2010年12月

 

 ただの思いつきであり、それ以上の意味はないことを断りつつ、しかし、ちょっと触れたいので書いてみます。

 

 海江田万里経済財政担当相はきょう、報道番組で、2011年度税制改正大綱で、給与所得控除の上限とすることが決まった年収1500万円について「金持ちではない。中間所得者だ」と述べました。 なるほど。

 まあ、これは、基準をどこに置くかによってそうなのかもしれません。でも、年収1500万円を超える給与所得者は全体の1.2%に当たる約50万人だとのことですし、弊紙の場合、役員になってもそこまで到達するかどうか…。この先、会社員人生をまっとうしたとしても、そんな年収は見込めません。

 

 しかし、この1500万円という数字でどうしても思い出すのは、昨日、引退表明を撤回した鳩山由紀夫前首相が母親から一カ月にもらっていた「子ども手当」の額と同じだということですね。

 

 そうですね、そりゃ、鳩山氏がもらっていたかどうかすら「天地神明に誓って」気づきもしなかったという程度の月の小遣いの所得者を、民主党政権としてはとても「金持ち」とは呼べませんね。分かりました。

 はい、馬鹿らしいのでここでやめます。

 

 本日、沖縄県を訪問した菅直人首相は仲井真弘多知事との会談で、米軍基地が沖縄に集中している現状について、

 

 「私も皆さんからみるとヤマトンチューの1人ですが、日本人として大変申し訳なく、政治家としても慚愧に堪えない」

 

 と述べたようです。実は仙谷由人官房長官も13日の記者会見で

 

 「日本人として、もう少し言えば、ヤマトンチューとして、しわ寄せを(沖縄に)ずっと押し付けてきた格好になっている」

 

 と語っています。私はこういう言い方にものすごく違和感を覚えるのです。例えば、「同じ日本人として」と言うのであれば、理解できるのですが、二人の言い方は、むしろ、沖縄を別に切り分けているように聞こえるからです。

 

 菅首相と仙谷氏の物言いを聞いて、思い出すのは確か平成9年5月に、沖縄に出張に行った際のことです。泊まった安ホテルの食堂で沖縄タイムスだったか琉球新報だったか、何気なく地元紙の投書欄を読んでいて、思わずうめかされました。

 

 ちょうど施政権返還25周年の特集が組んであって、米国統治下の思い出がいろいろと記されていたのですが、その中で、ある屈辱の記憶が語られていました。あくまで私が記憶している範囲なので、文言は必ずしも正確ではないかもしれませんが、概略、以下の通りだったはずです。

 

 それは、沖縄県民が本土から沖縄入りした社会党の訪問団を歓迎したところ、ある社会党議員から「日本語がお上手ですね」と言われ、「この人たちは、私たちを日本人だと思っていないのか」と愕然とし、悲しくなったというエピソードでした。

 

 私はそれを読んで怒りと恥ずかしさで顔が上気したのを覚えています。紛れもない同胞を、それも、歴史的経緯に苦しみ、あるいは差別すら受けてきた同胞を、ニコニコ顔で突き落とすようなことをする社会党議員と、そうした議員をつくった戦後日本社会に、私自身、どうしていいのか居ても立ってもいられない嫌な気分にさせられました。

 

 今回の菅首相と仙谷氏の言葉を、この私の記憶と結びつけるのはもしかしたら違うのかもしれませんし、また、違っていてほしいと心から願います。

 

 ただ、私の濁った頭と千々に乱れ混戦したシナプスが、愚かで誤った連想をしただけならばいいと思います。ただ、一抹の不安を覚えたので、ここに記してみました。これ以上、書き連ねるのも辛いのでここで止めます。

 

 

 今朝の閣議後の記者会見で、蓮舫行政刷新担当相は夫でジャーナリストの村田信之氏が、民主党から平成23年4月の東京都目黒区議選に出馬することを認めました。蓮舫氏はこう述べました。

 

「つい先ほど公認が出たと聞いています。目黒区議に挑戦するということです。一度、報告というか相談をされました。自分としてやりたいことがあるということでしたので、私が口を挟むものでもない。どうぞ自分でやりたいことをやる。当然のことだと思います」

 

