに、「質問の内容を事前に知らせて、それを個別に関係があるかどうかを精査したい」という申し出もありましたけど、私は我が国で最高の言論の場である国会で質問をする権利を事前に制限される。これはおかしいことですし、ひいては国民の知る権利を侵害することであり、我が国の民主主義の根幹を揺るがすものであると考えております。

大臣、来ていただきましたので、質問をさせていただきます。まず、代表質問でも菅総理にお伺いをしました2003年の大臣の反日デモのことについてですけど、これに対して、菅総理の答弁は「本人も過去の言動に配慮に欠けた面があり、誤解を招いたことについて深く反省をし、以後、注意をしており、内閣の方針に従って職務に邁進していくという旨を表明されております」と、このように答弁をされたわけですけれども、2003年のデモはいかなるデモで、大臣はどのような趣旨で参加をされたのか、具体的な事実についてお伺いをします。

 

岡崎氏)2003年、私が韓国に参りましたのは、慰安婦とされた過去の戦争の問題に関して、人の心がたいへん踏みにじられていた。私どもは日本の中で戦後の問題、過去の問題について取り組むことが大切だというところで、私たちの活動を説明に参りました。その場所では、韓国全土から慰安婦とされたお婆さん達、被害者の皆さん達がそこに集まって来られるということで、私はその報告の場に参加をした。

 

稲田氏)報告の場に参加をされたのは、公務として行かれたのですか。

 

岡崎氏)私は一応自分の旅費で参りましたけれど、参加した時には空港の送り迎えについてはもちろん、公用車を使用させていただきました。これは国会の活動について報告に行くということで、あくまでも活動の報告だと思っております。

 

稲田氏)大臣が行かれた場所ですけど、そこは日本大使館の前であり、そこで日本政府を糾弾するデモをやっていたと報道されておりますが、間違いはありませんか。

 

岡崎)戦争の被害にあった皆さんからしますと、自分たちの要求についてその中で「ぜひ自分たちの願いを聞いて欲しい」と、そういう気持ちの場だったと思っております。

 

稲田氏)そこに大臣が行かれたのは国会議員として行かれたのか、私人として行かれたのか、いずれでしょうか。

 

岡崎氏国会議員として参りました

 

稲田氏)新聞によりますと、社民、共産など他の女性議員3人も一緒だが、日本大使館前デモには、岡崎議員だけが参加したと報道されておりますけれども、間違いはありませんか。

 

岡崎氏)たまたま報告の場に参りましたのは社民党、共産党の方もでしたけれども、私はその場に遅れまして、お二人は帰ってしまって、私がその場に最初の報告会には私は出ていない。その日は皆さんもお帰りになった。残ったのは私だけだった。

 

稲田氏)ちょっと具体的に分からないのですが、ソウルの日本大使館前で平成15年2月12日に、いわゆる慰安婦と言われている方々の反日デモに参加をしたのは、岡崎大臣だけなのか、他の女性議員3人も参加されたのか、そちらですか。

 

岡崎氏)私だけが参加いたしました。

 

稲田氏)国会議員として大使館で行われている、いわゆる従軍慰安婦の反日デモに岡崎大臣だけが参加をされたと、そのような事実でいいですか。

 

岡崎氏)たまたま後の2人は日程が合わなかったために帰国されたと思います。

 

稲田氏)デモの場で、「日本反対」、それから国旗にバッテンの付いているポスターが掲げられていたことを大臣はご存じでしたか。

 

岡崎氏)私はまったく知りませんでした。

 

稲田氏)それはおかしい。西田昌司議員が予算委員会でも提示をされたけれど、新聞の中に日本の国旗にバッテンをしたポスターの前で、大臣がたたずんでいらっしゃる写真があります。そしてそこに「ソウルの日本大使館前で12日、『日本反対』、『挺対協』などと書かれたポスターを掲げる韓国の慰安婦問題の反日デモに参加する岡崎トミ子民主党議員」というキャプションがついております。この写真も大臣は見られたことがないんですか。

 

岡崎氏)7年前の新聞、よく分かっております。でも私は全然分からなかった。私の後ろにそのモノがあったと。説明をしますと、お婆さん達が椅子に座っていたわけですけれども、そこがほとんど写されていなくて…。新聞の報道を見て初めて知りました。