 なるほど、別にこれには「そうですか」という感想しかありませんが、蓮舫氏とその夫君について、ついでに思い出したことがあるので紹介します。それは今年6月16日の蓮舫氏の決起集会における仙谷由人官房長官のあいさつでした。そこで、仙谷氏は蓮舫氏を国会に誘う際に夫君を利用した感動のエピソードを明かしていたのが印象に残っていたのです。

 

仙谷氏のあいさつは以下の通りです。

 

「横で蓮舫さんの熱弁に聞き惚れたが、こうやって、新人議員が6年後にこんな大きなホールにみなさんが集まっていただける。私も大変、感動をいたしている。前の選挙でもそうですが、この間の蓮舫さんの、少々至らぬところもあった民主党の政権を、愛情を持ってお支えをいただいておりますみなさんに、この場を借りて、厚く、厚く感謝を申し上げます。

 

6年前、実は蓮舫さんを担ぎ出したのは、私です。渋る蓮舫をどう口説き落としたか。あそこに村田信之という蓮舫の配偶者がいるが、この人に、徳之島で発明された育毛剤をプレゼントして、口説き落としたのが真相です。本当の話なんです。

 

(中略)子供たちのための東京、日本を私どもが、鳩山由紀夫流に言うと、居場所と出番を絶えず自分たちが持てる社会をつくる、そのためには政府が何を側面支援するのか。菅直人流にいえば、強い経済、強い社会保障、そして強い財政。強い財政なくして、強い社会保障はない。強い社会保障なくして、強い経済はない。強い経済なくして、強い財政はないということに、ようやく菅さんも気づいてくれましたので、このことに具体的に即して、子育て、医療、あるいは介護、即して語れる蓮舫さんが光り輝くだろうし(後略)」

 

…しかし仙谷氏も、何もことさら「本当の話なんです」と強調しなくても…と奇異な印象もありますが、ともあれ、そういうことであったようです。他意も底意もありません、ちょっと面白いかなと思ったまででした。おしまい。

 

 

 昨日の記者会見で、菅直人首相の指導力で実現した内閣の実績を問われて、咄嗟に具体例が思い浮かばず、「明日までに思い出す」と啖呵を切った仙谷由人官房長官はきょう、その実績とやらをいきなり30点以上、14分間にわたって挙げてきました。

 

 東京新聞に「首相判断の例 即答できず 仙谷長官しどろもどろ」と書かれたのがよほど悔しかったのか、凄まじいリベンジぶりです。もっとも、仙谷氏が挙げた例の一つひとつを見ると、それが実績か、菅首相のリーダーシップなのかと疑問も湧きますが、まあそれはおいておいて。

 

 とりあえず、参考までにそのまま掲載してみます(番号は便宜的に私がふったものです)。何を言いたいのかよく分からない部分もないではありませんが、まあ、みなさんで判断してください。以下、仙谷氏の独演会の模様です。

 

仙谷氏 昨日の宿題を私の方から申しあげる。

 

 総理のリーダーシップがどこで発揮されたのか、挙げてみろという宿題でした。私もどれを取り上げればいいのか、一覧的に申しあげた方がいいんではないかと思って、宿題にさせていただいたわけだ。まず、きょうの今日的に近い方から言いますと、先ほどの地域主権戦略会議でも上田知事や橋下知事そして、神野先生からも高くリーダーシップが評価をされた。

 

 つまり、従来、遅々としてできなかった①出先機関の権限の事務権限の委譲についても従来とはまったく様相を異にして、アクションプランで進みそうであると。さらに、②一括交付金化についてはこれは当初、各省庁の部局から出てきたのは28億円であったわけですが、総理が閣議、閣僚懇でもたび重ねて、いわば大きい声で督励をいたしまして、今年は都道府県段階だけですが、5500億の一括交付金化がなされようとしている。

 

 私が先ほど申しあげたきょうご出席の2人のまあ、皆さん方も改革派と、あるいは地域主権、分権推進派と、こういうふうに目されるお二人の知事からも歴史を画するものが総理のリーダーシップによって、できつつあるというご評価をいただいている。名実ともにこの一括交付金、出先機関改革は総理のリーダーシップによって、日本の国のかたちまで変えるというのができつつあると思う。

 

 で、国の形という観点から言いますと、もう1つの大きい総理のリーダーシップは、これは鳩山総理も大変ご熱心にお進めいただいたわけだが、「新しい公共」。これを推し進めるための③市民公益税制。税額控除の導入です。で、ここに50%まで、まあ上限が設定されるわけですが、寄付金の50%までが税額控除されると。これは極めて画期的な制度です。

 

 つまり民の資源配分を、一度、パブリックセクターを通さないで、民が自分で資源配分を選択し、行使できるということです。

 

 すべてかみにお任せすればパブリックセクター、あるいは公共性・公益性なるものが、従前に措置されるという発想から、一人ひとりが自らの収入の中からパブリックセクターをつくっていくと。そのために寄付をするんだと。あるいは労力を提供すると。そういう新しい公共をつくるための市民公益税制が導入されると。

 

 この、ある意味で大胆なシステムを決意して強力に進めてきたのも、菅総理のリーダーシップです。これは、余分のことですが、皆さん方も、給料の10%くらいは、つまり何十万くらいになると思いますが、これをどっかに寄付をしていただきたいと。そして記事にしていただきたい。「おれはここにこれだけの寄付した」ということをぜひ、自らも実行しながら宣伝をしていただきたいと思います。

 

 仮に、これは財務省は嫌でしょうけども、1兆円という額が税額控除されるという事態が起こったら、日本は確実に変わります。確実に変わります。つまり、1人1人がパブリックセクターを担うということになるわけですから、確実に私は国の形までも変えていくだろうと思っております。で、そのことについて、総理が市民運動に若いころに携わってきた経験から、これを何としてでもやろうということでリーダーシップを発揮した。


 それから、もちろん、④明日からの沖縄訪問、そして⑤諫早湾干拓事業についての上告をしないその決定、⑥今回の法人税減税ということも総理の決断、リーダーシップであります。つまり、これは皆さん方ご承知通り、いまも各省庁、あるいは、利害を有する団体や個人が多い中に、乱暴にということではなくて、皆さん方の意見をよく聞き、各部局の意見を聞きながら、しかし、この際は日本の未来にとって、この方向で解決しなければならないという思いで決断をした。

 

 それから三段構えの景気対策。⑦予備費の9200億円の、これの先行的な使い方、そして⑧補正予算、そして⑨現在の予算の組み方、法人税減税もそうでありますが、そういう三段構えの景気対策も総理のリーダーシップです。

 

 ⑩新成長戦略実現会議の設置とここでの行動というのも、総理の決断と指示に基づくものです。

 

 それから先般の⑪社会保障改革検討本部設置と、⑫社会保障改革と、⑬税制の抜本改革。これを一体的に進めるというのも、総理のアイデアと決断です。

 

 さらに内閣を担って最初に行ったのは、⑭口蹄疫対策としての大胆な資源投入です。これは自衛隊と言わず、警察と言わず、人員をでき得る限りと言いましょうか、無理をしてでも最大限投入をし、そして宮崎県とも大胆に国費を投入しての埋却地の買収、あるいは埋却の集中的な実施ということで、口蹄疫を完全に短期間で封じ込めた。

 

 それから先般の⑮鳥インフルエンザ対策も、総理の決断によって、早急にですね、始終少々の批判、つまり「やりすぎだ」という批判ありましたけども、これも非常に大胆な措置でありましたけども、島根県のこの鳥インフルエンザ対策は、現時点では誠に見事に封じ込めが成功していると。私どもは考えている。

 

 ⑯硫黄島の遺骨収集、⑰新卒者の雇用、⑱HTLV(骨髄性白血病)の施策、⑲待機児童の施策、これで特命チームを設置して、スピード感のある行政執行を展開している。HTLVについては、浅野史郎さんがそのことを新聞にも書いていたと記憶している。⑳羽田のオープンスカイも総理の決断でいち早く行った。外交に関しては、チョナン号事件(韓国の哨戒艇沈没事件)では、国連安保理の議長声明について、G20やG8の場を有効に使って、チョナン号事件での議長声明を出すことにリーダーシップを発揮した。

 