 

稲田氏)それに対して、大臣はこの写真について、抗議をされたんですか。

 

岡崎氏)いたしません。私は別に後ろにあったかどうか、本当に分からない状況でした。

 

稲田氏)この写真を見たら、誰もが、しかもこの写真は世界中に配信されて、世界中の人があなたが日本大使館の前で、この慰安婦問題で政府を糾弾する反日デモに参加している写真そのものと認識をするわけです。これを知らなかったというのは通りません。

 

岡崎氏)結局、私がどういう状態でいたか説明しないといけないと思うのですけど、私がその場に着きました時には、態勢が整っていて、そして手を引っ張られるようにして位置についた時に、周りを見るそんな余裕はまるでありませんでした。本当に分からなかった。(『途中から帰ればいいんだよ!!』とヤジ)。いや、分からないんですよ!後ろにあったんです。まあ、見解が違います。

 

稲田氏)そんな言い訳、誰も信じません。何枚も写真があるんですよ。そして大臣は慰安婦の方々の前で、マイクを持って、何らか演説をされていたり、慰安婦の方々に話しかけたり、そしてそちらの方を向いて声を出したり、しかも新聞の中で「日本政府を糾弾する岡崎トミ子議員」というキャプションが付いていて、抗議もせずにずっとそのまま認めているということは、まさしくその通りだからじゃないんですか。

 

岡崎氏)いや、私は報道されたことについては「そうなんだな」というふうに思いましたけれど、私自身はまったく日の丸にバッテンは無関係です。私は日の丸、君が代、日本国のそうした国旗国歌に対して、たいへん皆が尊重していることは、私も大事だと考えておりますので、その時にはそのようなこと、まるで見えなかった、分からなかった、そういう状況は間違いございません(少し声を張り上げる)。もう少し別なフィルムででも見れば、私がどの目線でどこにいたのかが分かるだろうと思いますけど、まったく分からなかったんで驚いたんです。

 

稲田氏)だとすれば抗議をすべきだし、この問題はあなたが日本に帰ってきてから民主党内でも問題になったんであれば、こういった誤解?、あなたが言う「見ていない」のであれば、この写真について抗議をするのが政治家として普通じゃないですか。何にも抗議をしないで、「知らなかった」というのは通りませんよ、こんなこと。

 

岡崎氏)つまりそういう点について、誤解を与えたということについて、反省をしているんです。そのことをご理解いただきたい。

 

稲田氏)反省をしている内容ですけれど、写真を撮られたことに抗議をしなかったことを反省しているのですか。何を反省しているんですか。デモに参加したことは反省していないということですか。

 

岡崎氏誤解を受けたことについて、「残念だな」と思って、その点反省をしているということでございます。

 

稲田氏)誤解について、あなたは誤解を晴らすような、どんな行動をとったんですか?また、誤解を招いたことを気付いたのはいつなんですか。

 

岡崎氏)私はまっすぐに自らの国会における行動、活動につきまして、報告に行ったということですので、それでまっすぐに、例えばマイクを持っておりましたのは、私どもの活動について報告をしていたことでして、それが私の全てだったと思いますけれども、その後でその写真がそのような結果になっていたので、私はまったく(強調)本当に後ろの、そのことについては、私の責任ではございませんので、そういう思いの人たちが韓国の中にいたということですから、私には無関係です。

 

稲田氏)質問に答えてない。いつ誤解について気が付き、誤解を解くためにどんなことをしたんですか。(別の議員の声で『誤解ってあなた達がしているから言っているんですよ』)誤解を招いたって言ったじゃないですか。(ガヤガヤ応酬)

 

岡崎氏)どの時点でといいますと、私はまっすぐな自分の活動だと当時は考えておりましたので、それで報道で誤解をした方がいらっしゃったので、それについて反省をしたということです。それ以上でもそれ以下でもございません

 

稲田氏)誰が、何について、どのように誤解をしたんですか。(岡崎がなかなか答えず)。もう1回。誰が、何について、どのように誤解をしたとあなたは考えているんですか。

 