8月10日の韓国併合100年の総理大臣談話、これも総理が朝鮮儀軌の引き渡しともども決断をして、スムーズにいっている。イラン制裁で、イラン革命防衛隊まで制裁対象に加えるという決定は、国際的にも大胆なこと。アメリカとイランの核開発を阻止する。そのためのNPT体制を守る決意として非常に効果的な制裁に日本も協調した。

 

EPAについても11月に包括的経済連携に関する基本方針を総理のリーダーシップで閣議決定した。現にインド、ペルーとのEPAが締結された。横浜APECでは横浜ビジョンを取りまとめた。日本とベトナム首脳会談を行って、レアアース、原子力発電の共同開発、あるいは協力のもとにベトナムの資源の開発とインフラを構築していくことに戦略的に共同していくということが決められたのも総理のリーダーシップである。

 

TPPの検討と、食と農林水産業再生推進本部の設置も総理のリーダーシップである。日中首脳会談、これがブリュッセルと横浜で行われた。みなさんが承知の事情がありながら、最終的には総理の決断で行って、これから日中が新たな21世紀の戦略的互恵関係をつくっていく基本的なポジションをつくることができた。

 

現時点ではアフガニスタン支援についてもアメリカと協議しながら、より強力に進めていくという決断もした。COP10、COP16について総理のリーダーシップのもと松本環境大臣ともども、現状のような格好で、日本的には成功裏に推移していると私どもは考えている。

 

…まあ、なんというか、本当に、自分たちの主観の中では、素晴らしい実績を挙げている立派な政権と思っているのでしょうね。なんか幸せそうで、ほほえましい限りですね。国民はいい迷惑ですが。仙谷氏が必死でやってきた宿題に、一体、何点をつければいいのか…。

 

 

 昨日の産経朝刊に載っていた話なのですが、産経とフジテレビが11、12日に行った合同世論調査で、菅直人首相の「指導力」を評価する人はわずか6.5%にとどまりました(評価しないは84.4%)。また、「国民へのメッセージ発信」については、評価するが11.5%、評価しないが76.9%で、まあ、はっきり言えば首相として仮免許どころか落第、無免許状態であります。

 

 で、菅首相もこういう評価を気にしてか、ここのところ、一方的に記者団を集めて何事か発表し、質問には答えずに立ち去るという新たな発信方法を編み出しました。質問は全く受け付けないところが「逃げ菅」の面目躍如ですね。こういう姑息な姿勢が反感を買っていることをどうして理解できないのか。これでは首相の指導力といっても疑問符はいつまで立ってもつきまとい、はっきり言ってさっぱり理解できません。

 

 すると、なんということでしょう。菅首相の女房役(恐妻)である仙谷由人官房長官が今夕の記者会見で、首相の指導力についてきちんと解説してくれました。あまりにも明快で分かりやすい説明だったので、ここで紹介しようと思います。以下、関連部分のやりとりです。

 

記者 このところ法人税引き下げや諫早湾干拓事業にかかわる国の上告断念など、総理が自ら重要な決定を国民に説明することが増えたが、政府として総理の考えを直接伝える姿勢の現れか?


仙谷氏 うん、従来から総理が最終的な、あのう、決済というか、政治的な判断をされてきた例は随分多いわけですが、皆さま方がどうもそうじゃないみたいだと、まあ推測をされて記事をお書きになっている例も、私も散見しましたけども、従来から割と、何と言うんですか、割とというよりも相当、総理に最終的な判断を仰ぎ、総理が判断された例というのはございました、はい。

記者 その際に、総理が自ら声明発表するのは納得できるが、一方的にただ言うばっかりで質問を受け付けない。それについては?

 

仙谷氏 まあ持ち時間の関係じゃないでしょうか。

 

記者 総理が最近、相当決断しているものがあるということで、法人税率引き下げ、諫早問題のほかに、長官が特にこれはと思い当たるのはあるか

 

仙谷氏 まあ、突如そういう質問受けても、あのう、明日までに考えときますで、思い出しときます、それは。相当あったと思います、はい。(了)

 

 …そうですね。いきなり聞かれたら困りますよね。ええ、無理難題な質問ですとも。仙谷氏が咄嗟に思い浮かばなくても仕方ないと思います。そりゃそうです。さて、明日、仙谷氏はなんと言うのかなあ…。相当あったそうですしね。

 

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