岡崎氏)例えばやはり、戦争で慰安婦とされてしまった、心ならずも70年もそういう苦しみの中で生きてきた、当時はそこにいらっしゃる被害者の方々はご高齢で、だいたい70から80になんなんとする方。今は90になんなんとする…。そういう年齢の方々です。そして「どうしても死んでも死にきれない」、「私の心はズタズタになっている」、「深い悲しみの中にいた」…。そういう皆さんたちに本当に、被害者に寄り添わなければいけない…。その時はそういう気持ちがあって、行っておりますけれど…。今日は私の所管外の委員会ですから、当時は私たちが野党として法案を持っておりましたので、その内容も説明をしなければいけないという状況でした。ですから私としては、まっすぐその活動を行ってきたということなのですが、結果としてその報道がされました後で、「誤解をする」ということで批判も受けましたので、その批判につきまして(稲田が『質問に答えて下さい』と叫ぶ)私自身は当時の役職も降りて、その事で責任をとって活動をしばらくは、党の役員は●(聞き取れず)したということです。ですから「誰が」と言われても私、よく特定することが難しいので…(『何について』と稲田)。ですから様々、全て含めて…。

 

稲田氏)誤解を招いたとはあなたがおっしゃっていることですから、何に対する誤解を招いたのかと。何が誤解なんですか。あなたが反日デモに参加していたことは誤解でも何でもないじゃないですか。そこにバッテンの日の丸があったことが誤解なんですか。

 

岡崎氏)つまりその報道によって、色々な考えの方がもちろんいらっしゃって、報道を見て様々に思った方々の中に誤解をされた、そういう活動だった、行動だったと思って反省をしております。

 

稲田氏)誤解の内容が明らかじゃないのに、何を反省しているんですか。何を誤解と考えて、何を反省しているのか。あなたが韓国のいわゆる従軍慰安婦の反日デモ、日本の大使館に対する反日デモに参加したことは事実として間違いはないんですよ。じゃあ何を誤解したんですか。趣旨ですか?

 

岡崎氏)「反日だと思われたこと」だというふうに思います。

 

稲田氏)誰が見たって反日なんですよ。慰安婦の皆さんが、だって大使館に向かって抗議のデモをして、そしてそれにあなたが参加したこと自体は間違いがないのですから、慰安婦の抗議デモにあなたが参加したことについては、誰も誤解はしていない。ですから、デモに参加したことについてあなたは反省をしているのかしていないのか、どちらですか。

 

岡崎氏)私は今でも思っておりますのは、あの時は70代、そして今は90代になんなんとするお婆さんたちがなぜそこで自分たちの要求を言わざるを得なかったのか。どんな人生を歩んできたのか。そういう被害者としての悲しみ、苦しみ、それが70年以上続いているということ。その事に対して私は自ら過去の問題について取り組むことが大事だと考えて参りましたし、被害者に向き合うことが大事だと考えて参りましたので、その活動なわけなんです。その報道によって、私の活動が「反日」だと言われたことが「誤解」だと思っております。私は反日の活動をしたつもりはございません。むしろ、戦争の問題についてきっちり答えていく、そしてこの国が本当に世界の国から誇りを持つ国である、今でも誇りを持っておりますけれど、そのようにさらに思っていただける。私自身は国益にかなうという風な思いを持っております(一斉に拍手)

 

稲田氏)何の拍手ですか。今の話を聞きますと、いわゆる従軍慰安婦の方々が被害者で、加害者は日本政府なんです。日本政府に対して抗議のデモをし、謝罪と賠償を求めている反日デモに参加したことについては、まったく事実としては認めているわけで、それが「反日」と評価されたとしたらそれが誤解だと言うのであれば、なんの誤解もないと私は思います。そして日本政府を加害者だとし、いわゆる従軍慰安婦の方々を被害者とする抗議の反日デモに参加したことは日本の国会議員としては適切ではないと思っておりますし、それが国益に合致するというのはとても理解できません。従いまして、あなたがおっしゃっている「反省」はまったく「反省」になっていない。そういった方が日本の治安のトップにいらっしゃることはたいへん不適切だ。質問を変えますけれども、国家公安委員長、ただいま行われております中国の反日デモについて、どのように考えておられ、それについて何か日本国内で指示をされていますか。

 

岡崎氏)こうした問題につきましては、きちんと法律に則って適切に対処するという、所管の大臣もいらっしゃいます。それで私は適切に行われているのだと思っております。

 

稲田氏)あなたは日本の治安のトップにいる大臣であります。今の質問は中国で反日デモが起きていて、それが日本国内の治安に関連することが十分考えられるので、国家公安委員長としてどのような指示を行っているのですかという質問です。

 

岡崎氏)警備局におきましては公安の安全と秩序を維持するために、国の公安、または利益にかかる犯罪等の取り締まり、及び犯罪に関する情報収集等の事務を行っておりますので、こうした活動の内容に対して、警察活動としてはきちんと支障がないように行っているということでして、私自身がきちんと行ったということではございません。

 

稲田氏)今のお答えを聞いておりますと、結局、中国の反日デモが日本の国内に影響を与えるのではないかということに関連して、委員長として日本の治安のトップであるあなたは何も指示はしていないということですね。中国で行われている反日デモ、あなたの韓国における従軍慰安婦の反日デモ、同じようなことなんですよ。大使館に向けてデモ行進をして、政府を糾弾する演説をする。まさしく同じ反日デモについてあなたは参加したということなんです。そして中国の反日デモに対してあなたは国内で何一つ指示もしていない。私は日本の治安のトップとして不適切だと思いますので、辞任をされることを求めます。それではお伺いいたしますが、韓国の反日デモにおいて、いったい何を主張してこられたのか。マイクを持って。そしてあなたは慰安婦に「補償するべきだ」と考えておられるのか否か。また、個人的な戦後補償をするべきかと考えているのかどうかについて、お伺いいたします。

 

岡崎氏)所管外の委員会で、しかも議員立法で…。私の所管はただいま国家公安委員長としてこちらに出席をさせていただいておりますので、そうした細かい内容につきまして…。

 

稲田氏)細かい?

 

岡崎氏(ムッとした様子で)いや、事前にも何も言われておりませんし、私は今回は詳しくお答えはいたしません。

 

稲田氏)大臣はデモに参加して、あなたは何らかの演説をしたわけです。慰安婦の方々の立場に立って、政府を加害者として演説をした内容が何だったか、何で答えないんですか。それは慰安婦に補償すべきだという演説だったのではなかったのか、そこをお伺いしている。

 

岡崎氏)議員立法の内容についてまで、所管外の委員会で、申し上げる立場にはおりません。

 

稲田氏)私が聞いているのは、国家公安委員長としての資格があるかどうかに関連をして、反日デモでいかなる内容の演説をしたのか、これを聞いている。たぶん内容は、慰安婦に補償するべきである、日本政府に対してそれを大使館に向けて、演説をしていたと思います。内容についてお伺いしているわけですからどうして答えないんですか。答えて下さい。

 

岡崎氏)私が総理から指示書をいただきましたのは、国民の安全のために治安を確保すること。このことに全力を挙げていくという仕事ですから、これからもその点に従って、しっかりと頑張って参りたいと思います。

 

稲田氏)答えてないですよ。もう一度聞きます。2003年のいわゆる慰安婦の反日デモにおいて、日本の大使館に向けてあなたが演説した内容は何ですか。

 

岡崎氏)その問題について今日はお答えいたしません。(ガヤガヤ紛糾)

 

稲田氏)岡崎大臣は国会議員として韓国へ行き、国会議員としてデモに参加をした。しかしそれを「反日と誤解を招いた」と先ほどからお答えになっている。私は誤解ではないと思います。デモに参加されたことは事実であり、大臣自身が認めていらっしゃるわけです。ただ、大臣が「反日だと誤解をされた」とおっしゃるのであれば、その場で大臣がどのような演説を大使館に向かって、何を訴えられたのか。それはお答えになるべきだと思います。

 

岡崎氏)韓国との信頼関係を取り戻していくことが基本的にはございますけれど、取り戻すために、そして被害者の皆さんたちは一貫して、私たちが申し上げておりますのは、人間の尊厳の回復です。人間の尊厳の回復を訴えました

 

稲田氏)たいへん抽象的で、その場で何を訴えたのかという質問に対するお答えになっていない。日本大使館に向けて日本国政府にマイクを持って何を訴えたんですか。「個人補償をしろ」と訴えたんじゃないんですかと聞いている。

 

岡崎氏)とにかく日韓関係を信頼のある関係にするということと、被害者のお婆さんたちの気持ちを考え、私たちはお婆さんたちの人間の尊厳を回復していきたい、その1点の報告を致しました。

 

稲田氏)答えになっていない。従軍慰安婦の皆さん方の前で、日本国政府に対して、大使館の前でマイクを持って「個人補償して下さい」と訴えたんじゃないんですかという質問です。

 

岡崎氏)同じ質問には同じ答えなんですけれども、お婆さんたちの人権という問題について考えて、人間の尊厳の回復をするということが彼女たちの叫びです。

 

稲田氏)答えていないんです。答えて下さい。何で答えない。

 

岡崎氏)私自身は十分にお答えしたと思っております。

 

稲田氏)答えてないんですよ。

 

岡崎氏)繰り返して申し上げることにはなりますけれども、人間の尊厳の回復を求めて、私は申し上げました。しかも7年前のことで、もし不正確なことを言うよりは、的確なことを言えば、はっきりしておりますのは人間の尊厳の回復であったと、そのことのために、要求をしたということでございます。(外野から拍手)

 

稲田氏)答えてません。答えてません。答えてないじゃないですか。

 

岡崎氏)やはりトータルで言いますと、人間の尊厳の回復のことだけを覚えておりまして、不正確であることについてこの委員会でお答えするのは避けなければいけないと思っております。とにかく、(『答えてない』と稲田氏)日韓関係、信頼関係を取り戻していくという作業であった、そして個人個人の人たちが本当に一人一人豊かな人生を歩む権利があるわけですので…(ガヤガヤ)個人補償の問題も含めて、私は不正確であってはならないと思っておりますので、その点ご理解をいただきたい。

 

稲田氏)まったく納得できません。個人補償の請求をしたかどうか。ここまで抵抗してお答えにならないという事態が、私はおかしいと思いますし、大臣がまったく反省をされていない。この慰安婦の政府に対する大使館に向けての抗議デモは、まさしく被害者という慰安婦が、日本政府を加害者として個人補償を求めるデモで、あなたがそこの場に行って、個人補償を請求していないことはあり得ないと思いますけど、頑なに自分が何を言ったかお話にならない。大臣は反省もなければ、まったくそれに対する認識もない。私はあなたがこの国の治安のトップであることは、この国の治安にとって、たいへんな国益を害することですので、大臣の辞任を求めて、私の質問を終わります。()

 

 

 

 したたかでしなやかな自称・「柳腰」を誇る仙谷由人官房長官は、きょう午前の記者会見で、参院議員運営委員会で、これまでの参院での国会答弁について陳謝したことを自ら明らかにしました。で、ここからがこの人らしいというか、すぐさま「悪かったな!フンっだ!」という感じの傲慢不遜ないつもの彼に戻ったのです。以下、仙谷氏の望み通り、記者会見の関連部分を切り貼りせずにそのまま報告します。

 

 仙谷氏 9時半に参議院議院運営委員会理事会に呼ばれましたので、そして陳謝をせよということでございますので、次の通り、私の方から申し上げました。

「鈴木委員長をはじめ理事の皆様のご了承を得て、ひと言申し上げます。参議院における質疑において、私から不適切な答弁、本院決定事項について異を唱えるような答弁がございましたことについて陳謝致します。今後、国務大臣として真摯な答弁に務めて参りますので、何とぞよろしくお願い申し上げます。また、蓮舫大臣の雑誌記事の件についても、院内の議員活動の範囲を超え、またその後の本院における答弁も不適切であったことを私からも厳重に注意をし、本人も反省しております。官房長官として陳謝致します。今後内閣としてこのようなことが起きないように十分、気を付けて参ります」

これを申し上げて参ったところであります。

 

記者 参院質疑での不適切な答弁はどの答弁で、どういう点が不適切だったのか?

 

仙谷氏 あのう、今申し上げたのを、あるがままに受け取っていただければ結構でございます。その余はノーコメントに致します。はい、どうぞ!

 

記者 謝罪をした感想、気持ちはいかがか。

 

仙谷氏 ノーコメントです。

 

記者 議運の理事からの発言はどうだったか?

 

仙谷氏 それもノーコメントです。

 

記者 経済対策などをめぐって国会で与野党協議の在り方が協議されている中、官房長官の答弁が議運で問題視されていることについてはどう考える?

 

仙谷氏 ノーコメントです。

 

記者 長官、なぜノーコメントなんですか?

 

仙谷氏 ノーコメントだからノーコメントです。

 

 …自分から議運で陳謝した話を振っておいて、記者がそれについて質問すると、6回もノーコメントを繰り返して何も答えません。結局、「ボク、何も悪くないもん!」と思っているので、記者にも答えたくないというだけしょう。

 

 この人は、歩くときや、ぶらさがり取材に応じるときもよく両手をズボンのポケットに突っ込んだままにしていますが、要するに「ガキ」なのですね。ガキが馬齢を重ねて今、こういうみっともない姿をさらしていると。

 

 昨夜も、時事通信の配信記事が仙谷氏について「老かい」という表現を使っていましたが、これはそんなご立派なものじゃない。もっと消耗させられる嫌な何かです。

 

 ちなみにちょっと宣伝をさせてもらうと、私は今度の雑誌「正論」(12月号)に「度し難き民主党外交の無能と卑怯」(仮題)という記事を書きました。振り返ると今年は、総合誌・オピニオン誌からの注文が多く、「文藝春秋」5月号に「政権交代は『労組の天下盗り』だった」、「新潮45」7月号に「トップの言葉 存在の耐えられない『政治答弁』の軽さ」、「Voice」8月号に「かくも〝社会党的〟害毒に満ちた菅政権」、「WiLL」10月号に「赤い官房長官 仙谷由人が国を売る」――とけっこう書いてきました。いずれも題名は編集部がつけたものです。

 

 政権が愚劣で醜悪であるほど、商売繁盛(?)だというのも、なんとも因果なものだと感じます。しかしまあ、人に嫌われる仕事であろうと、やるしかないと…。

 

 

 きょうは参院内閣委員会が開かれていたのですが、NHKでテレビ中継され、議員もたくさん出席してヤジが飛び交う予算委員会と違い、やはりいまひとつ盛り上がりにかけました。その中でも、もちろん重要な質疑はあったわけですが、例の中国漁船衝突事件のビデオ映像について、仙谷由人官房長官が述べた言葉がとてもひっかかりました。

 

 要は、仙谷氏はビデオ映像は永久に公開したくないのだということが、改めてよく分かるシーンでした。裁判証拠だというのであれば、船長の処分が確定した後には公開するのだなという趣旨の質問をした自民党の岡田広氏に対し、仙谷氏は不起訴となることを前提にこう述べたのです。

 

 「公判請求に至らない事件記録はむしろ、むしろ、これは、一般的には公開してはならない記録ということになって、検察庁か、あるいは所轄の警察の倉庫に眠るというのが、刑事訴訟法47条の規定でございます」

 

 あくまで国民の目に触れさせたくない、いっそなかったことにしたいという強い思いが表現ぶりに表れているなと感じた次第です。この人はかつて行政刷新担当相時代、繰り返し政治や行政の「透明さ」「オープンさ」を進めようと強調していたのに、今では国民の目に事実が映るのをひたすら恐れて遠ざけようとしています。

 

 で、ここでいったん話が飛ぶのですが、この仙谷氏についてきょう、衆院第二議員会館の前にこんな看板が立てかけられていました。

 

     

 

 

 そこで、ここで何より政治と行政の透明さを尊ぶ「柳腰さん」に登場いただこうと思います。道に迷ったとき、ブレない彼の言葉は私を支え、正しい場所へと導いてくれるのです。

 

  仙谷氏は対中配慮で頭がいっぱいで、国民の知る権利などどうでもいいようだ。尖閣諸島をめぐる対中外交も正規のルートを通さず裏であれこれやってばかりで、透明性がない。あなたはどう思うか。

 

 柳腰さん ああいうオープンな場で、パンドラの箱を開けたような形になった。ここまで世の中の関心を呼ぶのかと。アンダーテーブルのあれやこれやがかなり出てきている。政治の文化大革命が始まったのではないか。(2009年11月12日のシンポジウムで)

 

  えっ、これはあの最悪の文化大革命だったのですか。それがもう始まっていると…。これは何の比喩、逆説なのでしょうか。愚昧な私にも分かるようにもう少し分かりやすく教えていただけませんか。

 

 柳腰さん 政治全体が国民の目によって洗われる意味で、文化大革命が始まると僕は認識している。おおいにいいことだ。(09年12月9日のテレビ朝日の番組で)

 

 …残念ながら本日の柳腰さんの話は高尚すぎて、私にはよく意味がくみ取れませんでした。ただ、どうしてか底知れぬ深淵、うかつに見てはならない何かを覗いたような心持ちがしたのです。この国民の目をしっかりと意識した姿勢は、仙谷氏にも是非見習ってほしいものです。

 

 しかしまあ、こんな風な肯定的文脈で文化大革命を語る人は珍しいでしょうね。独特の言語感覚と語彙、そしてよく分からない文革へのこだわり…とますます彼に深く傾倒していく自分をもう止められません。

 

 … 

 

 えー、連日、仙谷由人官房長官の話題で申し訳ありませんが、ここは一つこだわってみようと思います。この人が今年7月、韓国に対する新たな戦後個人補償を行いたいという妄言を吐いた際、私は産経紙面で次のように書きました。

 

 《日韓両国の個人補償請求問題は1965(昭和40)年の日韓基本条約とそれに伴う協定で「完全かつ最終的に」解決されている。にもかかわらず仙谷氏は「当時の韓国は軍政下だった。法律的に正当性があると言ってそれだけでいいのか」と述べ、「政府見解」に異を唱えた。

 菅内閣は「北朝鮮との国交正常化を追求する」としているが、仙谷氏の解釈に従えば、軍事をすべてに優先させる「先軍政治」を掲げる北朝鮮と国交正常化しても無効ということになるのではないか》(7月10日の記事「仙谷氏、見せ始めた『超リベラル』志向 狙いは慰安婦賠償法案? 詭弁を弄して本音隠し」)

 

 《仙谷氏は7月7日、日本外国特派員協会での講演や記者会見で突如、韓国への戦後補償は不十分だとして、新たな個人補償を検討する考えを表明した。

 この発言自体、(中略)条約・協定締結のために長年苦労を重ねた先人たちへの侮辱でもある》(8月1日の記事「日曜日に書く 仙谷長官の危うい思想背景」)

 

 …このときは、この人は国と国との基本条約を何だと思っているのだろう、とんでもない暴論だと思っていたのですが、本日、過去の国会議事録を読んでいて、己の認識の甘さに思い至りました。仙谷氏は、今年1月22日の衆院予算委員会で、自民党の小池百合子氏とこんな質疑を行っていたのでした。

 

 小池氏 仙谷大臣はどんな学生運動をされたんですか。

 

 仙谷氏 入学のときには、たぶん、日韓基本条約反対のデモに参加した記憶がございます。それから、横須賀に原子力潜水艦が入ってくるので、これの反対のデモに横須賀に行った記憶もございます。それから、東大闘争のときは司法試験に合格した後に、安田講堂あるいはその前のラグビー場の事件というのがあって逮捕者が出ましたので、この救援対策に奔走いたしましたし、ベトナム反戦のデモには相当多く出かけていったような記憶があります。

 

 …なんだ、最初から日韓基本条約に反対していたのか。で、その初志を今も貫いていると。なるほど、これは私の認識不足でした。三つ子の魂百までと言いますが、仙谷氏は当時からずっと変わっていないのだと考えた方がよさそうですね。分かりました。

 

 自民党は今後の国会で、菅内閣の攻撃対象を主に仙谷氏に絞るという話も聞こえています。この人は官房長官就任直後から記者会見などで「イラ仙」ぶりを発揮していましたが、これからますますストレスを募らせ、あらぬことを口走るのではないかという気もします。ご本人は、菅内閣の「守護神」のつもりかもしれませんが、だんだん「アキレス腱」になりつつあるようにも思えるのです。

 

 まあ、私の知ったことではありませんが。

 

 

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